「さとりをひらいた犬/ほんとうの自分に出会う物語」
無料公開始めました。
もう読んだ方も、そうでない方も、お楽しみいただければ嬉しいです。
★Amazonのレビューでは5つ星の4.5、レビューは178レビュー(2022.9.15時点)頂いています。
ジョン
2022年2月26日に日本でレビュー済み
この本には、私たちが人生を歩む上で知っておくべき大切なことが書かれていると思います。私は楽しくて、没頭して読みました。
主人公ジョンは、まさに私自身であり、彼が冒険を進めるたびに、私も成長できている感覚が味わえました。
特に禅や、マインドフルネスを学んだことがある方なら、より深く自分を見つめることができると思います。
私は、大好きな友人の紹介で手に取りましたが、本当の意味で自分を解放させたい方にオススメです。
★学識サロン(登録者51万人)さんに紹介頂きました。
★「本要約チャンネル」さん(登録者100万人)で、日本文学の傑作と、より詳しくご紹介いただきました。
⓮“無”であるがゆえに“鏡”
ゾバックは振り返りもせず、ベレン山を登り始めた。
この獣道はおそらくゾバックしか通らないんだろう。
他の獣たちの気配や痕跡が一切なかった。
それはベレン山の王の道だった。
深く生い茂った木々の間を抜け、しばらく登っていくと、周囲の風景が一望できるすばらしく景色の良い丘に出た。
遠くにうっすら見えるのは北の谷だ。だんだんと日が暮れてきてそれ以上遠くは見えなかったけれど、天気の良いときは僕が住んでいた森も見えそうだった。
ふと気づくと、その丘のちょうど真ん中に先ほどのさっきの楠ほどではないものの、大きな楠が一本立っていた。その枝の下に心地よさそうに落ち葉と枯れ枝が敷き詰められていた。ゾバックは楠が好きらしい。
ゾバックは楠の下に行くと、ゆったりと振り返り、静かに座った。
「座れ」
僕は、言われたとおりに落ち葉と枯れ枝の上に座った。
落ち葉と枯れ枝のクッションはとても心地よい固さに敷き詰められていた。
ゾバックはしばらく黙っていたが、僕の目を覗き込むように聞いた。
「お前にとって、一番大切なものは何だ?」
予想外の質問に戸惑ったけれど、気を取り直した。
これは、大事なことを聞かれている。
一番大切なもの…
一番大切なもの…
僕は心に問いかけ、そして浮かんできた感覚を言葉に変えて口に出した。
「いま、僕にとって一番大切なもの、それは『ほんとうの自分』と『ほんとうの自由』だ。僕はそれを探して旅をしているんだ」
ゾバックはそれを聞いて、初めて表情を緩めた。
「なるほど、私に再び会いに来ただけのことはある」
そして、ひと呼吸置いてから話を続けた。
「いかにも私は過去、『赤い魔獣』と呼ばれていた。しかし、私は自らそれを名乗ったことは一度もない。皆が勝手にそう呼んでいただけだ」
ゾバックは少し不服そうに笑うと、僕の目をじっくりと見つめながら、ゆっくりと話した。
「私に出会った多くの者が取る道は二つ。“恐怖”に駆られて私に挑んでくるか“恐怖”に駆られて逃げ出すか、このどちらかだ。つまり、戦うか、逃げるか、だ」
「戦うか…逃げるか…」
「私は挑んでくる者に手加減はしない。それがいかに“恐怖”に駆られてくる者であっても、だ。それが相手に対する私の礼儀なのだ。そして強い者が勝つ。勝負とはそういうものだ」
そう言うと、口をへの字に結び、鼻から息をふぅ~と噴き出した。
「そして逃げる者は、追わない。もう勝負はついている」
そうか、ゾバックは“恐怖”の『赤い魔獣』ではなく、孤高の“戦士”なんだ。
「幸いにして私は今まで敗北したことはない。だから、ここにこうして生きている」
ゾバックは語り始めた。
ゾバックの目は生き生きと輝き、強さと自信と威厳に満ちていた。
先ほどの全く感情を感じさせなかった黒い穴のような目とは大違いだった。
ゾバックは、僕の気持ちを敏感に察したのだろうか、こう言った。
「相手の意図が分かるまでは、私は“無”になるのだ」
「 “無”…ですか…」
「そうだ“無”…。
これが闘いにおける最強の境地だ。
相手の意図を察知した瞬間、最も早く、最も適切な反応が生まれる。
そこに思考はない。
感情もない。
戦いにおいて、思考と感情は邪魔になるだけなのだ。
そして、お前が見たものは、私の“無”だ」
僕はゾバックの言っていることが、頭ではなんとなく分かったけれど、感覚的にはまだ理解できなかった。
「理解できなくても当然だ。
私もそこに到達するには、かなりの時間や犠牲を払ったのだから。
私が“無”であるからこそ、私と対面した者はいやおうなく、『自分自身』と向き合うことになるのだ」
「自分自身?」
「そうだ、自分自身だ、私は“無”であるがゆえに“鏡”なのだ。
したがって、私と相対した者は、自分自身と向き合うことになる」
僕は、ゾバックと相対した時に感じた強烈な威圧感や圧力感、そしてなによりあの何とも言えぬ“恐怖”を思い出した。
「そうだ。お前が感じた“恐怖”は、お前自身なのだ。
お前の内面が鏡となって現れたのだ」
「内面? 鏡?」
「そうだ。お前が感じた恐怖は、お前自身が作り出したものなのだ」
「僕自身が、作り出した…?」
⓯「恐怖に支配されて生きるということは奴隷として生きること」へ続く
最後まで一気読みしたい方は…ポチ!
(お知らせ)
ジョンがこの3次元世界に「出版」というかたちで顕現してから約9か月経ちました。
おかげさまで5つ星の4.5、レビューも178と、多くのみなさまに愛され、この物語を「記述者」として媒介した者としては、嬉しい限りです。
ほんとうに、ありがとうございます。
ある日、僕の頭の中にインスピレーションとしてやってきた「ジョンの物語」が、こんなにも多くの方々に読んで頂ける日が来るなどとは、書き始めた当時は思いもよりませんでした。
あの当時は、ただ書きたくて書き始めた、いや、書かされているといった感じでした。
そして、その後の「肺ガンステージ4からの生還」という体験が、それ以前に書いていたこの物語をさらに深く、ほんとうの物語にしてくれました。
「体験を通り抜けることで、Beingが変わり、世界が変わる」
結局、僕たちは自分の「身体」「こころ(エゴ)」と「魂」でこの3次元世界を体験し、学んでいくということしか、出来ないのかもしれません。
全ては「体験」という「学び」であり、それはまた魂にとっては「遊び」なんですね。
この世界は「苦しみ」ではなく「遊び」です。
「生死は菩薩の園林(おんりん)なり、生死は菩薩の遊戯場なり」
この世界を、エゴが創り出す恐れと不安とサバイバル世界の幻想世界でなく、魂の遊び場として、徹底的に「遊び」尽くしましょう!
昨日、出版社の方から「さとりをひらいた犬、本当の自分に出会う物語」がkindleの30%ポイントアップのキャンペーンの対象になっていると連絡を頂きました。(~9.22まで)
紙媒体ももちろんですが、kindleでもジョンと旅をご一緒したい方がおられましたら、ぜひ旅のお供にお加え下さい。
※まだジョンとの旅が始まっていない方は、これを機にぜひ「本当の自分に出会う物語」の旅にご出発してくださいね。
ではでは!!
愛と感謝と喜びのアホウより(笑)
kindle版
(今日のほっこり)
★生還体験記です。
ベストセラーになりました。
★講演などの画像です。よろしければ。
★オススメのお水やお茶など
よくご質問いただくので、以前書いた記事をリンクしておきます。
オススメの本①(読むと元気になる)
おススメの本②(劇的寛解事例)
おススメ本③(生還者たちの体験記)
おススメ本④(食事関連)
★講演会など
①リーらの会 #12
9月30日(金)の開催です。
時間は午後20時から22時くらいまで。
主に仲間づくり、情報の交換、悩み相談などが目的の会です。
「がん」を含めて(ガンでなくても、もちろん歓迎)、病気や気持ちや環境など、その中で感じていること、悩んでいることなどを語り合える仲間がいるだけで、心が軽くなります。
共通の悩み(病気)や、目の前に起こっているトラブルなど、話し合い、聴き合うという体験は大切です。
人は、話すことによって癒されるのです。
(カール・ロジャース談)
前回(8月26日)は約50名のみなさんにお越しいただき、楽しい時間を過ごさせて頂きました。
この日は僕の話(只管ということ)の他に、大腸ガンステージ4生還者Gさん(寛解してもうちょっとで5年)、
エンディングノートを書いて生き方変えてガン消えて社会復帰の、上顎ガンステージ4から生還したOさん、
そのエンディングノートのご指導をされたリボーン洞戸のセラピスト池田ユリさんの話をお聴きしました。
みなさん、すばらしい。
人の可能性は無限大です。
また、グループのシェアでも、たくさんの仲間と良い交流が出来たようです。
ご参加いただいた皆様に、感謝です。
途中参加、途中退出OKです。
参加方法はZOOM、無料です。
「時空の杜」サレンダー瞑想キャンプ
10月20日(木)~23日(日)
お申し込みはこちらから