ヴィジュアル版 世界のティータイムの歴史』

ヘレン・サベリ/著  村山美雪/訳  原書房

 

 

 

今まで、西洋のティータイムの本は何冊か読んだことがありますが、この本は『世界の』とあるように、『インドとその周辺地域』や、『カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカ』、『中国、日本、韓国、台湾』という章もあり、更に『そのほかの世界各地』まで網羅されています。びっくり

 

 

 

それぞれの国のティータイムについて、お茶が伝わった背景から道具・作法・お茶請けについて、また、お茶を愛した有名人や小説の中に著されたティータイムに触れたりもしていて、とにかく情報量がものすごく多いです。爆  笑

 

 

 

その中でも特に「お茶請け」については詳細に書かれ、巻末に数種類のレシピまで載っていたのには驚きました。びっくり

 

 

でも、材料が「セモリナ粉」とか、「キャスター糖」、「ロールドオーツ」、「バーズのカスタードパウダー」等、手に入りにくそうなものだし、そもそも見たことも食べたこともないお菓子はハードルが高すぎ、作ろうとは思えませんでした。てへぺろ

 

 

 

トルコについて書かれている章に、以前、『万国お菓子物語』の記事に書いた「ロクム」(トルコの歓び)も載っていて、そうそう、『ナルニア国物語』で、「プリン」と訳されていた「ターキッシュ・デライト」が、「ロクム」のことだったんだよなーと、思い出しました。ニコニコ

 

 

 

『メアリー・ポピンズ』で、「クランペット要りますかはてなマーク」とメアリー・ポピンズが子どもたちに尋ね、子供部屋の窓からクランペット売りを呼び止めたくだりや、アガサ・クリスティーの『名探偵ポワロ』シリーズの中にも、執事のジョージによって、『クランペットは円にも四角にも焼かれ……』とあったように(思うのですが)、クランペットもいろいろな国で好まれているようです。爆  笑(それらの本のことは書かれておらず、私が思い出しただけですが)

 

 

 

以前、『名画のティータイム拡大でみる60の紅茶文化事典』を読んだ時、「スコーンのことは書かれていないなあ……」と思ったのですが、この本には『クリームティー』というコラムに書かれていました。

 

 

それによると、元々の「クリームティー」はスコーンではなく、スプリットと呼ばれる、酵母で作る少し甘めの丸いパンを、ジャムとクリームと共に味わうものだったそうです。びっくり

 

 

『現在では丸いパンはほぼスコーンに取って代わられたが』とあるので、スコーンはわりと新しいものなのですね。笑

 

 

インドについての章に、『野外テントではたいがいストロベリー・クリームが呼び物となった。』と書かれていますが、それで今度は『赤毛のアン』のシリーズを思い出しました。

 

 

『アンの青春』の中で、ミス・ラヴェンダーが、『はしり苺でお茶にしようよびっくりマーク』と大声で叫ぶのです。

 

 

『二人で苺を摘んできたら、このポプラの下でお茶にしましょうよ。自家製のクリームを用意しておきますからね』と。

 

 

子供の頃、そのくだりを繰り返し読み、「お茶に苺はてなマーク」といつも思っていたのですが、ストロベリー・クリームでお茶を飲む習慣があったことを初めて知り、納得しました。(『赤毛のアン』はカナダのお話しですが)ニコニコ

 

 

 

インドの章には、西洋人がインド人の召使に給仕されている絵が載っていて、「インドでアフタヌーンティーを楽しむ紳士淑女」と書き添えられています。

 

 

 

それを見て、今度は『秘密の花園』を思い出し、娘のメアリーをろくに顧みなかった美人の母親も、盛んにティー・パーティーを催していたのかなあ……なんて思いました。ショボーン

 

 

 

『名画のティータイム~』に、『ロシア人はお茶にジャムを入れて飲むとの誤解は……』とあったので、なんだ、ロシア人は紅茶にジャムを入れて飲んだりしなかったのか!?と思いましたが、この本を読み、また混乱しました。ガーン

 

 

 

この本には、『甘味好きのロシア人には、茶を飲むなら少なくともジャムは欠かせない。』、『小さなスプーンでそのまま食べてもいいし、茶に入れてかき混ぜれば、果物の風味が広がる。』とあるからです。あせる

 

 

ということは……ジャムをお茶に入れて飲むことはあるけれど、ジャム入りティー=ロシアンティーというのが誤解だったということはてなマーク

 

 

ロシアンティーとは、レモンティーのことだと『名画のティータイム~』に書いてありましたし、この本にも『ロシア人は茶にレモン(時にはリンゴ)の薄切りを添えることが多い。ミルクを加えるのはまれだ。』とあるので。キョロキョロ

 

 

日本について書かれている章では、『茶を点てる儀式には二種類ある』とあり、ひとつは『抹茶とともに薄茶も淹れられ、茶の苦みをやわらげる甘い和菓子とともに味わわれる』、『形式ばらずに茶を飲む茶会』で、正式な儀式の茶事として、『茶懐石』が紹介されています。

 

 

一時間以内に終わる茶会が「形式ばらない」と書かれている点にびっくりです笑い泣き!?

 

 

お茶を点ててもらって飲むなど、作法もわからない私にとっては、かなり敷居の高いものなのですが。笑

 

 

「茶懐石」に至ってはたぶん、生涯、経験することはないでしょう。てへぺろ

 

 

日本人なのにね~~~ダウン

 

 

ものすごい情報量のこの本を読み終え、様々な国のティータイムについて知りましたが、その間、気軽に緑茶を淹れて何杯も飲んでいることを、ちょっと不思議に思いました。キョロキョロ

 

 

「ティータイム、ティータイムって言うけど、私もこの本を読みながらお茶お茶は飲んでいるよな~~~」と。

 

 

それだけお茶が身近なものになっていると言えばそうですが、職場の若い子(先輩ですが)に聞くと、「お茶お茶は旅館で飲むもの」!?だそうですびっくりマークガーン

 

 

つまり、家で急須でお茶を淹れたことはないと。!!

 

 

ということは、その子の両親も家でペットボトルのお茶を飲んでいるということなのでしょうか!?目

 

 

最近、ホテルのアフタヌーンティーが大人気みたいですが、普通に家庭で緑茶を淹れて飲むことも、大切な日本文化ですよね!?

 

 

そもそも、日本も西洋にお茶を輸出している国なのですから、家庭で緑茶を淹れて飲む習慣はすたれて欲しくないなあ……ダウンと思いました。ショボーン