オイラーの微分方程式の特別な解法
x²•d²y/dx²+3x(dy/dx)+y=0
これはオイラーの微分方程式と呼ばれるものです。
一般的な解法は、x=e^tと変数変換
dx/dt=e^t=x
dt/dx=e^(-t)=1/xです。
よって、
dy/dx=(dy/dt)(dt/dx)=(dy/dt)(1/x)
です。
また、
d²y/dx²
=d{(dy/dt)(1/x)}/dx
=d(dy/dt)/dx•(1/x)+(dy/dt)(-1/x²)
=d(dy/dt)/dt•(dt/dx)(1/x)-dy/dt•(1/t²)
=d²y/dt²•(1/x²)-dy/dt•(1/x²)
=(1/x²)(d²y/dt²-dy/dt)
これを代入
(d²y/dt²-dy/dt)+3(dy/dt)+y(x)=0
x=e^t ですので,
d²y/dt²+2•dy/dt+y(e^t)=0
となり,
yはtの2階線形微分方程式になりました。
y(e^t)の部分を処理します。
y(x)=y(e^t)=u(t)
演算子で表現すれば
(d/dt+1)²u(t)=0
(D+1)²u(t)=0です。
特性方程式はx=e^(λt)とすれば
λ²+2λ+1=0
λ=-1(重根)
よって、u(t)=(C₁t+C₂)e^(-t)
ここで,x=e^t だったので、1/x=e^(-t)
y(x)=u(t)=(C₁logx+C₂)/x
だから y=(C₁logx+C₂)/x
が一般解です。
スタンダードな解き方は以上です。
変数変換せずに、式変形だけで解きます。
(x•dy/dx+y)=Yとみると
d/dx=D と演算子を使って、
(Dx+1)²y(x)=0になりました。
(Dx+1)(Dx+1)y=0
(x•d/dx+1)(x•d/dx+1)y=0 で
(Dx+1)y=0
(x•d/dx+1)y=0
x(dy/dx)+y=0
が一つの解を与えます。
xdy+ydx=0
ydx=-xdy(1/x)
dx=(-1/y)dy と変数分離
logx=-logy+c
logx+logy=c
log(xy)=cよって、
xy=C₁
y=C₁/x
が一つの解です。
もう一つの解は
(x•d/dx+1)y=C₁/x
x(dy/dx)+y=C₁/x
左辺はxyをxで微分した形
(xy)'=C₁/x
xy=∫(C₁/x)dx
=C₁logx+C₂
y=(C₁/x)logx+C₂/x
がもう一つの解です。
よって、一般解は、
これにy=C₁/xを足したもの
y=(C₁+C₂)/x+C₁(logx)/x が一般解。