馳星周氏の「ソウルメイト」を読みました
過去に何冊か読ませてもらっている馳星周さんの本。直木賞受賞の「少年と犬」は題名にも有るようにワンコが登場するし、「黄金旅程」や「優駿」は馬、サラブレッドですね。図書館が10日ほどお休みします。偶然、棚で見つけました。表紙を見て「これは借りなくては」の本でした。表紙にあるように「ワンコ」のお話です。短編が7編。犬を飼うって事で得られる喜びも有るし、分かれの深い悲しみも有ります。自分が最初に飼おうと決めた時に、どれほどの覚悟が有ったか?は記憶にないですね。ワンコを愛する馳さんが、一匹の家族を迎え入れるって、こういう事だよ、と伝えられているのだと思いました。家族が増えるってことは、結婚するとか、出産育児と同じような事ですよね。婚姻関係は、離婚っていう結末もあるでしょうが、ワンコを迎えるっていうのは、それ以上に後戻りできない決断、最後を看取るまで続くのだと言う事を強く感じました。→最後の犬の十戒まで是非どうぞ。このblogにも自分が飼っていたワンコ(ミックス犬でポルコって言います)のことを書きますが、本当に良いタイミング(長男が大学進学)だったし、ずっと医者いらずで過ごして、毎日の散歩を人間もワンコも双方が楽しみにしていました。腎臓の病気の発症から最後までの数か月は濃密な時間を過ごさせてもらいました。不謹慎かも知れませんが、実の親より懐かしさをもって思い出す事も多いです。今から思えば、すごく大切で貴重な出会いで体験だったのですが、飼う時ってそこまでは考えてなかったです。例えば、今の年齢になってから、衝動的に飼ったりしたら?と考えると怖くなります。また、近所の年少君が「飼いたい」と言っているらしいのですが、この本を読める位には成長してからだと伝えたいですね。小説ですから、エンタメの部分もあるでしょうが、ワンコを迎え入れる時の指南書的な部分は大きいと思います。もし、流行りだからと飼ってみたい、と思わえる方が居れば、読まれる事をお勧めしたいです。ワンコを迎え入れて得られる楽しい時間と必ず来るであろう別れを疑似体験できて、覚悟を持って決断できると思います。出版社のあらすじ なぜかデジタル版の方がていねいな紹介。 人間は犬と言葉を交わせない。けれど、人は犬をよく理解し、犬も人をよく理解する。本当の家族以上に心を交わし合うことができるのだ。余命わずかだと知らされ、その最期の時間を大切に過ごす「バーニーズ・マウンテン・ドッグ」、母の遺した犬を被災地福島まで捜しに行く「柴」など。じんわりと心に響く、犬と人間を巡る7つの物語。愛犬と生きる喜びも、失う哀しさも包み込む著者渾身の家族小説。 ソウルメイト/馳星周 | 集英社 ― SHUEISHA ―人間は犬と言葉を交わせない。けれど、人は犬をよく理解し、犬も人をよく理解する。本当の家族以上に心を交わし合うことができるのだ。余命わずかだと知らされ、その最期の時間を大切に過ごす「バーニーズ・マウンテン・ドッグ」、母の遺した犬を被災地福島まで捜しに行く「柴」など。じんわりと心に響く、犬と人間を巡る7つの物語。愛犬と生きる喜びも、失う哀しさも包み込む著者渾身の…www.shueisha.co.jpチワワ私が記憶しているのに、日本にチワワが多く飼われるようになったのは、このCMがきっかけだったと思います。このCMは、ワンコを衝動的に飼って(買ってだな)も良いんだよ、と視聴者の心理に訴えてきました。それと、仕事一筋系の親父にとって、自分の癒しになると連想させることが出来て、CMとしては秀逸な出来栄えだと思います。それに加えて、アイフルなどのいわゆるサラ金でお金を借りるっていう事のハードルを低くしました。従来、お金を借りるっていうと、生活が苦しいからとか、耐久消費財の購入とか、必要に迫られていたのに、こんな愛玩動物をしかも衝動的に買うのに使っても良いのだ!というイメージ付けしました。この本のチワワは、定年を過ぎた夫婦が飼い始めます。チワワの寿命からすると、夫婦の平均的な寿命の範囲で看取ることが出来るでしょう。旦那は大型犬を飼いたかったようですが、それは年齢を理由に奥さんに拒否されています。しかし、チワワより奥さんの方が先に体調が悪くなります。軽井沢に引っ越して療養しますが、根本的な解決にはなりません。旦那には、奥さんの思い出とチワワとの生活が残されます。ひょっとして、奥さん、旦那にチワワを残したのでは?とも思えるお話でした。バーニーズ・マウンテン・ドッグ私は犬種の関してはそれほど存じ上げません。まぁ犬種ってすごく多いですよね。表紙のワンコがその犬種でしょう。馳星周さんで検索するといくつかヒットします。拝借しました→「少年と犬」のインタビュー記事です。体重が30~45kgにもなるそうですから、大型犬ですね。この画像を見る限りでも、馳星周さんが実際に飼って居らえたのでしょう。なので、この編に登場するお話は実話のように思えました。(子供がいない夫婦とか、別荘地に暮らしているなどの設定も似通ってますね)さて、このワンコは悪性の病気に罹患します。奥さんは、漢方(犬にも有るのですね)を取り寄せたりと考える限りの手立てをしますが、病状はだんだんと悪くなってきます。この時の様子が自分のワンコの時と重なりました。最後が迫っている時に先生から 「自然療法で闘病しているのは承知で言わせてもらいますが・・・・」 帰る間際、佐藤医師が言った。排尿を済ませたあと、佐藤医師はカータにリンゲル液と栄養剤の入った点滴を施してくれた。 「カータが食べたいものを与えてやってください。ヨーグルトや甘いクリーム、果物、カータが食べるものならなんでもいいんです」私も同じような事を言われました。飼い主はまだまだ回復の余地があると信じているので、少しでもワンコの身体に良いものを食べさせたい、と考えていました。しかし、先生の判断はそうではなかったのです。その時に自分のポルコの寿命が目の前に迫っていることを感じました。そして、このアイスクリームのシーン 「そうだ、カータ。アイス食べるか?」 カータの身体を拭き終えると私は言った。冷凍庫に鈴子(奥さん)のお気に入りのアイスクリームが入っている」 カータがうっすらと目を開けた。(中略) まだカータが幼犬だったころ、鈴子に内緒で時折アイスを食べさせてやったことがあった。カータの食べる姿があまりにも嬉しそうだったので、いけないことだと思いつつ、与えることが止められなかったのだ。それが鈴子にばれて大目玉を食らい、以降、カータはアイスを食べることができなくなった。 食器を鼻さきまで持っていってやると、カータはさらに身を起こした。アイスの匂いを入念に嗅ぎ、おもむろにしたでアイスを舐めとった。これも同じような体験が有りました。先生から、ポルコが食べたいものをやって下さい、と言われてから、様々なドッグフードやお菓子の類を試していました。新しいフードやお菓子は食べるのです。喜び勇んで追加を買ってきたのですが、次は口にしてくれません。残りは私が食べることになりました。先生に訴えると「腎臓が悪いのでムカムカした感じがずっと有るのでしょう。なので、新しい食べ物なら、スッキリするのでは?と思って口にしてくれるのでしょう」でした。だんだん食が細くなってきた時に先生に「プリンはどう?」と聞いて、口にするのに針を外した注射器を借りました。プリンを口に流し込むと食べてくれたのを覚えています。もう少し時間が有ったら、このお話のようにアイスクリームも試してみたかったですね。アイスクリームには思い出が有って、夏の夜の散歩の時に途中にあるコンビニでアイスを買うことが有りました。公園のベンチでほんの少しだけお裾分けがもらえるのですが、その時の嬉しそうな顔。思い出しますね。エピソードの一つに、当時キャンペーンで北海道濃厚アイスなる商品が有って、それを試したら、ポルコはお腹を下してしまいました。濃厚な脂肪分が多いアイスは受け付けなかったのですね。犬の十戒本の冒頭にこの犬の十戒が掲げられています。犬の十戒とは、インターネット上で広く世界に伝わっている詩である。多くの愛犬家がこの詩を何度も読み返しては、飼い主の有るべき姿を模索している。映画を思い出しました。犬と私の10の約束 : 作品情報・キャスト・あらすじ・動画 - 映画.com犬と私の10の約束の作品情報。上映スケジュール、キャスト、あらすじ、映画レビュー、予告動画。犬から人への願い事という形で綴られた短編詩“犬の10戒”をモチーフに、犬と少女との10年間に渡る絆を綴った感動作。...eiga.com本の訳は、馳星周さんなのですが、ネットで見つました→〇 1. 私と気長につきあってください。 (Give me time to understand what you want of me.) 2. 私を信じてください。それだけで私は幸せです。 (Place your trust in me. It's crucial to my well-being.) 3. 私にも心があることを忘れないでください。 (Be aware that however you treat me I'll never forget it.) 4. 言うことをきかないときは理由があります。 (Before you scold me for being lazy, ask yourself if something might be bothering me.) 5. 私にたくさん話しかけてください。人のことばは話せないけど、わかっています。 (Talk to me sometimes. Even if I don't understand your words, I do understand your voice when it's speaking to me.) 6. 私をたたかないで。本気になったら私のほうが強いことを忘れないで。 (Remember before you hit me, I have teeth that could hurt you, but that I choose not to bite you.) 7. 私が年を取っても、仲良くしてください。 (Take care of me when I get old.) 8. 私は十年くらいしか生きられません。だからできるだけ私と一緒にいてください。 (My life is likely to last 10 to 15 years. Any separation from you will be painful for me.) 9. あなたには学校もあるし友だちもいます。でも私にはあなたしかいません。 (You have your work, your entertainment, and your friends. I have only you.) 10. 私が死ぬとき、お願いです、そばにいてください。どうか覚えていてください、私がずっとあなたを愛していたことを。 (Go with me on difficult journeys. Everything is easier for me if you are there. Remember I love you . . .) 全てのワンコが人間と良い関係を長く長く続けられることを祈ります。それと続編もあるようです。