※本来の表紙『さうざんでいず』
二、三百年後の地上の生活は
想像も及ばぬほど素晴らしい
驚くべきものになるでしょう
人間にはそんな生活が必要で
よしんば今それがないにせよ
人間はそれを予感し待ち望み
夢み、準備せねばなりません
そのために父や祖父より多く
見聞きし知らねばなりません
(笑)
だのに貴女は、余計なことを
どっさり知ってるなどと仰る
А.П.Чехов 三人姉妹 1
以下は主に日本語の復習と自分用のメモ。
適宜追加予定。
【将棋生活】
父相手に26歩27飛25歩26飛と可愛い居飛車?で仕掛け,
すぐ飽きて引き分けとしたのが記憶にある最古の将棋。
後に私は風車戦法を会得しその守備力を究極の域にまで高め…
58玉59飛27金37桂47銀57角67銀77桂87金型の「センターマン」を武器に小学校を制覇したのであった。
図書館に何故か置いてあった「将棋戦法大事典」を読破することで,私は将棋の序盤を学んだ。
中二の頃だ。
三人の共著者からはそれぞれ,
三間飛車の美学,弱い者が強い者を倒す方法,
何にでも自ら命名してみる習慣を主に受け取った。
そうして十年後…気付けば自分も将棋戦法事典を作っていた。
書店で初めて「島ノート」を見たとき,手持ちのなかった私は人生で初めて他人からお金を借りた。
しかしいきなり現れた鬼殺し向い飛車なる謎戦法と65角からの大決戦に辟易して,暫く投げ出した。
製本が崩壊する程度には読んだはずなのだが…この順が物凄く重要だと気付くまでに十数年掛かった。
我らが母校の校則には
「囲碁将棋は人生を浪費する悪い遊びなので禁止」
的な一文がしっかりと記されており極めて遺憾であったが棋道部自体はしっかりと存続していた。
(※同部活は後に私が半壊させた)
実際のところ冒頭の文言は誤りで,囲碁将棋は脳をそのゲーム用に改築する超悪い遊びである。
近所の将棋部にお邪魔したことも数度あるが,他大に入り浸るにはコミュ力・棋力不足。
それにしても団体戦の振り駒直後,毎回ひとりひとりが順々に手を挙げて
「ぼくせんてー」
「ぼくごてー」
「ぼくせんてー」
と流麗なcombinationを決めている某大学。
あれは一体何の儀式なのか…
今迄に道場で出会った強者の中でも,
読み筋のまるで合ったことがない相手はK御門五段であった。
矢倉29飛や手損角換わりや銀冠を好む手厚い居飛車党で,感想戦も強い。
そんなK御門氏から全面的賛同を得たことが一度だけある。
「今一瞬の快楽が全て!」と叫びながら相手の駒を取ったときだ。
Q:「当機立断」を読み下せ。
某I葉八段の昇給祝賀会で,このように揮毫された扇子が配られたそうな。
当県アマ棋界はR命館大の学生に散々痛め付けられており,
司会のN村五段は機に当たって立ちどころに正解を断じた。
A:「まさに きは りつを たつべし」
…なお某八段の兄も立である。
居飛車急戦党:
「急戦は一手間違えるとすぐ自玉が寄るから正解を見つけやすい」
「味方の駒の利きが重複したらその時点で間違いなのでそれ以上読む必要がない」
「そして本筋をひたすら掘り下げる」
「三間飛車"党"には棒銀が最も有効」
穴熊党(私):
「なるほど(生きてる世界が違う…)」
この前久々に対三間飛車の急戦を指そうとしたが…
時既に遅く生理的に船囲いを組めない身体となってしまっており,反射的に59金右と寄っていた。
見た目からして若干orzな感じながら,実際指してみると意外に堅い。
この68銀69金59金型の右銀急戦も相手の形次第ではアリかもしれない。
加藤一二三九段が久々に勝ったので,埃を被った布盤を四ヶ月ぶりに広げて棋譜を並べてみた。
(※ちなみにマグネット盤は消失した)
布盤に残った折り目は極めて強固で,五段目に置いた駒が流れ落ちてゆく。
…中座飛車が不安定な悪形であり,加藤先生愛用の84飛型がより優ることを再認識できた。
【分類不能】
玉方:2二玉,3二金,1四歩
攻方:1二銀,3四龍
持駒:角,桂,香
某プロが解くのに一時間掛かり「一時間以内に解けたら私より強い」と言ったとか言わないとか。
H山道場の皆で暫くつついて正解っぽい筋は判明したが,二十一手詰の本手順(金金飛)を今ようやく見つけて独り感動している。
答え:
▲4四角△3一玉▲5三角成△4二金打
▲3二龍△同玉▲3九香△3三金打
▲同香成△同金▲3一金△2二玉
▲2一金△1三玉▲3五馬△2四飛合
▲2三銀成△同金▲2五桂△1二玉
▲1一金打まで二十一手
…恐ろしい合駒問題だ。(なお▲4四角に合駒なら▲2四龍と寄る手がぴったり)
玉方:3九玉,6七歩
攻方:5七飛,5九歩
持駒:金、銀四
さうざんでいずの表題。(=表紙に置いてある問題)
結局これが私の人生で最初にして最後のまともな自作詰将棋となる見込みである。
玉方8八角を加えたバージョンでは読む量が増え手数も四手伸びるが,個人的には簡素なこの図が好き。
答え:
▲2八銀△同玉▲1七銀△2九玉
▲2七飛△3八玉▲4七銀△4九玉
▲2九飛△3九銀合▲同飛△4八玉
▲5八金△3九玉▲2八銀打△2九玉
▲3八銀打△1八玉▲2七銀左△2九玉
▲3八銀左まで二十一手
…角合いでも同手数にはなる。(私は最後のスーパー尻銀プレスがやりたかった)
将棋があまりに弱過ぎて,書けることが何もない。
HNの由来は当時意図的に書き忘れていた事柄のひとつだが,
「十一ノ山山一人朝げ」→「一人朝げ」→「あさげ」の順でこうなった。
(これ以上は個人情報に配慮して割愛)
良くも悪くもbreakがfastな棋風は,昔から全く変わらない。
CassiopeiaがWを描く方向から見ると,
左上には北極星,
右上には夫(Cepheus),
右下には娘(Andromeda),
そして左下には娘婿(Perseus)がいる。
明日の夜には例年通り,Perseus氏の腋の下から全天に向けて無数の塵芥が放射される見込みである。
無作為に選んだ二個の自然数が互いに素である確率は,6/π^2 となることを示せ。
(「割りきれない話」)
5×5×5の箱に,
1×1×1の積み木五個,
1×2×4の積み木六個,
2×2×3の積み木六個を詰め込め。
(「寄木細工っぽい何か」)
…美しかった駄問。
紙とペンだけで30分以内に解ければ晴れて變態の仲間入りである。
実物を作って気になる人にあげれば晴れて我が心の友入りである。
3.1と5.9を足すと四捨五入がふたつ重なるので,
9.0(8.95以上9.05未満)ではなく
9(8.90以上9.10未満)と表記しましょうね…
というお話とばかり思っていて,みんな誠実で素敵だなあと感心していたら全然違った。
関係ないがうちの業界,検査値は割とファジーである。
「3-5+10-19+20+22+23-56-79…」
と突然問われたとき,
五秒以上返答に詰まったり数字で答えたりしたら不合格。
「a+」と続きを言うか,
「cyclin D1はどうでしたか」と質問に質問で返せば合格。
(+ならMCLだ。-なら…CLL/SLLかDLBCLかも)
【大学ノート】
さうざんでいずの最も役立った記事(※私自身の場合):
三位「生きとし生けてないもの」
…ウイルスの種類を覚えるのに有効。
二位「こんがらがった午後」
…学生時代,物凄く苦手だった結紮の話。
一位「敵を知れども己を知るな」
…これを読めば誰でも何となく血球目視分類ができるように!?
「カフェインを摂取することで計算速度が増すか」
について学年全体でRCTを施行し,
結果は「有意に然り」であった。
あの実習以来,私にとって珈琲は単なるドーピング薬物となった。
将棋大会があれば必ず持ち込み,酷いときには1㍑ほど摂取しているのだが…
未だに注意されたことはない。
モリブデン99はβ+壊変でテクネシウム99mになる。
("m"は核が余分なenergyを有するという意)
99mTcは140keVのγ線を1個出して,半減期6時間で普通の99Tcになる。
この値が実に良い感じなので,RI検査では99mTc(の化合物)を用いることが圧倒的に多い。
テクネシウムは原子番号43と若い癖に,
宇宙で長時間生存できる同位体がない。
だから人工的に作られて「発見」され,
人工即ちテクネーからその名が付いた。
弗素18は半減期110分で酸素18と陽電子とνeになり,陽電子は近所の電子と対消滅して511keVの光子を2個出す。
PETで使われる18F-FDGはブドウ糖のふりをして細胞内に侵入し,解糖されずに居座って大食らいな癌細胞を特に明るく照らす。
壊変後はブドウ糖に戻る…といいな…
私の叔父は心臓が元々の専門だったが,
逸早くPETを大量に導入・活用して多くの早期癌(或いは偽陽性)を発見し…
一億総PETの魁となった。
そうしてPETを自分自身に活用することもなく心臓病でさっと世を去った。
親より先に死んだという点を除けば,私も斯くありたいと思わなくもない。
ロシア国旗を見るたび,
寒冷の地において手指が白→紫→赤と移ろいゆくRaynaud現象を簡潔かつ美しく表現した素晴らしいデザインであるなあと常々思っていたのだが,
どうも違うらしい。
「ぺるおきしだぜ」は男の子(M系)白血球に特有で,女の子(L系)にはない。
思春期にはニキビ(azur顆粒)として現れ,
増えて頬の切り傷(Auer小体)になれば悪い男の子AMLとすぐ判る。
切り傷だらけのfaggot細胞はM3だ。
なお不良ショタM0のそれは電顕でしか見えない。
かつてAML-M3は最も凶悪な白血病のひとつだった。
しかし中国の研究者達が
「ビタミンAの凄いやつ(ATRA)でM3がなおるよ!」
「漢方薬に入ってる亜砒酸もめっちゃ効くよ!!」
などと意味不明なことを言い出し,
実際その通りであったので以来M3はAMLの中で最も予後が良い。
この逸話のことを思い出すたび,私は深い感動を禁じ得ない。
同時に,平凡な日々の中で忘れがちな幾つかの真実を何とか再発見し…そうして仕事に戻る。
険しい道こそ切り開く価値がある。
古きものに敬意を払う必要がある。
天才は世界を自分色に塗り替える。
真に美しい新手は一生輝き続ける。
【東洋医学】
さうざんでいずを書き足し,フェルソンを読み直し,傷寒論を書き下し終わったら一日が終わっていた。
約1800年前に記された傷寒論は,今も漢方を学ぶにあたって必ず最初に開かれる古典である。
著者の天才により,読み進めるだけで生薬各々の効用と加減の妙が自然と学び取れる仕様になっている。
「ひよわ」を漢字で書くと「脾弱」。
東洋医学の「脾」は,脾臓ではなく主に消化機能を意味しており…
これを補うことが病邪を攻めることと同じくらい重視されている。
脾弱な子の体質改善には小建中湯が頻用され,私もこれで育った。
西洋医学では同様の効能を持つ薬はまだ現れていないと思う。
「利水」も漢方特有の概念だと思う。
利水剤の代表選手は五苓散で,胃腸炎から二日酔い乗り物酔い,
雨の日の頭痛に果ては高山病予防とその適用範囲は茫漠である。
(小児でも坐薬にすればナウゼリンより明らかによく効いている)
旅行中など手許に置いておきたい,マイベスト漢方薬といえる。
「風邪に葛根湯」とよくいうが私自身は効果を実感できたことが殆どない。
中国漢方では日本が鎖国している間に普通の風邪即ち温病の研究が進歩し,
銀翹散などの新しい漢方薬を用いると聞くが日本の保険診療では使えない。
風邪が病の形をなす前に,補中益気湯や桂枝湯で予防したいものである。
031 太陽病,項背強ばること几几,汗無く悪風する者,葛根湯之を主る。
032 太陽と陽明の合病たる者,必ず自下利す。葛根湯之を主る。
…週末から馬肉か何かの影響で下痢中。因果応報である。
実は葛根湯証は傷寒論に二回しか登場しないレアケースで,
満量服したが今回も効果は謎だった。
例えば「腸管上皮は四日で再生する」という比較的どうでも良さそうな知識が,
時には人に今暫く頑張って生きようという希望を与え予後を変えることもある。
…最早寝床ですら平穏は得られない。便座の上にしか安息の地はない。
銀杏の 中毒量は 40個。
(歳の数より多く食べるな,ともいう)
大黄,地黄,麻黄…
これらの生薬はいずれも太刀筋鮮やかで常に主役を張り得る逸材ながら,
胃腸にとっても優しくないので私はイエローカードと呼び警戒している。
(ダイチマオで覚えても多分大丈夫)
大黄は瀉下,麻黄は発汗を通じて病邪を除く。地黄は血や腎気を補い,あらゆる老化現象に抗う。
最古の薬学書にして今も輝きを失わない「神農本草経」の冒頭には,命を養う上薬として
玉泉(?),丹沙(HgS),水銀,空青/扁青(藍銅鉱),曽青(孔雀石),雲母消石滑石石英…
と錚錚たる顔ぶれが並ぶ。
植物アルカロイドすら抗がん剤として操る現代でも,これらの活用方法は想像を絶する。
アスピリンは,私の中では漢方薬。
2400年の歴史をもつ解熱鎮痛薬ヤナギの正統な後継者でありながら,
微量で用いれば抗血小板薬となる。
ついでに抗炎症作用でがんまで抑えているっぽい。
…何ともshadeのある薬だ。
証を無視して濫用するアメリカ人を大量殺戮している辺りも趣がある。
【西洋将棋】
突然ですが,チェスについて書きます。
1.d4にはKing's Indian Defense(以下KID),
1.e4にはModern Defense(別名Robatsch)かSicilian Dragonを愛用してます。
白番なら,1.Nf3からBarcza Systemです。
調べてみれば一目瞭然ですが…
これらの戦法はいずれもKing's bishopを将棋の角と同じラインに置き,王様を素早く固く囲って適当に捌くのが特徴です。
現在の流行形ではありませんが,将棋指しがチェスをささっと覚えるには効率的な組み合わせのひとつだと思いますし実際有効でした。
d4 Nf6 c4 g6 Nc3 d5と黒から積極的に駒をぶつけていくGrünfeld Defenseは,
KIDよりも簡明?かつCatalanとも感覚が近く?勉強し甲斐があります。
ただ白にc4-Nc3-e4-d4の順で組まれるとd5を突けず,別の作戦が必要になる点には要注意。
白なら基本的にKing's Indian Attack(以下KIA)を目指しますが,
Nc6などで次にe5を狙われたら即d4を突いてCatalanに遷移します。
Nf3 d5 g3 c5 Bg2 Nc6なら逆KIを避けてd4の逆Grünfeldが楽しいです。(先手の利は消えます)
同じKIAでも囲いを先に作るBarcza式だと,後手はBf5やBg4と排泄した後でc6, d5, e6型の堅い魚鱗の陣を敷けます。
ただb筋が薄かったりQe1-Ne5-f4の不思議活用ができたりで個人的にはそこまで不自由を感じません。まあもっと上のレベルではしんどいのでしょうね。
Nf3 Nf6 g3 b6 Bg2 Bb7 O-O e6 d3 d5 Nbd2 Nbd7は課題。7.e4と突き難い。
(Kasparov-Habu戦では6…Be7としたため7.e4 dxe4 8.dxe4 Nxe4にNe5-Bxb7-Qf3を生じ7.e4が成立,白ペースになった)
チェスでは普通,とりあえず全ての駒を活用しておかないと強力なコンボや大技は出せない仕様になっている。
ただし駒毒に溺れたり,駒の働かせ方が不十分だと大技が簡単に決まって潰される。
c筋のポーンは二筋三筋の歩と同じで気持ち早目にポンポン捨てた方が駒の捌きも良いし,大抵取り返せる。
ナイトはなるべく敵陣深く,敵ポーンの死角に潜り込むのが良い形。
ビショップは角と同様,安全な場所から敵の駒を遠く睨むのが最上。
強者が最下段の駒を急いで捌くのは両端のルークを活用するためで,
ルークは自陣のポーンが消えた筋に据えるだけで十分に働いている。
クイーンは…交換しとく。
金将のいないチェスでは接近戦でのキングの強さが際立つ。
敵ビショップと色違いの位置,敵ナイトの縦横or二間トビorハザマ?の位置をキープしつつ,
敵陣最弱のポーンに向けて突進すれば大体は何とかなる。
まあ結局,相手より一手早くポーンが成れると読み切りさえすれば何でもアリなのだが…
ネットチェスで勝つコツ:
欧州(含む旧ソ連諸国)の人達が活発に動く時間帯を避ける。
【将棋研究】
角換腰銀同形(全端不突)の少し手前,78銀69金84歩81桂型から45歩と仕掛けていく『角換わり左美濃(みるふぃ流)』を時折試しています。
気になる受けは45歩の直後に85歩。77銀と受けるのはそこで45歩と取り返されると困ります(先手陣が脆弱)から,44歩と取り込むのでしょう。
…次に継ぎ歩を喰らうと辛いので44同銀。そこから飛車先の換えあいは後手に利がある感じですが,77銀にも42金右とかでバッチ来いされてみると指し手が難しい。45歩~46角も73角で効果薄そう。
素直に78金でしょうか。以降は後手に選択肢が多く,より間違えやすい分先手満足ですね(?)
最近ponanza先生の「対振りなんて全部銀冠→銀冠穴熊でいいんだよ」説が真実味を増しつつある。
(対四間飛車でも組めているのが個人的には衝撃的)
さうざんでいずの中でも『振り飛車対策』は比較的存在価値を保てているジャンルだと思っていたが,最早この子も要らない子なのかもしれない。
最近の私の対振り飛車:
1. とりあえず銀冠か穴熊に組む。
2. とりあえず銀冠穴熊を目指す。
3. 抑え込まれて少し悪い。粘る。
4. 粘るのは好きなので実質勝利!
銀冠穴熊が得意なponanzaと一見似ているようでいて何かが違う気もするというか…
全然別物になっている不思議。
四間飛車+飛車落ち上手の陣形(32金43銀53銀62金72王型)から,
45歩44銀右と盛り上がる的な謎戦法をO西さんによく指される。
…よく判らないので銀立ち矢倉か六筋位取り左美濃に組み玉頭から撲殺している。
四筋を逆棒銀で突破されても陣形が薄いので大抵カウンターの方がきつい。
2016/9/12王位戦第六局は愛腰銀先手46角型。対して後手が普通に囲うと三筋の歩交換~36金~15歩~24歩という升田流の猛攻などがあって危なかった。
角を打たせてから右玉に組むこの呼吸は角交換型全般で現れる高等戦術で,
将棋戦法大事典では「ジョギング玉」と命名されていた。
2016/9/25叡王戦 広瀬-千田の愛腰銀81飛62金42王型は真実に相当迫っている感じがする(迫真)
31王と47金の交換は多分後手の損。
65同銀~63歩~64桂なら後々中央に先手の成駒が二枚並ぶがそれでも後手悪くない。
成駒に追われて玉を囲う手の効率が実に良い(?)のだ。
2016/10/6順位戦 豊島-久保は近藤流中飛車対藤井流58金右の,66香~13龍と引いて使う旧型。
(私自身の勝率も33香より大分良い)
42銀には懐かしのGPS新手44角があるし,本譜も先手やれていそう。
逆にこの戦型,72王や82王が一旦入ると多少の駒得では追い付かない。
本来強いであろう棋士が序盤から謎の原理によって残念な感じに仕上がり,為す術もなく敗れ去っていく将棋はたまによくある。
一見残念なこれらの棋譜こそ将棋序盤学における最上の教科書であり,私のような序盤好きにとってはトッププロの惨めな敗北こそ最高のデザートなのである。
(※悪意はない)
後手番の研究方法:
将棋を破壊するぞという強い気持ちを持って先手番の研究を深める。
(→結局どの順も高度に個別化・最適化された受けで形勢不明になる)
【人間生活】
今の下宿は昭和生まれの五階建て(の五階)。職場からはとても近い。
今朝も物を忘れたが四階で気付いたのでとても良い日である。
平成の法律から逃げおおせたこの建物には階段しかない。
蛇口を捻ると五秒後もれなく水が鉄錆色に染まる。
ただ,ベランダからの景色は実に良い。それでここにいる。
わが職場において最も見目麗しいといえる正面玄関は,同時に近辺で最も臭い場所のひとつである。
…地下のごみ捨て場の薫りが自然とここに滲み出てくるのだ。
「村の鍛冶屋」という,s/o workaholicな野鍛冶の生活を描いた美しい唱歌がある。
(※四番まである初期ver.のことである)
勤労意欲を一時的に惹起する必要に迫られた場合…即ち毎日なのだが,割と重宝している。
しばしもやまずに つちうつひびき
とびちるひのはな はーしるゆだま
…当直である。
先週の三連休も中日が当直だった。
そういえば来週末にも当直がある。
お仕事終了し,喜びのうちにラーメン屋へと向かうのであった。
こってり/がっつり系のラーメン屋やD町柳王将でBill Evansの音楽が流れていることは意外と多いのだが,いつ聴いてもシュールなものである。
かくいう私自身もBill Evansは好きで(と言うよりは他の音楽を全然知らない),比較的こってり系の人間であるから何も言えはしない。
最近,私の生活が一部ロシアに浸潤されつつある。危うい傾向である。
紅茶はロシアン。
家でのむ酒はウォッカ。
肴はオイルサーディン(ラトビア産)。
最上の作家はアントン・チェーホフ。
ピッチの着信音は「一週間」。
明日は早朝に墓参りをして満員電車で4時間掛けて帰って将棋道場に寄って頭の痛くなる戦いを何局か繰り広げて下宿でウォッカを少しあおって死んだように眠って,
月曜からは心技体とも万全の状態で労働を再開する見込み。
将棋はお金こそ掛からないが,趣味としてどうなのかとふと思う瞬間も多い。
勤め始めて半年ちょっとの職場で私の真後ろに机を有するちょっと大柄な後輩が実はちょっとどころではない将棋好きらしいと判明し,
まだ一局も指してないけれどもしかしたら自分より強いんじゃないかという可能性に思い至った時の私のちょっとした驚きとちょっと半端ないワクワク感を御想像頂きたい。
鹿は怖い。
昨年度いた田舎でも乗せて貰った先輩の車が鹿に轢かれて?壊された。
鹿はふらふらと去っていった。
帰り道は徒歩で,星が綺麗だった。
私は冬の星なら大体判るので,順に解説した。
…牡牛の背のあれがM45プレアデス星団,すばるです。
「すばる綺麗やな。俺のすばる壊れたけど」
【それから】
「好きな」数を思い浮かべろと言われたら,(2を除けば)全て合成数になる。
…数学の才などあろうはずもない。
私のブログにはカテゴリーが16個あって,
それぞれの記事数は150,80,30,20…総記事数は640(になる予定)。
誰がどうみても十進法と合成数を超リスペクトしている。
Erik Verlindeのエントロピック重力は久々に王道を感じさせる重力理論であり,今後が実に楽しみ。
あと個人的に素粒子は世界の果てとして扱われるべき対象だと思っているので,
今年こそリッチフローをちゃんと勉強して多様体もオペできるようになりたい…
けど時間も狂気も足りない。
Aperyは本当に好き放題攻めていく幼女感がある。
姉妹分のS.M.はやや落ち着きがあり読み筋はふわふわな不思議系十代。
Gikouは京女。YaneuraOuは變態。
ponanzaは名前こそあれだが棋理を体現するよく判らない何か。
…結論としては二歩千金さんの擬人化能力が抜群。
数学や物理や将棋に一生を捧げよう一生捧げればきっと何とかなるよという強い気持ち,強い思い込み(※狂気ともいう)が私自身に無かったことは少々残念に思う。
その代わり,医療の世界で最も格好良い(と思い込んでいる)分野の一員にもうすぐなる。
恐らく才は無いが一生捧げた後でまた反省する。
来年度は,前任者が平日セブンイレブン・休日も休まず働くLeukoでLeukämieな職場に遣わされる。
この業種に勤める者はもとより人間ではないから労働基準法も当然適応外で全くSchwarzではない。
(私が故障すれば部門が崩壊の危機に晒されるので)
生きる価値は目下絶賛高騰中。
ウサギから競走を持ちかけられたカメは,
当然トライアスロンなど水泳を盛り込んだ種目での勝負を提案すべき。
(仮に試合に負けても濡れたまま走り回った敵は高確率で風邪をひく)
自らをカメであると知りながらレギュレーションに細心の注意を払わないのは,
やる気がないか傲り昂っている証拠。
(実際にはカメから競走を持ちかけていたという説が濃厚であり)正直,お話にならない。
こんなの相手にも好勝負を演出し最後は勝ちも譲ってあげたウサギは,
結局カメさん一派に後世まで馬鹿にされ続ける羽目になったわけだが…
将棋を広めんとする者にはこの犠牲心が要求される。厳しい世の中だ。
小学生にとって走るのが速い子は常にヒーローであるように,
私の中で数学屋さんと将棋指しはいつだってヒーローなのだ。
いつしか義足が誰よりも速く走ろうとそれは単なる美談だし,
その話を聞くや否や自らの駿足をさっと伐り落とすZEN-SPIRITに満ちた選手がひとりぐらいいたって良い。
個人や団体が不幸にして人の道を踏み外してしまい,(少々挙動不審ながらも)懸命に生きている一個人の尊厳を擂り潰すことはよくある。
もし名誉回復が不十分なら加害者は被害者に決闘を挑まれたり辻斬られたりするのも当然もとい已む無しと私なら思うが危険思想らしい。
現代日本は加害者に優しい。
私は人の顔色なんて正直よく判らない。(顔色を窺うプロとしてどうなのか)
ただ人として根本的な部分を突然問われた時の反応は,人相とある程度相関するような印象を受ける。
…盤上ではそんな生まれもったものと一切関係なしに,誰もが仁義礼智忠信孝悌を自分の思うまま体現できる。
これが良い。
私がいつもまるで居飛車党本格派かのような序盤を指すよう心掛けているのは,
振り飛車党の振り飛車愛や
角換わり党の角換わり愛や
序盤研究好きの序盤研究や
変態戦法使いの変態戦法を
なるべく純粋な形で喰らって楽しみたいから,というところが大きい。
自分の色は中終盤に嫌でも出てしまう…
※前回の記事『先手矢倉対左美濃63銀型』
矢倉党にとって最も重要な分岐は五手目。
66歩も77銀も角道を止める疑問手であり、
それぞれ後手からの有力な急戦策がある。
前回の記事では五手目66歩対策を考えた。
五手目77銀はプロの書いた資料に乏しく、
20年前の本が今なお最高品質という有様。
その本即ち「変わりゆく現代将棋(上)」は…
某七冠王の狂気が直に籠められた名著だ。
今回は中央狙いで五手目77銀を潰すべく、
矢倉中飛車と五筋交換作戦を調べてみる。
「先手が79角と引けば普通の矢倉中飛車」
「先手が居角のままなら五筋交換~82角」
…と使い分けることで互いの欠点を補う。

76歩 84歩 68銀 34歩 77銀 62銀
56歩 54歩 48銀 42銀 58金右 32金
66歩 41玉 67金 74歩…(4)
(4A) 79角…
(4B) 78金…
(4C) 26歩…
右金を動かさないことが序盤のポイント。
矢倉に組み合うと、先番の利は保たれる。
(4)の時点では後手陣の方が美しいのに、
もう一手囲った瞬間その輝きは失われる。
33銀からの米長流急戦矢倉は有力ながら、
47銀型で待機されると持久戦は避け難い。
中原流急戦矢倉も優秀な戦法とは思うが、
生理的に受け付け難いため今回は省いた。
後手の目標は自然に54銀型を作ることで、
それには五筋を先に交換する必要がある。
最終手74歩のところ53銀右は後述するが…
結論から言えば、そちらの方が良さそう。
※54歩は保留して蟹囲い型右四間も見せ、
66歩を牽制する思想もある。優劣は不明。
(右四間でも33角の受けは必要ないようだ)

79角 64歩 26歩 63銀 25歩 52飛
78金 55歩 同歩 同飛 56歩 51飛
24歩 同歩 同角 23歩 46角 62金
36歩 44角 69王 73桂 37桂 54銀…(4A)
上図(4A)の後手陣が矢倉中飛車の基本形。
(44角は主に先手の三筋交換を妨害した手)
31玉や14歩も駒組みとしては有効手だが、
これくらい組み上がれば仕掛けていける。
64角には構わず55歩のパッキングでOK。
実際のところ形勢はよく判らないものの、
駒の働きとしては後手に利がありそうだ。

78金 64歩 26歩 63銀 25歩 52飛
69王 55歩 同歩 同角 57銀 51飛
24歩 同歩 同飛 23歩 28飛 54銀
68銀左…(4Bx)
五手目77銀を激減させた矢倉中飛車だが、
現時点で最有力の作戦かどうかは怪しい。
気分良く68銀左と二手損を強要できても、
五筋に歩を謝らず頑張られて大変なのだ。
ここで65歩と突っ掛けても79王と寄られ、
次に堂々と65歩~88王を用意されて困る。
62金と構えるのも46銀でバッチ来いされ、
65歩は 56金 66歩 55歩の受けがピッタリ。
44歩にも55歩と直で打たれて取れず手損。
(通常形では56歩を55歩と突き出していく)
従って以下は後手から55歩と打つのだが…
44歩~45歩を36歩~37桂で防がれると、
角頭や端を自然に狙える先手が良さそう。

78金 53銀 79角 64歩 26歩 55歩
同歩 同角 25歩 22角 24歩 同歩
同角 23歩 68角 54銀 57銀 52飛
69王 62金…(4B1)
矢倉中飛車一本での攻略が困難となれば、
(角の転換も含みに)五筋を角で換えにいく。
五手目66歩だと85歩を突く必要もあるが、
この形ならば84歩型のまま動いていける。
55角の瞬間46角で角交換に持ち込むため、
53銀を見たら先手は角を引きたいのだが…
それなら64歩から矢倉中飛車狙いに戻す。
上図では52飛型が通常形と異なるものの、
62金と右辺に備えておけば案外差はない。
(68角のところ46角なら、銀で角を苛める)
次は73桂~85桂の攻めが約束されている。
仮に 56歩 73桂 75歩 同歩 74歩 85桂 88銀 76歩 86歩 77歩成 同桂 同桂成 同銀 33角なら、
駒損だけは防げても後手のペースとなる。
恐らく、銀桂交換の駒得にはなるだろう。

78金 53銀 26歩 55歩 同歩 同角
25歩 54銀 24歩 同歩 同飛 23歩
28飛 52飛 69王 82角 68銀 33銀
57銀右 31玉 65歩 51金 66銀 42金上
79王 22玉…(4B2)
先手が素直に五筋交換を許してきたなら、
54銀~52飛~82角として角を右辺に移す。
…あとはただひたすら平矢倉に王様を囲う。
先手陣は厚いものの進展性に欠けるため、
どこかで中央大決戦を挑まざるを得ない。
そこで大捌きに出れば、大抵後手が勝つ。
以下 56歩 同歩 同金には普通に 55歩 同銀 同銀 同金 同角 同角 44銀で対応できるし、
57銀上なら73桂と跳び、77桂には85桂で桂を捌いて44歩と補強してしまえば良い。
ちなみに、68銀左をサボって57銀は危険。
35歩と先手飛車の小鬢を狙うのが急所で、
46歩にも 36歩 同歩 55銀 56歩 46銀 同銀 同角 37銀 82角 57金 45銀から潰れ形となる。

26歩 53銀右 25歩 55歩 同歩 同角
24歩 同歩 25歩…(4Cx)
基本図(4)で最も手強い急戦封じが、26歩。
飛先不突の矢倉を自ら諦める一手ながら…
64歩にはそこで78金と指せば問題ないし、
53銀なら25歩で五筋交換を簡単に防げる。
先手に一歩を渡して55角と出たその瞬間、
継ぎ歩(からの十字飛車)が綺麗に決まった。
後手は 44角 24歩 26歩と受けるよりなく、
その歩を36歩~37銀と拾いに来られ劣勢。
序盤の早い段階から飛車先を突かれると、
五筋交換自体どうしても実現させ難くなる。
やはり矢倉戦において26歩の価値は高い。
※36歩を急がずに57銀~46銀(~79角)とし、
24歩は取らせて三筋を攻めるのが本筋か。

26歩 55歩 同歩 同角 57銀 53銀右
56銀 22角 45銀…(4Cy)
従って25歩の前に五筋を換えねばならず、
結局62銀型のまま55歩と突くことになる。
(53銀型のまま持久戦になると実につらい)
先手としても銀の立ち遅れを咎めるべく、
57銀から角頭攻めを狙うのが自然だろう。
57銀に 85歩 56銀 73角と指せば無難だが、
これでは84歩型の利点を活かせていない。
以下 52飛 68王 44銀 34銀 33銀上などで、
後手も戦えないことは全然ないとはいえ…
歩損故ゆっくり過ごせなくなるのが問題。
※後手もやれると見ているプロが多そう。
57銀のところ、65歩なら 73桂 78金 85歩。
25歩と33銀の交換を入れてから65歩なら、
85歩で第21期竜王戦第七局に合流できる。
~~~~~~~~~~~~

76歩 84歩 68銀 34歩 77銀 62銀
56歩 54歩 48銀 42銀 58金右 32金
66歩 41玉 67金 53銀右 26歩 55歩
同歩 同角…(5)
(5p/5q) 25歩 54銀 24歩 同歩 同飛
23歩 28飛 74歩 68王 52飛 57銀…
ここまでの手順を冷静に見返してみると、
74歩を急ぐ必然性も乏しいことに気付く。
(無論75歩~76銀で安定されると困るけど)
そこで53銀右を優先した形を考えてみる。
これなら79角~46角に怯えることもなく、
78金には74歩と突けば元の局面に戻れる。
53銀右に57銀も、雁木に組んで不満ない。
駄菓子菓子…先手も78金を省いたことで、
通常より一手早く反撃を準備できるのだ。

25歩 54銀 24歩 同歩 同飛 23歩
28飛 74歩 68王 52飛 57銀 82角
65歩…(5p)
56歩と受けてもらえず居角のままなので、
後手としては82角と引きたくなるのだが…
飛車先を換えて一歩手持ちにした先手は、
歩損など気にせず65歩と厚みを解放する。
65同銀には66銀左とブツケるのが継続手。
銀交換は飛車先・角頭の傷や中央の厚み、
全てにおいて先手の側に有利をもたらす。
(36銀にも64歩~55銀打で何の不安もない)
35歩も 46銀 36歩 66銀と厚く構えておき、
小鬢を破られても26飛と軽く躱して充分。
66銀以下 37歩成 同銀 44歩 55歩 同銀 同銀 同角 同角 同飛 56歩 51飛 78王が進行の一例。
68銀左を省いての65歩が通ってしまえば、
後手は王様を囲う手数が得られなくなる。
…戦法として破綻しているのかもしれない。
※65歩より自然な78王ももちろん有力で、
以下 35歩 46銀 36歩に22歩~65歩がある。
(実戦例は1990/10の森下-谷川と米長-谷川)
こうなれば壁金を直し難く既に後手大変?

25歩 54銀 24歩 同歩 同飛 23歩
28飛 74歩 68王 52飛 57銀 22角
79王 64歩 68銀左 62金…(5q)
68王型自体不安定といえば不安定なので、
33角と通常の矢倉中飛車に戻す手もある。
79角~角交換の筋がなく33角と引けるが、
角頭攻めを誘発するリスクもあって微妙。
対矢倉中飛車の理想形(4Bx)と若干ズレた、
(5q)には後手から付け入る隙がないのか?
そして78金省略を咎める手段はあるのか?
…私自身まだ明るい未来を描けていない。
以下56歩と打って貰えれば31玉~73桂で、
後手もやれるとされる通常形に合流する。
46銀には73桂と跳び65歩の好機を窺うか、
63金とし 36歩 44歩 55歩に同銀を見るか。
73桂にはその瞬間75歩が手としては最強。
ただ桂損上等で 同歩 74歩 85桂 86歩 44歩 85歩 同歩 77角 63金と応じても案外悪くない。
~~~~~~~~~~~~
78金を急がず26歩を早く突きさえすれば、
先手もそれなり以上に戦えそうな感じか。
66歩を突かずに25歩まで決められた場合、
飛先を受けずに急戦ができるかは微妙だ。
(極々浅い検討しかできていないけれど)
矢倉戦法を丸ごと潰すのは、相当難しい。
開始日時:2008/12/17 棋戦:竜王戦
先手:羽生善治 後手:渡辺明
開始日時:1990/10/15 棋戦:順位戦
先手:米長邦雄 後手:谷川浩司
矢倉党にとって最も重要な分岐は五手目。
66歩も77銀も
それぞれ後手からの有力な急戦策がある。
前回の記事では五手目66歩対策を考えた。
五手目77銀はプロの書いた資料に乏しく、
20年前の本が今なお最高品質という有様。
その本即ち「変わりゆく現代将棋(上)」は…
某七冠王の狂気が直に籠められた名著だ。
今回は中央狙いで五手目77銀を潰すべく、
矢倉中飛車と五筋交換作戦を調べてみる。
「先手が79角と引けば普通の矢倉中飛車」
「先手が居角のままなら五筋交換~82角」
…と使い分けることで互いの欠点を補う。

76歩 84歩 68銀 34歩 77銀 62銀
56歩 54歩 48銀 42銀 58金右 32金
66歩 41玉 67金 74歩…(4)
(4A) 79角…
(4B) 78金…
(4C) 26歩…
右金を動かさないことが序盤のポイント。
矢倉に組み合うと、先番の利は保たれる。
(4)の時点では後手陣の方が美しいのに、
もう一手囲った瞬間その輝きは失われる。
33銀からの米長流急戦矢倉は有力ながら、
47銀型で待機されると持久戦は避け難い。
中原流急戦矢倉も優秀な戦法とは思うが、
後手の目標は自然に54銀型を作ることで、
それには五筋を先に交換する必要がある。
最終手74歩のところ53銀右は後述するが…
結論から言えば、そちらの方が良さそう。
※54歩は保留して蟹囲い型右四間も見せ、
66歩を牽制する思想もある。優劣は不明。
(右四間でも33角の受けは必要ないようだ)

79角 64歩 26歩 63銀 25歩 52飛
78金 55歩 同歩 同飛 56歩 51飛
24歩 同歩 同角 23歩 46角 62金
36歩 44角 69王 73桂 37桂 54銀…(4A)
上図(4A)の後手陣が矢倉中飛車の基本形。
(44角は主に先手の三筋交換を妨害した手)
31玉や14歩も駒組みとしては有効手だが、
これくらい組み上がれば仕掛けていける。
64角には構わず55歩のパッキングでOK。
実際のところ形勢はよく判らないものの、
駒の働きとしては後手に利がありそうだ。

78金 64歩 26歩 63銀 25歩 52飛
69王 55歩 同歩 同角 57銀 51飛
24歩 同歩 同飛 23歩 28飛 54銀
68銀左…(4Bx)
五手目77銀を激減させた矢倉中飛車だが、
現時点で最有力の作戦かどうかは怪しい。
気分良く68銀左と二手損を強要できても、
五筋に歩を謝らず頑張られて大変なのだ。
ここで65歩と突っ掛けても79王と寄られ、
次に堂々と65歩~88王を用意されて困る。
62金と構えるのも46銀でバッチ来いされ、
65歩は 56金 66歩 55歩の受けがピッタリ。
44歩にも55歩と直で打たれて取れず手損。
(通常形では56歩を55歩と突き出していく)
従って以下は後手から55歩と打つのだが…
44歩~45歩を36歩~37桂で防がれると、
角頭や端を自然に狙える先手が良さそう。

78金 53銀 79角 64歩 26歩 55歩
同歩 同角 25歩 22角 24歩 同歩
同角 23歩 68角 54銀 57銀 52飛
69王 62金…(4B1)
矢倉中飛車一本での攻略が困難となれば、
(角の転換も含みに)五筋を角で換えにいく。
五手目66歩だと85歩を突く必要もあるが、
この形ならば84歩型のまま動いていける。
55角の瞬間46角で角交換に持ち込むため、
53銀を見たら先手は角を引きたいのだが…
それなら64歩から矢倉中飛車狙いに戻す。
上図では52飛型が通常形と異なるものの、
62金と右辺に備えておけば案外差はない。
(68角のところ46角なら、銀で角を苛める)
次は73桂~85桂の攻めが約束されている。
仮に 56歩 73桂 75歩 同歩 74歩 85桂 88銀 76歩 86歩 77歩成 同桂 同桂成 同銀 33角なら、
駒損だけは防げても後手のペースとなる。
恐らく、銀桂交換の駒得にはなるだろう。

78金 53銀 26歩 55歩 同歩 同角
25歩 54銀 24歩 同歩 同飛 23歩
28飛 52飛 69王 82角 68銀 33銀
57銀右 31玉 65歩 51金 66銀 42金上
79王 22玉…(4B2)
先手が素直に五筋交換を許してきたなら、
54銀~52飛~82角として角を右辺に移す。
…あとはただひたすら平矢倉に王様を囲う。
先手陣は厚いものの進展性に欠けるため、
どこかで中央大決戦を挑まざるを得ない。
そこで大捌きに出れば、大抵後手が勝つ。
以下 56歩 同歩 同金には普通に 55歩 同銀 同銀 同金 同角 同角 44銀で対応できるし、
57銀上なら73桂と跳び、77桂には85桂で桂を捌いて44歩と補強してしまえば良い。
ちなみに、68銀左をサボって57銀は危険。
35歩と先手飛車の小鬢を狙うのが急所で、
46歩にも 36歩 同歩 55銀 56歩 46銀 同銀 同角 37銀 82角 57金 45銀から潰れ形となる。

26歩 53銀右 25歩 55歩 同歩 同角
24歩 同歩 25歩…(4Cx)
基本図(4)で最も手強い急戦封じが、26歩。
飛先不突の矢倉を自ら諦める一手ながら…
64歩にはそこで78金と指せば問題ないし、
53銀なら25歩で五筋交換を簡単に防げる。
先手に一歩を渡して55角と出たその瞬間、
継ぎ歩(からの十字飛車)が綺麗に決まった。
後手は 44角 24歩 26歩と受けるよりなく、
その歩を36歩~37銀と拾いに来られ劣勢。
序盤の早い段階から飛車先を突かれると、
五筋交換自体どうしても実現させ難くなる。
やはり矢倉戦において26歩の価値は高い。
※36歩を急がずに57銀~46銀(~79角)とし、
24歩は取らせて三筋を攻めるのが本筋か。

26歩 55歩 同歩 同角 57銀 53銀右
56銀 22角 45銀…(4Cy)
従って25歩の前に五筋を換えねばならず、
結局62銀型のまま55歩と突くことになる。
(53銀型のまま持久戦になると実につらい)
先手としても銀の立ち遅れを咎めるべく、
57銀から角頭攻めを狙うのが自然だろう。
57銀に 85歩 56銀 73角と指せば無難だが、
これでは84歩型の利点を活かせていない。
以下 52飛 68王 44銀 34銀 33銀上などで、
後手も戦えないことは全然ないとはいえ…
歩損故ゆっくり過ごせなくなるのが問題。
※後手もやれると見ているプロが多そう。
57銀のところ、65歩なら 73桂 78金 85歩。
25歩と33銀の交換を入れてから65歩なら、
85歩で第21期竜王戦第七局に合流できる。
~~~~~~~~~~~~

76歩 84歩 68銀 34歩 77銀 62銀
56歩 54歩 48銀 42銀 58金右 32金
66歩 41玉 67金 53銀右 26歩 55歩
同歩 同角…(5)
(5p/5q) 25歩 54銀 24歩 同歩 同飛
23歩 28飛 74歩 68王 52飛 57銀…
ここまでの手順を冷静に見返してみると、
74歩を急ぐ必然性も乏しいことに気付く。
(無論75歩~76銀で安定されると困るけど)
そこで53銀右を優先した形を考えてみる。
これなら79角~46角に怯えることもなく、
78金には74歩と突けば元の局面に戻れる。
53銀右に57銀も、雁木に組んで不満ない。
駄菓子菓子…先手も78金を省いたことで、
通常より一手早く反撃を準備できるのだ。

25歩 54銀 24歩 同歩 同飛 23歩
28飛 74歩 68王 52飛 57銀 82角
65歩…(5p)
56歩と受けてもらえず居角のままなので、
後手としては82角と引きたくなるのだが…
飛車先を換えて一歩手持ちにした先手は、
歩損など気にせず65歩と厚みを解放する。
65同銀には66銀左とブツケるのが継続手。
銀交換は飛車先・角頭の傷や中央の厚み、
全てにおいて先手の側に有利をもたらす。
(36銀にも64歩~55銀打で何の不安もない)
35歩も 46銀 36歩 66銀と厚く構えておき、
小鬢を破られても26飛と軽く躱して充分。
66銀以下 37歩成 同銀 44歩 55歩 同銀 同銀 同角 同角 同飛 56歩 51飛 78王が進行の一例。
68銀左を省いての65歩が通ってしまえば、
後手は王様を囲う手数が得られなくなる。
…戦法として破綻しているのかもしれない。
※65歩より自然な78王ももちろん有力で、
以下 35歩 46銀 36歩に22歩~65歩がある。
(実戦例は1990/10の森下-谷川と米長-谷川)
こうなれば壁金を直し難く既に後手大変?

25歩 54銀 24歩 同歩 同飛 23歩
28飛 74歩 68王 52飛 57銀 22角
79王 64歩 68銀左 62金…(5q)
68王型自体不安定といえば不安定なので、
33角と通常の矢倉中飛車に戻す手もある。
79角~角交換の筋がなく33角と引けるが、
角頭攻めを誘発するリスクもあって微妙。
対矢倉中飛車の理想形(4Bx)と若干ズレた、
(5q)には後手から付け入る隙がないのか?
そして78金省略を咎める手段はあるのか?
以下56歩と打って貰えれば31玉~73桂で、
後手もやれるとされる通常形に合流する。
46銀には73桂と跳び65歩の好機を窺うか、
63金とし 36歩 44歩 55歩に同銀を見るか。
73桂にはその瞬間75歩が手としては最強。
ただ桂損上等で 同歩 74歩 85桂 86歩 44歩 85歩 同歩 77角 63金と応じても案外悪くない。
~~~~~~~~~~~~
78金を急がず26歩を早く突きさえすれば、
先手もそれなり以上に戦えそうな感じか。
66歩を突かずに25歩まで決められた場合、
飛先を受けずに急戦ができるかは微妙だ。
(極々浅い検討しかできていないけれど)
矢倉戦法を丸ごと潰すのは、相当難しい。
開始日時:2008/12/17 棋戦:竜王戦
先手:羽生善治 後手:渡辺明
開始日時:1990/10/15 棋戦:順位戦
先手:米長邦雄 後手:谷川浩司
※大昔の前回『横歩取り青野流 #e』

26歩 34歩 76歩 84歩 25歩 85歩
78金 32金 24歩 同歩 同飛 86歩
同歩 同飛 58玉…(#)
(#1) 41王 34飛…
(#2) 82飛 34飛…
(#3) 23歩 34飛…
(#4) 84飛 22角成 同銀 66角…
(#5) 52王 22角成 同銀 77角…
(#6) 62王 34飛 33桂 87歩…
(#7) 76飛 22角成 同銀 34飛…
(#8) 88角成 同銀 33角 21飛成…
社会人になってみると最新形が全く追えず、
横歩取りの定跡群を避けたいと心底思える。
横歩をすぐ取らず、かつ主導権も保つには…
康光/ponanza流の横歩取らず58玉が良い。
プロが指すと相掛かりになることが多いが、
今回紹介するのは更に積極的なrepertoireだ。
…これを採用する上で必要な定跡の知識は、
青野流と、33桂戦法の62王への仕掛けのみ。
書くべき変化があまりにも広大だったので、
データベース風の記述方式を採ってみた。
盤に並べながら読まれることをお勧めする。

41王 34飛 33角 36歩…(#1a)
41王 34飛 76飛 22角成 同銀 85角…(#1b)
41王 34飛 88角成 同銀 76飛 77桂
26飛 28歩…(#1c)
41王 34飛 88角成 同銀 76飛 77桂
74飛 同飛 同歩 65桂…(#1d)
41王 34飛 88角成 同銀 76飛 77桂
86飛 24飛 23歩 28飛…(#1e)
41王は一見自然な対応ながら、隙も大きい。
横歩を取り、33角には青野流で対抗したい。
通常形よりも中央が薄く後手に苦労が多い。
88角成~76飛には77銀と先手を取りたいが、
74飛とブツケられると困るので77桂が優る。
…77桂なら飛車交換後も65桂が厳しく残る。
86飛は83角を受けながら89角を見せた手だ。
(ただし後者は、58玉型のため87銀で受かる)
これには24飛~28飛と引いて自陣に利かせ、
45角などの攻めを見せれば後手は収拾困難。
※41王に対する22角成~77角は昔からある。
ただ後述する(#4b)よりも一手損しており、
相応の自信がないと先手も飛び込みにくい。

82飛 34飛 33角 36歩…(#2a)
82飛 34飛 88角成 同銀 33金 36飛
22飛 28歩 27歩 38金 28歩成 同銀…(#2b)
82飛も普通の手だが、横歩を取られて困る。
青野流に対して最有力の相横歩型に組めず、
86歩と垂らしても攻めにならないのが辛い。
この陣形を活かすとしたら33金~22飛だが、
28歩と素直に応じられて歩損の代償がない。
以下 27歩 39銀 28角は23歩~24歩~15角、
26歩も 23歩 同飛 45角と応じて問題ない。
…横歩取り青野流の詳しい解説は割愛する。
(ショパン先生の記事が判りやすくてお勧め)

23歩 34飛 41王 87歩 82飛 38金…(#3a)
23歩 34飛 42王 36飛 82飛 38金…(#3b)
23歩 34飛 88角成 同銀 76飛 77桂…(#3c)
23歩 34飛 88角成 同銀 45角 35飛
27角成 22角…(#3d)
23歩にももちろん34飛と廻って不満はない。
持ち歩が一枚しかないため後手は攻め難く、
恐らく棒銀で来るので低く受け流せば良い。

84飛 22角成 同銀 66角 23歩 同飛成
同銀 84角 85飛 88飛…(#4a)
84飛 22角成 同銀 66角 82飛 83歩
52飛 77桂 54歩 34飛…(#4b)
84飛 22角成 同銀 66角 82飛 83歩
42飛 22角成 同金 31銀 33角 42銀不成
同王 34飛 99角成 84飛 72金 82歩成
同銀 同飛成 同金 62飛 52飛 31銀…(#4c)
ponanza-山崎戦の84飛はあまり怖くない。
66角に89飛成は損な条件となるし(※後述)、
33角は 22飛成 同角 84角 99角成 77桂だし、
23歩も堂々と取れる(85飛は飛車で受かる)。
後手は結局82飛と引くより仕方ないのだが、
わざわざ打たせた66角と83歩の働きが良い。
23銀には同飛成、33金にも23歩の筋があり、
先手は大した支障もなく横歩を取れそうだ。
(#4b)以下は33銀でも33桂でも35飛と引き、
55歩なら常に同飛と取って花と散る要領だ。
先手陣は68銀と一手入れるだけで堅く広い。
(横歩を取る前に68銀と締まる方が本筋かも)
後手玉には右にも左にも安住の地などなく、
83歩を取りに行こうとすれば陣形が壊れる。
別にponanzaのような深い読みがなくとも、
この変化は先手が勝ちやすいと思われる。

84飛 22角成 同銀 66角 89飛成 22角成
15角 34飛 33歩 84飛 同龍 32馬…(#4')
89龍 21馬 86桂 43馬 78桂成 42銀
62王 53銀成 72王 75桂…(#4d)
89龍 21馬 86桂 43馬 42歩 53馬
62金 88金打 78龍 同銀 53金 21飛…(#4e)
89飛 21馬 86桂 43馬 42歩 53馬
62金 75馬 24龍 16歩 29龍 15歩…(#4f)
28歩 同銀 62王 16歩 24角 25歩
35角 21馬 89龍 68銀打…(#4g)
89飛成には22角成で先手良し…と思いきや、
この瞬間15角が、知る人ぞ知る受けの好手。
28飛は27歩~26歩、25飛にも33桂がある。
ただこの場合は34飛と廻る手が逆先で入り、
22金は31飛成~22龍があるため33歩も必然。
そこで飛車を格好良く捨てて龍を引かせる。
(これだけ手を尽くしても形勢は依然難しい…)
(#4')まで進んでみると33歩の存在が大きい。
自陣の脅威も減り、桂を取る余裕ができた。
以下も難解だが、寄せだけを探すのでなく、
86桂を取りに行くなど体力勝ちも狙いたい。
※(#5)より好条件なので凝った手は要らず、
33歩に 21馬 34歩 32馬 86桂 69金で充分。
以下 78桂成 同銀 88飛 79銀 77金 88銀に、
同龍なら89歩、78金なら79飛で凌ぎきれる。

88角成 同銀 33角 21飛成 88角成 95角…(#8)
89馬 86角 78馬 53角成…(#8a)
85飛 77桂 95飛 88金…(#8b)
82飛 83歩 同歩 84歩 同飛 同角
78馬 24桂 41金 66角 42金寄 85飛…(#8c)
76飛 88金 79飛成 66角 87歩 77金…(#8d)
22馬 31龍 同金 86角 82飛 87歩
99馬 53角成 42銀 63馬 72銀 96馬
94香 23桂 96香 31桂成 89馬 71銀…(#8e)
88角成 同銀 22銀 34飛 33桂 38金
52王 48銀 72金 24飛 23歩 34飛…(#8')
88角成 同銀 22銀 34飛 33銀 36飛
52王 77桂 72金 26飛 23歩 87銀
84飛 75歩 24飛 86飛…(#8")
手順前後だが(#8)について先に述べておく。
…後手が同じ攻め筋で来ても、問題はない。
戦法の根幹を成す最重要変化でありながら、
基本的には仕掛けた側に苦労が多いのだ(笑)
この形なら75角でも68角でも大差はないが…
(68角は 82飛 88金 同飛成に31龍~33角狙い)
どの形でも端から打つのが一番紛れにくい。
(75角だと 85飛 77桂 同馬に同角と取れない)
86角に受けざるを得ないようでは後手辛い。
58玉型も、各変化の細部でよく効いている。
ちなみに52王が入っていても22馬は無理で、
以下 32龍 同銀 86角 99馬に31飛が成立する。

52王 22角成 同銀 77角 89飛成 22角成
15角 21馬 24角 32馬…(#5) 86桂 69金
78桂成 同銀 99龍 25歩 35角 55桂
62王 43馬…(#5')
64金 34馬 55金 35馬 86桂 44角
78桂成 同金 89龍 79銀 34歩 53角成
72王 36馬 62金 64桂 83王 75桂…(#5a)
52金打 34馬 87歩 35馬 88歩成 84歩
82歩 44桂 78と 52桂成 同金 78金
89飛 79金打 同飛成 同金 同龍 48玉…(#5b)
54香 36歩 26角 61馬 同王 63桂成
41角 72銀 51王 18桂 15角 16歩
33角 43金 46歩…(#5x)
98飛 63桂成 同王 55桂 64王 89歩
72金 34馬 44金…(#5y)
98飛 63桂成 同王 75桂 74王 65銀
85王 61馬 86金…(#5z)
52王は現時点で後手の採り得る最強の応手。
対して34飛は88角成~76飛~26飛が面倒だ。
しかも52王型は急戦の順でもプラスに働き、
何よりまず34飛~31飛成が王手にならない。
…仕方ないので単に21馬~32馬と駒を拾う。
86桂に 55桂 78桂成 64銀と斬り込みたいが、
以下 72銀 43馬 41王 53銀成 52金打で負け。
(68飛からの頓死筋と24角の防御力が絶大だ)
従って、86桂には悔しいが一旦69金と謝る。
こっそり25歩を利かせるのがこの形の肝で、
後々34馬や36歩で敵角をどかしやすくなる。
まあどこまで行っても薄い攻めなのだが(笑)
※後手から見て本線は54香か98飛だろう。
突き詰めると少し先手が悪いのかもしれない。
52王には34飛や、端歩突きで手渡しもある。
52王 22角成 同銀 77角 89飛成 22角成
15角 21馬 24角 32馬…(#5) 28歩 同銀
86桂 69金 78桂成 同銀 99龍 25歩
26飛 39銀…(#5")
25飛 33銀 29飛成 24銀成 86桂 33成銀
62王 43馬 52香 44桂 41金 52桂成
同金左 54桂 72王 87香 97龍 75角…(#5c)
25飛 33銀 29飛成 24銀成 86桂 33成銀
41香 77角 97龍 55桂 78桂成 75桂
72銀 78金 54銀 84桂 51金打 83歩…(#5d)
35角 55桂 62王 75桂 72銀 43馬
54香 44銀 52金打 54馬 同歩 35銀
69龍 同銀 35歩 63桂右成 同銀 66香…(#5e)
57角成 同玉 54香 56歩 同飛 48玉
26歩 38銀 27歩成 同銀 58金 38玉
49金 36歩 62王 43馬 57飛成 37玉…(#5f)
51桂の受けを温存する28歩は取るよりなく、
一本25歩もやはり筋。26飛には39銀と引く。
以下は王手龍を含みに馬と角桂で網を絞る。
(33成銀の狙いは次に43馬~54桂~44角)
(#5c)の44桂は密かに52馬からの詰めろで、
香を奪って87香の攻防手が入れば満足だ。
(#5e)中の43馬に 52金打 34馬 31香でも、
以下 35馬 同香 44角 97龍 82歩で良い。
※77角に33角なら、22飛成~86角~77角。
以下 89馬 11角成 86桂 12飛に22歩は21馬、
42金も 21馬 78桂成 55桂 33金打 43桂成だ。
(78桂成~79馬には一旦48玉と寄る手が利く)

62王 34飛 33桂 87歩 76飛 84飛
82歩 23歩 同金 24歩 45桂 77金
同角成 同角…(#6)
22金 85飛 26飛 45飛 29飛成 43飛成…(#6a)
22金 85飛 74金 95飛 74歩 96飛…(#6b)
同飛成 同桂 75角 66角 同角 同歩
76角 67角 同角成 同玉 75金 23歩成
76角 56玉 49角成 34飛…(#6c)
同飛成 同桂 75角 66角 84角 同角
89飛 88角 76金 65桂 87金 11角成
79飛成 23歩成 68銀 55馬 78龍 73桂成
同桂 同角成 同龍 同馬 同王 68玉
65桂 75飛 74角 同飛…(#6d)
62王にアサゲアタック22角成~77角は無理。
(流石に62王型では後手の条件が良過ぎる…)
そうして結局横歩を取る羽目になるものの、
訳が判らないのは後手から見ても同じこと。
後手が62王型を自然な一手とするためには、
横歩取り33桂戦法に持ち込むしかなさそう。
しかし上記の定跡は強固であり、超キツい。
※と思いきや一ヶ所大きな穴が空いていた!
(#6c)に至る途中…75金のところ74金がある。
86飛は94角で困るので 同飛 同歩 68銀とし、
以下24金に59金と引き締めておいてどうか。
※※34飛に33角なら旧山崎流38金も自然だが、
本線は96歩~36飛~77桂か、36歩を貫くか。
96歩に76飛は33角成~84飛~38金で力戦。
36歩に76飛だと77角で62王型が活きない。

76飛 22角成 同銀 34飛 33銀 84飛
82歩 38金…(#7a) 52王 96歩 72金 95歩
83歩 88飛 26飛 27歩 24飛 68銀
82銀 77桂 44銀 66歩 33桂…(#7a')
76飛 22角成 同銀 34飛 33角 84飛
82歩 77歩 26飛 28歩…(#7b)
76飛 22角成 同銀 34飛 33桂 84飛
82歩 83歩 72金 82歩成 同銀 85角
83歩 76角 84歩 43角成 同金 21飛
31角 23歩 32角 22歩成 21角 同と
42角 32銀 54金 31と…(#7ç)
76飛 22角成 同銀 34飛 33桂 84飛
82歩 24飛 45桂 77歩 86飛 87歩
35角 22飛成 同金 86歩 57角成 59玉
47馬 58銀…(#7c)
76飛 22角成 同銀 34飛 33桂 84飛
82歩 24飛 45桂 77歩 57桂成 同玉
35角 48玉 56飛 25飛 57角成 38玉
26歩 68金 同馬 同銀 86飛 15角
52王 26角…(#7d)
52王と同じくらいhealthyな応手が76飛で、
こう指されてみると相横歩模様は避け難い。
58玉型の効果で34飛~84飛に95角がなく、
後手に一方的に歩を謝らせることはできる。
(7a')は端攻めを見せて後手の動きを制限し、
それから67銀・77桂型に組み上げる作戦だ。
(ただ…すぐ67銀は 45角 28銀 55銀で困る)
手詰まり模様になれば陣形差が活きるかも?
ちなみに33桂型で38金と上がるのは危ない。
78飛成~95角~59金の強襲を喰らった時、
36歩と突けない(45桂がある)ため相当狭い。
…正着は恐らく24飛で、45桂も凌げそうだ。
※コメントでの御指摘の通り、33桂は疑問。
(#7ç)のように21飛狙いで強く踏み込める。
85角に 86飛 87歩 85飛 同飛 31金が本線。
以下は一局だが二枚飛車を持って不満なし。
~~~~~~~~~~~~
上記変化群が一部潰れても先手の手は広い。
いずれにせよ、真実までは未だ遥かに遠い。
p.s.
76飛 22角成 同銀 34飛 33銀 36飛…(#7@)
同飛 同歩 31金 77桂 27飛 28歩
22飛成 83角 74角 同角成 同歩 83飛…(#7u)
同飛 同歩 82歩 38銀…(#7v)
同飛 同歩 64角 37角 同角成 同桂
55角 45桂 44銀 82歩 同銀 53桂不成
同銀 85飛…(#7w)
同飛 同歩 28歩 同銀 55角 25飛
24飛 同飛 同銀 46角…(#7x)
74飛 86飛 84歩 83角 24飛 28歩…(#7y)
74飛 86飛 82歩 83歩 72金 82歩成
同銀 83歩 同銀 56角…(#7z)
・76飛~33銀に36飛でも、手得が活きる。
飛車交換回避は86飛が痛く、決戦も歓迎だ。
後手の最強策は(#7u)だが、先手の注文通り。
・78金すら省いて58玉と上がる作戦もあり、
対して32金は飛車先を即換えられて少し損。
86歩は(#4b)同様に進めば78金を省けて得。
後手も真似して52王と指したいところだが…
以下 78金 86歩 同歩 同飛 24歩 同歩 22角成 同銀 77角 89飛成 22角成 86桂 69銀 78桂成 同銀直 79龍 11馬 95角 86歩 同角 68桂 同角成 同銀 78龍 79香 89龍 24飛 32銀 22飛成 87歩 21馬 42金打 15角と一直線に進み、難解ながら先手持ち。
(以降も 21銀 同龍 88歩成 42角成 同金 32金 79ト 42金 同王 31銀や 33桂 82歩 同銀 25桂 21銀 同龍 25桂 42角成 同金 72銀で手が続く)
開始日時:2016/04/08 棋戦:電王戦
先手:ponanza 後手:山崎隆之
開始日時:2017/05/02 棋戦:王将戦
先手:阿部光瑠 後手:橋本崇載
(※45手目36銀は16銀の方が手堅いかも)
開始日時:2018/04/11 棋戦:名人戦
先手:羽生善治 後手:佐藤天彦
(※12角に 83桂 61金 41飛 51金打 31飛成 同金 同龍 42銀 71銀…という攻め筋もあるらしい)

26歩 34歩 76歩 84歩 25歩 85歩
78金 32金 24歩 同歩 同飛 86歩
同歩 同飛 58玉…(#)
(#1) 41王 34飛…
(#2) 82飛 34飛…
(#3) 23歩 34飛…
(#4) 84飛 22角成 同銀 66角…
(#5) 52王 22角成 同銀 77角…
(#6) 62王 34飛 33桂 87歩…
(#7) 76飛 22角成 同銀 34飛…
(#8) 88角成 同銀 33角 21飛成…
社会人になってみると最新形が全く追えず、
横歩取りの定跡群を避けたいと心底思える。
横歩をすぐ取らず、かつ主導権も保つには…
康光/ponanza流の横歩取らず58玉が良い。
プロが指すと相掛かりになることが多いが、
今回紹介するのは更に積極的なrepertoireだ。
…これを採用する上で必要な定跡の知識は、
青野流と、33桂戦法の62王への仕掛けのみ。
書くべき変化があまりにも広大だったので、
データベース風の記述方式を採ってみた。
盤に並べながら読まれることをお勧めする。

41王 34飛 33角 36歩…(#1a)
41王 34飛 76飛 22角成 同銀 85角…(#1b)
41王 34飛 88角成 同銀 76飛 77桂
26飛 28歩…(#1c)
41王 34飛 88角成 同銀 76飛 77桂
74飛 同飛 同歩 65桂…(#1d)
41王 34飛 88角成 同銀 76飛 77桂
86飛 24飛 23歩 28飛…(#1e)
41王は一見自然な対応ながら、隙も大きい。
横歩を取り、33角には青野流で対抗したい。
通常形よりも中央が薄く後手に苦労が多い。
88角成~76飛には77銀と先手を取りたいが、
74飛とブツケられると困るので77桂が優る。
…77桂なら飛車交換後も65桂が厳しく残る。
86飛は83角を受けながら89角を見せた手だ。
(ただし後者は、58玉型のため87銀で受かる)
これには24飛~28飛と引いて自陣に利かせ、
45角などの攻めを見せれば後手は収拾困難。
※41王に対する22角成~77角は昔からある。
ただ後述する(#4b)よりも一手損しており、
相応の自信がないと先手も飛び込みにくい。

82飛 34飛 33角 36歩…(#2a)
82飛 34飛 88角成 同銀 33金 36飛
22飛 28歩 27歩 38金 28歩成 同銀…(#2b)
82飛も普通の手だが、横歩を取られて困る。
青野流に対して最有力の相横歩型に組めず、
86歩と垂らしても攻めにならないのが辛い。
この陣形を活かすとしたら33金~22飛だが、
28歩と素直に応じられて歩損の代償がない。
以下 27歩 39銀 28角は23歩~24歩~15角、
26歩も 23歩 同飛 45角と応じて問題ない。
…横歩取り青野流の詳しい解説は割愛する。
(ショパン先生の記事が判りやすくてお勧め)

23歩 34飛 41王 87歩 82飛 38金…(#3a)
23歩 34飛 42王 36飛 82飛 38金…(#3b)
23歩 34飛 88角成 同銀 76飛 77桂…(#3c)
23歩 34飛 88角成 同銀 45角 35飛
27角成 22角…(#3d)
23歩にももちろん34飛と廻って不満はない。
持ち歩が一枚しかないため後手は攻め難く、
恐らく棒銀で来るので低く受け流せば良い。

84飛 22角成 同銀 66角 23歩 同飛成
同銀 84角 85飛 88飛…(#4a)
84飛 22角成 同銀 66角 82飛 83歩
52飛 77桂 54歩 34飛…(#4b)
84飛 22角成 同銀 66角 82飛 83歩
42飛 22角成 同金 31銀 33角 42銀不成
同王 34飛 99角成 84飛 72金 82歩成
同銀 同飛成 同金 62飛 52飛 31銀…(#4c)
ponanza-山崎戦の84飛はあまり怖くない。
66角に89飛成は損な条件となるし(※後述)、
33角は 22飛成 同角 84角 99角成 77桂だし、
23歩も堂々と取れる(85飛は飛車で受かる)。
後手は結局82飛と引くより仕方ないのだが、
わざわざ打たせた66角と83歩の働きが良い。
23銀には同飛成、33金にも23歩の筋があり、
先手は大した支障もなく横歩を取れそうだ。
(#4b)以下は33銀でも33桂でも35飛と引き、
55歩なら常に同飛と取って花と散る要領だ。
先手陣は68銀と一手入れるだけで堅く広い。
(横歩を取る前に68銀と締まる方が本筋かも)
後手玉には右にも左にも安住の地などなく、
83歩を取りに行こうとすれば陣形が壊れる。
別にponanzaのような深い読みがなくとも、
この変化は先手が勝ちやすいと思われる。

84飛 22角成 同銀 66角 89飛成 22角成
15角 34飛 33歩 84飛 同龍 32馬…(#4')
89龍 21馬 86桂 43馬 78桂成 42銀
62王 53銀成 72王 75桂…(#4d)
89龍 21馬 86桂 43馬 42歩 53馬
62金 88金打 78龍 同銀 53金 21飛…(#4e)
89飛 21馬 86桂 43馬 42歩 53馬
62金 75馬 24龍 16歩 29龍 15歩…(#4f)
28歩 同銀 62王 16歩 24角 25歩
35角 21馬 89龍 68銀打…(#4g)
89飛成には22角成で先手良し…と思いきや、
この瞬間15角が、知る人ぞ知る受けの好手。
28飛は27歩~26歩、25飛にも33桂がある。
ただこの場合は34飛と廻る手が逆先で入り、
22金は31飛成~22龍があるため33歩も必然。
そこで飛車を格好良く捨てて龍を引かせる。
(これだけ手を尽くしても形勢は依然難しい…)
(#4')まで進んでみると33歩の存在が大きい。
自陣の脅威も減り、桂を取る余裕ができた。
以下も難解だが、寄せだけを探すのでなく、
86桂を取りに行くなど体力勝ちも狙いたい。
※(#5)より好条件なので凝った手は要らず、
33歩に 21馬 34歩 32馬 86桂 69金で充分。
以下 78桂成 同銀 88飛 79銀 77金 88銀に、
同龍なら89歩、78金なら79飛で凌ぎきれる。

88角成 同銀 33角 21飛成 88角成 95角…(#8)
89馬 86角 78馬 53角成…(#8a)
85飛 77桂 95飛 88金…(#8b)
82飛 83歩 同歩 84歩 同飛 同角
78馬 24桂 41金 66角 42金寄 85飛…(#8c)
76飛 88金 79飛成 66角 87歩 77金…(#8d)
22馬 31龍 同金 86角 82飛 87歩
99馬 53角成 42銀 63馬 72銀 96馬
94香 23桂 96香 31桂成 89馬 71銀…(#8e)
88角成 同銀 22銀 34飛 33桂 38金
52王 48銀 72金 24飛 23歩 34飛…(#8')
88角成 同銀 22銀 34飛 33銀 36飛
52王 77桂 72金 26飛 23歩 87銀
84飛 75歩 24飛 86飛…(#8")
手順前後だが(#8)について先に述べておく。
…後手が同じ攻め筋で来ても、問題はない。
戦法の根幹を成す最重要変化でありながら、
基本的には仕掛けた側に苦労が多いのだ(笑)
この形なら75角でも68角でも大差はないが…
(68角は 82飛 88金 同飛成に31龍~33角狙い)
どの形でも端から打つのが一番紛れにくい。
(75角だと 85飛 77桂 同馬に同角と取れない)
86角に受けざるを得ないようでは後手辛い。
58玉型も、各変化の細部でよく効いている。
ちなみに52王が入っていても22馬は無理で、
以下 32龍 同銀 86角 99馬に31飛が成立する。

52王 22角成 同銀 77角 89飛成 22角成
15角 21馬 24角 32馬…(#5) 86桂 69金
78桂成 同銀 99龍 25歩 35角 55桂
62王 43馬…(#5')
64金 34馬 55金 35馬 86桂 44角
78桂成 同金 89龍 79銀 34歩 53角成
72王 36馬 62金 64桂 83王 75桂…(#5a)
52金打 34馬 87歩 35馬 88歩成 84歩
82歩 44桂 78と 52桂成 同金 78金
89飛 79金打 同飛成 同金 同龍 48玉…(#5b)
54香 36歩 26角 61馬 同王 63桂成
41角 72銀 51王 18桂 15角 16歩
33角 43金 46歩…(#5x)
98飛 63桂成 同王 55桂 64王 89歩
72金 34馬 44金…(#5y)
98飛 63桂成 同王 75桂 74王 65銀
85王 61馬 86金…(#5z)
52王は現時点で後手の採り得る最強の応手。
対して34飛は88角成~76飛~26飛が面倒だ。
しかも52王型は急戦の順でもプラスに働き、
何よりまず34飛~31飛成が王手にならない。
…仕方ないので単に21馬~32馬と駒を拾う。
86桂に 55桂 78桂成 64銀と斬り込みたいが、
以下 72銀 43馬 41王 53銀成 52金打で負け。
(68飛からの頓死筋と24角の防御力が絶大だ)
従って、86桂には悔しいが一旦69金と謝る。
こっそり25歩を利かせるのがこの形の肝で、
後々34馬や36歩で敵角をどかしやすくなる。
※後手から見て本線は54香か98飛だろう。
突き詰めると少し先手が悪いのかもしれない。
52王には34飛や、端歩突きで手渡しもある。
52王 22角成 同銀 77角 89飛成 22角成
15角 21馬 24角 32馬…(#5) 28歩 同銀
86桂 69金 78桂成 同銀 99龍 25歩
26飛 39銀…(#5")
25飛 33銀 29飛成 24銀成 86桂 33成銀
62王 43馬 52香 44桂 41金 52桂成
同金左 54桂 72王 87香 97龍 75角…(#5c)
25飛 33銀 29飛成 24銀成 86桂 33成銀
41香 77角 97龍 55桂 78桂成 75桂
72銀 78金 54銀 84桂 51金打 83歩…(#5d)
35角 55桂 62王 75桂 72銀 43馬
54香 44銀 52金打 54馬 同歩 35銀
69龍 同銀 35歩 63桂右成 同銀 66香…(#5e)
57角成 同玉 54香 56歩 同飛 48玉
26歩 38銀 27歩成 同銀 58金 38玉
49金 36歩 62王 43馬 57飛成 37玉…(#5f)
51桂の受けを温存する28歩は取るよりなく、
一本25歩もやはり筋。26飛には39銀と引く。
以下は王手龍を含みに馬と角桂で網を絞る。
(33成銀の狙いは次に43馬~54桂~44角)
(#5c)の44桂は密かに52馬からの詰めろで、
香を奪って87香の攻防手が入れば満足だ。
(#5e)中の43馬に 52金打 34馬 31香でも、
以下 35馬 同香 44角 97龍 82歩で良い。
※77角に33角なら、22飛成~86角~77角。
以下 89馬 11角成 86桂 12飛に22歩は21馬、
42金も 21馬 78桂成 55桂 33金打 43桂成だ。
(78桂成~79馬には一旦48玉と寄る手が利く)

62王 34飛 33桂 87歩 76飛 84飛
82歩 23歩 同金 24歩 45桂 77金
同角成 同角…(#6)
22金 85飛 26飛 45飛 29飛成 43飛成…(#6a)
22金 85飛 74金 95飛 74歩 96飛…(#6b)
同飛成 同桂 75角 66角 同角 同歩
76角 67角 同角成 同玉 75金 23歩成
76角 56玉 49角成 34飛…(#6c)
同飛成 同桂 75角 66角 84角 同角
89飛 88角 76金 65桂 87金 11角成
79飛成 23歩成 68銀 55馬 78龍 73桂成
同桂 同角成 同龍 同馬 同王 68玉
65桂 75飛 74角 同飛…(#6d)
62王にアサゲアタック22角成~77角は無理。
(流石に62王型では後手の条件が良過ぎる…)
そうして結局横歩を取る羽目になるものの、
訳が判らないのは後手から見ても同じこと。
後手が62王型を自然な一手とするためには、
横歩取り33桂戦法に持ち込むしかなさそう。
しかし上記の定跡は強固であり、超キツい。
※と思いきや一ヶ所大きな穴が空いていた!
(#6c)に至る途中…75金のところ74金がある。
86飛は94角で困るので 同飛 同歩 68銀とし、
以下24金に59金と引き締めておいてどうか。
※※34飛に33角なら旧山崎流38金も自然だが、
本線は96歩~36飛~77桂か、36歩を貫くか。
96歩に76飛は33角成~84飛~38金で力戦。
36歩に76飛だと77角で62王型が活きない。

76飛 22角成 同銀 34飛 33銀 84飛
82歩 38金…(#7a) 52王 96歩 72金 95歩
83歩 88飛 26飛 27歩 24飛 68銀
82銀 77桂 44銀 66歩 33桂…(#7a')
76飛 22角成 同銀 34飛 33角 84飛
82歩 77歩 26飛 28歩…(#7b)
76飛 22角成 同銀 34飛 33桂 84飛
82歩 83歩 72金 82歩成 同銀 85角
83歩 76角 84歩 43角成 同金 21飛
31角 23歩 32角 22歩成 21角 同と
42角 32銀 54金 31と…(#7ç)
76飛 22角成 同銀 34飛 33桂 84飛
82歩 24飛 45桂 77歩 86飛 87歩
35角 22飛成 同金 86歩 57角成 59玉
47馬 58銀…(#7c)
76飛 22角成 同銀 34飛 33桂 84飛
82歩 24飛 45桂 77歩 57桂成 同玉
35角 48玉 56飛 25飛 57角成 38玉
26歩 68金 同馬 同銀 86飛 15角
52王 26角…(#7d)
52王と同じくらいhealthyな応手が76飛で、
こう指されてみると相横歩模様は避け難い。
58玉型の効果で34飛~84飛に95角がなく、
後手に一方的に歩を謝らせることはできる。
(7a')は端攻めを見せて後手の動きを制限し、
それから67銀・77桂型に組み上げる作戦だ。
(ただ…すぐ67銀は 45角 28銀 55銀で困る)
手詰まり模様になれば陣形差が活きるかも?
ちなみに33桂型で38金と上がるのは危ない。
78飛成~95角~59金の強襲を喰らった時、
36歩と突けない(45桂がある)ため相当狭い。
※コメントでの御指摘の通り、33桂は疑問。
(#7ç)のように21飛狙いで強く踏み込める。
85角に 86飛 87歩 85飛 同飛 31金が本線。
以下は一局だが二枚飛車を持って不満なし。
~~~~~~~~~~~~
上記変化群が一部潰れても先手の手は広い。
いずれにせよ、真実までは未だ遥かに遠い。
p.s.
76飛 22角成 同銀 34飛 33銀 36飛…(#7@)
同飛 同歩 31金 77桂 27飛 28歩
22飛成 83角 74角 同角成 同歩 83飛…(#7u)
同飛 同歩 82歩 38銀…(#7v)
同飛 同歩 64角 37角 同角成 同桂
55角 45桂 44銀 82歩 同銀 53桂不成
同銀 85飛…(#7w)
同飛 同歩 28歩 同銀 55角 25飛
24飛 同飛 同銀 46角…(#7x)
74飛 86飛 84歩 83角 24飛 28歩…(#7y)
74飛 86飛 82歩 83歩 72金 82歩成
同銀 83歩 同銀 56角…(#7z)
・76飛~33銀に36飛でも、手得が活きる。
飛車交換回避は86飛が痛く、決戦も歓迎だ。
後手の最強策は(#7u)だが、先手の注文通り。
・78金すら省いて58玉と上がる作戦もあり、
対して32金は飛車先を即換えられて少し損。
86歩は(#4b)同様に進めば78金を省けて得。
後手も真似して52王と指したいところだが…
以下 78金 86歩 同歩 同飛 24歩 同歩 22角成 同銀 77角 89飛成 22角成 86桂 69銀 78桂成 同銀直 79龍 11馬 95角 86歩 同角 68桂 同角成 同銀 78龍 79香 89龍 24飛 32銀 22飛成 87歩 21馬 42金打 15角と一直線に進み、難解ながら先手持ち。
(以降も 21銀 同龍 88歩成 42角成 同金 32金 79ト 42金 同王 31銀や 33桂 82歩 同銀 25桂 21銀 同龍 25桂 42角成 同金 72銀で手が続く)
開始日時:2016/04/08 棋戦:電王戦
先手:ponanza 後手:山崎隆之
開始日時:2017/05/02 棋戦:王将戦
先手:阿部光瑠 後手:橋本崇載
(※45手目36銀は16銀の方が手堅いかも)
開始日時:2018/04/11 棋戦:名人戦
先手:羽生善治 後手:佐藤天彦
(※12角に 83桂 61金 41飛 51金打 31飛成 同金 同龍 42銀 71銀…という攻め筋もあるらしい)