維新の議員数削減は国民の不利益に -自民が要求を飲んでも実現は不可能か-
激動の日本の政界。
どうやら、自由民主党と日本維新の会が連立する流れのようです。
維新は連立を組むために、12項目の条件を要求しています。
「経済・財政」「社会保障」「皇室・憲法改正・家族制度」
「外交安全保障「インテリジェンス「エネルギー」
「食料安保・国土」「経済安保「人口・外国人、教育」
「統治機構改革」「政治改革」と、その要求は広範囲に及びます。
まずは「経済」のガソリン暫定税率廃止は
既に高市総裁が前向きの旨、発言しています。
食料品の2年間消費税非課税はどうでしょうか。
「統治機構改革」の中にある副首都は、
副首都については、道州制とともに東日本大震災の前から議論があり、
大阪などが候補でしたが、震災後はあまり議論されていませんでした。
東京一極集中の緩和が必要なのは事実ですが、
これが大阪都構想に関連するとなると、
我田引水と、世論の風当たりは強いのではないでしょうか。
維新が地域政党と見られてしまう傾向は、
さらに強くなるでしょう。
さらに、私が思う最大の問題は「政治改革」の中にある
議員定数削減で、こんなことで削減できる予算なんてたかが知れています。
大阪維新の会の立ち上げ時点から「身を切る改革」を掲げてきた政党で、
小さな政府を良しとしています。
ただ、国家予算からいえば、100人程度減らしたとしても、
削減額は8億円にもならないでしょう。
それで犠牲になるのは、地方の国民です。
住民自らの代表を国会に送り込めなくなり、
都市部、特に首都圏の声ばかりが政治に反映され、
実際に「身を切る」のは地方の人たちです。
維新の人たちには
「これは歳出削減ではなく政治家自身が痛みを伴う覚悟を示すためのもの」
と主張している人もいるものの、
現実に「痛み」を押しつけられるのは国民なのです。
「ざまあ見ろ」とルサンチマン感情を刺激するだけで、
百害あって一利なしの政策です。
そもそも、日本は国会議員の数が少ないのです。
G7各国でみますと、英国650、ドイツ598、
フランス577に対し、日本は465です。
これより少ないのはイタリア400、カナダ338ですが、
イタリアの人口は5899万人で日本の半分、
カナダは4129万人で日本の1/3です。
アメリカの場合、議員定数535人で、
人口3億4000万人の代表としては少ないと感じますが、
それそも、連邦政府の話で、
あの国には50の州政府があり、それぞれが独立した自治権を持っているため、
中央に多くの議員は要らないという考えです。
国民100万人あたりの議員数では、
日本6人、英国21人、ドイツ10人、フランス14人、
イタリア10人、カナダ11人、アメリカ1人と、
自治政府の集合体であるアメリカを除く国の中では、
かなり少ない議員数です。
日本では国会議員の数が少ないため
より多くの国民の声を反映させる必要があり
国会議員を増やす必要がある
そのように考えます。
国政選挙があるたびに、それを商売にしているのか、
暇なのか知りませんが「一票の格差」で提訴する弁護士がいますが、
これを突き詰めていくと、地方の声が中央に届かなくなります。
それと同じことが議員定数削減で起きることとになります。
吉村代表は年内実施が絶対条件だと言っていますが、
これは100%ないといえるでしょう。
選挙区や議員定数については、全会派合意が必要です。
もしも、与党だけで決められるのであれば、
それは独裁制の始まりとなります。
仮に自民が飲んでも、他党が認めるとは思えないのです。
もしも、落とし所が「自民と協議開始」であるなら、
それは可能であるかと思います。
一方、実現が不可能であるからこそ、
自民党は合意はしておいて、
「私たちはやるつもりだったのに他党がね」
で逃げることも可能かもしれません。
バーサ・ボイントン・ラム(蘭夢)「The procession」
最後に小林鷹之政調会長による
日本維新の会との政策協議のぶら下がり会見を。
小林鷹之政調会長 ぶら下がり会見
— 自民党広報 (@jimin_koho) October 16, 2025
日本維新の会との政策協議を受けて
【質疑応答】
Q:フジテレビです。
先ほどの日本維新の会との政策協議について伺います。
維新側は副首都構想や社会保障改革を重視していますが、本日の協議では、具体的にどのような項目が示されましたでしょうか。… pic.twitter.com/xYKP5e7U1t
自民党は会見の内容を文字に起こして公表することにしたようです。
質問者の所属先も書かれていて、
これまで、メディアが創作したストーリーが一方的に"報道"されてきましたが、
一次情報に勝るものはありません。
トヨタがトヨタイムズを、
任天堂がニンテンドーダイレクトを立ち上げた時点で、
メディアにとっては危機だったはず。
既存メディアが意図せぬ切り取りをしたり、
誤報やリークを連発したりで、メディアに頼るのは危険だと考えたのです。
その対策で各社は一次情報の発信に努めてきたのです。
時事通信の「支持率下げてやる」発言からわかるように、
奴らは世論を操れると考えています。
これは自民党のファインプレイだといえるでしょう。