小さな花のひとりごと -38ページ目

小さな花のひとりごと

乳がん再発の心の動きを綴っています。
現在、肺、縦隔、骨に転移していますが、治療のおかげで元気に過ごすことができています。
やれることをやれるうちに。

数日間、体調悪くしてました。
がんとは関係なく胃腸の不調ですが良くなってきたと思うと、また悪くなり…というところが、免疫力が少ないせいかなと思ってしまいます。
 
気持ち悪さが治ってくると縦隔あたりの地味な痛みを感じます。
胃の炎症が、転移している縦隔に刺激を与えているのかな。
素人判断ですが、ちょっとしたことも関連付けて考えてしまいます。

毎回撮っている胸部レントゲンには、胸骨にまとわりついた白い塊が写っています。
最初から、この白い塊は変わらずにデンと居座っていました。
今まで肺ばかり気にして、白い塊に疑問を持たなかったのが不思議。(それとも存在を忘れていたのかな)
 
今回、気持ち悪さと戦っているときに、ぼんやりと(あの白い塊が縦隔のガン?)と頭に浮かびました。
ホントにいまさらですが、
ちゃんと説明されないと、言われた事だけでいっぱいなのが素人。
もし気がついても質問しづらいのもありますが。
そんなわけで胃炎よりも縦隔辺りの不調が気になっています。
 
 
クリスマスイブです。
TVでは、キラキラなイルミネーションや幸せそうなカップルの笑顔が映っています。
クリスマスって幸せそうな人ばかり。
 

楽しく笑顔でクリスマスを過ごせないと、取り残されたような寂しさがありますね。

私は、取り残された部類に入ります。でも、

クリスマスを迎えることが出来たことには感謝しています。

来年はどうなるのかな。

来年も寂しいとか言いながら、ちゃっかりクリスマスを迎えているのかな。

一つ一つのイベントが大切な目標地点です。

シフォンケーキを焼きました。

米粉とキビ砂糖のシフォン。

 

ケーキを焼く、という作業ができることにも感謝です。

断捨離してキッチンの奥に仕舞い込んでしまった道具を出すということ、

使った道具を再び片付けるということ。

それができるのは元気とやる気と体力があるからこそです。

 

私だって幸せよと、意地になって焼いた感は否めませんが、

そんな意地で締めくくってみた今年のクリスマスです。

 
画像は、
金銀花、スイカズラ、ハニーサックル、忍冬などの名前があり、ちゃんとした生薬です。

寒い冬を忍ぶので「忍冬」
春に美しく白い花を咲かせます。
受粉すると花が黄色になり、金と銀の花が咲くように見えるので「金銀花」
花の根元に甘い蜜があるので「スイカズラ」「ハニーサックル」
漢方薬では「銀翹散」(ぎんぎょうさん)に配合されています。
風邪の引き始めに使われるお薬の材料です。
 
さて。
前にハーブの資格講座を担当した受講生さんが、さらに上位の資格試験に合格したと連絡をいただきました。
私は担当できませんでした(声や身体がこんなだから)
それでも、更に勉強をしたいと連絡を受け、試験を受けに行ったことも連絡をくれて、
そして見事に合格したと嬉しい連絡を貰ったとき、本当に嬉しかったです。
良かったなと心から思いました。
 
その時、
真っ先に浮かんだ植物がこの「忍冬」でした。
耐え忍んで見事に合格を勝ち取ったことが、まさにこの植物だなと思えたのです。
社会人の資格勉強は、受講料や時間のやりくりをして勉強します。誰にも無理強いされません。
自分との戦いです。
そして合格を迎える姿に「忍冬」が思い浮かびました。
 
忍んで冬を乗り越えて春を迎え、派手でもなく地味かも知れないけれど美しい花を咲かせ、
でも、生薬としての役目を持ち凛とした生き方を選んだ「忍冬」。
素敵だなと思います。
この植物の名前の由来が好きです。
病気との向き合い方も、
忍冬のように無理せず、少し頑張って、ありのままの姿でいきたいと思います。
 
今年最後の診察でした。
いつもの胸のレントゲンと血液検査。
いつもの検査結果で、画像上では変化なしです。
 

先月は総コレステロールが高いと注意を受けたので、サバ缶食べて頑張ったつもり。

結果を楽しみにしていたのですが、なんと

今回の検査項目に総コレステロールが入っていなかったので結果が分からず、来月に持ち越しです。

イブランスを休薬しても白血球は1700ですが、

この数値のまま投薬が始まります。

もう慣れっこです。

 

先月の診察の時に、主治医に総コレステロールの欄に赤ペンでアンダーラインを引かれて

「ちょっと高いね、気をつけてね」

と言うから頑張ったのに、医者って意外と軽い気持ちでサラリと言ってるだけなのね。

少なくても数十人の患者を毎日診ているのだし、言ったことまでは覚えていないと理解していますが。

 

採血に関しては、どの患者さんも苦労していると思いますが、寒い季節はますます手間取ります。

私は、ひじの上の部分にカイロを貼っていきます。

もう一つ、貼らないカイロも握りしめて指先も温めます。

カイロ2個使いです。

そして、温かいハーブティーを持参して採血に呼ばれるまで水分補給しています。

 

今回は、すごくすんなりと採血できて、スッといきました。

検査技師さんが「暖めてきた効果ですね~」と話していたのですが、

もしかしてサバ缶も関係あったのかなと思うことにしています。

結果は変化なしですが、実はちょっと胸が痛い日があります。
一番、私のやっかいな転移部分の縦隔が痛苦しい。
寒いからでしょう、気のせい、気のせい。
まだまだ全然元気。
早く暖かくなってほしいですね、寒さはガン患者には辛いですね。

抗がん剤の材料にもなるイチイのお話です。

 
ギリシャ神話にもイチイの話は出てきます。
復讐の女神エリュニスは、イチイの毒を使って復讐をしたと伝えられていて、死と再生の象徴とされているそうです。
また、
イチイは、周囲を清浄する力があると言われ、日光二荒山神社や多くの神社仏閣でご神木として祀られています。
真冬でもきれいな深い緑色の葉は、力強さを感じますし、
菌に強く病気になりにくい樹なんだろうなと思います。
画像は↓樹齢400年と言われているイチイの樹です。

イチイという樹があるのを知ったのは、20年前に乳がんになった時です。
自分が使っている抗がん剤「タキソテール(ドセタキセル)」ってなんだろうと
検索した時にイチイという樹の名前が出てきました。
当時は、植物がどんな風に医薬品になっていくのか、まったくイメージできていませんでした。
「木の葉っぱ」が抗がん剤になる?と驚き、
葉っぱが細かく刻まれて身体の中に入ってくる妄想が浮かんで、怖っ!と思い、
副作用は、イチイの葉っぱに突き刺されているイメージがずっとありました。
 
ふたたび、イチイの名前が出てきたのが、メディカルハーブを学び始めた時。
イチイに抗がん剤にもなる植物化学成分があると知り、
ハーブ(植物)が大好きになる大きなきっかけの一つにイチイがありました。
 
タキソテール(ドセタキセル)はヨーロッパイチイの葉から取り出した成分から合成された抗がん剤です。
細胞分裂する際の微小管の働きを阻害することで、ガン細胞の増殖を止める作用があります。
そんなわけで健康な細胞もやられちゃう副作用がありますが、
効き目がドカンと来る医薬品には副作用もドカンと来るもんだと思っています。

動くこともなく、自然に身を任せるだけに見えていた植物が、

実は、自分の力で生きることができる上に、

人を癒し、治癒し、人を殺める力もある存在なんて、すごいですね。

その中でも、イチイの樹を見つけると嬉しくなります。