TIMEのページに、日本の「天下り」という特殊な現象について書かれた一節があります:

In a practice known in Japanese as amakudari, which translates as "descent from heaven," top government officials nearing the end of their careers land plum jobs within the industries they regulated

まず、直訳すると、descent from heaven だと紹介しています。このdescent は「降下、下ること」を意味する名詞です。動詞descend の名詞形です。

そして、キャリアの終わりを迎えようとしている政府高官は、自分が取り締まってきた業界内で

land plum jobs

すると書いてあります。

land は名詞であれば「土地」等の意味ですが、ここでは動詞です。

動詞のland というと、「(飛行機が)着陸する」という意味にはなじんでいる人は多いかもしれませんが、ここではその意味ではありえないでしょう。

land の後ろに、jobs という名詞があるわけですから、分類上他動詞に当たるので、英和を引くときにはland の他動詞の意味を見てください。

そうすれば、

(仕事などを)得る

という意味が見つかることでしょう。

また、plum に関してですが、これは日本人が知っているあの果物のプラムではもちろんありませんね(笑)

plum形容詞の意味を見てみてください。後ろにjobs という名詞があって、それを形容しているわけですから。

そうすると、

きわめて望ましい、すばらしい

といった意味が見つかることでしょう。

ロングマンでは、

plum job/role/assignment

と紹介されていて(つまり、後ろによく来る名詞はjob/role/assignmentだよ、と言っています。実際にTIMEの文章中でも、jobが来ていますよね)

a good job etc that other people wish they had

と意味が説明されています。他人がうらやむようないい仕事、ということですね。

確かに天下りはうらやましいことですから、この辞書の説明は的を射ています(笑)。



国際テロ組織アルカイダウサマ・ビンラディン氏が今日パキスタンで米軍によって射殺されたそうですね。

当然、TIMEの記事でも彼の人生を振り返りつつ大きく取り上げられています。

6ページ目まであってかなり長いですが、2001年9月11日の米中枢同時テロに強烈な衝撃を受けた方であれば、ちょっと頑張って読んでみてもいいかもしれません。単語は少し難しいものがちらほら出てきますけれども。

私も読んでみて初めて、テロの首謀者であることから想像する典型的イメージとは違う、彼の実際の人柄を知りました。

すでに名前の横に

(1957-2011)

と書かれていて、本当に死んだんだな、と改めて思いました。おそらくアメリカの誤報ということもないでしょうし。
民主党自民党の英語名を以前とりあげたことがありました。それぞれ、

民主党=Democratic Party of Japan (DPF)

自民党=Liberal Democratic Party (of Japan) (LDP)

です。

しかし、他の党となると英語名を耳にすることは比較的少ないのではないでしょうか。

考えてみると、公明党は、その意味を汲んで訳した英語名はありません。シンプルに、

New Komeito

とローマ字的に表したのが英語の正式名称で、ホームページにもそう書いてありました。

しかし、共産党は Kyosanto ではなくて、

Japanese Communist Party

というのが英語名です。communist=「共産主義の」という形容詞を使っています。

社民党も、Syaminto ではなくて、

Social Democratic Party

というのが英語名です。social=「社会の」という形容詞を使っています。

立ち上がれ日本の英語名は、ちょっと面白いな、と思いました。
Stand Up Japan とかそういう直訳名を使っているわけではなくて(笑)、

Sunrise Party of Japan

という、英語名になっています。他の政党とはまたちょっとノリが違って面白いですね。
2回に分けて、知事・市長などの選挙が行われ、民主党にとって厳しい結果となりましたね。

選挙」が英語では

election

なのは、多くの人が勉強したことがあるでしょうが、知事選挙市長選挙となると、どういう単語を加えればいいかわからないかもしれませんね。

とはいえ、市長であれば、mayor という名詞を知っている方は多いでしょう。

知事となると、おそらくもっと減ってしまうでしょうね。governor という名詞があります。

そう考えると、

市長選挙=mayor election、知事選挙=governor election

といえばいいような気がするかもしれませんね。
これでももちろん通じるし、気楽な会話ではこれくらい言えれば十分ではありますが、本来はもっときちんとした言い方があります。

それはつまり、mayor, governor といった名詞の形容詞形を使う、ということです。以下のようになります:

市長選挙=mayoral election

知事選挙=gubernatorial election

知事選挙の方は特にかなりゴツイ感じの単語になってしまうので、レベルが高く正確な英語を追求したいわけではない(とりあえず通じればいい)なら、別に覚えなくてもいいでしょう。
Yukiko Horieさんとおっしゃる、陸前高田の高校で水泳部顧問をなさっている先生や、その水泳部の生徒たちに関する記事がBBCで読めます。


Tsunami: Death and survival at school swimming club という記事です。

先生が、救ってあげられなかった生徒たちに対して感じている罪悪感(feelings of guilt)、そして、部員同士が避難しようとしていた際、つかんでいた手が離れてしまって、一人が津波に押し流されてしまったものの、津波がぎりぎり天井にまでとどかず、エアポケット(air pocket)があったため、障害物を避けつつ泳いでそこまで上がって行って、頭を出し続けて生き延びた、という話等が、写真付きで詳しく描かれています。

日本語のどこかのメディアでも読めるストーリーなのかどうかは分かりませんが、英語を学習中の人であれば、英語で読んでもかまわないわけですから、上のリンクから元の記事に飛んで、読んでみてはどうでしょうか。
チェルノブイリでは、事故後4号機の周りをコンクリートで囲って、封じ込めたそうですね。日本では今のところそこまでやらなければならない、というような話は進んでいないようですが。

そのコンクリート構造は、「石棺」と呼ばれていますが、それは英語だと

sarcophagus

と呼ばれています。アクセントはco の部分です。

例えばこのBBCの記事で、図付きで少し説明されています。

語源的には、sarco-

flesh (肉)

を意味し、-phagus

eating

と意味していますが、そこまで覚えても、あまり多くの人には役に立たないかもしれません。

とはいえ、例えば「食道」を意味する

esophagus

という単語にも、確かに-phagus が登場していて、食べることと密接に関係がある意味になっていますよね。英検1級とか、医療系の英単語に親しんでいる人なら知っている単語でしょう。

先ほどの桜井勝延市長だけではなく、宮城県南三陸町志津川病院の菅野武医師TIME100 に選ばれています。英語のもともとの記事はこちらです。

私は最初名前を見ても誰だかぴんと来なかったのですが、写真を見て、「NHK WORLDのネット配信で見た、震災後すぐ子どもが生まれたあのお医者さんか!」とピンと来ました。

お子さんの「」ちゃんに関して、TIMEの記事内でも以下のように触れられていて、興味深く思いました:

The name evokes two meanings: in English, a beam of light; in Chinese and Japanese, the wisdom to overcome hardship.

"in English, a beam of light" と言っているのは、怜(Rei)の発音と、英語のray の発音が同じなので、光線を連想させる、ということです。

"the wisdom to overcome hardship"というのは、困難を克服していく知恵、ということですね。

英語の意味も、中国語・日本語の意味も、どちらも今回の大震災から立ち上がろうという強さや希望が感じられます。
TIMEが毎年、

Meet the most influential people in the world.
*influential=「影響力のある」

というコンセプトで選んでいる世界の100人の中に、福島県南相馬市の桜井勝延市長が選ばれました。ネットで読める英語記事はこちらです。

朝日新聞の日本語記事では、

タイム誌は、「優れた効率性で知られる日本が、弱い立場の市民に応えられなかったことを世界中に考えさせた」と評価した。

と紹介されていますが、それはもともとの英語記事の中の、

His plea resonated across the world, leading many to ask how a country so celebrated for efficiency had failed its most vulnerable citizens.
*efficienty=「効率性」
*vulnerable=「弱い、傷つきやすい」

という部分からの抜粋です。leading以下ですね。

これでその名声は菅首相を軽く超えましたね(笑)。
福島第一原発から20km 圏内が、正式に「警戒区域」と指定され、立ち入りが禁止されることになりましたね。

この「警戒区域」の言い方に関しては、英語メディアでは

no-go zone

とか、

no-entry zone

のように呼ばれているようです。少なくとも現時点では。

どちらも「入ることはできないよ」という、警戒区域の意味をとらえた、とても分かりやすい言い方だと思います。が、そのうちまた正式な用語が決まってくるかもしれません。

法的拘束力があるそうなので、違反者は罰金や拘留といった罰を受けるらしいですね。

TIMEの記事はそこにも触れていて、

people who enter the zone will now be subject to fines of up to 100,000 yen ($1,200) or possible detention of up to 30 days.

と書いています。

ここから見てとれますが、「罰金」は英語ではfine で、「拘留」はdetentionです。

detention of up to 30 days とありますが、これは最大30日まで拘留される、ということです(up to ~=「~まで」です)。

アメリカから来た遠隔操作が可能なロボットが原発内を調べて回っている、というニュースを読みました。

遠隔操作というのは、日本人が慣れ親しんでいる「リモコン」という言葉と関係があります。

リモコンは、英語では

remote control

のことです。remoteが「離れた」という意味の形容詞で、controlが「操作、操縦」という意味の名詞です。

この remote control という言い方は、これ自体形容詞になることもできます。どうやるかと言うと。。。

BBCの記事に以下のような一文があります:

Remote-controlled robots are being sent into the quake-hit Fukushima nuclear plant to measure radiation levels.

文頭の、

remote-controlled

という表現が、「遠隔操作の」という意味の形容詞です。形容詞ですから、当然後ろに名詞をつけて、その名詞を説明することができます。この文では、robots という名詞を説明しています。

remote control という名詞に、ハイフン(-)をつけて連結したうえで、最後にed (この場合正確にはledですが)をつけることで、形容詞化したわけです。

同様のパターンはほかの語の場合もしばしば見られますので、どうぞ英文を読むときに観察してみてください。