怪談サークル とうもろこしの会 -315ページ目

ファミレス2


夏は家族連れの多いファミレス。
僕の確かな情報筋によれば
関西人が東京に来てビビることが二つあるという。
一つは、親の子供に対する叱り方がキツいことだ。
確かに、標準語で近しい人に怒る喋り方って
なんだかギスギスした感じを受ける。
子供に注意するのや家族喧嘩など
近くの席で聞いてて、いたたまれなくなることもしばしば。
先日も、そんな現場を目の当たりにするハメになった。
僕の斜め前に座っていた
お父さん・お母さん・お姉ちゃん(10歳位)・弟(7歳位)
というユニット構成。
その中でお父さんが弟に向けて怒りを炸裂させていたのだ。
その理由は
なんでドリンクバーを頼んだのにおかわりしない!
というものだった。
だいたいがこのお父さん、始めから怒っていた。
注文時にも何だかプリプリした声で
「俺は一番安い肉を食べるからな!」
そう豪語して、チキンカツ御膳を頼み
かたや子供がハンバーグセットを注文すると
「ハンバーグは肉じゃないだろうが!」
という意味不明な怒りかたをしていた。
そんなこんなで、ずっと怒鳴り続けのお父さん。
僕も胃を痛くしながら見守っていたのだが、
「もういいでしょ!」
ついに横に座っていたお母さんがキレた。
「いいことないだろ!ドリンクバーだぞ!」
そんなお父さんに反論して
「見たよ!こういうの!」
さらに大きい声を出すお母さん
「何がだよ!」
「見たよ昔!ヨネスケの!突撃ので!ずっとヨネスケから隠してるのよ!いきなり来たヨネスケから家族の皆が、ずっとお父さんを隠してるの!今いないって言い張ってるの!でも障子の向こうにいるのが見えるのよ!ヨネスケも気付いてるの!でも家族の皆が、お父さんいないってずっと断ってるのよ!それをヨネスケが無理やりひっぱってくるの!こっちはどんなお父さんだと思うでしょ!そんな皆が隠すくらいだから、よっぽどひどいお父さんだと思うじゃない!でも全然普通なの!え?なんでこんなお父さんをわざわざ隠すの!?って意味分からないのよ!別に隠さなくていいでしょ!?」
そこまでまくしたてたお母さんが最後に
「……だから、そういうことでしょ!」
お父さんは反論できず、黙ってしまった。
言葉の意味よりもテンションで押し切った。
この騒動の最中、お姉ちゃんはずっと
我関せずといった顔でサイダーを飲んでいた。
東京の家族喧嘩は、怖い。

ちなみに関西人が東京に来てビビることのもう一つは
5時とか6時とかに鳴る、夕焼け小焼けのチャイムだ。
向こうには無いサービスらしい。
不気味なんだって。

ファミレス


ファミレスに一人で行くことが多い。
一人で行って何時間もへらへらしている。
ここ最近、夏休みというやつのせいだろうか
どの時間帯に行っても、家族連れを見かける。

どうしてだろう。
いつも疑問に思う。
どうしてファミレスにいる家族連れのパターンとして
お父さんが断トツに狂っている人ばかりなのだろう。

先日は、食事中にずっと大声で
「ウンコ!ウンコ!」
と怒鳴り続けるお父さんがいた。
隣にいるお母さんがたしなめても止めない。
なんだか義憤に駆られるように、ウンコ話を続けるのだ。
それは、こんなウンコ話だ。
小学生の時、お父さんの同級生に田中という子がいた。
お父さんと田中の二人はよく一緒に遊んでいたのだが、
ある事件を境にして、その関係に亀裂が入ってしまう。
お父さんが、田中と友達でいることを止めたのだ。
ある夏の日、
田中はお父さんの目の前で突然
むしゃむしゃとカブト虫を食べたのだ。
勿論、お父さんはビックリしたが、
その事で田中を嫌いになったのではない。
田中はカブト虫を食べた自分を英雄視したのだろうか。
次の日、田中が意気揚々とこんな自慢をしだしたのだ。

俺、今朝ウンコしたんだ
そん時、尻がチクってしたから
した後のウンコを見てみたらさ
なんとカブト虫の足が入ってたんだぜ!

田中はカブト虫を食べた自分を英雄視したのだろうか。
いくら気持ち悪いから止めろと言っても
その話を何度も何度もしてきたのだという。
「ずーっとウンコウンコって言うんだよ!
止めろっつってんのにさ!ウンコの話ばっか!
人が給食たべてんのに!ウンコ!ウンコ!ウンコ!
って!」

僕の席はかなり離れていたのだが
お父さんの喋り声、そして大声で連呼するウンココールは
かなりはっきりと聞こえてきた。
しかも凄いのが、
お父さんはこれを笑い話として語っているのではなかった。
話しながら、本当に顔を真っ赤にして怒っているのだ。
その声には紛うかたない怒気が含まれていた。
何十年も前にウンコ話をし続けた田中に
今なお色あせぬ怒りを感じているのだ。

僕はトンカツ御膳を残した。

ブックオフ五反田店


探し求めていた「湯けむりスナイパー」
1~3巻をついに発見。購入。
五反田のブックオフにて。
全て100円(正確には105円)だった。
やったー。嬉しい。
別に300円でも買ったけど
あれだけ探しても無かったのに
いざ見つけたら100円で売っているという。
そこがマンサンコミックスらしい。

あと、ブックオフ五反田店。
この店は広くて在庫が充実しているためか
他のブックオフにない本を発見するケースが多い。
しかも大体、100円コーナーに置いてある気がする。
僕も何度かこの店に通いながら
「ボーダー」「えの素」「鉄鍋のジャン」「ザ・コクピット」
などを100円にて買い揃えていった。
他にも僕はまだ買っていないが
川口まどかの「やさしい悪魔」や、
泉晴紀の聞いたことないマンガ数冊も
最近ずっと100円コーナーに置かれている。
すごく手に入りにくいって訳でもないけど
ブックオフだとちょっと見つけ辛い
あったとしても250円以上が相場
そんな作品を100円で売るのが五反田店の特徴だと思う。
微妙に珍しい本が集まる立地にありながら
微妙に店員さんの値段のつけ方が変というか。
かといって
「こんな貴重な本を!価値が分かってねえ!」
と言うほどでもなく。
本当に微妙なラインなんだよな。
僕は好きだ。ブックオフ五反田店。