キッチン選びの盲点:「水に弱い素材」に注意!
今日は、意外と知られていない「最近のキッチンは水に弱い」という話をします。キッチンは水を扱う場所なのに、実は水に弱い素材が使われていることが多いのです。この問題を理解して、後悔しないキッチン選びをしていただきたいと思います。
現代のキッチンに使われる素材
最近のシステムキッチンの多くは、木製キャビネットで作られています。ただ、ここで言う「木製」は無垢材ではありません。使われているのは、MDF(中密度繊維板)やパーティクルボードという工業製品です。これらは木を細かく砕いたり繊維状にしたものを接着剤で固めた素材で、その上に紙や樹脂系のシートを貼って仕上げています。
この仕組みは、ネットで売られている組み立て家具とほとんど同じです。防水処理が施されていない家具では、少し水がかかると素材が膨張してしまうことがあります。それが、キッチンでも起こり得るのです。
なぜ水に弱い素材が使われるのか?
キッチンに水に弱い素材が使われる理由は主に以下の3つです:
1. 価格を抑えるため、2. 加工のしやすさ、品質の安定性(無垢材は環境や湿度により歪むことがありますが、工業製品は均一な品質が保たれます。)
表面仕上げの種類も注意が必要
木製キャビネットの表面には、いろいろな種類のシートが貼られています:
特殊化粧紙と言って紙に印刷したものを貼るタイプから オレフィンやPETと呼ばれるビニール系の素材。
これらの素材の耐久性や防水性は、製品ごとに違います。見た目だけで選ぶのではなく、シートの素材や耐水性を確認することが重要です。
水に強い素材のシステムキッチンでしたら次の選択肢を考えてみてください:
• クリナップのステンレス製キャビネット:キャビネット本体がステンレスでできており、水や湿気に非常に強いです。
• タカラスタンダードのホーローキャビネット:ホーローはガラスのような素材を金属に焼き付けており、防水性と耐久性に優れています。
ただし注意点として、クリナップのキャビネットでも扉部分は木製の場合が多いです。その場合、どのようなシートが貼られているのかも確認しましょう。タカラは扉もホーロー製です。
キッチン選びで後悔しないために
キッチンは見た目や価格だけで選びがちですが、「水に強いかどうか」という視点も忘れてはいけません。特に、木製キャビネットの場合では扉選びを慎重に行なってください。
田口住生活設計室/田口寛英