こんにちは、<アラフェネ>です。
今回は、<ウマの家畜化>コラムになります。
今では、動物園、競馬場、観光牧場などで当たり前のように見ることのできるウマですが、人類はどのようにして、ウマを飼いならしていったのか、見ていきたいと思います。
まず、<ウマ>という動物について簡単におさらいしたいと思います。
分類は、<哺乳綱奇蹄目ウマ科ウマ属>に分類される動物で、アフリカ大陸の南部~東部に生息地を持つ<シマウマ>、
アフリカ、中央アジア、ヨーロッパ、南アメリカに生息地を持つ<ロバ>、中央アジアを主な生息地とする<ノウマ>に大きく分かれます。
ウマは、長距離を長時間走ることに特化した体のつくりをしており、それに見合った骨格や筋肉、臓器などを持ち合わせています。
また、1本の脊椎で下側に各種臓器を釣るしているような配置をしているため、乗馬や荷運びに適しています。
草食動物ですが、偶蹄類と違い、胃が一つしかない<単胃動物>の為、<反芻>を行わず、非常に長い大腸<盲腸・結腸・直腸>の発酵菌で分解・消化・吸収を行っています。
野生種である<シマウマ>、<ロバ>などは環境破壊や密猟などの影響もあり、ほとんどの種が絶滅危惧種に指定されています。
家畜馬は、競走馬や馬術、儀礼用などで用いられる<洋種馬(サラブレッド、アラブ、ブルトン)>などが大半を占めており、日本固有種である<在来馬>は現在8種のみとされており、保護と繁殖が国や各都道府県の市町村で行われています。
このようにウマは、持久力や速さ、力などが他の奇蹄類と比べ特化しており、人や荷物などを長距離を移動させることに特化した動物である言えます。
詳しい馬の生態は下のURLに載せていますので、ご興味があればご覧ください↓
馬はなぜ家畜化されたのか
馬が家畜化された歴史は古く、紀元前5000年前の地域にあたる現在のウクライナが始まりとされています。
当時はすでにウシ、ヒツジ、ヤギはすでに世界中で家畜化され<肉、乳用>が一般的でしたが、ウマはウシと違い、太りにくいことから、肉食としての価値が非常に薄く、あまり好まれる種ではなかったために、家畜化するメリットはほとんどなかったとされています。
しかし、ウクライナは環境上、降雪が著しく、主食である草がほとんど埋まってしまう為、ウシや羊などのウシ科動物は掘り起こして食べることは出来ない事から、人工的に飼料を与えないといけない為、非常に手間がかかります。
その反面、ウマは人が自ら餌を与えずとも、蹄などで掘り起こして食べる習性を本能的に持っている為、その地では家畜化がしやすく、これがウマの家畜化の始まりともいわれています。
長距離の移動を確保した人類
時代の変遷とともに、家畜が担う役割も幅が広がるようになり、移動や荷引き、軍用、農業など幅広く用いられるようになりました。
特にウマは持久力と速さと力強さなどの能力面では他の家畜と、とりわけずば抜けており、それぞれの用途に合った様々な品種が作られるようになりました。
諸説ありますが、馬が食用以外に長距離での移動や農業で用いられるようになったのは、紀元前2000年頃だと言われていますが、日本に馬が渡来したのはだいぶ後の時代で、5世紀前後の古墳時代とされています。
まだ、品種改良の技術が無かった時代は、小型のポニーやノウマなどに荷物などを背中に乗せて、運搬するというのが主流です。
その後の長い歴史の中で、品種改良の技術が進歩し、様々な種を交雑し、用途に合わせ、足の長いものや、筋肉や骨格がより発達した種が生まれようになり、これが現在の<サラブレッド>などの家畜種が作り出される始まりとなります。
その後、ウマをコントロールする技術や道具(はみやサドル)などができ、<乗馬>を可能にしたことで、これが後に、現在の自動車、バス、電車などの多くの人を運搬する<乗合馬車(辻馬車)>、<馬車鉄道>などが誕生しました。
イギリスなどのヨーロッパ各国では、平地が多い場所移動する都合上、これが瞬く間に普及しました。
移動手段に限らず、力や持久力の高さから、農業具のけん引・軍用など様々な用途に用いられ、移動社会の第一線として活躍していきます。
1914年~1918年の第一次世界大戦の軍馬としての利用を最後に、自動車や航空機などの内燃機関の発達や普及などの要因により、馬社会は徐々に衰退していきましたが、現在も、観光牧場や競馬場などで活躍しており、最近では動物福祉向上などの観点から、絶滅危惧種の保護、教育普及などが行われています。
今回のコラムは以上となります。
最後までご購読ありがとうございました。
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