40歳代、ルミナルタイプ、局所の皮膚浸潤、腋窩・鎖骨上・縦隔リンパ節転移、多発骨転移を伴うStage Ⅳの方の治療に携わらせていただきました。
この方は「治りたい。」と言う強い意志をお持ちで、延命や緩和ではなく、根治を目指した治療を望まれました。
先に治療前の腰椎転移画像です。
腰椎の背側が全て溶けて髄腔にはみ出し、脊髄を圧迫し始めていました。
4年11ヶ月目のCT画像です。
骨転移は半年ほどで消失し、そのまま再骨化を維持していました。
治療前の胸椎転移です。
4年と11ヶ月が過ぎました。
こちらも再骨化し、その状態を維持していました。
中心部がまだ丸く暗く抜けているために、気になる方がいるかもしれません。
よく見ますと、辺縁がふにゃふにゃな線で、治療前の画像と比較して、黒さも異なり、活発に増殖しているがんは居そうにありません。
同じ部位の矢状面(横から)の画像です。
転移部位が底抜けした形で、前後の再骨部が繋がってしまった為に、この様な変形した形で再骨化が終了してしまった為に真ん中が抜けた様に見えたのです。
大きな転移部位の再骨化ではよく見られる現象です。
その他では、胸骨の治療前のCT画像です。
再骨化し、その状態を永らく維持されていました。
当初この方は、軽度背部と腰部に痛みを訴えておられましたが、放射線治療は行わず、早急に全身治療を開始しました。
結果的に治療開始後速やかに痛みは消失し、圧迫骨折は回避し得、いつかもしもの時の為に、放射線治療を温存する事が出来ました。