新シリーズ「JIN-仁-」完結編 第1話 ストーリー書き起こし | テレビ番組 時事ネタなど書いていきます。はい。

新シリーズ「JIN-仁-」完結編 第1話 ストーリー書き起こし

大学病院に勤める脳外科医、
南方仁は身元不明の患者の開頭手術中、
患者の頭蓋内に胎児を発見、摘出。

しかし、摘出された胎児を抱えたその患者を病室に戻そうと
もみ合っているうちに階段から転落。

気がつけば、そこで侍同士が斬り合いをしており…

と、始まった南方仁の幕末での生活。

それから約2年。


JIN-仁-


橘咲は南方仁の「仁友堂」の手伝いをしながら、
医術の勉強をしていました。
その咲の様子がおかしいのは、彼女が縁を切られた母、
栄が脚気に罹り、既に床から離れられない状態だったから。

JIN-仁-


咲は縁談を結納の寸前に放り出し、
これを破談にしたため、橘家には戻れないのでした。
橘家は今、差し控え(登城禁止)の沙汰が下り、
咲の兄、恭太郎は謹慎中でした。

脚気。当時は別名「江戸煩い」と呼ばれていました。
ビタミンB1の欠乏から起こり、手足のむくみや痺れ、
運動障害、そして心不全に至れば命を失います。

江戸の人々は田舎の人たちとは違い、
大量の白米とわずかな副食という
現代の知識では偏っているとされる食生活に原因がありました。



橘家で栄を診る仁。
脚気を治すには食事療法のみ。
白米ではなく玄米を、豆類なども勧めますが、
生きながらえて何の望みがと、栄は聞き入れません。

JIN-仁-

生きていたとして、
恭太郎が武家としての誇りを取り戻し、
咲がひとかどの家に嫁に行けるのかと嘆息します。


仁は咲に何とか食べてもらう方法はないかと尋ねます。
咲は即座にその手段はないと答えました。
これは母が自分に与えた罰だと。
橘家に泥を塗った自分に、
母が死を以て戒めようとしているのだから、と。

JIN-仁-

それはちょっと違うんじゃないですか?
家とかじゃなくて、
咲さんは医者でもあるんでしょ。
ただ、黙って見ているだけというのは
違うんじゃないかな?


その仁の言葉に、咲は母に脚気に良い食べ物だと悟らせずに、
食べさせようと考えることにしたのでした。


江戸かりんとう。

栄の好物です。
甘い菓子ならば、気づかずに食べてもらえるかもしれません。

玄米や黒糖を使った菓子、
ドーナツならば。

JIN-仁-

ドーナツの作り方を仁友堂の皆に教える仁。
それは現代での恋人、友永未来とともに作ったもの。
彼女の先祖かもしれない花魁・野風の乳癌を摘出し、
彼女の身請けをご破算にしてしまったことで、
未来に彼女が生まれなくなってしまったかもしれません。

その野風は吉原を去り、横濱で子供たちに手習いを教えていました。
しかし、元遊女が長屋に住むことに対する苦情も寄せられ…

JIN-仁-


恭太郎、少年・喜市らととも力を合わせ、
仁友堂で作った道名津を栄に食べさせますが、
彼女はひと口のみ食べて突き返してしまいました。


なんとか栄に道名津を食べさせることは出来ないものかと
考え歩く仁と咲の背後から突然現れたのは…坂本龍馬。

JIN-仁-

池田屋事件で海軍操練所の仲間も犠牲になり、
さらに何者かに佐久間象山が斬られ瀕死の深手を負ったので、
仁に京の都まで来てもらいたいといいます。
助けられるとすれば、先生しかいない、と。

佐久間象山。当時の天才の中の天才。
蘭学、砲術、兵学など、この時代の日本で、
最も西洋の知識や事情に明るかった人物です。
勝海舟の妹の夫でもあります。

この幕末に強い影響力を持つ象山を救うことは、
未来を大きく変えてしまうことになりはしないか、
かつても悩んだ事をまた考え込まねばならなくなりました。
そんな南方仁に咲は、

JIN-仁-

先生は医者なのでしょう?
ただ、黙って見ているだけというのは
違うんじゃないでしょうか?


その咲の言葉に上京を決意する仁なのでした。


京への旅は蒸気船にて仁友堂の仲間たちと。

JIN-仁-

坂本龍馬に佐久間象山を斬ったのが何者かを問う南方仁。
首に添えられた斬奸状からは尊攘派であることが伺われましたが、
実は象山が仕える松代藩こそが彼を殺そうとしていたのではないかと、
龍馬は考えていました。


大坂、中之島に上陸。
いきなり長州藩士たちに道をふさがれる一行の前に現れたのは、
仁とも面識があり、龍馬を斬り殺そうとした久坂玄瑞。

JIN-仁-

彼は一行の通行を許しますが…


京。

八月十八日の政変、そして池田屋事件
町は穏やかならざる有様。

そんな京のとある家屋。
匿われている全身に創傷を負った象山をひと目見て驚いた仁。

彼が首から下げていたのは、医療用ネットの一部…?

JIN-仁-

この幕末にはないはずの物でした。

佐久間象山は仁と同じく…?



長州藩の激派が御所に迫ります。
蛤御門の変です。

長州藩士の中に久坂玄瑞を見つけた龍馬は、
敗軍の直中に突入していきます。

久坂玄瑞は鷹司邸で最後の陳情をしていました。
それを国賊の罵りとともに断られ、
自刃の覚悟を決めますが、
そこへ飛び込んでくる坂本龍馬。

久坂はただ自分は日本を一つにしたかっただけだと、
長州や土佐のような別の国という考えではなく、
日本を一つとする道が尊皇であり、攘夷であったはずだと。

JIN-仁-

彼は腹を切ります。最期に

お前は間違えるな。
この国の未来を。


そう言い遺して。


火に包まれる京の町。

そんな中、佐久間象山の心臓が停止してしまいます。
必死の心臓マッサージを施すと、
目を開けた象山。

JIN-仁-

十歳の頃、木の上から落ち、
やたらとまぶしい天井の部屋で、

JIN-仁-

白い西洋人のような出で立ちの者たちに
手当てされたことを南方仁に明かします。

今まで見たことのない世界、
しかし、窓から見える故郷の山は変わらずにそこにありました。

佐久間少年は未来だと悟ったこの世界で、
あらゆる知識を得ようとしますが、
ある日、階段から転落し、
また元のこの世界に戻ってきたのでした。

自分と同じタイムスリップを体験した人に初めて出会った仁。

そして、自分の恐れを見抜かれます。
自分が歴史に関わること、
そして歴史を変えてしまうことを恐れていることに。

象山は叫びます。

それこそが神の意思だとは思わんのかっ!?
未来を変えるために、自分が送り込まれたのだとは!?

お前は歴史を変えてしまうことを恐れている!
裏を返せば、自分が
歴史を変えてしまえるかもしれないと
思ったからだろう!?

相当な自信家だ!

つべこべ言わずに救え!!

もし、お前のやったことが
意に沿わぬことであったら、
神は、容赦なくお前のやったことを取り消す!
神はそれほど甘くはない!

JIN-仁-

だから、救え! その心のままに! 救え!!
救えーっ!!



象山は火の中で絶命します。

仁は手の中に象山の医療ネットを握りしめ、
火の海の京の町をただ走りました。

その頃、坂本龍馬はがれきの中から、
一人の長州藩士を助け出していました。
右脚に銃創を負った彼の名は東修介。


急ごしらえの救護所にて、
トリアージを行いつつ、
少ない医療道具、医薬品を用い、
焼け出され怪我を負った人々の手当に当たる仁友堂の面々。


そこに東修介を担ぎ込んだ坂本龍馬。
早速手当にかかる南方仁でしたが、
修介はこの大火事の元である長州藩士。
死に損ないと救護所の皆に罵られ、起き上がろうとします。
既に死を覚悟していると言う彼に

JIN-仁-

やり残したことはないがかえ!?

必死にそう諭す龍馬に従い、
弾丸の摘出に望む修介。
麻酔はありませんが、なんとか無事耐え、
弾を取り出すことに成功しました。

…と、そこに現れる新撰組たち。
長州藩の残党を捜しているようです。

修介を見つけ、捕らえようとしたところ、
銃声が。

龍馬が発砲、そのまま逃走し、
新撰組は彼を追って出て行ってしまい…


ペニシリンが底を突きます。
仁友堂・山田順庵は一緒に連れてきていたヤマサの職人たちから
最後の一瓶を受け取りますが、
今度は南方仁が新撰組に連れ去られてしまいました。

連れ去られた先にいたのは新撰組局長・近藤勇。
さらにその奥にいたのは…西郷吉之助。

JIN-仁-

長州との戦いには勝ったものの、
腹痛に襲われ、仁に診てもらおうというのです。

仁の見立ては虫垂炎。
既に腹膜炎を起こしかけている模様。

放置すれば死。
助かる道は開腹手術のみ。

腹を切ると聞いて激高する薩摩藩士たち。
西郷はそれをなだめ、仁に帰ってもらおうとします。

西郷に背を向ける仁。
背後からは西郷の呻き声が。
そして、誤った処置を行おうとしている侍たちの声が。

蘇る佐久間象山の言葉。

切らせろ!

そう叫ぶ仁。
京の町を戦場にし、大勢の人を苦しめた元凶の一つ、薩摩藩士たち。
西郷を救うのであれば、焼け出された人たちを救いたい。
だが、それでは命を差別したあなたたちと同じになってしまう。

だから、どうか、あなたを助けさせて下さい!

そう土下座して西郷の手術を頼む南方仁。

西郷はもしも自分が死んだとしても、
仁に手出しを禁じ、
彼に命を預ける決意をするのでした。


ペニシリンを届けさせ、
西郷の開腹手術に望む南方仁と山田純庵。
薩摩屋敷に長州藩士が乱入し、

JIN-仁-

彼らが薩摩藩士に斬られ絶命する様に言葉を失い、
しかしながら、西郷の手術を終えた二人でした。

救護所に戻ってみると、東修介の姿はなく、
一人の幼い男の子が力尽きていました。

JIN-仁-

西郷に使ったのが最後のペニシリン。

西郷を救い、この子を、ここの人たちを救えなかった仁。
多くの死者を見送り、
自分の無力さを思い知ります。

これが神の定めた歴史なのか、
何をするためにここへ、この時代へ…?


時鳥 血爾奈く声盤有明能 月与り他爾知る人ぞ那起
(ほととぎす ちになくこえは ありあけの つきよりほかに しるひとぞなき)

故郷を思う私の声は誰にも届くことはなかった…
辞世にそう詠んだ久坂玄瑞。

帰途の船上にて、久坂の声を聞いたと話す龍馬。

死んでいった者たちに報いる方法は一つしかないのではないか、
それは、

JIN-仁-

もっぺん、生まれてきたい
そう思える国にすることじゃき
そう、思わんかえ?


そう言う龍馬自身が志半ばでこの世を去ることを知っている南方仁。
これから龍馬に身に起こる事件を話し手聞かせようとしたその時、
突然の頭痛、2年前まで度々襲われた謎のあの頭痛に襲われます。

昏倒し橘栄が亡くなった悪夢に、
江戸に上陸するやいなや一目散に橘邸に駈ける仁。

栄は床を上げていました。
彼女はその道名津が仁の考案であり、
娘・咲の手によるものだと気づいていました。


生きていたくない

あの日、毎日道名津を運んでくる喜市に心の内を明かした栄でした。
喜市も虎狼痢で生死を彷徨い、そして母を辻斬りに斬り殺され、
あの時、虎狼痢で死んでいたほうが良かったと考えていたのです。

でも、それからいいことがたくさんあったと話した喜市。

JIN-仁-

ペニシリンが出来て、治らない病が治るようになったこと、
脚気に効くお菓子が出来て、
南方先生が江戸はすごく変わったこと…
これからもきっと…

咲様は必ず女で初めての医者になります!

神様は乗り越えられる試練しか与えないんです!

死んだら駄目なんです!
生きてなきゃ笑えないんです!


喜市の叫びに、涙ながらに道名津を口にしていた栄なのでした。


負けは許さぬと咲に告げる母・栄。
これから戦のような人生を歩むことを選んだ咲に、
勝てと命じます。

橘の家のために。
同じような行き方を選ぶ世の女子たちのためにも。

涙を流して娘を諭す母の言葉に、
娘もまた涙を流していました。



いつもの丘で。
佐久間象山が遺した医療用ネットの一部を開いてみると、
平成二十二年の10円玉…?
"あの時"と同じ…?


心の儘に救うべく、
安道名津を売り出す仁。

JIN-仁-

江戸の町から脚気を撲滅するために。





無計画に書き起こしていましたら、
2時間余りのストーリー、長くなってしまいました…
でも…45分の「江」よりは疲れませんでした。
それぞれが大切なシーンのようで、
無駄な部分がほとんどなかったような2時間余りでした。
次回はどうしましょうか?
とりあえず、明晩、前シリーズの頃のように、
時代背景と感想をお書きします。

ねてしてタペ