『伝わる文章の書き方 短時間でわかりやすく書く93のポイント』
高橋廣敏/著 総合法令出版
文章の書き方を学びたいと思い、職場の大学図書館で、レポート作成や論文執筆についての本など、数冊借りた中の一冊です。
帯に「あらゆる場面で使える文章力が7日間で身につく」と書かれている通り、文章の書き方が、7章に分かれて説明されています。
見開き2ページに一つずつポイントとなる見出しが書かれていて、大切な箇所が色分けされていたり、「NGの例」、「OKの例」として書かれた例文が四角で囲われていたり、図が用いられていたり、とにかく見やすいです。
この本を読み始めてすぐに、「何度も読み返したい手元にいつも置いておきたい」という思いが沸き起こり、読み終わってすぐに、ネット注文しました。
「読点を正しく打つと文章が伝わりやすくなる」、『「が」「の」「は」を繰り返さない』、『「が」と「は」の違いを意識する』等々、自分でもなんとなく気をつけている事柄が詳しく解説されているので、判断に困った時、手元にこの本があれば安心です。
「記号に頼りすぎない」というポイントのページでは、「」(カギ括弧)の使い方について、今まで勘違いしていたことに気がつきました。
引用には『』(二重カギ括弧)を用いると思い込んでいたのですが、「」を使用するのが正しかったようです。
『未知の新情報を示す場合⇒「が」』、『既知の旧情報を示す場合⇒「は」』というのは、知りませんでした。
例として載っている、「開発とテストに10年をかけた新型の車は完成しました。」という文章は、まだ読み手が新型車を知らない状態なので、「は」を用いるのは誤りだそうです。
正しくは、「~新型の車が完成しました。」となります。
同様に、『「に」⇒明確な場所を示す。』、『「へ」⇒漠然と方向を示す。』の違いも、意識したことはなかったです。
「病院に行く。」と「病院へ行く。」は、「どちらでもよさそう」と書いてありますが、「内科に行く。」と「内科へ行く。」の場合、病院でも「内科」と場所が特定されているので「に」が適切とのこと。
漢字とひらがなの使い分けも、何が正しいのかよく分かっていませんでしたが、「具体的に特定できる場合は漢字」、「抽象的で漠然とした場合はひらがな」というのが一般的だそうです。
驚いたのは、『理由を表す「ので」と「から」』の使い分けです。
「客観的な因果関係の場合⇒ので」、「主観的な因果関係⇒から」
この本を読んでいなかったら、「明日は雨だと思うので、今のうちに洗濯をしておいた。」という文章の間違いに、私は気付けなかったと思います。
「明日は雨だと思うから、今のうちに洗濯をしておいた。」が正しいわけですが、上記の「ので」を使用した文の方が感覚的にはしっくりきてしまいます。
いやぁ~~~奥が深いですね
この本には、私が特に興味を惹かれた、上記のような事柄だけでなく、「書き始める前の準備」から、「情報と知識の違いについて」、「論理的な文章の書き方」、「発想法」、「要約の方法」、「推敲のやり方」等に至るまで、事細かに書かれています。
どれも大切なことばかりなのですが、私には難しい事柄も多く、7日間ではとてもマスターできません。
この本を読んだ後に文章を書くのは、なんだか怖いような気にもなります。
それでもまあ、数日後にはこの本が届きますから、いつも手元に置いて参考にしつつ、「伝わる文章」が書けるように一歩ずつでも前進していこうと思います。