「シェイムレス3」 です。
#5 ここ掘れ、フランク! The Sins of My Caretaker
このドラマって、おバカな笑いと、切実かつ深刻な社会派問題提起の絶妙なバランスで出来ていて、後者は普段わりとノーテンキに生きてるように見える登場人物たちのしみったれた言動で表現されることが多いのですが、今回はその比率が少し高かったような気がします。
今回のしみったれ第1号は、ジミー。
彼は自分の父親がゲイだったことにショックを受け、いまだにそのことばっかり考えていて立ち直れないでいます。基本、ジミーは両親も兄弟もいる一般的な構成の平和な家庭で育ったお金持ちのお坊ちゃんですから、まぁ無理もないことですよね。
でもそのことを気にして何も手につかなくなって、一切使い物にならなくなってきている様子に、フィオナは苛立ちを隠しきれません。
ギャラガー家の抱えている問題はそれ以上に複雑、雑多であり、その大黒柱であるフィオナには、ジミーの軽いアイデンティティの喪失に付き合ってる暇なんてないんです。もう少ししっかりして、せめて少しでもフィオナの生活と気持ちを支えてほしいですよ。
フィオナが焦っている理由の一番は、水道業者(?)に水道工事のために庭を掘り起こすと言われたこと。
この庭には、フランクの叔母ジンジャーの遺体が埋まっていて、ヘタに掘り起こされたらそれが見つかってしまい、フランクのみならず加担した家族がお縄になってしまう可能性が高いからです。
なんでジンジャーの遺体が埋まっているかっていうと、フランクはジンジャーが死んだことを隠して、年金を騙し取っていたからなんですが。
このフィオナの抱える問題の重大さを思うと、もう大人なんだから家族の趣味趣向なんてもうちょっとクールに受け止めてよって言いたくなる気持ちもよくわかります。
さて、しみったれ2号はリップ。
リップのガールフレンドであるマンディは、自分と腹違いの妹を救ってくれたリップにベタ惚れで、リップの身の回りの世話をあれこれ焼いてくれて、っていうかもうリップにべったりだから、正直リップもちょっと辟易してきています。リップも若いし、ちょっとあの女房気取りの言動、勘弁してくれ、みたいに思い始めてるんですね。だから、マンディのこと冷たく突き放す。まぁリップの気持ちも分からなくはないけれど、マンディはいい子だし、若干うざい時もあるけど役に立とうとしてくれてるんだから、受け止めてあげればいいのに、とも思う。
でもホントの問題は、リップの気持ちであって、結局ヤツはまだ、バカで最低な美少女、カレンのことが忘れられないんだよね。それで、近況をつらつらとカレンの留守電に残したりしてる様子なんか見ると、リップも結局、恋の痛手から立ち直れないでいるただの男って気がして今度はそっちに同情しちゃう。この辺の気持ちは理屈じゃないから仕方ないけど、マンディはちょっと気の毒。
そろそろカレンが再登場するかなって期待してたけど、まだ出てきてません。
でも本当に深刻なのはここからで、実は前々回くらいに、フランクが児童福祉局みたいなところに、ギャラガー家で子供たちがネグレクトにあい、虐待されてる、みたいな通報をいれていたのですが、遂にその福祉局の人がギャラガー家に来ちゃいます。しかも家の中が一番カオスってる状態のときに!ってこの辺はコメディですからね、かなり大げさですよ。
来週はその福祉局の措置で、子供たちがバラバラになっちゃうみたいだけど、どうするフィオナ!?って展開。もうそろそろジミーは大人になってフィオナを支えるために戻ってきてほしいです。
今回は、他にも、ジョディの依存症が復活してしまったことをめぐるシーラとシスターの話や、ヴェロニカとケヴィンの子作り話など、いつものごとく見どころ話題、満載。
このドラマ、10代の子供たちの心の機微を描くのも割と上手で、デビーがイケてる女の子たちにいじめられて美人のお姉さんに慰められて、逆襲するみたいな構造がまた、ディテールも含めて興味深いんだけど、今日は長くなってきちゃったから、その辺についての言及はまた日を改めたいと思います。
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