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『あんぱん』の筆の力 正義という価値観の危うさ / 小泉進次郎が自民をステマありきの政党に

NHK連続テレビ小説『あんぱん』が終了しました。
本作のテーマはわかりやすく何度も何度も提示されていた

逆転する正義 逆転しない正義

でしたが、その答えの一つとして生み出されたのが『アンパンマン』。
あんパンを手にして空を飛ぶ「おいちゃん」から、
現在の姿になるまでも描かれました。

脚本で特に賞賛したいのが主人公を戦中で「愛国の鑑」にしたこと。
主人公を当時の正義の象徴として奮闘させ、
戦後に正義が逆転し、彼女は自らの過去に苦しむことになるのでした。

正義なんていうものは簡単にひっくり返る

それが戦場を経験した「柳井嵩」の価値観でした。
実際、根本的に正義というものは主観が基礎となっているもので、
作中では「逆転しない正義」を実在のやなせたかしさんの言葉どおり、
「お腹を空かせた人に食べ物を与える」こととしていましたが、
それすらも、正義にはならない可能性だってあります。

パンを与えた人が生き残り、多くの人を殺したならば、
それは正義だったのかどうかという疑問は自然なものです。
作中「お腹を空かせた人に食べ物を与える」を
「逆転しない正義」としましたが、それを押しつけない寛容さも感じられました。

逆に「私が正しい」と作り手の正義を押しつけていたのが『虎に翼』でした。
脚本家のインタビューも読みましたが、
自分の価値観に対して疑問を持たない人のようです。
だから、自分の書いたものを疑わない。
人物を玄関側から登場させればいいだけなのに、
なぜか奥から出てこさせてシーンの辻褄が合わなくなる、
現場も脚本を疑っていないから、そのおかしさに気付かない。
それでも脚本家は自分の書いたものを自画自讃していたのでした。

『あんぱん』はさすが中園ミホさんの脚本でした。
彼女の作品がヒットし続けてきたのも伊達ではないと感じます。
子どもの頃にやなせたかしさんと文通され、
個人的に縁があったとのことですので、
ヘンなものは書けないという覚悟もあったことでしょう。

視聴者を楽しませる伏線とその回収、
現実世界でアンパンマンを演じる戸田恵子さんを代議士として登場させ、
劇中の『それいけ!アンパンマン』のレコーディングで
戸田恵子さんっぽい声優を戸田恵子さんが演じる、
しかも顔をほとんど写さないという贅沢さも感動しました。


現場の熱とノリを感じられる作品だったかと思います。
私の価値観における朝ドラランキングでは
『ちりとてちん』に次ぐ名作だと評価しております。

 

 

 

 



女性が「大日本」と書かれたたすきをかけ、千人針を縫っている
ポール・ビニー(敏弐)「百年の華 一九四〇年の千人針」

 

 

さて、自民党総裁選のさなかですが、

 


週刊文春が小泉進次郎がステルスマーケティング、
「ニコニコ動画」のコメントでステマを行っていると報じ、それを認めました。
ただし、自身は知らなかったと言っています。

一部行きすぎた表現があったことについては適当ではなく、二度とこういうことがないよう、話をさせて頂きました。再発防止を徹底して、引き続き緊張感を持って総裁選に臨みたい

だそうです。

とんでもないことで、公職選挙法が適用されないとはいえ、
国のトップに就く可能性が高いポジションを選ぶ選挙です。
ある事案について情報の発信者が、実は利害関係者だったのですから、
詐欺や身分詐称と同じことをこの男はやったんです。

商品の宣伝において、身分を明らかにせずに行う宣伝は、
景品表示法で不当表示として扱われます。
健康食品などのメーカーの中には、
消費者庁から排除命令を受けたところもあるのです。
以下が小泉陣営が書いた、書かせたコメントの例です。

小泉さんしかいない
リーダーの資質バツグン
去年より進次郎しっかりしたよな
ビジネスエセ保守に負けるな
高市早苗は拒否します


実に恥ずかしい。
特に高市候補に対する誹謗中傷がすさまじく、
肌がどうだとか、笑顔が怖いとか、ルッキズム全開です。

こんなことを人にやらせて、さらにそれが表に出てくるあたり、
とても、総理大臣になる器ではないでしょう。
国家機密が筒抜けになる可能性もあります。

だいたい、彼は石破内閣の中の人間です。
石破とともに、責任を取るべき立場なのに、
なぜ、次の総理大臣になろうとしているのでしょうか。
特に大きな選挙三連敗の最初の大敗だった昨年の衆院選では、
こいつが選挙対策委員長だったのです。
選挙の責任では、石破の次に責任を負うべきなのに、
何食わぬ顔で立候補している。
「ニコニコ動画」のコメントでは、
石破に辞任を勧めたとして、

泥臭い仕事もこなして一皮むけたのね

と書かせていました。
実に恥ずかしい。

ちなみにそれに関わった主犯の一人・牧島かれんの昨年のpostです。
この女は元デジタル大臣であり、現在の自民党のネットメディア局長。

 


こいつが特定の候補者を誹謗中傷していたというオチです。
この事件を「終わったこと」で片付けると、
国政選挙でも地方選挙で我が党はステマしますよと言っているようなものです。
それでも、現職議員たちは彼を推すのでしょうか。


最後に、米・トランプ大統領がアセトアミノフェンについて、
薬学の知見とは大きく異なる発言をしました。
妊婦が服用すると自閉症のリスクが増えるという内容です。

医薬品デマで典型的なのが自閉症です。
ワクチンではさんざん目にしてきました。

元々、自閉症は統合失調症の症状を表す言葉として出てきたもので、
1940年代になって、
自閉症が独立した概念として認識されるべきだという論文が出てきます。
しかし論文は注目されず、

1970年代まで、その原因を「母親の冷淡で感情的な態度に起因する」と認識され、
1980年代になってようやく知的な遅れがない自閉症の存在が認識されるようになり、
2013年になると、特定不能の広汎性発達障害などがすべて
「自閉スペクトラム症」として統合されました。

つまり、自閉症という診断自体、歴史があるものではなく、
こういう医薬品デマが言う「昔は自閉症なんていなかった」のは当たり前なのです。
社会にそういう概念がなかったのですから。

またトランプは輸入医薬品に一部の100%の関税を課すとしました。
国内に工場を作れと製薬会社を脅しているわけですが、
全てが乗ってくるわけではないでしょう。
元々、医薬品が高い国です。
糖尿病患者の中には、わざわざカナダまで行って、
インスリンを購入する人もいるほど。
貧乏人は死ね。とことん苦しんでから死ね。
そんな国になってしまうかもしれません。