学徒兵の悲劇~今回のロバート・ジョーの歴史探求~ | 気まぐれ一方通行

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メモ的なもの

今回のアジア恐怖伝説は韓国編。
ロバート・ジョーの祖先も韓国出身だそうだ。そのためか、普段英語なロバートも韓国語を少しだけ話していた。


静かな漁村の中にある、やたら不気味な心霊スポットは寂れた家で、心霊ツアーの名所にもなっている。
その証拠にロバートの調査中に若者の集団が来たり、隣は小さな宿泊施設がある。
噂では「少女が自殺した」らしいが、警察に確認したところ噂に過ぎなかったことが判明する。

外壁には「4」が山ほど書かれたり立ち入り禁止と書かれたり、果てはニワトリの死骸があるというおぞましいにも程がある場所だった。
ニワトリの死骸が意味するものは、儀式か供え物か、わからない。床に張り付いていた。


韓国の霊の捉え方は、その多くが「家族と話したいから」とされているとのこと。
巫堂は霊と人の仲介者の役割を果たす。実際に儀式をしていたが、日本で言うところの霊媒師や祈祷師に近かった印象。


調査を進めるうちに、『朝鮮戦争の暗部』が明らかになる。

その家がある丘には、高校生で戦争に出され死亡した兵が眠っているという。

ロバートは本を見て「本を数冊持ってくるようにと言われたと書かれている。これを見ただけで扱いがわかる」と言っていたように、ほぼ騙されて戦地に駆り出されたようだ。
生存者に話を聞きに行く。


二人の老人は、当時高校生。ろくに訓練も受けないまま作戦に使われた。
すなわちアメリカが主体の国連軍側に仁川作戦のための「おとり」に利用されたのだ。酷い話である。

これは歴史の闇に葬られ、韓国でもほとんど知られていない「おとり作戦」だった。
北朝鮮側に、どこに上陸するかを知られないために、高校生が300人も殺されたのだ。
そして、そのうちの90人が丘と漁村の海岸に埋められた。

生き残りの二名は、遺体の掘り起こしと正式な葬儀を求めたが、現在もそのままにされているそうだ。これまた酷い話である。


この朝鮮戦争に関する映像には「戦火の中へ」という韓国映画が使われていてテロップも表示されていた。
悲劇の裏に、さらに隠された悲劇の物語が実在した。

こうしたものが、心霊現象として人々に思い起こさせるのかもしれない。