国立新美術館で「ルーヴル美術館展 美の宮殿の子どもたち」を観た! | とんとん・にっき

国立新美術館で「ルーヴル美術館展 美の宮殿の子どもたち」を観た!

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六本木の国立新美術館で「ルーヴル美術館展 美の宮殿の子どもたち」を観てきました。ほぼ同じ時期に上野の国立西洋美術館で「ルーヴル美術館展 17世紀ヨーロッパ絵画」を開催しています。国立新美術館の方は朝日新聞社・テレビ朝日が主催し、国立西洋美術館の方は日本テレビが主催しています。詳しい裏の事情はわかりませんが、相当な綱引きがあったように思われます。まあ、そんなことはどうでもいいのですが、同じ「ルーヴル美術館展」をやっているとどうしても比較したくなってしまうのは、やはり世の常というものです。


もちろん同列には比較できませんが、一方は「日本初公開約60点を含む71点の傑作が集結」と言えば、もう一方は「7つの部門の至宝約200点が一挙来日」と言います。一方は「17世紀絵画」に絞り込んでいますが、もう一方は一応は「子ども」に焦点を合わせていますが、古代エジプト・オリエント美術、ギリシャ・エルトリア・ローマ美術、絵画、彫刻、美術工芸品、素描・版画など、なんでもありです。


人によっては好き嫌いはあるでしょうが、西洋美術館の方は、フェルメールやラ・トゥールなど、目玉がありました。新美術館の方は雑多なものの寄せ集めで、焦点が定まりません。なにしろミイラまで出展されているのですから。いや、ミイラを出すなと言ってるのではありませんが。大英博物館でミイラを観たことがありますし、日本にもいつぞや来たので、たしか都美術だったと思いますが、観に行きました。そうではなく、ミイラと素描を並べられても、と思っただけです。そんなこんなで、僕の好みで言えば、軍配は西洋美術館の「17世紀ヨーロッパ絵画」の方にあげます。


僕はルーヴル美術館へは何度か行きましたが、全部観たら大変な日数がかかると言われるほど、たくさんの収蔵品を抱えているわけですから、なにはともあれ、今までも何度か日本で開催されたこともありますし、ルーヴル美術館の作品が日本で観られるだけでもよしとすべきでしょう。いや、実は赤瀬川原平の「ルーヴル美術館の楽しみ方」という新潮社とんぼの本が僕の愛読書の一つなんです。ルーヴル美術館がグランド・オープンする前の本ですから、ずいぶん昔の本ですが、好きなんですよ、この本が。なぜかフェルメールの「レースを編む女」とラ・トゥールの「大工聖ヨセフ」が出ています。ル・ナン兄弟の「農民の家族」も出ています。


国立新美術館の方にベラスケスの「王女マルガリータの肖像」でも来てれば、「美の宮殿の子どもたち」の目玉になったのでしょうが、残念ながら来ませんでした。「マスター・ヘア」と「マリ=テレーズ」では、ちょっと目玉にはありません。そうは言っても、子どもの彫刻に、いいものかどうかはわかりませんが、何点か好感が持てるものがありました。たとえば、「悲しみにくれる精霊」や「子どものサテュロス」、そして「幼子イエス」などです。そうそう、今回の「章立て」がちょっと分かりづらかった、というか、たしかに7つの部門から出てきた作品群ですから、それをわかりやすく分けろという方が無理なのかもしれません。


そういえば思い出しました、東京芸大で行われた「ルーヴル美術館展」、あれはたしか彫刻に焦点が絞られていました。ソフィー・マルソーの「ルーヴルの怪人」をいう映画も観ました。期待して観たのですが、思った以上に駄作でした。妹島和世と西沢立衞の建築ユニットSANAAによる「ルーヴル美術館・ランス別館」は、2010年のオープンだと聞きましたが、どうなったでしょうか?



第1章 誕生と幼い日々



第2章 子どもの日常生活





第3章 死をめぐって





第4章 子どもの肖像と家族の生活





第5章 古代の宗教と神話のなかの子ども



第6章 キリスト教美術のなかの子ども





第7章 空想の子ども



国立新美術館


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