こんにちは、アラフェネです。
今回も、<キリン>の記事になります。
動物園ではお馴染みの大型草食哺乳類で、首が非常に長く、網目状の模様などから
独特な見た目をしています。
そのため、日本には存在しない動物にも関わらず、今や誰もが知っている動物園の超定番動物となっています。
そんなキリンですが、最大の特徴である、1m以上もの長い首はどのような役割を持っているのか書いていきたいと思います。
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キリンとは?
主旨を読んでいただく前に簡単に<キリン>とはどのような動物なのか書いていきたいと思います。
キリンは<哺乳綱クジラ偶蹄目キリン属キリン科>に分類される大型草食哺乳類で、主にアフリカの草の丈が長いサバンナの草原地帯、ナミビアのナミブ砂漠などの乾燥した砂漠地帯などを主な生息地としています。
以前アフリカ大陸の広範囲に生息し、20頭以上の群れを形成していましたが、
密猟や環境の変動により、数を大幅に減らし、現在は絶滅危惧種に指定されていることなどから、
現在は国内外での動物園をはじめとした保護施設や生息各地の
愛護団体が保護指定区域を指定し、密猟の防止や監視(GPS)などの域内外保全が世界規模で行われています。
キリンは全動物のなかでは特徴的な形態をしていて、首が非常に長く、独特な網目状の模様などが特徴的な動物です。
その為、周りの風景に溶け込みながら高い位置にある主食のアカシアの葉を食べつつ、周囲の広範囲を見渡すことができるなどの広大なサバンナを生きていく上では高いメリットがあるとされています。
このようにヒトを含めたほとんどの動物には生息地の環境に合わせ、祖先の誕生から徐々に姿かたちを変えて、絶滅と繁栄を繰り返し、現在の姿に至っています。
しかし、それらについては未だその役割や意味合いについては解明されていない点が数多く存在し、中の一つとして、<なぜキリンの首が長い状態で進化したのか>ということです。
まず、結論から言ってしまうと<はっきりした明確なことがわかっていない>のが現状です。
そんなわけで今回の記事は、なぜキリンは首が長いのか、多くの説がある中で、有名な<自然選択説>、<性選択説>、<体温調節説>などをパートに分けて書いていきたいと思います。
木の上の高い葉を食べるため<自然選択説>
まず一つ目ですが、木の一番高い葉を食べやすくするために首が長くなったのではないかという説です。
アカシアの木の一番高い葉の部分を効率よく食べるために首の長いキリンのみが生き残ったのではないかという事です。
キリンが主に主食としているのは、アカシア属シクンシ科と呼ばれるいわゆる<アカシアの葉>とよばれる
葉や枝が全体的に無数の棘に覆われている植物です。
アフリカのアカシアの木は比較的、葉の数が多く、栄養が豊富にある部分が木の最も高い部分に集中していることもあって
その部分の葉を食べられるという事は、下の部分しか食べることができないキリンと比べ、首が長く背の高いキリンのほうが
採食もしやすいです。
よって、栄養状態が良く元気な赤ちゃんを産むことができ、より首が長い遺伝子を引き継げるというものがあり、
キリンの世代が進むにつれ、首が徐々に長くなるように進化することで生存を有利にしていったのではないかという事です。
上図:ジェレヌク
下図:ディクディク
しかし、この説を唱えるには少し矛盾があって、キリンは高い木の上の葉を食べるどころか、他の草食動物(ジェレヌクやディクディク)が食べられる
高さの葉を食べることのほうが多いということが、後々判明しています。
確かにキリンの長い首のおかげで、より高い位置にある部分を食べることに有利なんですが、首は意外と柔軟に動くため、
上の葉だけにこだわらずとも他の葉を食べることもありますし、首の長さにもさほど影響はありません。
図:パレオトラグス
図:キリンが水を飲むところ
また後々、同じ自然選択説の一つとして、提唱されたのが<キリンが水を飲みやすくするため>に首が長くなったという説も
ありましたが、同じ絶滅したキリン科の<サモテリウム>や<パレオトラグス>がキリンより短かったため、信憑性は無いと言われており、むしろ長くなったことで水が飲みにくくなったのではという説まで登場してきました。
ネッキングを行うため<性選択説>
つづいて、<性選択説>です。
キリンはネッキングを行うために首の長さや重さを主張し、それがやがて繁殖に有利になることで次第に長くなったという事です。
キリンの<ネッキング(スパーリング)>というのは、メスとの交尾をめぐり、オス同士で長い首をお互いに振り回してぶつけ合い優劣を決める繁殖行動の一つと考えられています。
物理的に細く短い棒よりも長くて太く重みのある棒を振り回したほうが威力があるのは想像ができると思いますが、そのような首を持つオスがオスとの闘いに勝利し、次第にメスとの繁殖が成功し、次第にキリンの長い首の個体が生き残ったということです。
しかし、この説ですが、一つ矛盾点があり、メスの首が長いことを説明できません。
確かに、強く優秀な子孫を残すという点では、動物界では共通としてはあるのですが、別にメスのキリンの
首まで長くする必要もなく、ましてメスのキリンのほうが大型でオスより首が長いという個体が見つかっているというくらいです。
体の体温を効率よく下げるため<体温調節説>
最後に<体温調節説>です。
キリンの長い首が影になることで直射日光の熱から体を守るという事です。
図:サバナ気候などの年間の気温と降水量
キリンの生息域のほとんどはアフリカの赤道直下、サバンナ気候(サバナ気候)とよばれるところで、
平均気温は夜間を除き、約25~30℃と一年を通して気温が高く乾燥しており、気温の年較差もほとんどないのが特徴的です。
さすがにいくら野生動物でも直射日光をあたり続けながら、行動するのはリスクがあるため、なんらかの体温調節行動(自己防衛行動)が本能的に備えられています。
たとえば、同じ生息域であるライオンやチーターなど肉食動物は木の陰などを利用したり、イノシシやツチブタ、センザンコウなどは地中の穴、シャカイハタオリなどの鳥類は大木を利用したりするなどがあります。
上の図は、細長い棒に丸い球を付けた簡単な図形です。
棒を斜めに立たせ、丸い球を斜め上に向けるようにし、上からライトを当てると、
丸い球が影となり棒全体が影で覆われることがわかるとおもいます。
これをキリンに例えると、丸い球が頭部、棒を首に置き換えると、太陽に首を伸ばし傾けて、首と体全体が
影に隠れ、直射日光からの日射熱から体を守っているのではないかという事です。
実際の研究結果でも証明されており、気温20℃前後では、その行動を行ったキリンは20%であったので対し、
30℃を超える気温では60%とほとんどのキリンがその行動を行っていたという研究結果があります。
ただ体温調節という役割に関しては生理的な要因も多く含まれるため、明確な結論には乏しいです。
今回の記事は以上となります。
キリンの生態については現在も様々な学会で日々討論と研究が世界中で行われており、
ここには載せきれない様々説が提唱されています。
なぜこのような姿になったのか動物の生態を研究することで、同時に保護する上でも大きな足掛かりになると思います。
皆さんも他にこの説もあるというのがご存じであれば、コメント欄で教えてください。
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本日は最後までご購読頂きありがとうございました。
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