そこまで進化したんだA350型機 | 東京Crew倶楽部 ~客室乗務員(CA)の世界~

東京Crew倶楽部 ~客室乗務員(CA)の世界~

フライトにまつわることからCAたちのプライベートまで♪ 元ベテランチーフパーサーが語っています

航空マニアなのか

A350就航第一便に搭乗

機内外の様子を撮影

それをYouTubeにアップ

 

 

 

私はボーイング社のB747型ジャンボ機育ち

1号機(JA8101)から乗務していた

 

コロナで旅行も控え

飛行機にも乗らなくなった

最近の飛行機のことが

分からなっくなってきている

 

特にエアバス社の飛行機が分からない

操縦室も客室も設計思想が違う

 

うわ~、こんなに進化しているんだ

 

その一つが機外カメラ

 

当時はまさにアナログ時代

ジャンボ機が就航して

7,8年経った頃の機内

前方中央スクリーンでビデオ放映するスタイル

 

客室用品搭載スタッフが

朝一番のNHKニュースを録画して

それをダビングして午前便に搭載

 

チーフパーサーは離陸すると

テープをデッキにセットして放映

 

あとはイヤホーンで音楽とか落語を楽しむしかない

 

飛行中に旅客がもっと楽しめることはないか

航行中はムリだけど

離着陸前後や地上走行中に

ラジオ放送が聴けるようにできないか

 

離着陸時の機外の様子を

スクリーンに映し出せないか

 

そんなプロジェクトがあり

CA側代表として参加していた

 

機内音楽システムとかビデオシステムとか

放送電波受信とか

家電メーカーに協力依頼

機内への設置は整備セクションが担当

 

技術的な問題が山積み

一つ一つ解決していくほかない

 

機外風景を映し出すカメラをどこに設置するか

配線はどうするか

 

一つのカメラはパイロット目線に近づけよう

操縦室の窓の上の位置あたりになった

 

もう一つは胴体下に設置し

今どこの上空を飛んでいるか分かるように

真下の風景を映し出すことにしよう

 

読者の中には覚えている方もいると思う

でもあの画面はチラッとみて終わりしていなかったですか

 

離陸するとすぐに空しか見えなくなる

航行中に真下の風景が映し出されても

その画面を見ていると疲れてしまう

 

その先々がどうなっているか

前方に見える風景がみたい

それが人間の心理

 

技術的な問題があり

なかなか解決できないできていた

 

 

 

A350型機の搭乗体験動画をみてビックリ

ここまで進化したんだ

 

カメラが尾翼に設置されているではないか

もう一つのカメラは前輪後方から映している

しかも、どちらの画面を見るかは

自分のタッチパネルの画面で切り替えら

好きなほうを見ることとができる

 

胴体の下に設置されたカメラは

離陸して車輪が収納されると

前方一面に広がる風景が見える

 

尾翼のカメラも機体前方を映し出すと同時に

その前方の風景も見える

 

併せて

飛行機の位置情報の画面にすれば

飛行機好きにとってはあきない時間となる

 

 

デジタル化が進んで

個人画面ではあれこれコンテンツが充実

 

Wifiにつなげば

いつもどおりのスマホ生活

 

エンジン音もしずかだという

燃費も747型機や777型機より25%少なくて済むという

 

ボディー構造の半分は

炭素繊維複合材を使っている

 

従来の材質より軽い割には強度が増している

強度が増すと何がよいか

巡航中の機内与圧を上げられる

ということは地上にいるときに近い空気の薄さ

 

従来の飛行機は航行中

0.8気圧に与圧している

もし1気圧にしたら機体は耐えられなくなる

もっと強度を増せば機体重量がさらに重くなってしまう

 

0.8気圧は富士山の6合目あたりの空気の薄さ

飛行中にお湯を沸かすと80度で沸騰してしまう

 

そして離着陸時に気圧が変化するので

耳が痛くなったりする

 

A350型機は航行中

富士山の4合目あたりの空気の薄さ

4合目あたりだと空気の薄さをあまり感じない

離着陸時の気圧の変化も少ない

 

加えて

従来の飛行機だと機内に湿度があると

機体に腐食が起きることがある

そこで機内湿度をゼロに近い状態を保っている

 

B787型機もそうだが

炭素繊維複合材使用のA350型機は腐食しない

湿度も上げられる

飛行中に喉がカラカラになることが少ないらしい

湿気がありお肌にもよい飛行機かもしれない

 

コロナで長いこと飛行機に乗っていないな

一度、A350に乗ってみようかな

 

T・K ♂


2年前のブログ

「着陸したのは羽田?札幌?」