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『時たま山伏、いつもは音楽制作者』

クサリ一本で垂直な崖を登ったり、畳一畳もない岩塔の上で日がな過ごしたりする、山伏に憧れる音楽制作者のブログ。

朝ラン終わりに小学校正門前のコンビニで一服ついていると、言い合いをしながら駅方面に千鳥足で歩いていく学生らしき男女を見かけた。


「俺はオマエとしかやってない」

男の声でこう聞こえた。


酔っ払った女の子は男の子にベッタリ寄りかかり、歩道をジグザグに波に揺られているかのように歩いているのだが、表情というか雰囲気はちょっとシリアスな空気だった。


「かわいい」とか「好きだから」とか、これも男の声で聞こえてくる。


僕の前を通り過ぎるあいだの数十秒の会話だが、僕が洞察力を動員してあれこれ思うには十分過ぎるくらいの会話。


女の子は言葉にならない声で首を大きく振って相槌を打っていたから、これは男の子の身の潔白を訴える懸命な主張だったのだろう。


花壇のフェンスにあったポスターに書かれていた「花を大事にしましょう」という小学生直筆の言葉と「俺はオマエとしかやってない」という言葉がいっぺんに目と耳に入ってくるさまはなかなかシュールだった。歌詞のテーマやネタには参考にはならなそうだ。


彼女とどこまで一緒に行くのかはわからなかったが、しっかり寄り添って彼女をしっかりフォローするんだぞと、オジサンは思った。




近所の建設現場の仮設足場に掲げられていた標語。



大手ゼネコンの主張する言葉は力強い。

上から目線なのは、さすが大手。

笑笑

僕の実家のトイレには昔から六曜や吉日・開運日、二十四節気などなどさまざまな"今日は何の日"が書かれた月めくりカレンダーが貼られている。


トイレで便座に座るたび、やることのない僕はカレンダーを隅から隅まで読んだ。毎日の事だ。結果、まだろくすっぽ漢字も書けないガキの頃から、「啓蟄」だの「赤口(しゃっく)」だの、馴染みのない漢字を書けたり読めたりした。

逃げ恥婚の発表で使われ、ちょっと前に話題になった「一粒万倍日」も「グリコのキャラメルのことか?」と思って国語辞典で調べた小学生の頃にどんな日なのかを知った。。。


暦と共に生きていた時代には、その日その日に意味があって、迷信めいたところもあるのだろうけれど、それらを拠り所にして営みの方向を決めて生きてきたようなところもあるのだろうと思う。


彼岸や盆ですら忘れてしまう昨今、仏滅に厳しい山へアプローチしたり…etc…、暦が自分の営みに何か影響することはほとんどない。

吉日やらを読めて書けて意味を知っていても自分の生活に役に立った記憶はあまりない。



足掛け2年に及んだレコーディングセッション、秋に発売される予定のアルバムからのシングル曲が615日に先行リリースされた。




ちょっとカッコよくキメた曲。

歌の主人公になったかのごとく、妄想力を最大にしてディレクションさせてもらった。


天赦日で一粒万倍日、という今年最強の吉日にリリースすることを決めたそうだ。

若い、しかもバンドマンたちが「先行シングル、いつにする?」などとミーティングしている時に「"てんしゃにち"がさぁ」とか「"いちりゅうまんばいび"ってさぁ」とか話していたのだろうな、なんてことを勝手に妄想して、微笑ましく思った。


読み方を知っている事がどうも役に立ったようである、笑笑

NHKのドラマのスタッフクレジットに編集者である大学時代の先輩の名前をみつける。


週刊誌編集考査。


週刊誌編集者時代、ゴシップ記事に物申すために編集部にやって来たタレントのマリアンに平手打ちを食らったツワモノ。

「マリアンにビンタされた」が名刺がわりになっただろうからこれは編集者としては相当オイシイかったと思う。


こういう"事件"は最近あまり耳にしない。自主規制で無茶しなくなったからだろうか。

隔世の感がある。

ずいぶん前の逸話だから今の現役世代はマリアンビンタを知らないだろう。このドラマへの参加が先輩の新しい名刺がわりになるのかもしれない。





近頃制作される楽曲はイントロがめちゃくちゃ短い。サブスクなどでの配信リリースがメインなせいだろうか。

せっかくお薦めのプレイリストに入れてもらってもイントロが長すぎると歌が始まる前に次曲へ飛ばされてしまう恐れがある。


とはいえ、イントロは僕ら世代にとって「歌」をワクワクさせてくれるプロローグとして結構重要だったりする。

ちょっとしたことだが、こんなところにも隔世の感を感じる。




2拍あっていきなり歌だ。

けれど、クールに少し斜に構えたような歌にいきなり耳を引っ張られた。


僕らの子供世代にあたる彼女。ビートルズはもとよりザ・バンドやらクラプトンらの音楽を小さい頃から親と一緒に聴いてきたようだ。ダニー・ハサウェイやジェイムズ・テイラーら、僕の好きなシンガーのことも好きなようだ。そのあたりのエッセンスが僕の耳を引っ張ったのかもしれない。

さっさと歌を聞かせればわかる、と踏んだのだろうか、と勝手に慮ってみる。


徳島出身、米津君と同郷。

2人とも歌詞にメロに強い意思を感じるのは地勢的な要因でもあるのだろうか