片田舎の病院に60歳代、ルミナルタイプ、多発肺転移を伴うステージⅣの方がお越しになられました。
胸部のCT画像です。
赤い矢印の先の丸いものが肺転移です。
他の高さのCT画像です。
大きさは比較的小さいですが、既に両肺の広範囲に多数の転移がありました。
市内には外科のある総合病院があります。
また少し離れていますが、県内にはがんセンターがあります。
もちろん紹介を希望される方は、行なった全ての検査を添えてご紹介させていただいています。
ただ、
「根治」「長期無病状態」
を希望される場合で転院を希望されない場合には、無理に転院を勧めてはいません。
何故なら、近くの総合病院や県内のがんセンターでは、
「Stage Ⅳは治る事はない。
あとは延命治療。
臨床試験で有意な結果が出ていない治療は一切しない。」
と言うお考えをお待ちの様で、それが必ずしも悪い訳ではありませんが、こと進行乳がん治療においては、
「出来れば治りたい。
根治を目指した治療を受けたい。」
と望まれる患者さんの望みが叶うことは無いと思われるためです。
ただし、こちらの病院で出来ない治療が必要な場合には、躊躇なく転院を勧めさせていただきます。
この方は、出来れば治りたいとの意志を示されました。
私の中では、様々な要素を鑑みて、
「根治できるチャンスは大いにある。」
との結論に至りました。