若松のSL・19633、ついに解体・・・。 | 遠森一郎の「ゆるっと写真雑記」

遠森一郎の「ゆるっと写真雑記」

写真一枚から、ゆるっと文章でも書いてみます。

2019年6月16日、若松区久岐の浜広場にて。
SL・9600形19633号機。

 

若松駅から近い久岐の浜広場、かつての若松機関区跡地の一角で静態保存されていたSL・19633について、昨日23日に解体着手されたという情報が、ネット上を駆け巡った。

 

19633は、1917(大正6)年に川崎造船所兵庫工場(現・川崎車両兵庫工場)で落成。1950(昭和25)年に鳥栖機関区から若松機関区へ転属してきて、1973(昭和48)年の廃車を若松で迎えた。
廃車後は地元への貸与という形で保存展示されることになり、初めは区内の白山1丁目公園に置かれていたが、1989(平成元)年に久岐の浜広場が整備されるとともに、駅からも近いこの場所に鎮座することになった。

途中で再塗装などの整備がされたことはあったようだが、海に近い場所での雨ざらしという形となっていたこともあって、近年は荒廃が進んでいた。

 

↓が23年前の様子。

そして↓が8年前の様子。

で、今回の冒頭カットは、ワタシが最後に同機を訪ねた5年前に撮影したもの。

その、5年前の2019年11月、広場を管理している北九州市が同機の引き取り先を公募することを発表。いったんは添田町の食品工場の敷地内へ移転することが決まったと報じられた。その報を聞いて、若松が石炭積み出し港として賑わった頃を知るカマがどうにか残ることになってよかったと、一度は胸を撫でおろしたんだが・・・。

コロナウイルス禍が入ったことで、いつの間にか移転の話も立ち消えになってしまい、結局は手の施しようがない状態に陥ってしまった。

 

同機がこの久岐の浜広場に移転してきた1989年に、北九州市若松建設事務所が同機の前に設置した説明板には、同機の保存について「若松の発展と象徴を願い・・・旧若松機関区跡地である当地に移転し、郷土資料として保存展示することになりました」と書かれていた。

石炭輸送で発展を遂げた若松の「生き証人」でもあるこの19633が、こうした形で最期を迎えることになるとは、説明板の文章を考えた人たちも想像すらしなかっただろう。

日本の産業文化遺産保存の現実というのは、まだまだこういうレベルなんだなぁと、改めて思い知らされた。

 

にほんブログ村 鉄道ブログ 日本全国の鉄道へ

ブログランキング・にほんブログ村へ

Ŵƻ֥�֥�é󥭥󥰻²²ÃÍѥê󥯰ìÍ¡à
https://railroad.blogmura.com/ にほんブログ村 鉄道ブログへ