手術が終わって、看護師が氷を持って身体に当て、感覚を聞いてくる。

相変わらず下半身に全く感覚は無い。

足は下ろしたようだが、開脚のまま両足が持ち上がった感覚。

手術台からストレッチャーに移され、看護師数人と医師が一人付き病室まで運ばれる。

医師が小さなケースを見せ、これが摘出した腫瘍ですと見せてくれた。

小指大の1~2cm位の赤い塊と、黒い蛙の卵の様な物、灰色の小さな塊も有った。


ただ寒さでガタガタ震え、聞いている余裕はなかった。

病室に戻った時間を見ると3時15分。

前後の時間を考えると、手術時間は予定の1時間ぴったりだ。

ストレッチャーからベッドに移され、初めてカテーテルが差し込まれているに気が付く。

カテーテルは尿をためる袋に繋がっている。

手術着の下はT字帯とおむつ。

何とも哀れな格好だ。


TOMのブログ 翌朝まで、頭を持ち上げる事は禁止。

当然起き上がることも出来ない。

寝返りだけがOK。

寒さだけは続き、毛布を2枚掛けてもらう。

妻も手術から戻って来た時、余りにも震えていたので、流石に心配したようだ。


痛みが有ったら遠慮なく伝えてくれと看護師が言う。

夜になって麻酔が切れるとともに、痛みは最悪。

痛み止めは出来るだけ避けた方が良いと自分なりに判断した。

後で聞いたのだが、これが逆に傷を悪化させたようだ。


尿意を催し、排尿しようとすると痛い。

看護師を呼ぶと、カテーテルが折れ曲がり、尿が出なくなったため痛くなったようだ。

足の持ち上がった感覚、夜8時ころになってやっと元に戻った。

持ち上がった感覚が無くなると共に、腰の痛みは引いて行った。

実際には足が上がっていなくても、感覚だけで腰も痛くなるのかと不思議だった。

朝から食事なし。

検温の後、8時ころ浣腸。

これまた初めての経験だが、強烈過ぎ。

看護師から浣腸後直ぐにトイレまで行った方が良いと言うので、指示に従って行ったが直ぐに便意を催す。

出た後はスッキリと思ったが、薬が残っているせいか、その後も2度3度と便意を催す。

手術は午後2時からと言うので、まだ余裕は有った。


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昼過ぎ下着をつけたまま手術着に着かえ。

寒ければ上は多く着て良いと言う。

部屋は暖かかったので、着なかったのだがこれが後で飛んでも無い誤算を招く。

手術2時間前に化膿止めの抗生物質を1錠を服用。

1時間前に麻酔を効かせるための注射を1本打つ。

この注射が非常に痛く、今でも強く触ると痛い。

2時ジャスト、ストレッチャーに乗り手術室へ向かう。

エレベーターに乗り、長い廊下をくねくねと曲がりながら。

天井の蛍光灯を見ていると、車酔いの感じが出て、少し気持ちが悪くなる。

手術室に向かうに従って、段々寒くなって来る。


手術台に移され、目の前にカーテンとモニターが反対向きに降ろされる。

自分からは、検査の時と違い状況は見えない。

医師が三人と看護師一人だ、他に機械操作をしている人が一人見える。

血圧計や心電計が取りつけられ、いよいよ麻酔注射を背中に打たれる。

これも未だに痛みが残る。


その後、足を台に乗せられ持ち上がる感覚。

次第に下半身の感覚が無くなって来る。

パンツを脱がされた感覚も無い。

内視鏡が入れられ、腫瘍を切り取っているのだろう。

たまに内臓が持ち上げられたり、引っ張られたりする感覚はある。


心音なのかたまに異常な早さになったり、警報音らしきものが聞こえたり、看護師の数値確認の声が聞こえたりと何となく不安が募る。

その間、肩の横にある機械の風が直接かかり、部屋が冷たい事も有り震えが止まらない。

手術中これが一番辛かった。

入院が決まった、さて何をするか。

先ずは入院期間が10日以上にわたるので、下着とパジャマ、トレーナー上下の準備。

そして洗面道具。

天候も余りよく無かったので、洗濯を考え数を用意したのだが最終的には無駄であった。

と言うのも一日外泊が許され、手術後は病院の用意する手術着とT字帯、おむつを着用。

今までの下着で十分間に会った。


入院までの長い二週間、ネットで膀胱ガンの事をいろいろ調べる。

軽いのから重い症状まで色々。

抗がん剤や放射線の副作用も心配。

何より心配は費用、手術代と入院費で3割負担で30万程と書かれている。

では退院後治療費はどれだけ掛かるのか。

高度医療だと1千万とか言われ、その為の保険まで有る。

自分はそんな保険に入っていないし、やはり不安だ。


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入院初日。

指定された時間受付に。

そして、希望した二人部屋の病室に案内される。

落ち着いたところで、手術の説明を医師がするという。

部屋に案内されると、撮影された腫瘍を見せられ、取り除く手術の説明を受ける。

普通は家族が心配して、一緒に出るのだろうが、自分ひとり。

医師も家族で誰も聞く人は居ないのですかと怪訝そう。


一人が気楽で一番良い。

心配な抗がん剤の事を聞くと、初期ガンなので手術後と、翌朝膀胱を洗う程度。

気持ちが悪くなったり、毛が抜ける心配も無いと言う。

5年間の生存率を聞くが、自分の場合100%は言い過ぎにしても、99.8%は大丈夫とか。

余り頭に入っていないが、危険性を説明してくれ、同意書にサインする。

初期だから心配ないと言うが、今までも最初の話より悪い方向に向かう一方で、最後まで安心は出来ないと思った。


初日の夜の検温で37℃も有る。

昼の検温でも36.5℃と平熱の35台を大幅に上回って気にはなっていた。

気分は悪くは無いものの、身体が熱くて腹部や足のあちこちに痛みを感ずる。

翌日一旦外泊を認められ、家に帰って熱を測ると38℃近くも有る。


早めに病院に戻る。

看護師も38℃台だと手術が出来るかどうか心配と話す。

その後も熱は続き、手術日当日朝も37℃有ったが問題無いだろうとの事で、午後2時から手術を行うと説明が有った。

その時、腹部に湿疹が何か所に有り帯状疱疹と疑うも、これも医師は遠くから見ただけで問題無いと言う。

4日間も熱が続いたという経験は今までに1回も無い。

入院も手術も熱も初めての事ばかりが続く。