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Thousand Days

さうざん-でいず【千日手】
1. 同一局面の繰り返し4回。先後入れ換えてやり直し。
2. 今時珍しく将棋に凝っている大学生の将棋系ブログ。
主に居飛車党過激派向けの序盤作戦を網羅している他、
雑学医学数学物理自転車チェス等とりとめのない話題も…



※大昔の前回
『ネットにて:相横歩取り27角型』…愛横歩
『K村七段戦:一手損角換わり』…対 45角
『横歩取り青野流』…旧定跡 22銀~82飛
『横歩取り青野流 #2』…本線 22銀~42王
『横歩取り青野流 #e』…決戦 52王~76飛
『葉桜の季節に棋理を想う』…58玉早上り

『Yamashita Shogi System』…62王早上り
『空中戦法55歩型』…後手 41王62銀55歩
『空中戦法52王型』…先手 68玉48銀36歩
『空中戦法52王型 #2』…後手 94歩早突き
『空中戦法52王型 #3』…後手 24飛ブツケ

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2017年も元気に生き延びた。



26歩 34歩 76歩 84歩 25歩 85歩
78金 32金 24歩 同歩 同飛 86歩
同歩 同飛 34飛 33角 58玉 52王
36歩 76飛 77桂…




44歩 35飛 86飛 87歩 84飛 37桂 24角 25飛 23歩 38銀…(A)
74歩 37桂 73桂
84歩 82銀 87金 75飛 76歩 55飛 74飛…(B)
72金 37桂 62銀
45桂 44角 同飛 同歩 65桂 43金 22歩…(C)

55角 22歩 33桂
21歩成 42銀 87金 75飛 84飛…(D)
55角 22歩 同角 37桂 44歩 65桂 43王 35歩…(Q)
55角 22歩 同角 37桂 74歩 87金 75飛 76歩…(R)
55角 22歩 同角 37桂 72金 87金 75飛 76歩…(S)



横歩取り青野流で最もシャープなラインといえば、52王~76飛。
本稿では、現時点で主流となっている(S)以降の分岐に絞って自分なりに考えてみたい。
55角と一手掛けてもう一歩せしめようという、傲り昂った後手を許すわけにはいかない。
実際、(Q), (R)のように一手の遅れが致命傷となる変化も多く、(S)もそうあってほしい。

ただ先手側が決戦策に絶対の自信を持っていても、後手には(A)-(D)の回避策がある。
歩得にこだわらない(A)-(C)はそれぞれ手強い対策だと思うが、一応打開はできそうだ。
(蛇足ながら、72金~44角には22歩と打てば同角と取るよりなく87金以下(S)に合流する)
回避策(D)および77角型の詳細については、どこか別の場で語られることになるだろう。

(C)以下は 33桂 同桂成 同金 21歩成 42銀 85角 75飛 64桂 43王 72桂成 85飛 62成桂
65飛 52銀 34王 35金 23王 51銀不成…が一例で、一見先手の攻めが細いものの難解。

※※76飛の前に26歩を早撃ちされると、早くも77桂型とも77角型とも違う将棋になる。
個人的には 26歩 28歩 76飛 33角成 同桂 84飛 82歩 83歩 72金 24飛…(E)がお薦め。
(だが以下 22銀 35歩 45桂 66角 同飛 同歩 94角 67金 69角 68玉で命懸けではある)


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26歩 34歩 76歩 84歩 25歩 85歩
78金 32金 24歩 同歩 同飛 86歩
同歩 同飛 34飛 33角 58玉 52王
36歩 76飛 77桂 55角 22歩 同角
37桂 72金 87金 75飛 76歩…(S)




74飛 同飛 同歩 65桂 44歩 23歩
33角 25桂 42角 44角 33歩 88金…(Sa)
74飛 同飛 同歩 65桂 44歩 23歩
同金 55角 82歩 75歩 62金 86飛…(S')

86歩 65桂 88角成 53桂成 同王 88金…($)
86歩 23歩…(弗)


というわけで基本図となるのが上図(S)
87金のところ以前は 45桂 62銀 23歩 同金 31飛成 同角 65桂 が定跡とされていたが、
62銀が間に合うため先手の攻めはいかにも細く、飛車を追う87金が本線に変わった。
一時停車の75飛には先手も76歩と再び追うよりない。ここで…

55飛だと65桂で突然死。
95飛には96歩~94同飛~23歩~65桂。
15飛なら16歩~24歩で飛車を獲りに行く方がスマートかも。(後に97角の筋がないので)
74飛ぶつけは87金型だとこの金が働き後手不満とされるが、実際のところ相当難しい。

飛車交換後、手を入れ合うと悪くなる先手はほぼ必然の65桂から忙しい生活を始める。
(十字飛車を防ぎつつ左の角桂金を手順に捌けないと即死する…よって間違えにくい!)
後手も後手で、両桂を跳ばれると基本的にアカン感じであり44歩はやむを得ないところ。

(Sa)は上記目標をナチュラルに達成した先手の勝ちパターン(?)で、88金の味が大変良い。
次は55角や82歩~83歩~53清算~51飛や13桂不成~飛車打ちなど無数の攻めがある。
45飛には85飛から角を見捨てて飛車を成り込む。82歩には83歩、87歩なら78金のつもり。




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26歩 34歩 76歩 84歩 25歩 85歩
78金 32金 24歩 同歩 同飛 86歩
同歩 同飛 34飛 33角 58玉 52王
36歩 76飛 77桂 55角 22歩 同角
37桂 72金 87金 75飛 76歩…(S)
74飛 同飛 同歩 65桂 44歩 23歩
同金 55角 82歩 75歩 62金 86飛…(S')




72飛 74歩 同飛 68銀…(Sb)
72金 74歩 75飛 76金 74飛 68銀…(Sc)
89飛 69玉 45歩 22角成 同金 45桂…(Sd)
89飛 69玉 64歩 78玉 87飛成 同飛
76金 84飛 65歩 58金…(Se)



よって23同金以下(S')が本線か。75歩は85飛に 45桂 同歩 22角成の受け(?)を作る意味。
22同銀は32角、22同金は16角(~53突撃~51飛)でそれぞれ無事受かって(??)いるはず。
75歩に62銀なら74歩で問題ない。以下 75飛 73桂成となったとき金に紐がついておらず、
先手は先手先手で攻め続けられる。従ってここは62金が本手。これなら74歩とは取れない。

62金に私はまず 68銀 89飛 88金 99飛成 78金 と千日手含みの粘りから考えたくなったが、
積極的に良くしにいくなら8筋のどこかに飛車を打って模様に芯を入れるべきなのだろう。
84飛は72金に74歩がなく、85飛は 89飛 68玉 45歩以下94角の筋が残るため86飛が本線。
89飛と打たせて大将自ら討ち取りに行くという狂気の濃い目な順だが、先手もやれそうだ。


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26歩 34歩 76歩 84歩 25歩 85歩
78金 32金 24歩 同歩 同飛 86歩
同歩 同飛 34飛 33角 58玉 52王
36歩 76飛 77桂 55角 22歩 同角
37桂 72金 87金 75飛 76歩…(S)
86歩 65桂 88角成 53桂成 同王 88金…($)




74飛 同飛 同歩 82歩 同銀 83歩
71銀 45桂 62王 53角 51王 71角成
同金 82歩成 61金 81と…($0)
65飛 22歩 33桂 21歩成 42銀 41角…($1)
85飛 75角 同飛 同歩 44歩 22歩…($2)
85飛 75角 64桂 45桂…($3)



76歩にすぐ74飛は後手不満そうなので、ここで際どく86歩の利かしを入れることになる。
(86歩 同金の交換が入れば 74飛 同飛 同歩 65桂 88角成 同銀 64角 で後手が良い)
この局面が問題で、従来の都成新手75歩、藤森新手23歩はいずれも先手の攻めが細い。
だがここで65桂と捨てるStrategy新手が発見され、個人的には先手持ちの変化が多い。

※桂捨ての構想を最初に世に示したのはほぼ確実に「将棋・序盤のStrategy」であり…
プロ棋戦で最初に誰が指したか寡聞にして知らないが、私はStrategy新手と表記する。

22角成を喰らうと壊滅する後手は仕方なく88角成だが、王手で最期の御奉公ができる。
以下は手順に88金と逃げて、桂損ながら飛車の働きが絶大かつ大将を引きずり出した。
55飛にも95飛にも55角が強烈だし、74飛も(82歩~83歩の絶大さに気付けば)手が続く。
…そんなこんなで($)から、飛車の逃げ場所は実質6五と8五の二択にまで絞られる。

以降も難しい局面が続くが、少なくとも2017年末時点でこの手を記載した棋書はない。
再現性も比較的高く、アマチュア棋客にとってかなり研究のし甲斐がある局面といえる。
本家が簡潔な説明に留めておられるため、($1)-($3)に分けて改めて掘り下げてみたい。


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65飛 22歩 33桂 21歩成 42銀 41角…($1)



55桂 32角成 67飛成 48玉 47桂成 同玉
56角 48玉 34角 41金…($1a)
23角 66歩 同飛 77金 65飛 84飛…($1b)
23角 66歩 85飛 11と 34角 32角成
55桂 56香…($1c)
23角 66歩 85飛 11と 34角 32角成
87歩成 54香 同王 42馬…($1')



本家は 22歩 33桂 84飛 87歩成 66歩…といった風に味を残す順を推されていたが、
私は弱いので味もへったくれもなく41角まで形を決めてしまわないと先を読めない。
…というわけで本稿では勝手ながらこちらを本線に設定してしまった。

($1a)は王手飛車を掛けさせて勝つパターン。後手からの寄せ筋が見えにくい一方、
先手は42馬から駒を取りつつ自然に攻める算段がついており先手不満なしと見る。
また($1b)も、手順に左金を活用され、11ト~54香を上回る攻めのない後手が困る。
41角に31歩で備えられても、やはり 11ト 23角 66歩と飛車に働きかけるのが急所だ。

85飛とどかせたところで飛車を見切る11トが成立していそうなので、本稿を書いた。
($1c)の55桂には56香で87歩成に86歩を用意する方が良い。68銀が一見自然だが、
87歩成 54香 同王 42馬 88ト 65銀 同飛 同歩 67角成 同銀 同桂成 48玉 78飛 58金打 66銀…
という「攻めるは守るなり」的手順があり、ここから後手玉を寄せるのも容易ではない。



65飛 22歩 33桂 21歩成 42銀 41角
23角 66歩 85飛 11と 34角 32角成
87歩成 54香 同王 42馬…($1')




55桂 75歩 67角成 48玉 66馬 56金…($1d)
88と 65金 同飛 同歩 46桂 同歩
67金 59玉 79と 52飛 53歩 同馬
55王 44馬 65王 55飛成 74王 85銀
83王 34馬 69飛 48玉 68飛成 47玉
57金 同龍 同龍 同玉 87飛 67歩
85飛成 75金…($1e)



($1d)のタイミングでの55桂にもやはり68銀とは受けず、75歩が冷静で先手が厚い。
一直線の($1e)も、途中65同歩と34馬が詰めろで入るのが絶大で先手有望と思う。

個人的には、後手を持って指すなら88金に85飛と逃げる方が良さそうな気がする。


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85飛 75角 同飛 同歩 44歩 22歩…($2)



43角 21歩成 34角 31と 43金 65桂
64王 66銀…($2a)
33桂 51飛 42王 55飛成 41王 21歩成
42銀 23歩…($2b)
33桂 51飛 42王 55飛成 22銀 45桂
64角 44飛 43桂 56龍…($2c)
33桂 51飛 42王 55飛成 43金 44飛
26角 43飛成 同王 21歩成 42銀 11と…($2d)
33桂 51飛 43王 21歩成 42銀 41飛成
64角 25桂 56歩 35歩 57歩成 同玉…($2e)



飛角交換で桂得を主張する($2)は、龍を作られ放題のため後手が相当気を遣う。
まず先手の売りである飛車の横利きと45桂を同時に封じるには44歩しかなさげ。
対して手の広いところだが、22歩と33桂の交換を入れてから王手するのが良さげ。

31飛成~33飛成があるため合駒は打てず、42王なら21歩成の後の先が生じる。

43王の体当たりが最強の受けで相当難しいところだが、普段通り飛車は見捨てる。
56歩と遂に急所を衝き攻めに転じてきた瞬間がまさかの紐の付けどころのようで、
35歩でもう先手の四枚の攻めは切れない。あとは適当にふわふわ耐え抜くだけ。

※44歩には普通41飛だが 33歩 51飛成 52歩 24飛 23歩 25飛 64角 38銀 43角…
といった具合に二枚角を次々に手放されると、絶妙に飛車が狭く、攻略は難しい。
以下 84歩 25角 同桂 55角と進んだ後、66歩 同角 83歩成 87歩成 同金 89飛も、
77角 同角成 同金 89飛 78銀 88飛成 83歩成 87歩成 89歩 79龍 87銀も難解だ。


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85飛 75角 64桂 45桂…($3)



42王 22歩 33桂 同桂成 同金 35飛
87歩成 54桂 32王 21歩成…($3a)
62王 22歩 33歩 54飛 42銀 21歩成
74歩 77桂 82飛 65桂…($3b)
62王 22歩 33歩 54飛 42銀 21歩成
53歩 24飛 23歩 25飛…($3')



角合は同角~41角で壊滅なので、合駒するなら桂一択。だが45桂~22歩が炸裂する。
42王は当たりが強く、壁形ながら62王~33歩のコースを選ぶよりなさそうに見える。
それなら35飛には多分87歩成が利き…飛車は抜けるものの先手側の犠牲も大きい。
(以下は 64角 同歩 53桂成 同王 85飛 88ト 同銀 65桂 77桂と銀を使って互角か)

53歩のところ74歩なら($3b)の77桂~65桂があまりにもぴったりなので、
53歩~23歩と次々に打って飛車を追う($3')まではこう進むところだろう。

※22歩に23角なら35飛。飛車を抜いて85飛と廻った形が相当厳しい。
35飛に75飛~22銀ならそこで 32飛成 同角 82歩が急所を突いた攻めだ。



85飛 75角 64桂 45桂 62王 22歩
33歩 54飛 42銀 21歩成 53歩 24飛
23歩 25飛…($3')




44歩 22と 同金 64角 45歩 54桂
52王 42桂成 同王 55桂 34角 43銀
同角 45飛…($3c)
94角 65桂 87歩成 53桂右成 同銀 53桂左成
同王 11と 62王 54香…($3d)
34角 22と 同金 64角 25角 54桂
61王 42桂成 64歩 53桂成 62銀 52成桂寄
71王 62成桂寄 同金 同成桂 同王 54銀…($3e)

87歩成 64角 同歩 53桂成 同銀 85飛
88と 同飛 27角 81飛成 46桂 同歩
47金 同玉 49角成 38金 26金 78銀
58角 56玉 39馬 66玉 38馬 45桂…($3q)



45飛の余地を先手で作る34角が後手方最強の手段で、これ以外は恐らく何とかなる。
(なお22トと捨てるタイミングはここ一択。後手は多分壁を築いたことを後悔している)
以降はもうお互い退けず、($3e)から後手玉を寄せ切れるか否かの問題に帰着する。
62銀のところ62金は同成桂で、同王なら75金。同銀なら54桂で次に63銀を見せる。

※71王に対し最も自然な75桂は53銀~56歩~36角~57歩~65桂の反撃が手強い。

※※素直に飛車を抜かせる($3q)も27角が強力で、冷静にみて少し後手持ちかも。
受けては36角成が歩を得ながら自陣に利き、攻めては46桂~47金の寄せがある。
64角の前に 22ト 同金を利かせると、一歩渡すため今度は65桂~56歩が厳しい。
…先手は($3q)がだめなら33歩に35飛で即87歩成を誘うべきか。互角だけれど。



26歩 34歩 76歩 84歩 25歩 85歩
78金 32金 24歩 同歩 同飛 86歩
同歩 同飛 34飛 33角 58玉 52王
36歩 76飛 77桂 55角 22歩 同角
37桂 72金 87金 75飛 76歩…(S)
86歩 65桂 88角成 53桂成 同王 88金…($)
85飛 75角 64桂 45桂…($3)
62王 22歩 33歩 54飛 42銀 21歩成
53歩 24飛 23歩 25飛…($3')
34角 22と 同金 64角 25角 54桂
61王 42桂成 64歩 53桂成 62銀 52成桂寄
71王 62成桂寄 同金 同成桂 同王 54銀…($3e)




71桂 75桂 74歩 63銀打 73王 84歩
同王 96金 75歩 85金 同王 82飛
84金…($3ex)



84桂合なら87歩で先手が勝つ。(74銀成があって94王と逃げられないのが致命的)
75歩は最善手か怪しいところだが、高確率でこう進む。74歩が先でも、75桂が利く。
途中46桂の王手には、どのタイミングでも68玉と寄るのがデフォルトの対応である。

蛇足ながら75歩に87歩だと 63桂 85金 同王 82飛 94王 96歩 83桂 22飛成 36角
86歩 74角 65銀 55桂 95歩 84王 85金 同角 同歩 同王 41角 63桂 56銀 46金で、
ここまで進むと後手が良さそうに見える。




ここで81飛成は 76歩 87歩 46桂 同歩 36角 47桂 55桂からThousand Days濃厚だ。
しかし 87歩 同歩成 同金 89飛 86歩 94王 96歩 99飛成 22飛成 63桂 11龍 66桂
同歩 46桂 48玉 27銀も後手の包囲網が完成しており、手遅れに見えなくもない。

結局、($3ex)以下
87歩 同歩成 同金 89飛 96金 76王 84飛成 同飛成 77歩 同王 59金 66桂
同歩 67角 48玉 76王 78桂 89飛 86金打 同龍 同金 同飛成 同桂 63桂 78飛
で…

…ぜんぜんわからない。私たちは雰囲気で将棋をやっている。




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今回も検討はApery(SDT5)に依頼している。所々Gikou2やYO4.74にも協力を仰いだ。
例によって未完成な姿のまま投稿しており、修正点などあればコメントをお願いしたい。



26歩 34歩 76歩 84歩 25歩 85歩
78金 32金 24歩 同歩 同飛 86歩
同歩 同飛 34飛 33角 58玉 52王
36歩 76飛 77桂 55角 22歩 同角
37桂 72金 87金 75飛 76歩…(S)

86歩 23歩 44角 65桂 同飛 22歩成
33金 同飛成 同角 31と 62銀 33角成
同桂 86金 89飛 83歩 61王 88銀打…(弗1)
86歩 23歩 33角 86金 55飛 46歩
23金 33飛成 同金 45桂 32歩 65桂
同飛 75金 45飛 同歩 87歩 33角成
同歩 44歩 同歩 24飛 22歩 44飛
25角 16角 同角 同歩 25角 41角
61王 43歩 62金 42歩成 88歩成 84歩…(弗2)



例えば86歩の瞬間、23歩が通ることが最近わかった。($)にせずとも、先手が指せる。
現時点で後手の最有力策は(D)と思われるが、以下の順で互角の戦いにはなるだろう。



26歩 34歩 76歩 84歩 25歩 85歩
78金 32金 24歩 同歩 同飛 86歩
同歩 同飛 34飛 33角 58玉 52王
36歩 76飛 77桂 55角 22歩 33桂
21歩成 42銀 87金 75飛 84飛…(D)


83歩 同飛成 72銀 86龍 64角 37桂
45桂 同桂 同飛 56龍 25飛 82歩…(D1)
82歩 24飛 23歩 28飛 45桂 11と…(D2)
82歩 24飛 45桂 28歩 33銀 76歩
24銀 75歩 27歩 65桂 88角成 同金
57桂成 同玉 69飛 45桂 62銀 22と…(D3)
82歩 24飛 19角成 22と 23歩 同と
31金 35歩 45桂 34歩 54香 56歩
同香 68玉 57桂成 78玉 55馬 33歩成
同銀 同と 同馬 28飛…(D4)
※前回の記事『チェスについて語るときに将棋指しの語ること』


楽しようとしたり欲張りになる優勢側より
若干不利な側の方がより注意深く創造的で
より大胆なプレイができることはよくある
こうして僅かな不利はしばしばそれ自体が
しっかりとした利点になり得る

Emanuel Lasker ラスカーのチェス手引書




白番初手e4に対して位負けせずフィアンケットしたければ、
黒番初手c5の Sicilian Defense でd4地点を守るのが急務。



【Modern, Averbakh Variation】
→【King's Indian Defense】

1. e4 g6 2. d4 Bg7
3. c4 d6 4. Nc3 Nf6 ∞

g6~Bg7を優先すると、c4で King's Indian に合流される。
(Nf6のところe5やNc6で変化はできるが、大体白不満なし)

KID は破壊力が高く格上に一発入れるには優れた戦法だが、
一局一局が重く事前準備も重く、安定した運用は望み難い。



【Pirc, Austrian Attack】
1. e4 d6 2. d4 Nf6
3. Nc3 g6 4. f4 Bg7
5. Nf3 0-0 6. Bd3 Nc6 ∞

d6~Nf6が先ならNc3を強要できるがこれもまた白の理想形。
中央が手厚く、角行Bishopの利きが弱まる。d5も突き難い。

~~~~~~~~~~~~

一方 Sicilian なら中央の風通しが良く、Bg7が常に好形だ。
Sicilian 対策は下記の三群あるが、現実にはAnti-が多い。

Open Sicilian: Nf3~d4で手順に白駒を捌いて、定跡で勝負
Bb5 Sicilian: 黒のPawnを乱しながら早く囲う。大局観重視
Anti-Sicilians: その他。己の得意分野で戦う。コスパ重視

本稿ではBb5を封じてAnti-対策もしやすく名前も恰好良い、
(Hyper)Accelerated Dragon の採用を想定して調べていく。
(※定跡のより強固な Najdorf / Pelikán はBg7型にならない)




【Nxd4~c4: Maróczy Bind】
1. e4 c5 2. Nf3 g6
3. d4 cxd4 4. Nxd4 Nc6
5. c4 Nf6 6. Nc3 d6


対Bg7型最強の対策は Open Sicilian でd筋を換えc4を突く
Maróczy Bind という恰好良い名前の超難しい戦法である。

黒はd5突きを封じられるため高度な大局観を要求されるが、
ちゃんと勉強すれば対抗できる。(本稿では深くは述べない)

4. Nxd4 Nf6 5. Nc3 Nc6の順だと 6. Nxc6 bxc6 7. e5...
或いはdxc6と取ってもQ交換から不利な終盤になって困る。




【Dragon, Yugoslav Attack】
1. e4 c5 2. Nf3 d6
3. d4 cxd4 4. Nxd4 Nf6
5. Nc3 g6 6. Be3 Bg7
7. f3 0-0 8. Qd2 Nc6 ∞

d6~Nf6が優先の Dragon(無印)なら Maróczy を防げる。
(正確には 3. Bb5† Bd7...から類形になり得るが条件は良い)

だが今度は玉頭速攻、Yugoslav Attack の対策を要する。
大体すぐ詰むや詰まざるやの攻め合いになってまるで将棋。

なので将棋勢はこちらも覚えるとより楽しいかもしれない。
(本稿では、先に簡明な超加速龍から習得することを勧める)


目次
❶Nc3系統
【Nc3~d4: Accelerated Dragon】
【Nc3~Bb5: Bb5 Sicilian】
【Nc3~f4: Grand Prix Attack 1】
【Nc3~Bg2: Closed Sicilian 1,2】

❷他のPawnを突く系 Anti-Sicilians
【g3/d3: Closed Sicilian 3】
【f4: Grand Prix Attack 2】
【d4: Morra Gambit】
【c3: Alapin Variation】
【c4~g3: Botvinnik System】
【b3: Queen's Fianchetto】
【b4: Wing Gambit】

❸Nf6系統(含 Maróczy Bind)
【Bc4~c3: Pseudo-Alapin】
【Qxd4】
【Nxd4~c4: Maróczy Bind】



・駒がぶつかるまでの手順前後:
※損せず取れるPawnは基本取る
d4には Nf6
c4/Nf3には g6~Bg7
(d4の後の)Nc3には d5
e4/(d4前の)Nc3には c5~Nc6


~~~~~~~~~~~~


❶Nc3にはNc6(〜Bg7〜Nf6)が美しい
1. e4 c5 2. Nc3 Nc6


Nc3は黒のd5早突きを封じつつ駒を使う大きな一手だが、
白d4の準備や黒Nd4を逐うc3が消える(ので黒Nc6が形)。

※白Bb5型を徹底的に避ける意味でNc3にもg6はあるが、
以下 d4 cxd4 Qxd4 Nf6 Be3 Nc6 Qd2...の対策が必要。



【Nc3~d4: Accelerated Dragon】
3. Nf3 g6 4. d4 cxd4
5. Nxd4 Bg7 6. Be3 Nf6
…●

Nc3が入っていればc4突きを恐れることなく囲っていける。
d6を省いて組み合えるのが Dragon(無印)との最大の違い。

7. Nxc6 bxc6 8. e5 Ng8 9. f4 f6 10. e6 d5...は黒問題ない。
(5. Nxd4 Nf6 6. Nxc6 bxc6 7. e5 Nh5 8. Bc4...は黒だめ)


●…
7. Be2 0-0 8. 0-0 d5
9. exd5 Nb4 10. d6 Qxd6
11. Ncb5 Qd7 12. c4 e5
13. Nb3 a6 14. Nd6 Qc7
=

白が普通に囲う所謂 Classical Dragon でもこの差が活き、
黒d5から即捌けば(単にNxd5でも本譜でも)互角となる。

※黒d5を封じる 8. f4 d6 9. 0-0 Qb6 10. Qd3 Ng4...や、
8. Nb3 d6 9. 0-0 a6(〜b5〜Bb7)...などもあり要注意。


●…
7. Qd2 0-0 8. f3 d5
9. 0-0-0 dxe4 10. Nxc6 Qxd2†
11. Bxd2 bxc6 12. Nxe4 Nxe4
=

Dragon(無印)同様、白は玉頭から攻めたくなるのだが…
本来の Yugoslav Attack と違ってQd2やf3が緩手になる。

白f3を省けばNg4だし、指せば黒d5が一手早くかつ厳しい。
10. fxe4や、Nxc6を挟んでの0-0-0にはQc7かQa5が良い。


●…
7. Bc4 0-0 8. f3 Qb6
9. Bb3 Nxe4 10. Nd5 Qa5†
11. c3 Nc5 12. Nxc6 dxc6
13. Nxe7† Kh8 14. Nxc8 Raxc8
=

Bc4〜Bb3以外なら派手に立ち回り、互角以上の岐れになる。
f3のところ0-0でも、Nxe5 Nxe5 d5で先手の利は消え去る。

8. Bb3には d6 f3 Qa5 Qd2 Nxd4 Bxd4 Be6 0-0-0 b5...
(10. 0-0 Bd7)と変化を絞って Dragon(無印)にも戻せるが…



【Nc3~d4~Bb3: Yugoslav Formation】
●…
7. Bc4 0-0 8. Bb3 a5 …◯

本譜はa5突き。a4 Nxa4 Nxe4の捌きを用意し待ってみる。
(Na5はe5~Bxf7~Ne6で崩壊。8...Re8や 7...Qa5は有力)

a3やa4なら Ng4 Qxg4 Nxd4 Qd1 Nxb3で白陣を乱せる。
白としてはf3と防ぐか、0-0で前者の筋を受けて立つか。


◯…
9. f3 d5 10. exd5 Nb4
11. Nde2 a4 12. Nxa4 Nfxd5 =

f3で薄くなるのを待ってd5と突くのが、a5の真意だった。
a5とf3の交換をフルに活かした本譜は形勢互角といえる。

d5にNxd5なら Nxd5 exd5 a4 Bc4 Nb4で白は収拾困難。
d5にBxd5はあるが、Nxd5 Nxd5 f5で黒がよく捌けそう。


◯…
9. 0-0 a4 10. Nxa4 Nxe4
11. Nb5 Ra6 12. Qe2 d6
13. c4 +/=

0-0にa4からの決戦は、薄いb筋をNb5~Qe2で狙われる。
0-0にd6と収めようにもNdb5で、a4以上の手は難しい。

本譜も指せば難しいのだが、抑え込まれて黒自信なし。
Nb5にd5も、Bb6 Qd7 Qe2で、本譜と同じくやや白持ち。


◯…
9. 0-0 Nxd4 10. Bxd4 d6
11. a4 Bd7 12. f4 Bc6 ∞

よってそろそろkNight交換でNb5を消してからd6が相場。
以降はNd7~Nc5の活用を見て、これなら一局の将棋か。


【Nc3~Bb5: Bb5 Sicilian】
3. Bb5 Nd4 4. Bc4 g6
5. Nge2 a6 6. Nxd4 cxd4
7. Qf3 e6 8. Ne2 b5
9. Ba3 Bg7 10. d3 Bb7
11. h4 f5 12. h5 fxe4
=

Bb5 Sicilian は手強いが、白Nc3型ならNd4が逐われない。
(e5~d6と中央を厚くする受け方もあるが、Nge2~f4が厭)

e6〜Nge7〜d5と組む前に、a6でb5を見せつつNb5を消す。
本譜の端攻めは怖いが、中央からの反撃準備が既に整っている。



【Nc3~f4: Grand Prix / Closed】
3. f4 g6 4. Nf3 Bg7
…▲


【Nc3~f4: Grand Prix Attack 1】
▲…
5. Bb5 Nd4 6. Nxd4 cxd4
7. Ne2 Nh6 8. 0-0 0-0
=/+

Pawn形を乱しにくるBb5は脅威だが、ここでもNd4が強い。
(cxd4がkNight取りの逆先手)以下d5時々b5がこの形の常道。


▲…
5. Bb5 Nd4 6. 0-0 Nxb5
7. Nxb5 d5 8. exd5 a6
9. Nc3 Nf6 10. d4 Nxd5
=

白放置には色々あるが、中央から先に戦いを起こすのが上策。
8. e5なら d4 c3 a6 Na3 Nh6...でNc3と素直に帰させない。


▲…
5. Bc4 e6 6. f5 gxf5
7. exf5 d5 8. Bb3 Nge7
9. fxe6 Bxe6 10. 0-0 c4
-/+

f筋を攻めるBc4には、e6〜Nge2~d5で遮断を狙うのが形。
f5のところe5でも d5 exd6 Qxd6で良い。(Qxf4は我慢する)


【Nc3~Bg2: Closed Sicilian 1】
▲…
5. g3 d6 6. Bg2 e5
7. d3 Nge7 8. 0-0 0-0
9. f5 gxf5 10. Nh4 Nd4
11. Qh5 +/=

Closed Sicilian はf5からの玉頭戦が最大の持ち味であり、
最速で組まれると黒e5の受けでは本譜の如き猛攻を喰らう。

故に上記の順になる可能性があるうちはd6・e6型で受ける。
(白がBe3などで一手寄り道してくれれば、e5型でも受かる)


▲…
5. g3 d6 6. Bg2 e6
7. 0-0 Nge7 8. d3 0-0
9. Be3 Nd4 10. Qd2 Rb8
=/+

e6~Nge7でf5突きを封じ、g4ならその瞬間逆にf5と突く。
白はd4から中央に転進したいが、Nd4の馬柱で封じられる…

本譜に限らず、Rb8〜b5が素直に通れば黒に不満はない。



【Nc3~Bg2: Closed Sicilian 2】
3. g3 g6 4. Bg2 Bg7
5. d3 d6 6. Be3 e5
…△

Be3はf4やNf3を決めず柔軟な手だが遅く、e5が間に合う。
(Nf3の瞬間 exf4 Bxf4を入れればBishopの動きで手得する)


△…
7. f4 Nge7 8. Nf3 exf4
9. Bxf4 0-0 10. Qd2 Bg4
11. 0-0 Qd7 12. Bh6 Rae8
=

早いBe3はQd2~Bh6を含みにしているが、換えさせて良い。
Bg4かNd4でkNightさえ消してしまえば、案外攻めは細い。


△…
7. Nge2 Nge7 8. Qd2 Nd4
9. 0-0 0-0 10. f4 Be6
=/+

Nge2型なら黒に狙われ難い代わりに、白の玉頭攻めも遅い。
Be6(~Qd7~Rae8)と構えて、f5やb5時々d5から打開できる。


△…
7. Qd2 Nge7 8. Bh6 0-0
9. h4 Bxh6 10. Qxh6 f6
=/+

Bh6の前のh4はh5で問題ない。本譜はQueenが迫り怖いが、
h5にg5~Kh8~Ng8で女王様を食べる狙いがあって受かる。


~~~~~~~~~~~~

❷他のPawnを突く系


【g3/d3: Closed Sicilian 3】
1. e4 c5 2. d3 Nc6
3. g3
g6 4. Bg2 Bg7
5. f4 e6 6. Nf3 Nge7
7. 0-0 0-0 8. c3 b6
9. Be3 +/=

Nc3を省くとBe3は指せないが、c3型に変える余地がある。
d6~e5はf5突きを狙われ、d5突きもe5と躱され自信なし。

よって黒は通常形と同じe6~Nge7型に組むのが自然だが、
c3~Be3~Na3~Nc2...と陣形を整える順が黒にとって強敵。



1. e4 c5 2. g3 d5
3. exd5 Qxd5 4. Nf3 Nc6
5. d3 Nd4 6. Bg2 Bh3
7. Bxh3 Nf3† 8. Kf1 Nd2†
=

黒はg3の瞬間d5突きでNc3省略を咎めたい。(d3にはNc6)
Nc6にNc3やBg2ならQe6†で充分。本譜も引き分け模様。

d5にNd2から白黒逆の King's Indian を狙う余地はあり、
その場合黒も互角以上だが調子に乗り過ぎないよう注意。


【f4: Grand Prix Attack 2】
1. e4 c5 2. f4
g6
3. Nf3 Bg7 4. a4 Nc6
5. Bb5 Nd4 6. Nxd4 cxd4
7. 0-0 Nf6 8. e5 Nd5
9. c3 +/=

Nc3が入った形と同様に指すと、Bb5にNd4と躱し難くなる。
(cxd4がkNight当たりにならず、白も堂々とNxd4と取れる)

a4にa6かBa5にNh6で本譜さえ避ければ互角だろうが、
f4の瞬間、やはりd5突きがこの形の筋のような気がする。



1. e4 c5 2. f4 d5…◆


◆…
3. e5 Nc6 4. Nf3 Bg4 =/+

Caro-Kann の定跡より丸々一手得で悪かろうはずはない。


◆…
3. exd5 Nf6 4. c4 e6
5. dxe6 Bxe6 6. Nf3 Nc6
7. Be2 Bd6 8. d3 Qc7
=/+

c4で支えられるとPawn損にはなるが、e6で手順に捌ける。
白は陣形が乱れBishopも使い難く、Pawn得でも指し難い。


◆…
3. exd5 Nf6 4. Bb5† Bd7
5. Bxd7† Qxd7 6. c4 e6
7. dxe6 Qxe6† 8. Qe2 Qxe2†
9. Nxe2 Nc6 10. 0-0 0-0-0
=/+

白としてはc4の前にBishopを外へ避難させた方が良いが、
それでもe6からQueenを換えた後、d3やc2の弱点が残る。



【d4: Morra Gambit】
1. e4 c5 2. d4 cxd4
3. c3 dxc3 4. Nxc3 Nc6
5. Nf3 g6 6. Bc4 Bg7


Nf3とg6の交換が入れば結局、Gambitを受ける羽目になる。
(2. Nf3 g6 3. d4 cxd4 4. c3 d5 5. Qa4† Bd7 6. Qxd4 +/=)

Nc6は 7. Qb3 Na5 8. Bxf7† Kf8 9. Qd5 Nf6...のため必要。
※g6がなければNc6〜e6〜Bb4〜Nge7〜Ng6がおすすめ。


7. e5 Nh6 8. Bf4 0-0
9. 0-0 d6 10. exd6 exd6
11. Bxd6 Re8 12. h3 Nf5
=

7. 0-0 d6 8. Qe2 Nf6 9. Rd1 Bg4...はe5を突かせず黒良し。
黒はNf5〜Ne5が無理なら、h6〜Bd7〜Rc8などで待つ。

早いe5突きを取るとBf7†〜Qd5†の筋があり命懸けだが、
取らずにNh6から囲ってPawnも返してしまえば問題ない。



【c3: Alapin Variation】
1. e4 c5 2. c3 d5
…◇

c3と先に力を溜めると、Qxd5にNc3で先手を取れなくなる。
Nf6も普通だが、本稿では元気のよいd5を本線としておく。


◇…
3. exd5 Qxd5 4. Nf3 g6
5. d4 Bg7 6. Nbd2 cxd4
7. Bc4 Qc5 8. Nxd4 Nf6
9. 0-0 0-0 10. Re1 a6
=

黒は角を構えて待ち、kNightが動いてからcxd4を決める。
以下Bf1ならゆっくり指し、Bb3ならBg4で決戦も辞さない。


◇…
3. exd5 Qxd5 4. d4 g6
5. Na3 cxd4 6. Nf3 Bg7
7. Bc4 Qe4† 8. Be3 Nh6
=

Nc3が消えればcxd4とでき、Bxf7~Ng5の筋はNh6で防ぐ。
以下、Nb5〜Nc7にはRookを見捨てて大捌きに出る。


◇…
3. e5 Nc6 4. d4 Bf5
5. Bd3 Bxd3 6. Qxd3 e6
=

e5突き越しには、非角Bishop排出済のc5/d5/e6型に組む。
この好形に組めればフィアンケットするまでもなく満足だ。



【c4~g3: Botvinnik System】
1. e4 c5 2. c4 Nc6
3. Nc3 g6 4. g3 Bg7
5. Bg2 d6 6. d3 e5
=

恐らく白は Maróczy の専門家なので、Nc6~e5で全力妨害。
以下、Nge7~0-0~Be6と組めば容易に潰れることはない。

黒が主張を作りにいくなら途中a6〜Rb8でb5突きを見せ、
a4と受けてくればb4地点が薄くなって将来の弱点になる。



【b3: Queen's Fianchetto】
1. e4 c5 2. b3 g6
3. Bb2 Nf6 4. Qf3 d6
5. Bb5† Nbd7 6. Bxf6 exf6
=/+

Bb2先着にはNf6~d6(e5突きの防ぎ)で、0-0まで耐える。
Bb5†にNc6はe5~Bxc6†〜Qxc6†で困る。本譜が正解。



【b4: Wing Gambit】
1. e4 c5 2. b4 cxb4
3. a3 d5 4. exd5 Qxd5
5. Nf3 e5 6. axb4 Bxb4
=/+

駒を捌くための連続Pawn捨てだが、a3を取らずにd5が強い。
Qxd5がNc3で追われずに済む上に、次のQe5†を見て幸便だ。


~~~~~~~~~~~~


❸Nf3系統(含 Maróczy Bind)
1. e4 c5 2. Nf3 g6




【Bc4~c3: Pseudo-Alapin】
3. Bc4 Bg7 4. c3 e6
5. d4 d5 6. exd5 exd5
7. Bb5† Bd7 8. Qe2† Qe7
=

g6と形を決めたのを見てからの Alapin には注意を要する。
ただBc4型には例によって、e6~d5を狙う方針で問題ない。



【c3〜e5: Alapin Advanced】
3. c3 d5 4. e5 Bg4
5. Bb5† Nc6 6. 0-0 Nh6


最も手強いのは、単に白e5と突き越してBg7を弱める形。
d4が先だとQb6~Qb5で0-0を邪魔されるため本譜が自然。


7. d4 Bxf3 8. Qxf3 cxd4
9. cxd4 Nf5 10. Qd3 e6
11. Nd2 Be7 12. Nf3 h5
13. Bd2 Rc8 14. Rac1 Kf8
=

狭い非角Bishopは即廃棄しつつ、Nf5で弱いd4地点を狙う。
Nb3型にもh5〜Kf8〜Qb6で、Ba5さえ浴びなければ互角。



【Qxd4】
3. d4 cxd4 4. Qxd4 Nf6
…★

Nc6を後回しにしたので Bb5(Rossolimo)を回避できるが、
代わりにQxd4対策は必要。とにかくNc6でQueenを追う。

Nc6を防ぐ 5. Bb5 は a6 e5 axb5 exf6 Nc6で黒問題ない。


★…
5. e5 Nc6 6. Qa4 Nd5
7. Qe4 Nb6 8. Nc3 Bg7
9. Bf4 d5 10. exd6e.p. Bf5
11. dxe7 Qd7 12. Qe3 Nb4
13. Rc1 Nxc2† 14. Rxc2 Bxc2
=

Qe4に対する逃げ方は色々あるが、基本Nb6が安定した好形。
次は(8. Nc3以外なら即座に)d5突きを通して抑え込みを破る。

dxe7省略には0-0〜exd6だし、本譜の決戦も互角だろう。
(進行例は Bb5 Bxc3† Qxc3 Qxb5 Qxh8† Kxe7 Qc3 Be4...)


★…
5. Nc3 Nc6 6. Qa4 d6
7. e5 dxe5 8. Nxe5 Bd7
9. Nxd7 Nxd7 10. Bb5 Bg7
11. 0-0 0-0 12. Rd1 Qc8
=

先にNc3と構えてNd5を封じられる方が、黒にとって手強い。
Bd7にNxc6は取らずにQb6が良く、白は何を指しても手損。

途中Bxc6からのPawn損も、Rc8から手順に捌けて問題ない。



【Nxd4~c4: Maróczy Bind】
3. d4 cxd4 4. Nxd4 Nc6
5. c4 Nf6 6. Nc3 d6
…☆

Maróczy Bind の黒陣は狭く、NかBを約2組換えたい。
黒の強いkNightと白のダサいBishopを残すのが理想である。

Bg7よりNf6を急ぐのは、Ng4を見せてBe3を牽制する意味。
これでBe3の前に白Be2かf3かh3を指させる。(多いのはBe2)

※Nxd4に Nf6 Nc3 Nc6は即同桂が厭。bxc6はe5で逐われ、
dxc6もQxd8†から損な終盤になる(が指せないことはない)。


☆…
7. Nc2 Bg7 8. Be2 Nd7 =

黒はNd7~Nc5と角道を通し、黒枡を支配して戦うのが基本。
Nc2はkNight交換を避けた控え目な変化で、後のb4が狙い。

以下はBe3と自然に展開しようとした瞬間Bxc3と切り崩す。
Bd2で備えられたら、0-0 0-0 Nc5でBxc3~Nxe4を見せる。


☆…
7. Be2 Bg7 8. Be3 0-0
9. 0-0 Nxd4 10. Bxd4 Bd7
11. Qd2 Bc6 12. f3 a5 +/=

白としてはNc2と引かず、Be3で前線を支えにいく方が自然。
黒はBd7と組むならまず、Nxd4でNc2と引く順を消したい。

shin先生推奨のBc6型に組む予定ならBe3は上がらせて良く、
Bxd4にNd7で角交換を見せて、再びBe3と引かせれば良い。

Nd7~Nc5~e6(Nd5の防ぎ)~Be5(d-Pawnの守り)以降は、
Qe7~Rfd8と組むかQh4やf5で仕掛けて一局の将棋となる。


☆…
7. f3 Nxd4 8. Qxd4 Bg7
9. Be3 0-0 10. Qd2 Be6
11. Rc1 Qa5 12. Nd5 Qxa2
13. Nxe7† Kh8 14. Be2 Ng8
=

Be2かf3の直後、Be3の寸前にNd4で好形のBxd4を防ぎ、
Qd2と戻らせて一手得するのが Gurgenidze System だ。

黒はBe6〜Qa5〜Rfc3〜a6〜b5を通せば大体互角なので、
白はNd5やNa4とブツケるが、Qxd2(時々Qxa2)で難しい。

Qd3型にはNc5を当て、Qe3型にもQb6とブツケて戦える。
(Qd2にa5は b3! a4 b4 Be6 Rc1 Nd7 Be2...の評価次第)


☆…
7. f3 Nxd4 8. Qxd4 Bg7
9. Be3 0-0 10. Qd2 Be6
11. Rc1 Qa5 12. b3 Rfc8
13. Be2 a6 14. Na4 Qxd2†
15. Kxd2 Nd7 16. g4 f5
…〆

7. f3で黒a5に備え、本譜やRfc1/Rab1型が白の最強手段。
(1/2-1/2 Nisipeanu L - Khalifman A, Las Vegas 1999)

Be3をBg5に代えても、f6〜f5の二段突きで本譜に戻る。
(途中 16. Bxe7 b5 17. Nc3 bxc4...はBh6†が強く良し)

以下 exf5 gxf5 h3 Rf8 f4に b5 cxb5 axb5 Bxb5 Nf6...
や gxf5 gxf5(Rhg8 Kh8)Nc3 fxe4 fxe4 Nf6...で難解。



※参考資料
『Play the Accelerated Dragon』2014 Peter Lalić
『Starting Out: The Accelerated Dragon』2008 Andrew Greet
『Anti-Sicilians: A Guide for Black』2003 Dorian Rogozenko
『Shin Uesugi's Page』
『Chess.com』(解析)
『Pigeon Log』(図面作成)


※※次回『King's i-Fianchetto d4 d5』
※大昔の前回『KK4の今日この頃』

†本記事は 将棋 Advent Calendar 12/24枠


将棋の初形は角を除けば完璧な配置なので、
最序盤はお互いの角の処分処置から始まる。
その時生じた僅かな歪みを咎めにいくのが、
先手居飛車の義務であり醍醐味ともいえる。

相手が一般に奇襲とされる戦法でも同様で、
むしろ定跡形以上に礼を尽くす必要がある。
今回は後手が角交換向い飛車を志向した際、
どのようにその歪みを衝くべきかを考える。

(制作にあたり、ukamuse氏に協力を仰いだ)


なお 26歩 34歩 25歩のオープニングは有効。
角頭歩や通常の後手筋違い角を封じており、
33角成を遅らせれば阪田流の牽制にもなる。
対居飛車も角換わりと相懸かりだけで済む。



26歩 34歩 76歩 24歩 25歩 同歩
同飛 88角成 同銀 33桂…(k)



21飛成 22飛 11龍 29飛成 46香 62王
43香成 65桂…(k1)
24飛 22飛 同龍 同銀 28飛 25歩
65角 32金 83角成 74角…(k2)
23飛成 22飛 33龍 29飛成 55桂 32銀
63桂不成 62王 71桂成 同王…(k3)
23飛成 22飛 24歩 32金 22龍 同銀
23角 31金 34角成 45角 同馬 同桂…(k4)

28飛 22飛 23角 32銀 同角成 同金
22飛成 同金 31飛 62王 11飛成 23飛…(k5)
28飛 22飛 23歩 21飛 65角 32金
83角成 27歩 48飛 23飛…(k6)
28飛 22飛 24歩 32銀 23角 27歩
同飛 45角 28飛 67角成…(k7)



角頭歩戦法(稀に角豆腐とも表記される)は、
24歩型の角交換向い飛車を見せ敵を焦らせ?
飛車先を換えてきたところを叩くのが狙い。
…もっと評価されて然るべき戦法だと思う。

かつて66歩が対策の決定版とされたものの、
44角から銀冠や向い飛車に組まれて難しい。
先手は78金や68玉と一手溜めるのが本手で、
後手も42飛や54歩で65角問題に備えておく。

45角や45桂がことごとく先手で刺さるため、
すぐに25歩と動くのも実際少々無理っぽい。
ただし…(k4)は限りなく互角に近い戦いだ。


※96歩と94歩を入れてから飛車交換すれば、
95歩~92歩~91飛の筋が生じ事情が変わる。
これを利用し95歩と位を取る作戦もあるが、
右辺で速攻を喰らう虞もあり微妙なところ。



26歩 34歩 76歩 24歩 78金 54歩
25歩 同歩 同飛 88角成 同銀…(K')



33桂 23飛成 22飛 33龍 29飛成 53桂…(K1)
22飛 23角 24歩 同飛 35角 41角成
同王 22飛成 同銀 28飛 44角 24歩…(K2)
22飛 23角 14角 同角成 同歩 23角
24歩 同飛 13角 28飛 57角成 24歩
26歩 同飛 35馬 28飛 52金左 48銀…(K3)
22飛 23角 14角 同角成 同歩 23角
24歩 同飛 13角 28飛 32金 24歩
同角 34角成 57角成 24歩 25歩 同馬…(K4)


26歩 34歩 76歩 24歩 78金 42飛
25歩 同歩 同飛 88角成 同銀…(K")

33桂 28飛 22飛 24歩 32銀 23角
25角 同飛 同桂 34角成 62王 45角…(K5)
22飛 23角 32銀 24歩 23銀 同歩成
14角 22と 25角 38銀打 14角打 68金…(K6)
22飛 23角 32金 34角成 25飛 同馬
27角 26馬 54角成 24飛 22飛 54飛…(K7)
22飛 23角 14角 同角成 同歩 23角
32金 34角成 25飛 同馬 27角 46歩
54角成 47馬 27飛 28飛 同飛成 同銀…(K8)



後手の人を戦法ごと焼き尽くすつもりなら、
部分的に最強の手である78金から考えたい。
手損しない54歩と隙のない42飛の二択だが、
いずれにせよ飛先交換に33桂は成立しない。

銀に紐をつけ33角の攻防手を消したお陰で、
先手は22飛に23角からの馬作りを目指せる。
以下32銀には24歩で、32金なら角を逃がす。
(23角以降の33桂は飛角を切って21飛で潰れ)

(K3)は41角成と34角成を防ぐ自然な流れで、
難解だが先手の角は生還するか花と散れる。
(K4)も33金には 48銀 24馬 同馬 同金 56角、
33桂~25歩には58飛でいずれも先手持ち。

(K7)はとにかく後手の馬を消すのが急所だ。
(54角成のところ45角成なら、85飛がある)
(K8)は15角を消して54飛に26飛を見た順。
歩得ながら馬を作り合う力戦で相当難しい。



26歩 34歩 76歩 24歩 68玉…(L)



42飛 25歩 同歩 同飛 88角成 同銀
22飛 23歩 42飛 48銀 62王 78玉
72王 36歩…(La1)
54歩 25歩 同歩 同飛 88角成 同銀
22飛 23歩 52飛 77角 33角 48銀…(La2)
54歩 25歩 同歩 同飛 88角成 同銀
22飛 23歩 52飛 77角 55歩 同飛
同飛 同角 27飛 11角成 23飛成 22歩
同銀 21馬 31金 53桂…(La3)

42飛 78玉 88角成 同玉 22銀 78銀…(Lb1)
54歩 78玉 88角成 同玉 22飛 77角
33角 66歩…(Lb2)
54歩 78玉 88角成 同玉 33桂 23角
45角 78玉 42金 46歩 22銀 45歩
23銀 31角…(Lb3)



68玉は22飛ブツケに23歩でしか反撥できず、
(23角は24歩~33角が先手で入るため微妙)
姿は大変良いものの漠然とした展開になる。

飛車先を換えた後に23歩と打ち直す流れは、
普通の角交換四間より手得だが形勢は不明。
22角は同銀~24歩~33角があって成立せず、
結局左右の桂を捌いて空中戦にする他ない。

78玉で88同玉と取れることに満足するのも、
居飛車党過激派らしくはないが自然な対応。
24歩型を相手し慣れているならアリだろう。


※実は 26歩 34歩 76歩 42飛 68玉 24歩なら、
KK4模様から68玉を見て角頭歩にできる。
(先手がわざわざ避ける順とも思えないが…)
もしこれを厭うなら25歩を早く決めるべき。



26歩 34歩 76歩 33角 同角成 同桂
25歩 22飛 65角 45桂 48銀 55角
98香 99角成 78銀…(O)



42飛 83角成 98馬 56馬 84香 45馬
87香成 同銀 同馬 84歩 88歩 39銀
89歩成 83歩成 82銀 75桂 54銀 56馬…(O1)
42飛 83角成 98馬 56馬 44歩 46歩
84香 45歩 87香成 同銀 同馬 66馬
88歩 77桂 89歩成 47銀 45歩 44香…(O2)
42飛 83角成 98馬 56馬 44歩 46歩
54香 66馬 57桂成 同銀 同香成 同馬
88歩 77桂 89歩成 84香 88と 81香成…(O3)

42銀 83角成 98馬 56馬 57桂成 同銀
88歩 77桂 89歩成 66馬 32金 65桂
88馬 77銀 87馬 54歩 同歩 22馬…(O4)
42金 83角成 98馬 56馬 57桂成 同銀
88歩 79金 89歩成 同金 97馬 92歩
44桂 66馬 92香 46歩…(O5)
98馬 43角成 84香 53馬 87香成 同銀
同馬 63馬 62飛 45馬 65飛 43桂
42王 31桂成…(O6)

98馬 43角成 88馬 46歩…(O')


鬼殺し向い飛車戦法(窪田流四手目33角)は、
手損をせずスマートな向い飛車に組む狙い。
無論、こんなずるい戦法は潰すより他ない。
…当ブログは基本的に常時このノリである。

島ノートで無理とされた65角を堂々と打ち、
98香で馬筋を逸らして敵の桂を取りに行く。
銀杏交換後は66歩でなく84歩~39銀が本線。
(42飛が54歩に代わっても同じ対応で良い)

42銀や42金なら82飛の逆襲が消えて一安心。
57桂成~88歩には77桂と79金を使い分ける。
(44歩と66馬の交換はこの場合先手の得か)
単に98馬~84香なら53馬~63馬で問題ない。


※99角成のところ35歩なら83角成が自然だ。
以下 99角成 78銀 36歩 同歩 55馬 26飛 19馬
56馬 57桂成 同銀 54香 66馬 57香成 同馬…
は先手が厚く、他に35歩を活かす順もない。



26歩 34歩 76歩 33角 同角成 同桂
25歩 22飛 65角 45桂 48銀 55角
98香 99角成 78銀 98馬 43角成 88馬
46歩…(O')



42飛 34馬 37桂成 同桂 32香 56馬
36歩 45桂 37歩成 29飛 48と 同金…(O7)
42飛 34馬 37桂成 同桂 47歩 同銀
32香 35歩 34香 同歩 62王 68玉…(O8)
52金左 34馬 37桂成 同銀 32香 56馬
37成香 同桂 36歩 27飛…(O9)



ぶっちゃけ角はどちらに成ろうが大差なく、
98馬~88馬を優先された方が個人的には厭。
対して34馬は55馬と引かれて困るので46歩…
しかしここで32香を絡めた小鬢攻めが怖い。

機械は例によって先手の味方をしてくるが、
人間的には後手の攻め筋も多彩で、難しい。
(O8)のように歩切れを咎める順も多数あり、
絶対大丈夫だよという信仰のもと私は戦う。


※ちなみに後手番の元祖鬼殺し(可章馬)は、
26歩 34歩 76歩 33桂 25歩 45桂 48銀 35歩
46歩 88角成 同銀 55角 77角 46角 26飛
57角成に58金右ぐらいで普通に駄目である。

※※99角成をさぼって先に42飛と廻ると、
星田研究の 78金 99角成 88金で即死する。
88馬をさぼるのも33馬~馬引きが手厚い。



26歩 34歩 76歩 33角 同角成 同桂
25歩 42飛 68玉 62王 48銀 72王
58金右 22飛 77角 42銀 36歩 54歩
37銀 32金 46銀…(Q)



44角 66歩…(Q1)
21飛 35歩 同歩 同銀 53角 38飛
64角 46歩…(Q2)
21飛 35歩 同歩 同銀 55角 同角
同歩 34歩 45桂 18角 54角 46銀…(Q3)



…ただ残念ながら33角自体はまだ滅びない。
42飛(或いは32金)と深く反省されてみると、
先手もこの手を更に咎めに行くのが難しい。
(44角に66角で受けやすくなった意味はある)

仕方がないので先手も68玉と通常形に戻り、
一手損で向い飛車に振り直す順を警戒する。
具体的には、22飛の瞬間の77角~早繰り銀。
58金右で中央に備えておくのが肝要である。

今は有名な構想なので詳しくは述べないが…
念願叶って44角と打たせて角道を閉じても、
自玉の厚みを勝ちに結びつけるまでは長い。


※居飛車党過激派的には(Q)の時点で温く、
78玉~24歩~23角の筋で咎めに出るべき。
12角~同飛~32金/銀は 34角成 22飛 88銀。
25角や25桂も馬が残って模様は良さそう。



26歩 34歩 76歩 33角 同角成 同桂
25歩 42飛 68玉 32金 48銀 62王
58金右 72王 78銀 44歩 56歩…(T)




(↑78銀が78玉に代わっても大差はない)

45歩 57銀 44飛 36歩 64角 37角
同角成 同桂…(T1)
45歩 57銀 35歩 77角 22銀 79玉
82王 96歩 94歩 88玉 72銀 86歩…(T2)
45歩 57銀 35歩 77角 62銀 79玉
51金 26飛 43金 36歩 同歩 同飛
34歩 26飛 32銀 96歩 94歩 88玉…(T3)
41飛 79玉 42銀 66歩 21飛 88玉
43銀 65歩 25桂 16歩 24歩 15歩
82王 96歩 94歩 67銀 72銀 78金…(T4)
41飛 79玉 42銀 66歩 43銀 65歩
35歩 88玉 52金 77桂 21飛 66角
54歩 57銀 62銀 67金 53銀 46銀
34銀 55歩…(T5)



立石流は組まれると面倒なので、断固拒否。
(45歩に57銀、44飛には36歩、35歩は77角)
左金で34金型まで実現されると大変ながら、
43金の瞬間に飛車先を換えれば大抵は通る。

早い向い飛車25桂ポンには同飛~85飛が形。
低い陣形では65角や36角~25飛を防げない。
43銀・32金+下段飛車を崩すのは難しいが、
雁木に盛り上がって将来の玉頭戦に懸ける。


※44銀・43銀・32金型は34銀の瞬間を狙う。
(62王型には17角、72王型には54角が含み)
(T2)の77角に41飛なら24歩~36歩と動き、
角を手放した状態での43銀型自体許さない。



26歩 34歩 76歩 32金 25歩 33角
同角成 同金 68玉 22飛 48銀…(S)



24歩 同歩 同金 46歩 25金 45角…(S1)
62王 46歩 55角 77桂 46角 47銀
64角 56銀 35歩 66歩 36歩 65歩…(S2)
62王 46歩 72王 47銀 65角 56銀
76角 78銀 44歩 77角 42銀 45歩
同歩 36歩…(S3)
42銀 46歩 24歩 同歩 同金 47銀
25金 38金 26歩 36歩 35歩 23歩
同飛 37桂 36金 45角…(S4)
62王 46歩 24歩 同歩 同金 36歩
25金 77角 44角 同角 同歩 37銀
54角 45歩 26歩 44歩 42銀 66角…(S5)

42銀 46歩 62王 47銀 72王 36歩…(S')


阪田流向い飛車は相当手強い戦法だと思う。
(決定版が存在するか自体正直全く判らない)
ただ後手から急戦を成立させるのも難しく、
38銀と備える方が手堅いが48銀でも受かる。

以降はとにかく無心に47銀36歩型を目指し、
仕掛けられたら38金~37桂で金を追い返す。
後手は筋違い角も筋違わない角も打てるが…
腰掛け銀に中原を逐われ戦果は挙がらない。

(S4)の手順中、35歩に代えて54角なら45歩、
14角も 37金 35歩 同歩 同金 77角で大丈夫。
25歩~三筋交換も38飛や56角で迎撃できる。
(S5)は33角で受けても角交換~35歩がある。


※やねうら王の愛用する33金型の居飛車も、
もっと評価されて然るべき戦法だとは思う。
ただ、45桂早仕掛けへの対策が必須となる。



26歩 34歩 76歩 32金 25歩 33角
同角成 同金 68玉 22飛 48銀 42銀
46歩 62王 47銀 72王 36歩…(S')



44金 78銀 35歩 77角 33桂 35歩…(S6)
24歩 同歩 同金 37桂 25歩 38金
35歩 78玉 33桂 77角 21飛 68金
82王 45桂 同桂 同歩 72銀 23歩…(S7)
24歩 同歩 同金 37桂 25歩 38金
33桂 78玉 62銀 68銀 51金 96歩
94歩 77銀 64歩 68金 63銀 29飛…(S8)
82王 37桂 72銀 78銀 44歩 96歩
94歩 77銀 43銀 78金 32金 38金
54銀 86銀 33桂 77桂 21飛 95歩…(S9)



44金や24歩や32金など後手金の動きを見て
金の配置を決めるのが私好みの呼吸である。
先手としては三枚で堅く囲う順も有力だが、
持久戦では縦から攻める方が打開しやすい。

金が上ずると小鬢狙いの77角~45桂があり、
いつでも動けるはずなのに動きが取り難い。
かといって仕掛けなければ43銀・32金型の
「意識低い系振り飛車」に帰着してしまう。

意外とよく遭う(S8)の中国製美濃相手には、
いかにも脆い玉頭を地下鉄飛車で狙いたい。
美濃で端を突く(S9)は矢倉~86銀が炸裂し、
端を突かないと今度は銀冠~96銀が生じる。


※33角成を保留し 48銀 94歩 96歩と待てば、
後手が自然な阪田流に持ち込みにくくなる。
(ただし先手も25歩型角換わりの知識が必須)



26歩 34歩 76歩 32金 25歩 33角
同角成 同金 68玉 65角 48銀 76角
77玉 54角 78銀 22飛 56歩…(§)




(↑78金型の方が囲いとして数段堅く、優る)

44金 57銀 24歩 55歩 同金 24歩
27歩 58飛…(§1)
44歩 55歩 43角 36歩 42銀 57銀
62王 56銀 72王 46歩…(§2)
64歩 38金 42銀 57銀 24歩 同歩
同金 66銀 27歩 同金 35金 26歩…(§3)



筋違い角は大抵の角交換振り飛車で打てる。
ただ局面が煮詰まりかけてきた頃でないと、
自由奔放な駒組みで角を目標にされて困る。

筋違い角との相性が良い阪田流向い飛車も、
この法則から逃れることはできないらしい。
先手は角を追いつつ中央を制する味が良い。

44歩なら歩で角を追い、歩で角頭を攻める。
64歩なら金で飛頭を守り、銀で角頭を叩く…
実際の形勢は謎だが、気分良く戦えそうだ。



p.s. (2018/11/11)

26歩 34歩 76歩 88角成 同銀 65角
38銀 76角 78金…(ß)

22飛 77銀 54角 66銀 24歩 55角…(ß1)
22銀 77銀 54角 66銀 33銀 55銀
65角 77桂 76角 25歩 44歩 26飛
32角 36歩 74歩 35歩 同歩 46銀…(ß2)
44歩 77銀 32角 25歩 22銀 24歩
同歩 同飛 33銀 28飛 54角 36歩
22飛 23歩 42飛 66銀 24歩 55銀…(ß3)
44歩 77銀 43角 46歩 22銀 47銀
33銀 56銀 22飛 68玉 62王 79玉
72王 58金 35歩 47金 24歩 36歩…(ß4)



正調筋違い角では飛先を換えたくなるが、
衝動を抑えて銀を中央に使う方がより自然。
(ß2)では45桂や66角、46飛などの筋もあり、
角を追いつつ攻めれば先番の利も出やすい。

先後逆ならもう少し緩やかな将棋になるが、
セオリー通り54銀~45歩と位を張れば良い。



26歩 34歩 76歩 32金 25歩 33角
同角成 同桂 78銀…(〒)


42飛 68玉 41飛 48銀 42銀 79玉
62王 58金右 72王 66歩 44歩 56歩…(T0)
44歩 58金右 42飛 68玉 45歩 48銀
46歩 同歩 同飛 77銀 62王 78玉
72王 24歩 同歩 同飛 23歩 28飛
41飛 56角 45歩 36歩 44飛 66銀
54歩 37桂…(〒1)
44歩 58金右 42銀 24歩 同歩 同飛
23歩 34飛 43銀 36飛…(〒')

27角 46歩 84歩 56角 36角成 同歩
54銀 38角…(〒2)
27角 46歩 36角成 同歩 27飛 47角
24飛成 96歩 94歩 35角 34龍 37桂
54銀 95歩…(〒3)
42飛 26飛 41飛 77銀 62王 68玉
72王 36歩 21飛 25歩 34銀 37桂…(〒4)



居玉で43銀・32金型を目指すのは有力策。
居飛車で実現されると先番の利をほぼ失う。
(対振りなら手数を六筋位取りに変換できる)
故に、飛車を振る前の42銀には横歩を取る。

早い78銀は態度を聞く44角を封じている。
39銀・58金型で28角を消し、27角を打たせ、
56角覗きや端攻め〜83角成の筋に期待する。
(向い飛車も36歩~37桂が間に合って受かる)

この組み方だと早い四筋交換を防げないが、
(〒1)のように56角で桂頭攻めを見せれば、
次に 45桂 同桂 46歩の圧迫もあり不満ない。



26歩 34歩 76歩 32金 25歩 44角
24歩 同歩 同飛…(N)

23歩 44角 同歩 34飛 45角 15角
52王 42角成 同王 44飛 51王 45飛
33桂 65飛…(N1)
88角成 同銀 33角 21飛成 88角成 77角
同馬 同桂 22角 66角 同角 同歩
22角 65桂 52飛 24桂 23銀 55角…(N2)



菜々河流44角には最速で飛車先を換えて、
33金〜22飛を許さない。(N1)の15角が肝。
44同角と先に決めるか否かは先手が選べる。


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…学生時代からの宿題が、ひとつ片付いた。
こういった戦型は漠然として精査が難しい。
今回は割愛した33桂型や33金型の居飛車も、
今後きっとまた増えてくるので検討課題だ。

十分な品質を得ないまま上げてしまったが、
加筆修正を加えつつもう少し考えてみたい。



開始日時:2018/04/10 棋戦:竜王戦
先手:斎藤慎太郎 後手:西川和宏