新浪事案CBD 「合法」と書かれていても違法になるケース
サントリーHDの新浪剛史代表取締役会長が辞任しました。
麻薬取締法違反の嫌疑で
福岡県警が東京・港区の会長自宅の家宅捜索を行い、
その事実を受けての辞任です。
違法な成分が含まれた大麻由来の製品を輸入した疑いがあるとのこと。
当初の報道では「知人女性に送りつけられた」と話していたそうなのですが、
その後の経済同友会の代表幹事として記者会見では、
健康についてアドバイスをもらっているアメリカの知人から
日本にいる知人の親族に送られたもの
日本国内で所持も使用もしていない
と話しました。
4月に出張でアメリカを訪れ、
現地で市販されていたサプリメントを適法だという認識で購入。
しかし、その後のスケジュールがドバイ経由でインドへの出張で、
これらの国ではサプリメントの持ち込みが厳しく、
アメリカの知人に日本に持ち帰るよう依頼。
知人はサプリメントを持って日本を訪れ、新浪の自宅に郵送。
彼は家族との間で荷物の送り主がわからない場合は廃棄すると決めていて、
おそらく家族が廃棄したものと考えている
と話しています。
その後、この知人が福岡県に住む弟に宛ててサプリメントを送り、
新浪の自宅に送るよう依頼していたところ弟が警察に逮捕され、
今回の家宅捜索となった次第のようです。
サプリメントを購入した理由は、
出張が多いので時差ぼけがすごく多い
私の健康を守ってくれている知人から勧められた
大変高いものなので、日本よりアメリカのほうが圧倒的に安い
としています。
以上が彼の説明となります。
個人的な感情をお書きしておきますと、
私は彼が大嫌いです。
消費税の増税を求めている人物ですし、
常に偉そうで何様感を漂わせたコメントを発していました。
ジャニー喜多川の件では、
事務所に所属する人たちが経済的被害を受けたのも
彼の発言によるところが大きいです。
それに、今のサントリーは胡散臭い健康食品ばかり売っていて、
それも彼の「経営のプロ」としての手腕なのでしょう。
たとえば膝関節などの下肢の運動機能に効果があるとする「ロコモア」。
これはテレビCMなどでバンバン宣伝していますが、
ケルセチン配糖体、アンセリン、
グルコサミン塩酸塩、コンドロイチン硫酸が主成分です。
ポリフェノールのケルセチンは「伊右衛門 特茶」にも含まれますが、
これを摂りたければ、玉ねぎ食っとけという話ですし、
アンセリンはアミノ酸ですから、体内で消化されてバラバラになり、
さらに、それが膝に行き渡るとは到底考えられません。
グルコサミンも同様ですが、
さらに膝関節の症状改善に意味がないという論文は多数あり、
一方、「ある」とする研究結果には一貫性がなく、
全体としての科学的根拠は不十分。
コンドロイチンも症状改善効果は科学的に確立されておらず、
グルコサミンでもそうですが、「ある」とする研究は、
健康食品や製薬の企業から資金提供を受けたものばかり。
そもそも、膝の軟骨が問題なのに、その軟骨にほとんど血管がなく、
だからこそ、整形外科でも変形性膝関節症の治療は難しく、
それらの成分がその軟骨に届くと期待できるはずはないのです。
話を本筋に戻しますと、そういう個人的な感情を別にすれば、
彼は無罪です。推定無罪は学校で習います。
家宅捜索を受けたからといって、犯罪者ではありません。
実際に、捜索で違法なものが出てきたわけでもないようですし。
ただ、違和感があるのは、収入が充分にあり、
サプリメントを扱う大企業のトップが
自社を含む国内のサプリメントではなく、
外国のものを「安いから」とわざわざ多大なリスクを背負い込んだこと。
家族が廃棄したとすれば、なぜ、知人は自身の名前などを書かなかったのか、
そして、日本への持ち込みの手段が
運び屋を使う手口と同じである点でしょうか。
そういうことはさておき、
今、大麻由来のCBD(カンナビジオール)が注目されています。
大麻草には様々なカンナビノイドが含まれ、
その一つが精神活性作用を持つTHC(テトラヒドロカンナビノール)です。
そして、今話題のCBDは、
精神作用がなく健康やリラックス効果が期待されいる成分です。
2024年12月、大麻取締法が改正され、THCの含有量による成分規制に移行。
それまでは「大麻草の成熟した茎や種子から抽出されたもの」
という部位規制でしたが、
THCが基準値を超えていないCBD製品であれば、
合法的に使用・販売が可能になりました。
この「基準値を超えていないCBD製品」という規定が問題で、
合法と謳われているもののCBD製品でも、
ごく微量でもTHCが含まれていれば、違法になります。
特に海外は、法律や基準が異なりますので、
海外で買ったものを日本に持ち込むのはやめましょう。
もちろん、輸入品も危険です。
それを知らなかったとは思えない人物がやらかした本件ですが、
今、健康や美容の方面でもさまさまなCBD製品が発売されています。
国内のものでも、
THCが含まれていないことを証明する
成分分析証明書(CoA)が公開されているか、
そこを確認してください。