モーニングトン・クレセントで学ぶ英国菓子~イースターのシムネルケーキ~
今年のイースターは3月31日の日曜日。イースターに食べる小さな丸パン、ホットクロスバンズは、このブログでもご紹介してきました。
そしてイギリスのイースターに欠かせないお菓子がもうひとつ。シムネルケーキです。
イースターのシムネルケーキはどんなお菓子?
もともとシムネルケーキは、イースター前のレント期間(キリスト教で40日間の断食を行う期間)の、真ん中の日曜日にある母の日に、奉公先の子どもたちがお母さんのために焼いて持ち帰るお菓子だったそうです。
子どもにとっては、自分が作ったケーキで家族に喜んでもらえる、誇らしいイベントだったのかもしれません。きっとお母さんも、子どもの成長を確かめることができるケーキだったのではないでしょうか。
今はすっかりイースターのお菓子として、シムネルケーキは認識されているようです。
さて、そのシムネルケーキ。あまり日本でお見かけすることがはありません。
(イギリスでもだんだん見かけなくなってきているとか)
たっぷりのマジパンと、たっぷりのフルーツが入った生地からできている、イギリスらしい、どっしり濃厚なお菓子です。
イースターのシムネルケーキに初挑戦
というわけで、モーニングトン・クレセント英国菓子教室 ステイシー先生にイースターのシムネルケーキを教わってきました。
シムネルケーキは、フルーツの生地で、マジパンをサンドして作ります。
教室では、イギリス式のマジパンの作り方を教えていただきました。マジパンなんてどこでも同じと思っていたら大間違い。ちなみにドイツではマジパンは配合がきちんと決められていて、決まりから外れているものはマジパンとは呼ばないのだそうです。
卵やお砂糖を、ふわふわになるまでゆっくりとあせらずに、生地を混ぜていきます。
混ざったところで台に出して、アーモンドパウダーをあわせて、軽くこねていきます。アーモンドパウダーの量は生地の状態を確かめながらを加えていきます。入れすぎるぼそぼそになるので、ここは丁寧に作業したいところです。
軽くこねたら出来上がり。成形していきます。
できたてほやほやのマジパンを、試食用にいただきました。
びっくり!とてもおいしいです。
アーモンドパウダーの香り、洋酒の香り、ちょっとざらざらした食感。マジパンはどうも好きではないという方にも、食べていただきたいおいしいマジパンです。
型に生地を半分流して、丸くのばしたマジパンを型にはめこんだところです。わたしのシムネルケーキです。
マジパンの上に、もう一度生地を流して、オーブンで焼いてきます。これも私のシムネルケーキ。
焼きあがりました。一番手前がわたしのシムネルケーキです。
マジパンを成形しておいて、シムネルケーキを組み立てていきます。
シムネルケーキの上は、マジパンでおおわれています。そのうえには、丸い小さなボールのようなものが11個。
12個ではありません。11個です。
シムネルケーキをよーく見ると、丸いボールが1個足りていないような配置になっています。
キリストの弟子の数は12人。でもひとり、キリストを裏切ったお弟子さんがいましたね。11個のマジパンボールは裏切り者のユダをのぞいたお弟子さんたちを表していると言われています。
シムネルケーキにまつわる話も、いろいろと調べてみると、なかなか興味深いものがあります。
さて、ステイシー先生のシムネルケーキができあがりました。日本のパティスリーでは、ほぼ見かけることのないビジュアルです。
イースターのシムネルケーキはどんな味?
シムネルケーキを6等分して、かなり大きいサイズで試食です。
想像できますよね。どっしりした生地、濃厚なマジパン。シムネルケーキが大きすぎて、半分は自宅に持ち帰りました。
日本人は、薄めにカットしたほうが、ほどよくおいしくいただけると思います。
とにかく手作りのマジパンがおいしいのです。マジパンがたっぷり使われていますが、生地がどっしりしているので、バランスがいい感じです。
中にサンドされたマジパンは、熱が入っているのですが、シムネルケーキの上にかぶせたマジパンと11個のボールは、焼いていないので、同じマジパンでも、少し味わいがちがいます。
カットして冷凍保存したので、イースターまでに少しずつ食べていくつもりです。
実は先日、ホットクロスバンズの写真を撮ったとき、シムネルケーキもいっしょに登場していました。
うしろにひそんでいタシムネルケーキ。
本日のブログの主役はシムネルケーキ。今度は背景にホットクロスバンズ。
ホットクロスバンズをいただいて、シムネルケーキもいただいて、あれやこれやとイースターを楽しんでいます。
今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました!!