54歩型の先手中飛車対策といえば郷田流や穴熊だが、いずれも決定版になり得なかった。
自分から角を換えたり角道を止めると、先手に先に形を決めて貰えないのも一因だろう。
本作戦はやや古風ながら手厚く自然な待ち方で、清水先生や中川先生が愛用されている。
(棋書でいうと伊藤真先生の『先手中飛車の最重要テーマ21』テーマ16と17が最も詳しい)
角交換型になれば雁木で中央に厚く構え、66歩には早仕掛けや加藤流袖飛車急戦を狙う。
elmo囲いの登場によって42銀上のマイナス面が薄れたこともあり、改めて調べてみたい。
※構成:
(A)
↓
(A*), (B), (C)→(C+)
↓
(D), (E)→(F)
↓
(D1), (D2)
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56歩 84歩 76歩 62銀 58飛 42玉
48王 85歩 77角 54歩 38王 34歩
68銀 32玉 28王 52金右 38銀 53銀…(A)

55歩 同歩 同角 同角 同飛 44角
59飛 86歩…(B)
46歩 77角成 同銀 42銀上 55歩 同歩
同飛 54歩 59飛 64歩…(C)
46歩 42銀上 16歩 14歩…(A*)
端歩は突かれたら受けるぐらいでよい。(角交換型で中央が一手でも立ち後れるとまずい)
先手も16歩を急ぐと、44歩から穴熊を目指されたときに45歩~55歩と動く含みが消える。
最序盤の最善の手順は私にはまだ全くわからないが、最近は54歩を遅らせる人が多い。
(『先手ゴキ対角道保留64銀』で書いたように、升田流向い飛車を封じている意味がある)
34歩も、32玉の後だと79銀38王型での55歩が気になるし、前だと前田流の余地がある。
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56歩 84歩 76歩 62銀 58飛 42玉
48王 85歩 77角 54歩 38王 34歩
68銀 32玉 38王 52金右 38銀 53銀…(A)
55歩 同歩 同角 同角 同飛 44角
59飛 86歩…(B)

同歩 同飛 79金 87飛成…(B1)
同歩 同飛 77桂 89飛成 54歩 64銀
66角 同角 同歩 99龍…(B2)
54歩 62銀 86歩 99角成 77桂 42銀
65桂 51香 78金 44馬…(B3)
54歩 62銀 77桂 87歩成 65桂 42銀
66角 同角 同歩 89角…(B4)
71角 84飛 54歩 62銀 同角成 同金
53銀 99角成 62銀成 55香 53歩成 59香成
同金左 87歩成 52金 42金…(B5)
47歩型での五筋交換には、71角の筋に備えて44角を置いたまま先に飛車を捌くのが急所。
この位置の角の価値は高く、46歩型だと86歩の瞬間に45歩で逐われて困るほどである。
以降も中飛車側からきつい攻めが色々見えるものの、何とかぎりぎり凌げているようだ。
すぐの55歩は無理気味のようで、(銀冠に組む際の僅かな違和感さえ気にならなければ)
「将棋は46歩と指すもの」なのだろう。
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56歩 84歩 76歩 62銀 58飛 42玉
48王 85歩 77角 54歩 38王 34歩
28王 32玉 38銀 52金右 68銀 53銀…(A)
46歩 77角成 同銀 42銀上 55歩 同歩
同飛 54歩 59飛 64歩…(C)

66銀 88角 77角 同角成 同桂 86歩
同歩 同飛 78金 89角…(Cl)
78金 44歩 66銀 43銀 77桂 42金直
89飛 94歩 47角…(Cx)
78金 44歩 66銀 43銀 77桂 74歩
55歩 同歩 同飛 86歩 同歩 同飛
87歩 82飛 54歩 同銀左 同飛 同銀
71角 62飛 同角成 同金 82飛 52金寄…(C-)
16歩 14歩 78金 44歩 66銀 43銀
77桂 74歩 55歩 同歩 45歩 同歩
55銀 54歩 44歩 55歩 43歩成 同金
55飛…(C+)
本線の46歩に対して、まずはノーマル振り飛車を避けるため即座に角を換える(C)から。
59飛のあといきなり64歩を突くのは(Cl)で将来の65桂を防ぐためで、恐らく必然の受け。
また78金省略を通されると致命的なので、66銀にはMachine岡崎流の88角が絶対の反撥。
次は78金型からの正調攻撃55歩~45歩を封じるため、(Cx)の所謂トラック囲いに組むが…
89飛~86歩~85歩を見せられると、51歩も打てず玉頭戦にも持ち込めず、大変ださい。
部分的には94歩が87歩成~69角~93桂を用意し96角を消す受けの形だが、47角でも困る。
16歩 14歩 78金 44歩 66銀 43銀
77桂 74歩 55歩 同歩 45歩 同歩
55銀 54歩 44歩 55歩 43歩成 同金
55飛…(C+)

44銀 71角 55銀 82角成 69飛 79飛
49飛成 同銀 46歩 48歩 57角 68銀
47歩成 57銀 同と…(C++)
46歩 71角 54歩 45飛 42飛 44歩
同銀 85飛 47歩成 同銀 69角 81飛成
47角成 48歩 58銀 39金…(C#)
42金直を74歩に代えて省エネで受けると、普通に攻められても玉が近くて超きわどい。
なお一見自然な(C#)の46歩は、45飛~44歩と細工されてからの85飛廻りで後手自信なし。
…こうして具体的な指し手を考えてみると、いかにfragileな戦型であるかがよくわかる。
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56歩 84歩 76歩 62銀 58飛 42玉
48王 85歩 77角 54歩 38王 34歩
68銀 32玉 28王 52金右 38銀 53銀…(A)
46歩 42銀上 16歩 14歩…(A*)

22角成 同玉 77銀 44歩 55歩 同歩
同飛 54歩 59飛 43銀…(D)
66歩 74歩 67銀 64歩…(E)
やはり手得か無駄手を恵んでもらわないと角交換型は忙しく、単に42銀上が本線となる。
こうしてやっと基本図(A*)に至り、角交換型の(D)と伝統的振り飛車の(E)とに分岐する。
先手が36歩や59飛で態度を保留してきても64歩~74歩と構えておけば損にはならないし、
(振り飛車側は玉廻りにプラスの手が少ないので)そのうちどこかで77角成とできそうだ。
46歩に74歩だと 55歩 同歩 同飛 (86歩 同歩) 64銀 59飛 55歩 66歩 75歩 同歩が気になる。
結局は薄い中央で突っ張る羽目になり金銀が立ち後れる可能性も高く、私には選べない。
※59金左~57銀のヒラメ戦法も、42銀上~飛車先突破で中央が厚いので特段問題ない。
他には42金直/寄から穴熊を目指す世界観もあるが、組みきる前に一方的に攻められる。
56歩 84歩 76歩 62銀 58飛 42玉
48王 85歩 77角 54歩 38王 34歩
68銀 32玉 28王 52金右 38銀 53銀
46歩 42銀上 16歩 14歩…(A*)
22角成 同玉 77銀 44歩 55歩 同歩
同飛 54歩 59飛 43銀…(D)

66銀 86歩 同歩 同飛 78金 87歩…(D1)
78金 32金 66銀 64歩 77桂 74歩…(D2)
先手から角を換えさせた時点で通常形と比べて二手得しており、右銀も遊びにくい。
得した手を64歩と74歩に充てることで、71角に83飛という最も自然な受けの形ができる。
飛車先交換に対する75銀の反撃筋も消えており、向い飛車への抵抗力も若干増している。
また、居飛車から仕掛ける上でほぼ唯一の起点となる73桂が即跳べるようになっている。
※66銀に穏やかな 32金 77桂 64歩は 55歩 同歩 同飛 54歩 85飛 同飛 同桂 89飛 58金左…
このシマリが絶好で普通つらいのだが、99飛成~92角~98龍で案外後手もやれそう。
66銀 86歩 同歩 同飛 78金 87歩…(D1)

55歩 88歩成 77銀 78と 86銀 68と
57飛 78角 71飛 31金打…(D1a)
45歩 同歩 55歩 88歩成 77角 82飛
88角 33角 54歩 同銀左…(D1b)
45歩 同歩 75銀 82飛 83歩 同飛
84歩 82飛 83角 44銀右 61角成 53金…(D1c)
77銀 82飛 86歩 32金 58金 55歩
87金 54銀直 88金 56歩 47銀 55銀…(D1d)
居金の構えを許したくなければ、後手は八筋交換~87歩の筋で動くことになるだろう。
(64歩と77桂の交換を入れて岡崎流89角を目指すのは、43銀型が上ずっておりやや損)
荒事は案外避け難く、78金に74歩は例えば75歩~73歩と垂らされるだけでもうるさい。
78金に 64歩 77桂 74歩も 87歩 84飛 89飛 73桂 86歩 87歩 75歩で逆用された感がある。
※46歩のところ59飛でパスされていると、たまに先手の飛車が広くて困るため要注意。
78金 32金 66銀 64歩 77桂 74歩…(D2)

55歩 同歩 同飛 86歩 71角 83飛
86歩 69角 68金 87角成 85歩 54歩
84歩 同飛 85飛 同飛 同桂 86馬
58金左 65歩 57銀 84飛 82歩 62銀…(D2a)
55歩 同歩 同飛 86歩 同歩 同飛
87歩 82飛 85飛 同飛 同桂 56歩
58歩 89飛…(D2b)
47銀 33桂 38金 86歩 同歩 同飛
87歩 82飛 89飛 73桂 75歩 83角…(D2c)
36歩 33桂 47銀 73桂 38金 86歩
同歩 同飛 87歩 76飛…(D2d)
36歩 33桂 47銀 73桂 75歩 86歩
同歩 45歩 74歩 65桂 85桂 46歩
同銀 76歩…(D2e)
89飛 33桂 68金 24歩…(D2f)
78金を先に決めてもらえれば少し安心で、あとは64歩~74歩が高価な備えの手になる。
後手は飛車交換上等で構えて飛車先を換えて一歩を持ち、隙あらば桂馬もぶつけていく。
35歩や33桂が入り、歩や桂も持てば玉頭攻めに迫力が出るので右辺を焦土化して指せる。
(D2f)のコースは相雁木からの千日手濃厚な気配だが、基本的には後手にチャンスが多い。
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56歩 84歩 76歩 62銀 58飛 42玉
48王 85歩 77角 54歩 38王 34歩
68銀 32玉 28王 52金右 38銀 53銀
46歩 42銀上 16歩 14歩…(A*)
66歩 74歩 67銀 64歩…(E)

78金 31金 36歩 72飛 26歩 75歩
同歩 同飛 65歩 77角成 同金 72飛
55歩 同歩 64歩 同銀 83角 62飛
47角成 69角 15歩 同歩 13歩 22金…(E1)
78金 31金 47銀 72飛 38金 75歩
同歩 同飛 76歩 74飛 36歩 73桂
59飛 44歩 37桂 43金 26歩 65歩
同歩 同桂 66角 86歩 同歩 64銀…(E2)
78金 31金 26歩 72飛 27銀 75歩
同歩 同飛 76歩 74飛 38金 73桂
59飛 94歩 96歩 86歩 同歩 85歩…(E3)
68金 31金 57金 65歩 68飛 73桂
78銀 66歩 同金 65歩 67金 77角成
同銀 79角 57角 68角成 同金 63金…(E4)
68金 31金 96歩 94歩 59飛 72飛
79飛 82飛 78飛 73桂 58金左 65歩…(E5)
66歩~67銀に対しては、74歩~64歩で早仕掛けと加藤流袖飛車を両天秤にかけて待つ。
早仕掛けを封じるなら78金だが、羽生の頭脳定跡(E1)も31金型ならそれほど恐くない。
(E2)から88角には87歩~45歩~46歩。63歩はうるさいが72飛で手厚くもてなすつもり。
七筋交換さえ通せれば、継ぎ歩や55歩~65歩や本譜の仕掛けで一応打開はできそうだ。
79金は82飛で千日手模様だし、68金型もうまく待たれると57金はほとんど実現不能。
(67金型にも73桂からの早仕掛け。78金~57銀なら袖飛車か、持久戦でもいいと思う)
68飛 94歩 58銀 73桂 78金 33銀
36歩 31角 37桂 44歩 47銀左 42銀右…(E6)
68飛 94歩 78銀 73桂 58金左 63金
47金 31金 36歩 55歩 同歩 同角…(E7)
68飛 94歩 58金左 65歩 36歩 31金…(F)

(※この場合は最終手51金寄でも好形になる)
47金 51金 37桂 75歩 同歩 66歩
76銀 86歩 同歩 15歩 同歩 67歩成
22角成 同金 67飛 86飛 45桂 44銀…(Fa)
47銀 73桂 38金 62金 37桂 66歩
同銀 86歩 同角 65歩 77銀 63金…(Fb)
26歩 51金 78銀 86歩 同歩 66歩
同飛 同角 同角 44銀 77角 73桂…(Fc)
68飛に31金はやや不急であり、65歩も 78金 66歩 同角から力戦に持ち込まれてしまう。
73桂なら78銀に即55歩と動けるが、仕掛けの幅が狭まるため本稿では94歩を本線とした。
四間/三間に振り直されたときは桂を跳ぶ他、加藤流三歩突き捨て風味の仕掛けもある。
45桂と活用されても、一筋を突き捨てて18歩~17歩~25桂を仕込んであれば問題ない。
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清水先生の将棋を十年遅れで追いかける羽目になるとは私自身予想もしていなかったが…
成否や勝敗に関係なく、先手中飛車遣いとこれら古代の急戦で遊べること自体が楽しい。
※先手居飛車でも 26歩 34歩 25歩 33角 76歩 42銀 48銀 54歩 56歩…の順で組めば、
(先手の利が残るかはともかく)同様に指せるので超急戦や超早の定跡を忘れてしまえる。
やねうら王 + illqhaでごく浅い確認しかできていないので、穴があればその都度訂正する。
開始日時:2008/11/14 棋戦:順位戦
先手:内藤國雄 後手:中川大輔
開始日時:2008/12/03 棋戦:女流名人戦
先手:里見香奈 後手:清水市代
開始日時:2019/01/26 棋戦:王将戦
先手:久保利明 後手:渡辺明
開始日時:2019/04/17 棋戦:棋聖戦
先手:菅井竜也 後手:渡辺明


























