食事でがんを消す為には、
①口から摂取した成分が直接がんを叩く、か
②食事により免疫力をあげて、免疫細胞ががんを叩く、かのどちらかの可能性があるかと思います。
昔、ニンジンジュースを1日2リットル飲まれていた、乳がん術後の患者さんを診ていた事があります。
この方は、栄養失調になられ、逆側の乳がんになってしまったので、ニンジンジュース療法はやめられました。
ニンジンジュースを2リットル飲む為に、他の食べ物を摂る量が減ってしまったのですね。
ニンジンでなくとも、例えば先の「がんが消えていく食事云々」の目次には、
「限りなく無塩に近い塩分制限
動物性たんぱく質と脂肪の制限
新鮮な野菜と果物の大量摂取
胚芽成分、豆、イモ類の摂取
ヨーグルト、海藻、キノコ類の摂取
レモン、ハチミツ、ビール酵母の摂取
オリーブ油、ゴマ油、ナタネ油の活用
自然水の摂取
禁煙・禁酒」
と書いてありました。
これ以外でも、サメの軟骨や朝鮮人参、フコイダン他何でも良いのですが、口から摂取した食べ物の成分が、消化吸収され、その成分ががんを消し去る事は有り得ない、と私は思います。
何故なら、がんを直接消す為には、がん化の原因となっている遺伝子変異を、全て元に戻す必要があるからです。
人の遺伝子で、およそ30億塩基対あると言われています。
「A(アデニン)」と「T(チミン)」「G(グアニン)」「C(シトシン)」の4種類が、延々とおよそ30億個染色体にそれぞれ分かれて連なっています。
口から摂ったある成分が、がん細胞を消す為には、「その中のどの配列が、がんの原因であるのかを見極め、どうすれば正常に戻るかを正確に判断し、全てを間違いなく元の配列に戻す。」
事が必要です。
例えば2cmのがんで数億個のがん細胞から成り立っています。
転移・再発のがん患者さんを治す為には、身体の中にある数億個のがん細胞全てを正確に見極め、30億塩基対の間違いを全て見極め、元に戻す作業を行わなければなりません。
これは、人が行う事も不可能です。
まして、DNAや遺伝子を知る事の無い、食べ物や口から摂ったある成分が行う事は出来るのでしょうか?
以上より、①食事や口から摂れる他のあるモノが、直接がんを消す事は出来ない、と私は考えます。