任意整理手続について,いろいろな依頼者さんと

お仕事をさせていただく中で思ったことを。



まず,当然ですが,依頼者さんからは,じっくりと

お話しをうかがい,その依頼者さんの家計の状況等を

十分に理解する必要があると思います。



というのは,当然ですが依頼者さんの中にも色々な性格の方がいます。



 「月にいくらまでなら借金の返済に充てられますか?」


という質問に,


 「3万円。」


と答えてくださったとしても,この3万円の意味は人それぞれです



ある程度の余裕を見越して3万円と言う人もいれば,

本当にギリギリ一杯の数字という意味で3万円という人もいます。



人によっては,年1回の支出(自動車税,自動車保険,固定資産税)や不慮の支出(医療費等)を全く考えないで,単純な収支で3万円という人もいます。




また,人によっては,やる気に満ちあふれた気持ちや,

破産が嫌だという気持ちから,ちょっと背伸びをして,3万円 という人もいます。




ですから,依頼者さんが「3万円までなら返せる」と言ったからといって,月の返済総額を3万円になるように和解すると,後々返せなくなってしまうというケースも出てくる訳です。



これでは依頼者さんの本当の経済的な再起更生にはなりません。



ですから,依頼者さんの経済的再起更生のためには,

依頼者さんからじっくりとお話しをうかがって,依頼者さんの

家計の状況等を十分に理解した上で,本当に実現可能な

プランでの任意整理を提案する必要があると思います。



ちなみに気をつけているのは,


 仕事の状況


 ご家族(旦那さん,奥さん)は知っているか知らないか,協力は得られるか


 お子さんの在学状況はどうか

等々。



お子さんが中学や高校に進学される場合には,結構お金がかかるんですよね。


制服,体操服,カバン,習字道具やら自転車&ヘルメットやらで,10万円程度かかることもあります。


分割払いの期間中にお子さんが進学されるご家庭の場合には,その負担についてもあらかじめお話しして,依頼者さんにも想定しておいていただく必要があります。





やや中途半端になっていた任意整理の話題について補足します。



弁護士が債務整理の手続を選択する際には,

まずは任意整理でいけるかどうかを考える,という話の続きです。



この任意整理手続。


あくまで債権者との任意の交渉のため,債権者との間で示談を成立させる必要があります。


ですから,債権者にも,Yes と言ってもらえる条件でなければなりません。


債権者との和解条件で,分割期間についてですが,通常は3年間(36回払い)での分割となることが多いです。


一部,最大で5年間(60回払い)での示談に応じてくれる業者もありますが,原則は3年間(36回払い)が上限,という業者が多いです。




ですから,逆に言うと,任意整理で行けるかどうかの分かれ目は,



 債務総額について3年間(36回)の分割払いで返済できるか



というところになります。




弁護士は,依頼者さんから,仕事の状況や家計の状況等について

お話しをうかがい,依頼者さんの家計の月々の収支や,

月々の返済可能額について,一緒に考えさせていただきます。



仮に月々の収支から,毎月返済に充てられる金額が月3万円だという場合,

単純計算で,

  3万円 × 36回(3年間の分割払) = 108万円

となります。


ですから,この方の場合には,債務総額がこの108万円を

大きく上回るようだと,任意整理では難しいと判断せざるを得なくなっていきます。


この場合には,正直にその旨を依頼者さんにお伝えし,

家計の改善は可能かどうか,個人再生等の他の手続を

とることができるかどうか等について,じっくりと協議

させていただくことになります。


補足ですが,


最近では,分割払い中の将来の利息を要求してくる業者が

多数派になりつつあります。ですから,上記の

   月々の支払可能額 × 36回

という暗算に,ある程度の利息支払も考慮に入れる必要が出てきました。



昨夜は,


『倒産分野における弁護士の倫理・行動準則』

という研修を受けました。



研修の中では,破産や民事再生などの倒産事件での

懲戒事例がたくさん紹介されていました。



その中で割と,というか,やっぱり多いのが,


   事件を放置


というもの。




ちなみに私の周りで,弁護士に依頼したことがある

という人に聞いたときに,一番多い不満が,


  放置された。


  音沙汰無し。


というもの。


(私のところはそんなことはあり得ないので,

 今度はウチに依頼してね,などと営業してますが。笑)



こういうの,ホント,一般の仕事の世界であれば考えられませんよね。




別にそういう弁護士を擁護するつもりはありませんが,一応コメントしておきますが,



弁護士は,常に30~100件近くの事件を抱えています。


人によって様々ですが,そのうち一定の割合の事件は裁判や調停などの事件です。


裁判や調停については,裁判のスケジュールが入っています。


ですから,次回の裁判までに主張や証拠をださなければ,,,,ということで,頑張ります。


つまり,締め切りがある訳です。


示談交渉のように,相手方がある事件についても,やらないと相手方からせかされます。その意味では,締め切りがあります。



しかし。


一番危ないのは,


   相手方がない,裁判以外の事件


ですね。



例えば,○○の申立てをする,というような依頼です。



ですから,こういう事件は,自分なりにスケジュールだてをして,締め切りを設けるなどして,意識的に処理しないといけません。




それでもうかうかしてると,何十件とある事件の中に,埋もれてしまうこともあるのかもしれませんね。



ちなみに私は,事件管理表で,全事件の進行を管理・把握すると共に,

棚卸し的なカンジで,定期的に全事件をチェックするようにしています。


まぁこの方法は,尊敬する先輩弁護士から習った方法なんですけどね。





昨夜の研修で紹介されていた事例あったのが,



  破産の申立を依頼されていたが,


  2年間 も完全放置した(!!)



というもの。



2年間もう放置したお陰で,破産した会社の財産が,いろんなところに散逸してしまい,債権者に損害を及ぼしたということで,その弁護士は損害賠償責任を負わされていました。


まぁ当然と言えば当然です・・。



ご依頼を受けた事件を放置したり,

依頼主に,ちゃんと報・連・相をしない,


というのはサービス業としてありえない話です。




私もより一層,よいリーガルサービスを提供できるよう


日々努力をして行きたいです。