ギャラリーA4で「札幌聖ミカエル教会」とアントニン・レーモンド展を観た! | とんとん・にっき

ギャラリーA4で「札幌聖ミカエル教会」とアントニン・レーモンド展を観た!

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ギャラリーA4で「札幌聖ミカエル教会」とアントニン・レーモンド展を観てきました。ギャラリーA4は、東京メトロ東西線東陽町駅から歩いて数分、竹中工務店東京本店の1階にあります。今回の展覧会についてはギャラリーA4のホームページには以下のようにあります。


来日外国人建築家でありながら、日本建築の良さを生かしたモダニズムとは何かを追求した建築家アントニン・レーモンド(1888-1976)を取り上げ、氏の北海道の「札幌聖ミカエル教会」など現存する木造の作品を通じて、「日本」におけるモダニズム建築を追求してレーモンドの個性と思想を紹介します。


「札幌聖ミカエル教会」の紹介もさることながら、レーモンドの現存する木造作品の紹介にやや重点が置かれています。「札幌」のほかに、レーモンドの「全国に建設された木造作品」として、8件の作品が取り上げられています。意外や意外、僕はほとんど観たことがありません。軽井沢にある「ペイネ美術館」や「聖ポール教会」などはもっともポピュラーなので、観ていてもいいはずなのになぜか観たことがありません。東京タワーの足下にある「聖オルバン教会」へは、友人知人の結婚式で2度ほど行ったことがあるだけです。


いま、「聖オルバン教会」の解説を見てみると、「前面道路拡張のために3mほど曳き屋されたもの」とあります。そうだったのか、なんか、最初に行った時と印象が変わっていたので、不思議に思っていましたが、これで納得しました。世田谷にあるベニヤ板張りの「東京聖十字教会」は、なぜかリストには載っていません。構造が丸太を使っていないので、レーモンド建築の主流ではないのかもしれませんが、理由は分かりません。


「聖ミカエル教会」の平面が群馬音楽堂に似ているのは、同時期に設計されたからなのか、ちょっと驚きました。北海道の建築家上遠野徹が竹中工務店にいて、「聖ミカエル」の建設に携わっていたことは、今回初めて知りました。「聖ミカエル」のステンドグラスが、ノエミ夫人がデザインした和紙によるものだとは初めて知りました。奇抜なアイデアですが、この教会を特徴付けています。「聖ミカエル」が無償の設計であったため、レーモンド事務所としてではなく、レーモンド個人の仕事として引き受けた、ということも初耳でした。










アントニン・レーモンド―全国に建設された木造作品―

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GALLERY A4(エークワッド)では、2010年4月23日(金)から6月10日(木)まで、「札幌聖ミカエル教会」とアントニン・レーモンド展ー日本で発見した木造モダニズムー展を開催致します。GALLERY A4では、『木造モダニズム』を取り上げた企画を年を追って開催しており、2008年の第1回目は、坂倉準三の「飯箸邸」と前川國男の「前川自邸」を紹介し、鉄やコンクリート・ガラスによる欧米のモダニズム建築に対し、木によるモダニズム建築が日本によって、展開されてきたことを社会にアピールしました。また、昨年第2回目は、実験住宅・自邸「聴竹居」の設計で有名な藤井厚二を取上げました。「聴竹居」を中心に現存する幾つかの住宅を通じて、「その国を代表する建築は住宅である」と言う名言を残した藤井の住宅思想を紹介しました。3回目となる今年は来日外国人建築家でありながら、戦前・戦後と日本に留まり、日本建築の良さを生かしたモダニズムとは何かを作品を通して追求した建築家・アントニン・レーモンド(1888~1976)を取り上げます。今回の展示では、レーモンドの「木造」に焦点を当て、北海道の「札幌聖ミカエル教会」、東京の「聖オルバン教会」、「カニングハム邸」など全国各地に現存する木造の作品を通じて、同世代の藤井厚ニ(1888~1938)と同じように「日本」と言うキーワードにこだわったモダニズム建築を追及したレーモンドの個性と思想を浮き彫りにできればと考えています。

GALLERY A4


とんとん・にっき-ray1 「札幌聖ミカエル教会」とアントニン・レーモンド展

―日本で発見した木造モダニズム―
2010年4月23日~6月10日
主催・企画:GALLERY A4(ギャラリーエークワッド)





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