まずは安心 日米首脳会談 / トランプのガザ住民移住計画はナチスに似る
日米首脳会談が行われました。
石破総理の話しぶりは気になったものの、
日本、あるいは日米関係で今より悪くなる話はありませんでした。
その点を高く評価したいと思います。
まず私が懸念していたのは、
この極東アジアの安全保障で、
アメリカの関与が縮小されるのではないかという点でしたが、
・米国は日本の安全保障に全面的に関与する
・インド太平洋地域に力による平和をもたらす
と、トランプ大統領が話したことで、
ひとまず安心です。
日本製鉄によるUSスチールの買収計画では、
バイデン前大統領が大統領令でストップをかけ、
トランプも同様の考えを表明していたことから、
先行きが不透明になっていましたが、トランプ大統領は
・買収ではなく、多額の投資を行うことで合意した
と話しました。
カナダやメキシコに対する関税を設定する、上げるとしたトランプでしたが、
両国の政府から一定の交換条件を引き出したことで、
トランプ大統領一旦、矛を収める形になりました。
彼がほしいのは支持者に対する"顔向け"である側面が大きく、
USスチールの件でも、トランプが国内で
「自分が日本製鉄に投資させた」と言えれば彼の顔が立つというものです。
そもそも、この問題はUSスチール側から出た話で、
日本製鉄の技術とともに、雇用と潰れそうなUSスチールを救おうというものです。
クリーブランド・クリフスによる買収では、
従業員が大幅に減らされ、じり貧は目に見ています。
そこで、着地点を"買収"ではなく"投資"と言い換えたのだと思います。
トランプは、この問題にさほど関心があるわけではないのでしょう。
会見で日鉄と日産を何度も言い間違えていましたので。
ひとまず、急激な対米の悪化にはなりませんでした。
ただ、本番はこれからです。
安倍元総理の遺産にも限界があります。
トランプ大統領といえば、
パレスチナの人たちをほかの地域に移住させるべきだという話。
現代社会でこんな話が出てくるというのも驚きでした。
彼のこのアイデアに、
ナチスの「マダガスカル計画」を思い浮かべた人も少なくないのではないでしょうか。
ナチスはヨーロッパのユダヤ人を
マダガスカル島へ移送する計画を立案しましたが、
戦局がそれどころではなくなり、最終的に破棄されています。
本質的には、これと同じでしょう。
トランプはガザ地区を引き取って所有し復興するとしましたが、
世界でこれに同調する国はほとんどないわけです。
これまでのガザに対するイスラエルによる占領は国際法違反であり、
その上、アメリカが民族浄化という人道に対する大罪を犯そうというのです。
ホワイトハウス報道官は"一時的なもの"と火消しに回りましたが、
トランプの発言が取り消せるものでもありません。
ガザ地区約180万人の住民全員の移住先なんて見つかるはずもありませんが、
トランプを支持するユダヤ系の福音派の人たちは、
彼のアイデアに納得しているのでしょうか。