テムズ河の潮汐を眺めつつ -302ページ目

平和な光景

「パパとママと私で歩いていたらT-REXが2匹追いかけて来てね、その内の1匹を家に連れて帰って飼っていたけど死んでしまったので皮を食べたの。鳥の皮みたいでおいしかった。」という香蓮の見た夢の話を聞きながら今朝は学校に向かいました。
 香蓮はローストチキンの皮が大好物なのです。私も子供の頃は焼き鮭の皮を喜んで食べていました。脂っこくておいしいかったんですよね。今は食べたいと思わないけれど。あ、でも回転寿しに行くと焼いた鮭の皮の入った手巻き寿司があって友人がいつも頼んでいるわ。

学校までは片道5分もかからないのですが響も必ず連れて行きます。乳幼児だったらミルクを吐いたり異物を喉に詰まらせたりするかも知れないし、小学生になっても火遊びとか電気がショートして小火、地震、停電、押し売りもあるかも知れないし。
 非常事態に対処出来るようになるまでは絶対1人にしません。家だけではなくて車でも例え短時間のつもりでも子供だけ残す事はしたくないです。大人が一緒に居ればもし日射病、熱射病になってしまっても対処できるし車泥棒にも遭いにくいだろうし。

イギリスの公立の小学校は5才(実際には4才半)から11才までで必ず保護者が登下校に付き添います。我が家の近所には徒歩15分以内の距離に数校も小学校があるせいか、バスや自家用車で登下校する子供は少数派で殆どは徒歩の様です。
 2人目3人目の子供達はベビーカーに載せられていたりスクーターや大人が後ろから押せるような支柱とハンドルの付いた三輪車に乗ったりしてやってきます。送り迎えをしているのは母親父親だけではなくてチャイルドマインダーの人などもいます。
 登下校の付き添いを始めて1週間。既知のチャイルドマインダーさん、保育園(託児所)の学校送迎係りさん、近所の3つ子ちゃんのママに毎日会ってご挨拶する他、新しくクラスは違うけど香蓮の同級生のママ、ベトナム出身のリンさんとも知り合いました。

昔バスと地下鉄を乗り継いで香蓮は片道45分、夫や私は片道1時間半もかけて家と保育園と職場の3角形をぐるぐる廻っていた頃の事を考えるととても楽な生活です。あの時は香蓮は他の近所に住んでいる子みたいにスクーターや三輪車で通うのが夢でした。
 近所の小学校とチャイルドケアに通い出してその夢が叶い、今週からは弟のベビーカーを押しながらの登下校でますます嬉しそうです。月曜日に届いた新しいベビーカーの機能を覚えて対面式か背後から押す式か切り替えたり、ハンドルの高さを変えたりしています。
 既にベビーカーは用意していたのですが知り合いの伝で日本の雑誌に寄稿した縁で、とある日本のメーカーの最新式の多機能軽量A型ベビーカーを送料のみ負担で頂いたのです!お返しに使い心地などの感想を書いて渡す約束です。

スポーツ観戦

日照り続きででホースでの水撒き禁止令が出ているのにしとしとと雨が降りました。珍しいな~と思っていたらテニスのウィンブルドン選手権が始まっていたんですね。納得。この大会は屋外の屋根無しのコートで行われるのですが、雨天で試合が中断したり再開したりは毎年の事です。旱魃の年にまでちゃんと雨が降ったのでおかしかったです。
 今年はちょうどワールド・カップ・サッカーが行われているので注目度は低めです。ウクライナ対スイス戦をテレビで観戦したけれどオフサイドがほとんど無い双方とも守りの試合で面白く無かったですね。唯一解説者が「Swiss precision timing!」と言っていたのにウケた位で。スイスは時計で有名ですけど意外性に欠けるな~。
 面白いと言えばポルトガルの試合でゴールを守ったキーパーに仲間の選手がキスと抱擁を異様に長く続けたシーン。イギリスのメディアも注目してこれまで2度ほどその映像を見ました。BGMはセルジュ・ゲンスブールさんとジェーン・バーキンさんの『ジュ・テーム・モア・ノン・プリュ』が「ちゃら~ら~ら~、ら~ん、ららら~ら~・・・。」と。
 ところで普通のイギリス人はこの曲は知っているけれど歌っている女性の方が実はイギリス人だとは知りません。「ジェーン・バーキン」と名前を出してもピンと来ない人が多いです。日本だと彼女の顔も経歴も特にセルジュ・ゲンスブールさんとの関係と2人の間の娘、シャルロット・ゲンスブールさんは良く知られていますよね。
 イングランド対エクアドール戦ではベッカム選手のペナルティーシュートが見事に決まりました!でもその後に映像では写らなかったけれど嘔吐していた(He was physically sick)そうです。シュート直後の瞬間観客席に居た妻のビクトリアさんと長男のブルックリンくんらしい男の子が大喜びしている様子が写っていたけどその後心配したでしょう・・・。
 今日は職場のくじ引き賭けで私のチームとなったスペインを応援していましたがフランスに負けてしまいました!ちなみにフランスチームに賭けているのは会計兼人事兼総務部長の信之介さんです。ラッキーにもブラジルを引いたのは編集部長の徹乃さんなのですが、さてどこのチームが優勝して誰が32ポンド(約6千400円。)を手にするのか?




ベスト

バグズ・ライフ




バグズ・ライフ

日曜日の昼下がり、夫と香蓮の姿がしばらく見えなかったのでどうしたのかと思ったら下の階のご近所さん、スーさんのお家にお邪魔していました。我が家の入っている集合住宅の管理費や補修費の事で話があったそうです。
 別れ際にスーさんに「娘の学校でバザーがあるんだけど、何か不要品があったら譲って貰えないかしら。」と聞かれたのでちょうど良い機会と香蓮を説得して複数あるおもちゃのベビーカーの内1つを手放す事に。
 まだ奇麗なダブルのベビーカーなのですが、このタイプの折り畳み式のはもう5才の香蓮には持ち手の所が低過ぎて最近ほとんど使っていませんでした。サイズの合う小さな子にまた愛用して貰った方がベビーカーも幸せでしょう。
 そうしたらスーさんに「ありがとう。お返しにこれあげるわ。」と頂いたのが『バグズ・ライフ』です。日本語版のタイトルは何だろうと思ったらそのまま英語をカタカナにしただけなんですね~。『ファインディング・ニモ』みたいに。

私は昔コンピューター・グラフィックス・アニメーションのソフト、3D Studioの使い方を習っていた事があって、興味が有るのでCGアニメは大抵観ているいるのですが『バグズ・ライフ』(ピクサー/ディズニー)はまだでした。
 最近夫と娘がアリを飼い始めた所だったのでそこにちょうど『バグズ・ライフ』を貰って妙にタイミングが良いです。あ、バグズという事でクモ、てんとう虫、蝶の幼虫、ナナフシ、キリギリスなど出て来ますが主人公はアリです。
 お話の筋はちょっと『七人の侍』みたいだな~と思いました。主人公のフリックは横暴なキリギリスの圧制からアリの巣を守る為に用心棒となってくれる強い大きな虫を探しに旅に出るのです。
 キリギリスが遊び暮らしアリは勤勉という所は『アリとキリギリス』みたいですけど、イソップ童話のようにキリギリスはアリに食べ物を乞うのではなくてこの『バグズ・ライフ』では貢がせています。

アリの色が水色なのが不思議だねと夫と話していました。普通アリって黒っぽいけれどアニメだと黒いアリだと恐そうに見えてしまうのかしら。それとてんとう虫のキャラクターがからかわれるシーンは日本語だとどうなっているのかな。
 英語だとてんとう虫はLadybird(イギリス英語)かLadybug(アメリカ英語)だから、『バグズ・ライフ』に登場するオスのてんとう虫がいじわるな虫達にそれをネタにからかわれているのですけどね。

主人公のフリックの創意工夫の精神、暴君に逆らう勇気、そして彼の先導に基づいてアリらしく集団で物事を成し遂げる為に協力する事の大切さなどのメッセージにも共感できましたが香蓮は途中で飽きてました。
 私も繰り返し見たいなとまでは思いませんでした。大人向け隠しジョークもあまり無かったです。ピクサーのライバルのドリーム・ワークスの『アンツ』もその内観てみたいなと思います。




アンツ

我が家の新しいペット

香蓮は妹か弟が欲しくて仕方がなかったので響が生まれてとても嬉しいのと同時に、今まで独り占めしてきた私達親の関心を弟と分け合わなくてはならないようになり寂しい思いもするだろうと予想していました。そこで香蓮用にプレゼントを用意していました。前から欲しがっていたデジタルカメラとペットです。
 ペットと言っても犬でも猫でもウサギでもハムスターでも金魚でもなく・・・。アリです。少し前からアリを地面から拾って犬や猫にする様にいきなり「ジェシー、そっちに言っちゃダメ。」などと名前を付けて話しかけたりしていて、最近では更に袋にアリを収集したりしていたのです。
 家に持ち込んで飼いたいというのを阻止して玄関先に置いていたのですがエサをやる訳でもないので夫はその袋を「Bag of death」と呼んでいました!まあそういう経緯もあってこの機会に専用の飼育キットを購入したのです。その名も「Ant World」!娘と夫で張り切ってアリ狩りに出掛けました。

Ant
値段は確か7ポンド、約1400円でした。

キットの説明書によると40匹ほど捕まえる必要があるそうなのですが、そんなには見つからず。やっと数匹捕まえて来て組み立てたキットに入れてみると協力して巣作りをするどころが喧嘩しているみたいでした。説明書を改めて読むと「違う巣から来たアリは同種でも喧嘩するので混ぜてはいけない。」と!
 結局自力でアリを採集するのは諦めてそのキットの発売元からアリを買う事にしました。電話で注文した翌日に郵便でアリ40匹と卵が届きました!「キットに移動させる時には冷蔵庫で10分程冷やすと仮死状態になって作業がしやすい。しばらくするとまた元気になる。」と説明書に書いてありました。フムフム。

このアリの飼育には娘もそうですが夫がかなり夢中になっています。この育児休暇中、姿が見えないなと思うと娘の部屋に置いてある「Ant World」の前に立ってアリ達の動きを観察していました。「巣が出来て来た!」とか「卵を分業で運んでいる!」とか。挙げ句の果てにはCDの空ケースに電動ドリルで穴を開けて工作。

Ants

郵便で来て封筒から出したばかりの40匹のアリと卵達(4ポンド、約800円)。それと追加注文したチューブ(1メートルにつき1ポンド、約200円)。

In House

この写真と前後の写真はクリックすると大きくなりますが、アリが見えますか?

Customise

夫がカスタマイズした空になったブランクCDのケースを追加注文したチューブでメインの巣に繋ぎました。葉っぱはすぐ枯れそうですけど・・・。

発売元はInterplayという会社なのですが他にもLiving Worldシリーズでは「Worm World」(「ミミズの世界」)と「Triop World」などがありました。後者は「恐竜の時代からの生き物をペットにしよう。乾燥卵に水をかけると膨らんで24時間以内に孵る。」という宣伝文句です。これはカブトガニの事ですよね。
 小学生の時にお友達が学研の学習と科学を購読していて面白そうだったので親におねだりしたら手続きをしてくれました。特に科学の教材は毎回楽しみでしたが、このカブトガニもそれで来たので私も飼った事があります。懐かしいな~。夏休みの自由研究とか思い出します。子供時代を追体験出来るのが育児の楽しさでもありますね。

Worm

Triop

響が誕生してから (その2)

響の妊娠中は私の血液抗体のレベルが要観察で血液検査をたくさん受けました。出産直前には胎児の脳の血流量も要観察でエコー検査(Ultrasound scan)を2回受けました。そして遂には胎児も37週に入って十分大きいから血液抗体のレベルが上がる前に分娩しましょうという事に。
 それで計画分娩で入院したのにまたしてもこの血液抗体のせいで「万が一の場合を考えて2リットルの適合する輸血用の血液が見つかるまでは分娩誘発の処置を始めません。」と言われ一日中血液が確保されるのを待つはめになりました。
 そしてこの血液抗体の影響は更にもう1つあったのです。響の黄疸(Jaundice)です。私の血液抗体が胎盤から響の血液に入ってしまったのを出来るだけ早く分解して尿に溶け易い形にして体外に排出する為に光線療法(Phototherapy)を受ける事になりました。

退院時の血液検査の結果で私と響の血液型が非常に不適合(Strongly incompatible)と出て退院翌日の夕方に響の黄疸の程度を調べる為に血液検査を受けに病院に戻りました。その場で結果が出る簡易検査では大丈夫という事でその日は帰宅しました。
 ところが翌朝6時に病院から電話がかかってきて、「本検査の結果、治療が必要なレベルであると判ったので今すぐ入院の準備をして来て下さい。」と言われてしまいました。そして朝の9時過ぎからその日の真夜中まで保育器に入って光線療法を受けました。
 授乳が必要な時と排泄時に泣くだけでそれ以外の時はほとんどおとなしく横になってくれていたので助かりました。それにしても午後8時頃の血液検査の結果、夜中には治療を中止して良いと言われた時はほっとしました。一晩中眠れないで看護かと覚悟していたので。

Google

View

肌を出来るだけ光線に晒す為におむつを付けない様にと言う割には本当に無いんだかケチってか替えの使い捨てシーツをなかなかくれないの!そこで手拭き用のペーパータオルを敷いていましたがとうとう助産師さんに紙おむつを下に敷いて使うように言われました。
 のどが乾くのか2時間置き位に授乳が必要になってその分排泄物も出るのでその度におむつを替えていたら大量に持って来たのに足りなくなりそうでした。結局替えのシーツは3枚、おむつも2枚、後は柔らかく吸水性のある薄いシートをひと掴みくれただけこれは酷いなと思いました。
 でもお医者さんや昼間の助産師さんは感じの良い人だったのでまあ堪えました。やっぱりNHSは資金繰りが苦しいと言っているけれどこういう所にも出るのでしょうか。とにかくたくさん排泄するのが良いので母乳だけでなく粉ミルクも足す様にお医者さんに言われていました。
 病院側で瓶入りの既に出来ているミルクに使い捨ての乳首をセットして使うのを用意してくれるのですが、これも4時間位毎に1本は必要になるのですがまとめてくれないんです。夜中に1度ブザーを押して夜間の助産師さんを呼んだら文句を言われました。
 「何人も面倒見てて忙しのよ。他の人よりは動けるんだから呼び出さないで自分から歩いて来てよ。」と。これにはしっかり言い返しましたけど。「もちろん忙しいスタッフに協力する気はあるけれど最初にブザーを使う様に指示されてその通りにしていただけです。」って。
 「別にあなたを叱りつけている訳じゃないのよ。」と言っていたけどもちろんスタッフは私を叱りつける立場にはありません。何かして欲しい事があるなら最初からはっきり説明して、要望があるならもっと礼儀正しく丁寧に頼めば良いのにね~。

翌朝の血液検査でも治療が必要無いレベルまでしっかり血清ビリルビン値だか抗体の量だかが減っているのが確認されたので退院できる事になりました。響は生まれてからビタミンKの注射を受けた他、両手の甲と両足の踵を血液検査の為に計7回も針で刺されてかわいそうでした。
 その上昨日自宅に来てくれた助産師さんに更に血液検査の為に針を刺されていました。今回のは鎌状赤血球かどうかの検査だったと思います。それにしても私は初めての出産ではないから良いけれど、助産師さんの訪問までに最初に退院してから1週間以上かかっているのは問題です。
 前回は翌日か翌々日位には来てくれて最初の3日間位は連続で来てくれたのに。問題と言えば出生届の提出もイギリスではまず予約を取ってから行かなくてはいけないのですが、5 年前はスンナリ提出出来たのに、今回はなんと8月8日ですよ~、予約が取れたのは!
 在英国日本国大使館で出生届を提出するにはイギリスの出生証明書が必要なので、手続きが出来るのは8月8日以降になります。期限は日本国外で出生した場合は出生の日から3ヶ月以内なので間に合うけれど。用紙は取りに行かなくてはなりません。ホームページからダウンロード可なら便利なのに。

最後に私の体調はまず出産直後に夫と娘に「まだもう1人入っている?」と言われたおなかは1週間以上過ぎて大分引っ込みました。また脚と足だけではなくて急に手と顔も浮腫んだのですがこれも収まって来ました。会陰切開の跡の痛み、授乳時の子宮収縮の痛みと出血はまだあります。
 授乳の時の痛みも皮膚が大分強くなってきたのか最初の10秒位で済む様になってきました。筋肉痛や腰の辺りの関節が緩んでしまったような感じも大分直って来ましたが、産後体操で徐々に鍛えてギックリ腰などにならないように気を付けたいと思います。
 つくづく出産と産後は痛みだらけだなと思いますが、下手をすればこれに帝王切開の傷の痛み、硬膜外麻酔の副作用というか後遺症の腰痛、乳腺炎の痛みなどもあったかも知れないです。それを思えばたまの痛み止めでがまん出来る範囲で良かったです。
 病院通いの他には産後5日目で響をベビーカーに載せて家族で近所の短い散歩、産後7日目で夫がどうしても出勤する必要があり私が香蓮の学校の送り迎えをしました。夏であまり身支度に時間をかけないで済むし学校まで徒歩3分なのも助かります。

以上簡潔にと思ったけれど結局は4回に渡って書いてしまった出産体験記でした。香蓮と響は姉弟なので似ている所も多くて当然ですが、生後間もなくでも既に個性の違いも観察できてなかなか面白いです。響の方が穏やかで良く眠りあまりぐずりません。
 特に香蓮に多少手荒に抱っこされても嫌がらないので第二子向きの子です!香蓮は赤ちゃんの時4才半年上の従姉妹に抱っこされると、1分も持たずに「ちょっと~、抱かれ心地が悪いんだけどどうにかしてよ~。」という感じで泣き出したものでした。

響が誕生してから (その1)

出産計画書には硬膜外麻酔を使いたいという希望の他、単なる好奇心から捨てる前に胎盤を見てみたいと書きましたが結局はもうどうでも良くて見ませんでした。あ、あと吸引分娩になるなら会陰切開をしてくださいと頼んだのは希望通りにして貰いました。
 前回も吸引分娩で自然に裂けたら中度でかなり長い事傷の痛みが強くて辛かったので、今度また吸引分娩になったら人工的に切開したらましかもと思ったのです。諸説あるんですよね~、自然に任せる方が早く直るとか人工的にした方が裂ける量が少なくて済むとか・・・。
 出産後約1週間経つ現段階での感想は人工的に切開した方が痛みは少ないです。前回は痛み止めを1日3回服用したけど今回は夕方だけで済んでいます。助産師さんによると、人工的な切開も筋肉まで切るので程度としては中度の裂傷と同じなのだそうですが。

お産の第3段階の胎盤の排出と会陰切開の縫合が終わった後も手術室でしばらく親子3人の時間を過ごしました。その後は分娩室に戻ったのですがその後産後病棟にベッドが見つからないという事でそこで仮眠を取りながら午前2時位まで待ちました。
 夫は産後病棟に落ち着くまでは付き添うつもりでしたが、彼も疲れ切っているし午前1時過ぎにナイトバスで家に帰って貰いました。ようやく産後病棟に移ったら4人部屋でも窓際のベッドが当たり、テムズ河と国会議事堂のビッグ・ベンとは反対側の端が見えました。
 響は分娩室で授乳をした後はずっとおとなしく眠っていて、時折音を立ててもよしよしと軽く撫でたり叩いたりするとまた眠りに戻りました。私も眠ったり起きたりしている間に夜空はすぐに白んで来ました。6月で日が1年で一番長いですからね、今は。

午前6時頃にはすっかり目が覚めて響を見ていました。吸引された頭のてっぺんが赤い痣になっていて痛そうでした。新生児特有のまるでアメーバかマトモスのマグマランプのマグマのような流動的に変わって行く表情や手足の動きを久しぶりに見て新鮮でした。
 周りの他の母子や響を起こさないように薄暗い中手ぶれするのを承知でフラッシュ無しで2、3枚写真を撮影。家で休息を取った夫は香蓮を連れてお昼前頃に病院に戻り、延々と退院手続きの書類を待った後、午後4時頃にようやく親子4人でタクシーに乗って家路につきました。

響が誕生するまで (その2)

Breakfast

産後病棟では朝食として紅茶がマグカップに1杯とトースト2枚がジャムとバターと共に配られるだけでしたが、私と夫が泊まったプライベートのこの分娩室ではコーヒーも選べて飲み物はポットに入って来ました。シリアルも選べたので夫用に頼んでしまいました。

夜中に分娩誘発の処置を受けてから眠りにつき翌朝7時に起床早々またモニターに繋がれた結果、弱いながらも定期的に陣痛が来ているのが分りました。紅茶、コーヒー、トーストの朝食の後にプライベートではない分娩室に移動、10時20分に人工破水の処置も受けました。これ、苦しくて痛かったです。

Bed

これが移動先の分娩室にあるベッドです。ここでお産の第1段階と第2段階を過ごしました。

Room

陣痛逃しにいろんな体勢が取れるように部屋の一部がカーペット敷きになっており掴まる為のポールや膝をつく為のマットなどが用意してありました。でも私はモニター(分娩監視装置)と点滴に常に繋がれていなくてはならなかったので使いませんでした。

陣痛を辛いと感じる様になったのは正午頃からで2時間半ほどは笑気ガスで堪えられました。陣痛促進剤の点滴は受けないで済んだからかも知れません。痛みが消える訳では無いけれど10%位は楽になって頭がボーッとする感じでした。
 前回のお産は破水から始まりましたが陣痛が付かず点滴で分娩を促進しました。その時は陣痛が強過ぎて笑気ガスは何の効果も感じられず即硬膜外麻酔を受けました。今回も午後2時半から硬膜外麻酔も受けました。でもあまり効かずに強くして貰うまでは笑気ガスも手放せませんでした。

Lunch

硬膜外麻酔を依頼する直前まで陣痛の合間に食べていた昼食。なぜか肉や魚を食べる気がしなかったのでパスタのホワイトソースとチーズかけを選びました。デザートもあっさりと桃の煮物に。でもさすがに完食は出来なかったです。

午後6時に子宮口全開になり麻酔も切れて来た所でいきみ始めました。この子宮口全開になるまでのお産の第1段階までは前回も今回も特に問題は無かったのですが・・・。赤ちゃんが産道を通って出て来るのがお産の第2段階ですが、その所要時間の上限はNHSでは1時間と決まっているのだそうです。
 麻酔のせいで100%ではないけれどそれでも陣痛を感じながらいきんだけれど響はなかなか降りて来ず。モニターや点滴に繋がれながらも姿勢を変えたりして、少しずつでもお産は進んでいるという事で所定の1時間と更に15分がんばったけれど遂に力も根気も尽きました。

その頃には麻酔は殆ど切れていた上にその為の点滴も外されていました。まずは吸引分娩を試すにしても最終的には帝王切開になるかも知れないという事で、帝王切開の危険についての説明を受けて承諾書に署名。その後ベッドごと手術室に運ばれました。
 笑気ガスはベッドと一緒にはついて来ないので移動中は使えず、硬膜外麻酔をまた取り付ける為に麻酔医を呼びに行っている間、多分10分もかかっていないはずだけれどとても苦しくて痛かったです。痛み止め無しで産む人は凄いです、私にはとても出来ません。
 手術室では強い陣痛のせいで笑気ガスさえまともに吸うのが大変で麻酔がまた効いて来るまでが最悪の辛さでした。吸引分娩もいきまないと赤ちゃんは出せないし、もし出て来なかったら帝王切開になると聞くと「あんなにがんばって押したのにな~。」と泣けて来ました。

吸引分娩の準備が出来て何回位いきんだのかハッキリ覚えていないのですがたぶん5回位で響はひっぱり出されました!午後8時32分でした。生まれてすぐに胸の所に連れて来て貰ったので抱っこして頭にキスをしたのですがもうクタクタでした。
 夫の「あ、エコー検査の予測が当たってた。男の子だよ。」と言っていたのは覚えているけれど響が産声を上げたかはもう記憶にありません!狭い所を通って来た上に吸引されたから頭の形がいびつになっているな、吸引された所が赤く痣になっているなと思いました。
 これは更に後で手術室から分娩室に戻されてから気がついたのですが、右耳も真っ平らに押しつぶされていました。頭にくっついてしまっているかと思われた程に。これも頭の形と一緒で 2、3日の内に徐々に普通の形に戻って行きました。
 普段は写真を撮るのが大好きな私ですが出産直後は響が無事に生まれてきてくれて良かった、普通分娩の辛さを味わった上に帝王切開の辛さも味わうはめにならなくて良かったというだけで十分でとてもじゃないけれどカメラを取り出す気になりませんでした。

夫はこの出産の間ずっと側で手を握って励ましてくれたし、担当の助産師さんも半分リタイアしているという年配の女性でとても暖かい人でした。もうシフトが終わっているのに手術室までついて来てくれて響の誕生後におめでとうのキスをしてくれました。

響が誕生するまで (その1)

お産の経過は第一子の時とかなり似ていました。前回も「三日三晩陣痛に苦しんだ。」という訳ではなかったので難産だったとは思わなかったのですが、今回は更に大変でひょっとして難産だったと言えるのかも知れないと考え直しました・・・。
 今回はその上に血液抗体の問題があって「万が一の場合を考えて2リットルの適合する輸血用の血液が見つかるまでは分娩誘発の処置を始めません。」と言われました。これがなんと総合病院内には無く、日本で言ったら日赤の血液事業部のような機関で探して貰いました。
 なので初日は朝8時半の予約通りに病院に行ったものの、時々胎児の心拍数と陣痛をモニターした他はただひたすら適合血液が見つかるのを待ち続けました。各ベッドにはテレビ兼インターネット兼電話が付いていたのでワールド・カップを見てました。
 テレビはもちろん病院内では携帯電話は使用禁止なので電話の機能も便利でした。通話料は普通の公衆電話より割高だけどベッドから自宅に電話が出来るし外からの電話を受ける事もできるし。でもインターネットはスピードが遅くてイライラするので使いませんでした。

TV1

テレビ兼インターネット兼電話を使うのに要るカードの販売機

TV2

テレビ兼インターネット兼電話を使ってサッカーを見ている夫

最初は出産前の病棟にベッドの空きがなかったので出産後のそれもなぜか重態の患者さんの部屋のベッドで待ちました。隣のベッドの女性が医師から受けている説明が聞こえて来て夫とともにゾッとしてしまいました。その内容というのは・・・。
 「帝王切開だと通常は赤ちゃんを取り出すまでは5分ですがあなたの場合30分かかりました。この赤ちゃんは何人目のお子さんですか?・・・そう。医師としてはこれで最後にしておく事を勧めます。次回の帝王切開では他の内蔵の機能の保証ができません・・・。」

午後5時40分になって本来ならプライベートの料金を支払って使う専用のバストイレ付きの個室に移動させて貰えました。同じNHSの病院の産後病棟の中にあるんですけどね。広いし夫が座る椅子もクッションの効いた快適なのがありました。
 昼食に引き続き夕食も私一人分だけ出て来るので私はそれを頂き、夫はサンドイッチを売店で買って来ました。食事の量が通常と大盛りで選べたので夫も一緒に食べられたらと大盛りに印を付けたけれど盛りつけはかなり少なかったです。
 その代わり味は予想外に良かったんですよ。それは入院中に食べたメニューの殆どがそうでした。暖かいし野菜に色と食感が残されていたし適度な味付けもしてありました。デザートはどれもイマイチだったけれど、ヨーグルトとか果物を選べば大丈夫でした。

Chair

かけ心地の良い椅子。就寝前には夫用に簡易ベッドも出してくれました。

Food1

昼食

Food2

夕食

その後は「携帯電話の番号を残して行けば近所に散歩に行っても構わないですよ。」と助産師さんに言われたのでテムズ河沿いをゆっくり歩きました。まさか夫まで泊まりがけになるとは思っていなかったので夫用の歯磨き道具を買い込みました。
 付近にはおみやげ物屋さんがたくさんあるので着替えに「安いTシャツでも買えば?」と言ったのですが、国旗模様のやサッカーのイングランドチームのTシャツは誰に見せる訳ではなくてもとても着る気になれないと拒否していました。

Riverbank

サウスバンクという名前の複合文化施設の前。最近改装されてカフェやレストランや本屋などが出来ました。写ってないけれど左はすぐにテムズ河です。

散歩後は私も夫もシャワーを浴びて早めに就寝。助産師さんからは「適合血液が到着次第真夜中でも分娩誘発の処置を始めましょう。」と説明を受けており、結局その通りになりました。処置後に胎児の心拍数と陣痛をモニターしてからまた眠りに戻りました。

男の子が誕生!

Hibiki

ご報告が遅くなりましたが第二子の男の子が誕生しました。ブログでの名前は響(ひびき)にします。響は38週1日(3840gmまたは8lb and 7.5oz)で生まれたのですが、40週7日(3360gmまたは7lb and 7oz)で生まれた第一子で女の子の香蓮より体重が500gm近くも多かったです。
 写真は生後2日目に撮影しましたがこの後に病院から血液検査の結果が思わしくないので再検査に来る様に言われ、翌日早朝にその結果が出て治療が必要と言われ再入院になりました。予定通りだったのは週の初めに分娩誘発の為に病院に到着した所までだけでした。
 次回は出産までの経過とこの響の受けた治療について書いてみたいと思います。一言で表せば私にとっても響にとっても「待ちと痛み」の数日間だったので簡単にと思うけれど私は話が長いので無理かも・・・。この週末に退院してようやく一息ついて家族一緒の時間を楽しんでいます。

お祭り気分

今週は週間天気予報も晴れのマーク続きで気温も23度位からジリジリと上がって来て、週末には29度になるそうです。職場は最上階で側面が全面ガラス張りで温室のようなのですが、風は割と涼しいせいかまだそんなに辛い目には遭っていません。今年は天井近くに4台の冷房機が設置されました。でもまだ工事中で稼働は15日から。でも私はその効果を体験する事は出来ません。今週半ばにあったエコー検査では赤ちゃんの健康が確認され私も健康なのですが、来週早々に分娩を誘発する事になったのです。
 母子ともに健康なのになぜ人工的に分娩を誘発する必要があるのかと思われましたか?それは私の血液にある抗体が原因です。お医者さんの説明は「もう妊娠37週に入っていて赤ちゃんも十分に成長している。現時点では大丈夫でも出産直前に母体の血液の抗体のレベルが急激に上昇する(→胎児に貧血その他の悪影響を及ぼす。)のは良くある事。だからその危険を冒しつつ予定日まで待つよりは母子共に健康な間に人工的に分娩を誘発するのは定石。」でした。
 それは昨日の午後遅くに決定されたのでまず直属の上司の一平太さんに報告してから退社。彼から会社の幹部には連絡が行ったと思います。それ以外の人にはこの朝職場の一斉メールで上記の事情を説明して、「急で済みませんが仕事上質問のある方は今日中にお願いします。」と連絡しました。それに対して「全てがうまく行きますように。」などとお返事がたくさん!そして退社時にみなさんにが私の周りに集って一平太さんと社長の巌さんから一言とかわいいお花の鉢植えを頂き大感激!

分娩を誘発する事に対してはがっかりした気持ちとホッとした気持ちが入り交じっています。今週に入ってからは更に膝下の浮腫みが酷くて昼前には既に象足になり、夕方には皮膚が伸びるせいかピリピリしてしまいました。夕食の用意以外は家事もせずにベッドに横になる日々でした。でもそれ以外はおなかが重いのもあまり苦にならず、娘や夫と一緒に胎動を感じたり赤ちゃんに話しかけたりと妊婦生活を100%満喫していたのでこれももうこの週末で終わりかと思うと悲しいです。
 でもまあ何日の朝何時に病院の出産病棟に行くと決まったので事前に娘の学校の送り迎えと子守りの手配ができました。夜中に産気づいてタクシーを呼んで上の子も連れて入院となる可能性も無く都合が良いですね。まだ購入していなかったベビーベッドの手配も済ませました。そして夫には「(ワールドカップサッカーの)イングランドの試合の日じゃなくて良かったね。」というと「え、そ、そんな事関係ないよ。」と言っていましたが。密かに喜んでいたのは明白!

今日は私は仕事が最後の日で担当のプロジェクトを終わらせたり引き継いだり最後のご挨拶をしたりで忙しいのに娘のお迎えは私の担当でした。なぜってご存知の通り今日がワールドカップサッカーの開戦の日でロンドンだとちょうどドイツ対コスタリカ戦は午後5時から始まったんです。夫は会社の同僚とパブに行って見て来ました。今はちょうどアイロンがけをしつつポーランド対エクアドール戦を見終わった所です。暑いので窓を開けているのでご近所さんも応援している様子が聞こえて来ました。
 社長さんの巌さんからも社内一斉メールで「来週の木曜日の午後3時半からイングランド対トリニダード=トバゴ戦を観戦する為に早退したい人はそうしても良いです。その代わり早出するか昼休みを取らずに働くなどして時間を埋め合わせてください。」と来ていましたし。きっとみんなで早退して大スクリーンのある近所のパブに繰り出して応援するんだろうな~。社内で賭けもしているし。1回1ポンドで32カ国の参加チームの名前を書いた紙切れを袋の中から引き、優勝した国のくじを引いた人が32ポンド貰えるという仕組みです。
 私が引いたのはスペインでした。最強のチームではないけど少しは優勝の可能性があるかな?デザイン部門の同僚の初音さんはスイスであまり希望は持てなさそう、蒼哉さんはスウェーデンでなかなか可能性がありそうです。部長の一平太さんは1回目に韓国だったのでもう1ポンド賭けて2回目はポーランド。それから更に3度目の挑戦でもどこだか忘れたけど微妙な国でした。しかもその手持ちの3カ国の内の2カ国が同士討ちをするスケジュールになっているそうです。か、かわいそう。

天気は良いし仕事は終わって私は6ヵ月の、夫は2週間の産休が始まります。週末には娘のお友達のお誕生日パーティーと私達のお友達の家でBBQをしながらイングランド対パラグアイ戦を観戦の予定が入っていて何だかお祭り気分です。でも浮かれてばかりも居られず、出産入院用のスーツケースの中身の点検とか出産計画書の作成もしなくてはいけないし、私達が外出中にはちょうどロンドン観光に来る義理の父とその兄が我が家でイ対パ戦を見たいそうなので家の片付けもしなくては。
 義理の父とその兄はなんでわざわざ我が家のテレビで観戦したいかというと午後2時からという開戦時刻のせいで自宅で見ようとすると観光の時間が殆どなくなるからです。そして2人ともイギリス人男性としては珍しくパブやビールが大好きではなくて、他人と大スクリーンを前に応援して連帯意識を楽しみたいというタイプでもないからなんです。家の居間で兄弟2人でゆっくりミルク・ティーでも飲みながら観戦した方が楽しめるんだそうです。なんだか想像して笑ってしまいました。