ドイツのエアバスの副操縦士が自殺を図ったのではないか?
この事例が記憶に新しいが、私はあのような早い段階で結論を出すべきではないと考える。
きちんとフライトデータレコーダーを確認し、墜落までの経路が
「故意でなければ出来ないくらい急降下だった」
とか
「自殺をする動機、なぜ飛行機の自殺を、しかもその日のその便での決行を決意したのか?」
を証明及び満たさなければ、ただ彼の名誉を傷つけるのみになる。
今回の場合、まだドイツの副操縦士は自殺と私は決めつけないが、そうした似たような事例を2つ記載しようと思う。
~過去の事例~
一つはエジプト。
詳しい年月日は忘れたが、アメリカ大統領がビル・クリントンの時期でエジプトはムバラク政権なので、ある程度絞れる。
1990年代、ということだ。
副操縦士は極めて真面目なイスラム教徒、ボイスレコーダーには祈りの言葉が記録されていた。
機長が席を外している間に墜落した。
実は副操縦士、おかしなことをしていたことで一部で有名な人だった。
ホテルで一人宿泊していると、窓越しに見える部屋に電話をかけて「こっちを見ろ」と促した。
見たら下半身を露出していたという、どう考えても精神が不安定な証である。
また、自殺をしたとしか思えない証拠が発掘されるも、親族は今も認めてはいない。
自殺をするような人じゃない、と。
また、エジプトではパイロットは名誉ある職業だった。
ムバラク氏も空軍のパイロット出身である。
この件は自殺濃厚だが、遺族の見解とは不一致のまま、終息を迎えることになった。
~もう一つ~
容量の関係で消してしまい、曖昧だがシンガポールかインドネシアの事例になる。
こちらは機長の自殺で、何と故意にボイスレコーダーに繋がるブレーカーを切っている。
そのため、本来のやり取りや自殺の確実な証拠は不十分になる。
だが落下の軌道が「思いっきり右に旋回しながら落ちなければならない」、つまり人為的でなければ描けない軌道であること、管制塔に何も言っていないなど不審点も非常に多かった。
そして機長には自殺の動機があった。
彼は元々、空軍パイロットだったのだが、自分が体調を崩し休んだ時に、仲間のパイロットが霧で隠された山に激突し、全員死亡してしまうという心の傷。
そして株で失敗し、負債があったことやインストラクターから降格させられるなど、副操縦士には無い山のような動機。
そして何よりも、その日は空軍時代に失った仲間の命日でもあったのだ。
しかし、これらの報告書は証拠不十分で認められなかった。
もしこれらの過去を教訓としていれば、ドイツの事例が防げたかもしれないのに。
参考:メーデー!シリーズ