テムズ河の潮汐を眺めつつ -27ページ目

実家からの荷物

 

ありがとう!でもスムージーは送料が勿体ないからもう入れないで。私の苦手な豆乳入りだけど薬だと思って飲んでいる。お料理本も参考になる。元気な時期の最後に作って冷蔵冷凍しておけば翌週に温める位は透と子ども達もできると思う。毎日1.5リットルのペットボトル1本分のジュースを飲むのも厳しいな〜。でもできる範囲で作って飲んでみるね。

 

ウェスターハム(Westerham)

せっかくの良い天気の週末だから遠すぎないかわいい町を訪ねようと思いケント州のウェスターハム(Westerham)を選んだ。イギリスの第二次世界大戦時の保守党党首だったウィンストン・チャーチルの家で、現在はナショナル・トラストの管理下にあるチャートウェル(Chartwell)もある裕福な町だ。

 

 

子ども達の日本語レッスンの後に支度を済ませて家を出たのが午前11時過ぎで到着したのが12時過ぎ。町の駐車場は3時間無料だって。太っ腹!駐車してから隣の緑地を歩いてみた。響は木登り。

 

 

最近はどこの公園にも大人向けのジム・マシンがある。あると必ずひとしきり乗ってみる。それよりも!キャンパーのセールで買った新しいサンダル、色を合わせた爪も良いでしょう?!

 

 

ボーリング場の向こうに広がる丘。いかにもケント州っぽい。気持ちの良い開けた空間だ。

 

なぜかこの緑地でピクニックしたり児童公園で遊んでいる人達の大多数がインド亜大陸出身と思われた。この後に新興住宅地風な場所を通ったらあちこちからカレーとピラフライスのおいしそうな漂って来て、すれ違う人達がやはり全員インド亜大陸出身だった。ネットで調べても特に出て来ないけれど固まって住んでいるみたい。

 

 

メルヘンチックな民家。

 

 

白い漆喰の壁にこういう木の軸組が見えるのはチューダー朝式だけれどもあまりゆがんだりしていない。オリジナルではなくて後世にそれ風に作った建物だろうか。

 

 

ナポリ(Napoli)というイタリアン・レストランに入って昼ご飯にした。オーナーさんがとってもフレンドリーだった。

 

 

 

食事と一緒に半パイントのビールを飲む気になれる位に胃の容量が回復した!

 

 

鳥かごの中に鳥はいない。テーブルのすぐ側だしいても困るが。実家ではセキセイインコを飼っていたので、この白い物体は見覚えがあり懐かしい。調べたら私はずっと貝の1種だと思っていたのに実はイカの骨で名前はカトルボーンだそう。

 

 

私のメイン。冷凍じゃない、ちゃんと頭の付いた海老。ホセ(Jose)のにはかなわないがおいしかった。

 

 

透の仔牛肉は薄切りでトマトソースとチーズの海で溺れていた。値段の割にこれはちょっとがっかり。その他のポテトフライや響のソーセージ入りリングイーネはおいしかったって。

 

 

チャリティーショップで膝上丈のワンピースをゲット〜!私が好きなブランドので新品同様である。12.50ポンド(約1800円)は元値の4分の1位だ。緑のトップに白地に緑の模様入りスカーフを巻いている私がいかにも気に入りそうな配色のワンピース。

 

 

 

 

 

スチーマー・トレーディング(Steamer Traiding)は私達夫婦のお気に入りの町、ルイス(Lewes)にもある。思ったんだけどこのお店のショップ・リストを頼りにドライブしてみたら良いかも。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最後にまた駐車場の側の緑地で無料駐車期限ギリギリまでミニ・ピクニックを楽しんだ。飲み物は紅茶みたいに見えるのは実は熱い玄米茶。水筒に入れて時間が経つと色が変わっちゃうのよね。手前は冷たい麦茶。パウンド・ケーキはお友達のMさんのママの手作り。おいしゅうございました!

 

抗がん剤治療サイクル2の副作用と経過

はじめに

私の病気は腹膜転移のあるステージ4の胃腺癌(印鑑細胞癌/スキルス胃がん)で診断が出たのは2018年5月16日だった。余命は延命治療をしないと6ヶ月で、しても平均で12ヶ月というもの。HER2タンパクの検査結果は過剰発現無し。胃がんの他は健康。 運動不足で平日の夕食後にソファーで寝落ちはあったが、日常生活に問題なくフルタイムで働き家事育児も夫と協力してこなして来ていた。体型は日本だとLサイズ、イギリスだとS/Mサイズ。非喫煙者。

 2018年5月21日からECX抗がん剤治療で延命治療を受けている。薬の組み合わせはエピルビシン(Epirubicin)とシスプラチン(Cisplatin)カペシタビン(Capecitabine)。初日に病院で注射でシスプラチン、点滴でエピルビシンの投与を受けて、翌日日から3日は自宅で各種の吐き気止めと共にカペシタビンの錠剤を朝食と夕食後に服用する。4日目以降最終日の21日目まではカペシタビンの錠剤のみを朝食と夕食後に服用する。

 

初日(月曜日)

病院でシスプラチン、点滴でエピルビシンの投与を受けた。前回同様にコールドキャップをはめたまま昼食を食べるのが辛かった。恐れていた食後の30秒毎のゲップは起こらず。昼にスープとパンとスモークサーモンとグリーンサラダを食べた。初日の時点では吐き気はないのに翌日以降気持ち悪い時にそれを思い出していたら、これまで好きだったのにもうスモークサーモンとグリーンサラダの事を考えるだけで嫌になった。

 

2日目(火曜日)

夜中に何度も目が覚めるのはこれまでと変わらず。前回はあったゲップと胃液の上昇が今回は無い!でも用心して枕を数個積み上げて上体を起こして眠るのは続けている。食欲不振。また食べられるのは少量のお茶漬けか素うどんだけに。油気のあるものは一切食べる気がしない。前回同様に常にうっすらと気持ち悪い。最初の3日位は飲む吐き気止めの種類が多い。前回に比べたら余裕があり自分で薬を見て飲めるようになった。

 

3日目(水曜日)

基本前日と変わらぬ日々。夜中に何度も目が覚める、食欲不振、前回同様にこの日から2日間に渡り手足が少しだけ痒くなる、ベッドを離れる元気なし。常にうっすらと気持ち悪いけれど吐くまでは行かず。抗がん剤が効いて胃のがんが縮まって症状が改善しているのか。それはとても嬉しいけれど、いつか抗がん剤が効かなくになって『アルジャーノンに花束を』みたいにまた逆に悪化して行く過程が来るのかと思うと気が重い。

 

4日目(木曜日)

前回同様にこの日まで自宅勤務で看病してくれていた夫が会社に戻り、私の薬の量もこの日から減る。夜中に何度も目が覚める、食欲不振、手足が少しだけ痒い、ベッドを離れる元気なし。お通じが来なくて焦ったけれども病院にどうしたら良いか電話して折り返しを待っている間にあった。それよりもショックだったのは脱毛が始まった事。枕に付くし、洗髪でもごそっと抜けた。2匹の猫の毛に加わって家中の床にも私の髪の毛が落ちる。先週の水曜日に美容院に行ってカットして貰ったヘアスタイル、1週間しか保たなかった。昼寝を挟みながらずっと日本のテレビを見続ける。前回より早くこの日の終わりで吐き気止めの薬を2種類の服用も止めた。これは後悔。必要なさそうに感じても、次回は7日目までは服用を続けようと思う。

 

5日目(金曜日)基本前日と変わらぬ日々。夜中に何度も目が覚める、食欲不振、手足の痒みは治る、ベッドを離れる元気なし。うっすらと気持ちが悪い。

 

6日目(土曜日) 夜中に何度も目が覚める、食欲は少し戻った。日中に少し居間に降りて行く元気は出た。うっすらと気持ちが悪い。吐き気止めの薬の内、眠くならない方の服用をまた始めた。料理もなんとか少しはできるけどクッカー前に立って材料が煮えるのを待つ体力が無い。包丁を使う手にも力が入らない。

 

7日目(日曜日)夜中に何度も目が覚める、食欲は少し戻っているが、前回同様に家族の誰かが料理する時にうっかり台所のドアを閉め忘れると匂いで気持ちが悪くなる。日中に少し居間に降りて行く元気はあるけれどすぐに疲れてベッドに戻る。

 

8日目(月曜日)夜中に頻回目が覚める、前回と同様に午前中、コンピューターに向かって座っていられるようになった。でも午後には疲れてしまったのでベッドに戻りテレビを観たり昼寝をしたり。髪の毛が抜け続けているし、なんだか前回に比べて体に力が入るようになるのが遅いと悲観的になる。ひょっとして前回ほどに元気に暮らせる期間はもう来ないんじゃないかと。まだまだ終活は終わっていないのに。

 

9日目(火曜日)
夜中に頻回眼が覚めるのは続く。ゲップや胃液が上がって来る頻度が激減したので枕の数も通常に戻した。疲れ易い以外はゆっくりとであれば家事も出来て普通の日常生活が送れるようになった。吐き気止めの薬の服用を止めた。食べられる量が一人前の1/4から1/3だったのが1/2から3/4に改善して来ている。午前と午後の食間にできるだけヨーグルト、果物、クッキー、ポテトスナック菓子などのおやつを食べるようにしている。

 

10日目(水曜日)

夜に目が覚める回数が2回に減った。夫の提案で1回の食事量を増やしてみたら結構行ける。以前はちょっとでも食べ過ぎると苦しくなったり吐いたりしたのに。胃がんの症状を感じる前の食事量に戻った。嬉しい。これは抗がん剤が効いて胃がんが縮んでいるからかな。10%減ってしまった体重を戻す為にせっせと間食に励む。やっと来たしばらく元気でいられる時期!

 

11日目(木曜日)

前日と同じ。

 

12日目(金曜日)

前日と同じ、だが洗髪したら1週間前の比ではない量の毛が抜けて洗い終わるまでに排水口が数回詰まった。後頭部の裾を中心に大分スカスカになってしまった。凹む。夫はまだ知らない人に違いは分からないよと言うが、帽子かスカーフ必須になるのは時間の問題。

 

13日目(土曜日)から16日目(火曜日)

体重を戻す為にせっせと食べているのに体重ってそう簡単には増えない。0.5kigだけ増えた。髪も毎日毎日抜けて大分薄くなって来た。

 

 

17日目(水曜日)

微熱37度2分。

 

18日目(木曜日)

日中3時間外出して帰宅してから即昼寝。目覚めたら熱っぽく頭痛もするので体温を計ったら37度8分まで上がっていた。病院に電話して相談。辛くなくて38度を越えていないので水分補給して自宅で経過を観察する事になった。具合が悪くなったり熱が38度を越えたら病院送りになる。

 

19日目(金曜日)から20日目(土曜日)

熱は37度2分と37度8分の間を行ったり来たり。それでも割と元気。熱っぽくなったらベッドで休憩した。

 

21日目(日曜日)

微熱37度4分。自宅に職場の友人が訪ねて来て、その後近所の公園での集団ピクニックに参加、更に家族で夕食の外食。元気でいられる最終日に予定が立て込んでいた。途中で具合悪くなったらキャンセルと思っていたのに全部行けて帰宅後も大丈夫だった。熱は37度1分に下がっていた。久しぶりにお友達と会って気分が上がったら免疫力もう向上したのかな。

手作りの焼き菓子と和菓子をいただく

 

近所のお友達Mさんが手作りの焼き菓子の他和菓子を持って来てくださった。お菓子を焼いたり買い求めたりして日本から運んでくださったMさんのご両親も本当にありがとうございます。Mさんからは前の週にもお赤飯を分けていただいた。小豆のタンパク質ともち米で体にエネルギーを取り入れられている感じがした。こちらもありがとうございました。

 

この日は洗髪で髪が大量に抜けて心が弱っていた所に、手作りのケーキの優しい甘い味が心に染み入った。上の写真で1部空きがあるのはそのせい。

 

 

翌朝冷蔵庫の中にみたらし団子と豆腐も入っていた。お豆腐、家族が嫌がるので長らくメニューに取り入れていなかった。主治医からもタンパク質を多く取るように言われている。これからもっと食べるようにしよう。

 

 

実家から送って貰った香ばしい玄米茶と一緒に朝のおやつとしていただいた。10%減ってしまった体重を戻そうと、毎日3食の他に朝と午後に必ず間食をするようにしている。

抗がん剤治療の副作用の脱毛が始まる

2018年6月11日に抗がん剤治療の2サイクル目に入りしばらくして、枕に髪の毛がウヨウヨとつくようになって来た。看護師さんの言いつけを守り、洗髪の回数を抑えていたけれども1週間で限界で洗ったら手に抜け毛がまとわりついた。その後も1番辛い時期が過ぎて日中ベッドを離れるようになると肩に床にハラハラと抜け毛が落ちて行く。

 

今日また1週間ぶりに洗髪をしたらどんなに優しく洗っても大量に脱毛して排水口が詰まった。詰まったのを回収してを数回は繰り返しただろうか。抗がん剤治療の副作用で脱毛は起きると知っていても現実に起こると大ショックで泣きながらシャワーを浴びた。こんもりと山になってしまった抜け毛は香蓮が片付けてくれた。ありがとう。

 

脱毛が始まってすぐに実家に連絡して、以前から目星を付けていた医療用カツラを買って送ってとお願いした。でもこの勢いで脱毛が続いたら到着前にマダラに地肌が露出してしまいそう。夏なんかカツラが暑くて面倒な時もあるだろうから、好きでたくさん持っているストールを頭に巻く方法を研究しなくてはいけないな。

手抜きタイグリーンカレー

 

以前も紹介した事のあるタイグリーンカレーの缶詰が、今回シーウー(See Woo)に行ったらレトルトパックに包装が変更になっていた。まだレトルトパックの方の味は試していないがきっと味は同じだと思う。タケノコの刻んだのがたくさん入っている。そこに好きな肉や野菜を加えたら出来上がり。値段も変わらず確か1.5ポンド(約218円)以下だったはず。

 

抗がん剤の点滴の後丸2週間近く経つとタイグリーンカレーも食べる気になる。で、食べた!

香蓮がカレッジのコース代表でコンペへ

会場のカレッジは遠くて交通の不便な所にあるので、香蓮は午前7時40分に家を出て午前9時の受付に間に合うようにした。コンペはその場で出された3Dモデルの課題を午前10時から午後4時まで、途中1時間の昼食休み時間を挟んで実質5時間で制作して提出するという物だ。

 

コンペを終えた香蓮からは時間内に完成できずと連絡があった。それは残念だ。でも最後まで諦めずに完成させようと努力した所が偉い。今回は失敗でもこの経験は将来また挑戦する時の役に立つはず。課題から現実的に何をどのレベルで作るかの決め方や時間配分とか。

 

香蓮のコースからは香蓮ともう1人が参加してその場には19名の生徒達が居てグラスゴーから来ている人も居たそうだ。ちなみに課題はローラースケートだった。香蓮はコースでスケボーを作るのに2週間かかったのに、更に複雑なローラースケートはとてもじゃないけど無理だったって。

 

ここから上位10名が選ばれて次の段階に進むそう。他にも完成できなかった人は居たというから、ひょっとしたらまだ呼ばれるかも。結果が出るのは2、3週間も後だそう。審査にそんなに時間をかけるなんて驚き。

 

コンペの後に香蓮はカレッジに戻りコース1年目の成績を受け取った。結果はDistinction(ディスティンクション)!成績は上からDistinction、Merit、Pass、Failがあって、Distinctionは非常に優秀な生徒だけに与えられるので、進学や就職活動の時に履歴書に書いてアピールポイントにできる。おめでとう!

抗がん剤治療サイクル1の副作用と経過

はじめに

私の病気は腹膜転移のあるステージ4の胃腺癌(印鑑細胞癌/スキルス胃がん)で診断が出たのは2018年5月16日だった。余命は延命治療をしないと6ヶ月で、しても平均で12ヶ月というもの。HER2タンパクの検査結果は過剰発現無し。胃がんの他は健康。 運動不足で平日の夕食後にソファーで寝落ちはあったが、日常生活に問題なくフルタイムで働き家事育児も夫と協力してこなして来ていた。体型は日本だとLサイズ、イギリスだとS/Mサイズ。非喫煙者。

 2018年5月21日からECX抗がん剤治療で延命治療を受けている。薬の組み合わせはエピルビシン(Epirubicin)とシスプラチン(Cisplatin)カペシタビン(Capecitabine)。初日に病院で注射でシスプラチン、点滴でエピルビシンの投与を受けて、翌日日から3日は自宅で各種の吐き気止めと共にカペシタビンの錠剤を朝食と夕食後に服用する。4日目以降最終日の21日目まではカペシタビンの錠剤のみを朝食と夕食後に服用する。

 

初日(月曜日)

病院で注射でシスプラチン、点滴でエピルビシンの投与を受けた。コールドキャップはその名の通り冷たいし頭皮に密着させる為にあごにバンドをかけてしめているので、口が開きにくくはめたまま昼食を食べるのが辛かった。食後から30秒毎のゲップが止まらなくなり気持ち悪くなって吐いた。 これは抗がん剤への反応としては早すぎるのでと看護師さんは言っていた。胃がんの症状だね、きっと。

 

2日目(火曜日)

帰宅後深夜にベッドで1時間毎程の頻度で目が覚めたが、その度にすぐに眠りに戻った。ゲップが出ると胃液も上がって苦い味がする。抗がん剤治療に入る前からそうだったけれど、枕を数個積み上げて上体を起こして眠っている。日中もトイレ以外はずっとベッドから離れられず、テレビで1975年制作の映画、『潮騒』その他を観てやり過ごす。吐き気止めには眠くなる作用があるようでしょっちゅう寝落ちした。食べられるのは少量のお茶漬けか素うどんだけ。油気のあるものは一切食べる気がしない。最初の3日位は飲む吐き気止めの種類が多くて自分1人では管理できなかった。夫に手渡されるままに服用するのがやっと。

 

3日目(水曜日)

基本前日と変わらぬ日々。夜中に何度も目が覚める、ゲップと胃液の上昇、食欲不振、手足が少しだけ痒い、ベッドを離れる元気なし。昨日に引き続き三浦友和さんと山口百恵さんシリーズで、この日はテレビで1972年版の映画、『伊豆の踊り子』を観た。胃液が上がって来てとうとう吐いてしまった。

 

4日目(木曜日)

夫はこの日まで自宅勤務で看病してくれていたが、この日から会社に戻った。薬の量が減った他は基本前日と変わらぬ日々。夜中に何度も目が覚める、ゲップと胃液の上昇、食欲不振、手足が少しだけ痒い、ベッドを離れる元気なし。昼寝を挟みながらずっと日本のテレビを見続ける。日本のテレビはどの番組も食レポが入リ、それが油っぽい料理だったり大盛りだったりすると見るのが辛い。まるで二日酔いの時にアルコール飲料を見るのも辛い時見たい。お通じが来ないのでいつものおなかを壊さない鉄の錠剤ではなくて、わざと安いのを飲んでみた。これ、悪いアイディアだった。

 

5日目(金曜日) 早朝から昼過ぎにかけて下痢が止まらずに何度もトイレに駆け込んだ。ベッドから離れて居間に座ってもすぐに疲れてしまう。椅子に座ってコンピューターに向かおうとするとまるで腹筋と背筋がなくなったみたいに不安定で数分であきらめた。夜中に何度も目が覚める、ゲップと胃液の上昇、食欲不振、手足の痒みは治った。吐き気はほぼ消えた気がするけれども一応吐き気止めの薬を2種類の服用を続ける。

 

6日目(土曜日) 夜中に頻回眼が覚める、ゲップと胃液の上昇は続く。食欲は少し戻り、お通じは普通に戻る。日中に居間に降りて行く元気は出る。ウナギの蒲焼きが食べたい。アジの干物が食べたい。でも街の中心まで買いに行くエネルギーは絶対にない。その代わりにと言ってはあまりに遠いけれど、日本から送って貰ったカッパえびせんは食べられた。料理もなんとか少しはできるけどクッカー前に立って材料が煮えるのを待つ体力が無い。メロンを切るにも手に力が入らない。

 

7日目(日曜日)

夜中に頻回眼が覚める、ゲップと胃液の上昇は続く。食欲は少し戻っているが、家族の誰かが料理する時にうっかり台所のドアを閉め忘れると匂いで気持ちが悪くなる。ニンニクの匂いは想像するだけで気持ち悪くなる。フォーが食べたいけれど一人前は食べられないし、レストランで椅子に座って注文して待って食べて帰って来る体力は無い。そこでベトナム料理の出前をとった。チキン、ビーフ、エビの乗ったフォーがしみじみおいしかった。

 

8日目(月曜日)

夜中に頻回眼が覚める、ゲップと胃液の上昇は続く。前日の出前で手をつけられなかったエビ生春巻きを食べる。午前中、コンピューターに向かって座っていられるようになった。でも午後には疲れてしまったのでベッドに戻りテレビを観たり昼寝をしたり。この日で吐き気止めの薬を2種類の服用を止めた。

 

9日目(火曜日)以降

以降 夜中に頻回眼が覚めるのはカペシタビンの副作用なのかも。これだけはずっと続く。でも起きても下手に何かを考え始めない限りはすぐ眠りに戻れるし、日中も昼寝ができるので問題なし。ゲップと胃液の上昇はいつの間にか治って行った。疲れ易い以外はゆっくりとであれば家事も出来て普通の日常生活が送れるようになった。

末期胃がんの診断後に治療について勉強

はじめに

標準治療とは科学的根拠に基づき推奨される治療で、がんの標準治療は基本的に手術、化学療法(抗がん剤治療)、放射線治療の3つ。

 

私の健康維持や病気治療への趣味趣向

私はがんの専門医が最適だと判断して薦めてくれる治療法に従う。他にも効果の十分に証明されていない最新の遺伝子療法、免疫療法、治験中の薬があるのは知っているけれどもまずは科学的に効果が証明されていて効く可能性が1番高い治療法を試さない理由がない。西洋医学の力を信じている。

 バクテリアで炎症が起きれば医師に処方された抗生物質を、カゼの症状が辛ければ薬局でパラセタモール(アセトアミノフェン)を買って服用して来た。子ども達の予防注射も自分で調べて納得して全部受けさせて来た。救命に必要な場合は輸血ももちろん受ける。
 元々健康オタクではなく、オーガニック食品にも拘らない。健康食品に興味はない。自然派化粧品にも惹かれず。ホメオパシーも信じない。このカテゴリーの中で生活に取り入れているのはハーブ、アロマキャンドル、瞑想のリラックス効果と、貧血気味なのを解消する為に服用していた鉄分補給の為の錠剤ぐらいだ。試した事はないけれど針やマッサージや場合によっては漢方薬も否定しない。
 
診断と治療方針
腹膜転移のあるステージ4の胃腺癌(印鑑細胞癌/スキルス胃がん)で余命は延命治療をしないと6ヶ月で、しても平均で12ヶ月というもの。HER2タンパクの検査結果は過剰発現無し。胃がんの他は健康。私に示されたのはECX抗がん剤治療だった。
 
ECX抗がん剤治療
薬の組み合わせはエピルビシン(Epirubicin)とシスプラチン(Cisplatin)カペシタビン(Capecitabine)。初日に病院で注射でシスプラチン、点滴でエピルビシンの投与を受けて、火曜日からは自宅で各種の吐き気止めと共にカペシタビンの錠剤を朝食と夕食後に服用する。1サイクルが3週間でそれを連続的にこれから4回受けて終わったらスキャンで効き目を確認、その後また同じか違う薬で抗がん剤治療を受ける事になる。
 この3つの薬の組み合わせは日本では行われていないみたい。検索してもシスプラチンとカペシタビンの2薬の組み合わせしか出てこない。TS-1という薬の方が一般的のよう。どうしてなのかまでは私には分からない。
 ECX抗がん剤治療では40-50%の確率でがんが縮み、更に30%では縮むまでは行かなくても進行が止まるそう。6ヶ月かそれ以上の長さでがんの進行が停止しているようなら、また同じ薬の組み合わせで抗がん剤治療を続けるが効くのは6から8サイクルまで。その後は似た別の薬の組み合わせでまた抗がん剤治療をする。もしがんの進行が停止期間が短いならパクリタキセル(Paclitaxel)という薬を使う。
 私の人生最後の野望は死ぬ前にもう1度イギリスの家族と日本に里帰りして、観光や食事を楽しむ事だ。それで医師に相談して、抗がん剤が効いているかどうか全4サイクル終わるまで待たずに3サイクル後でスキャンをする事になった。4サイクルが8月12日に終わった後に3週間イギリス国内で待機して、免疫低下による病気が出ていないと確認できたら旅行の許可を出して貰えるそう。
 
日本での最新の治療法群
公立病院で保険を使って受けられる治療の他に、がんの治療で検索すると山のような遺伝子治療や免疫治療の数々が出てくる。どれもプライベートのクリニックで高額な医療費を自己負担しないと受けられない。ホームページにはがんが消失したなんて魅力的な言葉も踊るけれど、その成功率が何%なのかは書いていない。眼科の片隅でがんの標準治療は一切行わず最新医療だけを提供するとか怪し過ぎる。藁にもすがる思いで行く日も来るのかもしれないが、今の所は効果が不確かな治療にひと財産使うよりは夫と子ども達の今後の生活の為に残してやりたいと思う。
 自分で調べたり主治医に質問したりする他、両親、友人まで動員して知り合いの医療関係者やがん相談センターに行って最新治療法群について聞いて貰った。本当にありがとう。その結果私が標準治療の他にやってみようと思っているのはがんの遺伝子分析と免疫治療の中でも免疫チェックポイント阻害剤(オプジーポなど)を使った治療だ。後者は数ある免疫治療の中で唯一がんの標準治療に含まれているので効果が期待できると思う。
 私の主治医の意見は「日本で高価な割に科学的に効くという証拠がまだ十分にない遺伝子治療や免疫治療を受けるよりは、イギリスの臨床治験に参加した方が良い。」でその通りだと思う。
 
がんの遺伝子分析
まずがんの標本を分析して遺伝子変異を見つける。がんの原因になっている変異を特定できて、それに効果のある分子標的薬があれば延命に使える。ただ遺伝子変異が複数ある場合も多くどれががんの原因かを特定できる確率は45%だ。その中に入っても承認薬または臨床試験中の薬の見つかる確率は10%とかなり低い。でも1度やっておけば研究が進んでがんの原因となる変異が特定できたり、それに効果のある新しい分子標的薬が出て来たら即試せる。アメリカではこの分野のがん治療をPrecision medicineと呼んでいて、論文と遺伝子分析の結果をワトソンというAIに読み込ませて人間では特定が不可能だったがんの原因遺伝子の特定や効く薬の特定に成果をあげているそう。アメリカで発見があったらその情報は全世界でシェアされるだろうから私の治療にも役立つかも。
 日本では北海道大学病院の他4病院程で行われていて遺伝子分析を国内の分析所でする場合とアメリカの分析所に送ってやって貰う場合があるらしい。値段も幅があるが大体60万円から100万円。イギリスでも実は遺伝子分析を受けられる。私のがん専門医によると保険で賄えるとは限らないが自費でだったらイギリスのHCA Healthcareで受けられる。費用は日本より安い3000ポンド(約44万円)。
 
がんの免疫治療
私のがん専門医によると日本で進んでいる免疫チェックポイント阻害剤(Checkpoint Inhibitors、オプジーポなど)を使った治療法が、今年の夏頃にイギリスでも使えるようになるそうだ。もし来なかったったら日本滞在中に受ける治療はこの免疫チェックポイント阻害剤を使ったものにする。
 
参考になった番組やホームページへのリンク
 


 

 

NHKスペシャル “がん治療革命”が始まった ~プレシジョン・メディシンの衝撃~ 初回放送: 2016年11月20日(日) 午後9時00分~9時49分

 
 

末期胃がんの診断までの経緯(後半)

3月中旬以降はもう空腹感は起きなくなってしまった。代わりに胃が気持ち悪くなったり痛くなったりする。そしてやたらとゲップが出てそれも下手すると胃液が出てきそうで苦い味がする。就寝時には枕を4つ5つ積み上げて上体を起こして眠らないと、胃液が簡単に喉に鼻にと上がってくる。1回の食事量もこれまでの1/3とか1/4に減った。
 
ここからは検査と診断の経過を箇条書きにする。
 
2018年3月20日 
GP受診1回目。問診触診、血液検査を受ける。
 
2018年3月26日 
胃カメラ1回目。病理検査も受ける。
食道は異常なし。胃壁の進展不良。胃側3分の1の十二指腸も異常なし。ピロリ菌発見。
ピロリ菌除去の為の薬と胃酸を抑える薬を2週間服用する事になった。病理検査ではがんは発見されず。
 
2018年4月6日 
GP受診2回目。問診触診、血液検査を受ける。
昼食後に自宅で吐く。
 
2018年4月7日
CTスキャン検査。
結果は知らない。
 
2018年4月12日
食事量をごく少量にと気をつけて味見しかしなかったのに、職場の同僚と外食した後に職場のトイレで吐く。
 
2018年4月20日
胃カメラ2回目。病理検査も受ける。
胃壁全体が厚くなっていて胃粘膜に浮腫がある。噴門はいびつになりそれが消化機能に影響して食物が残っている。胃カメラはなんとか幽門を通過できた。胃粘膜全体が異常に見えピロリ菌は除菌済にもかかわらず改善が見られない。色素内視検査でははっきりとした形成異常の粘膜病変を発見できず。そこで胃の噴門と胃の本体の標本組織を採取した。スキルス胃がんかMALTリンパ腫の疑い。
 
2018年4月23日
GP受診3回目。問診触診、血液検査を受ける。
胃カメラ検査直後に渡された報告書の中でピロリ菌の除菌済とあるけれど、その根拠が知りたかったから。なんでもリトマス試験紙みたいなので、胃カメラ中にすぐその場でまだ菌があるかないか分かる検査があるのだそう。
 
2018年4月25日
胃ではなくて胃の横が痛くなり夜中に目が覚め眠れない。NHS(注2)の相談電話にかけた結果、救急に行くよりは朝まで鎮痛薬などでやり過ごしてGPに行くように言われる。それで一旦眠りに戻ったものの陣痛並の激しい痛みに再び目が覚めた。吐き気はなかったのに急にこみ上げて来て吐いたらなぜか痛みが治まった。
 
2018年4月26日
GP受診4回目。問診触診、尿検査を受ける。
前日の激しい痛みについて相談。もしまた夜中に同様の症状が起きた場合に駆け込むべき病院を教えてくれて、そこに持って行く紹介状を念の為に書いてくれた。それとNHSでよりも早く検査や診断が進むのではとプライベートのがん専門医への紹介状も書いて貰う。
 
2018年4月30日
NHSの専門医受診1回目。
4月20日に受けた2回目の胃カメラ検査時の病理検査の結果、がんが見つかった。スキルス胃がんであるとの診断、ただし進行度については5月2日にNHSの消化器系がんの基幹病院でMDM(注3)にかけるまでは教えられないと言われる。このR先生は行く予定にしているプライベートの病院でも働いている事が判明。
 
2018年5月2日
NHSのがん専門看護師に電話。
MDMの後にかけた。進行度は電話で教えられないが更に2つ検査を受ける事が決まったと知らされる。
 
2018年5月4日
プライベートの専門医受診1回目。
このM先生はR先生と同様にセカンドオピニオンを貰いに行く予定のプライベートの病院でも働いている事が判明。NHSのMDMの結果ではスキルス胃がんはリンパ節に広がってはいるがまだ治療可能との診断。その場合は抗がん剤治療、胃の全摘手術、更に抗がん剤治療となる。これから腹腔鏡検査とPETスキャン検査をしてその結果で診断を確定する。M先生によると私のタイプのがんはPETスキャン検査には良く写らないので重要なのは腹腔鏡検査の結果だと言われた。当日中にプライベートの腹腔鏡検査の専門医にも紹介される。
 
2018年5月8日
腹腔鏡検査。生体検査とHER2の検査も受ける。
NHSの病院の施設でNHSの患者が終わった後にプライベートで滑り込む。全身麻酔から覚めたら、ヘソとその両側に透明のノリで閉じた小さな傷が3ヶ所あった。NHSとプライベートの違いは待合室の場所と検査予約までの待ち日数だけ。行われる施設も執刀する先生も同じ人。
 
2018年5月10日
PETスキャン検査。これはどういう訳かプライベートではなくてNHSで予約が入っていた。NHSでも完成したてのがんセンターで待合室もピカピカだった。私以外の患者さん達は全員白髪頭のお年寄りだったのが印象的だった。
 
2018年5月16日
プライベートの専門医受診2回目。
診断は胃腺癌(Gastric Adenocarcinoma)、腹膜転移(Peritoneal Metastases)。特徴は通常の組織と見分けがつきにくく(Poorly Differenciated)、印環細胞癌(Signet Ring Cells)、スキルス胃がん(Linitis)の様に見える(Appearance)。
 胃の外、腹膜にまで既にがんが広がっているステージ4の為、根治を目指した手術はできずに抗がん剤による延命治療のみを行う。余命は延命治療をしないと6ヶ月で、しても平均で12ヶ月。
 セカンドオピニオンについては求めないことにした。理由その1はNHSの病院でも私の医療保険で費用を賄えるプライベートの病院でも担当は同じ先生方だから。理由その2はMDM(注3)ではロンドン全域から専門医達が集まって診断しているから。わざわざ私の保険の効かない自宅から遠く離れたロンドン外のプライベート病院まで行かない限り、セカンドオピニオンをくれる先生は多分既にMDMに参加して意見を述べている。
 HER2タンパク(注4)の検査結果は過剰発現無し。もし過剰発現していればトラスツマブ(商品名:ハーセプチン)という抗癌剤で、HER2タンパクを標的とした抗体医薬を治療に使う事になったはず。
 私のタイプの胃がんは珍しく遺伝性がある場合があるのでその検査もして貰う。私の妹と子ども達の為に。
 その場で翌週5月21日から抗がん剤治療に入る事が決まった。
 
4月30日に最初に胃がんだと言われてから、これまでの人生で最長の様に感じた半月が終わった。
 
注1:  GP(General Practice、地域のかかりつけ医)
注2:  NHS(National Health Service、国民保健サービス。基本無料。)
注3:  MDM(The Multidisciplinary Meeting、看護師、検査技師、各種専門医などが集まって検査結果から診断を導く。分野の違う医療専門家集団による診断で見落としや誤診を防ぐ。)
注4: HER2(Human Epidermal Growth Factor Receptor-2、ヒト上皮増殖因子受容体2。 )