『家族』 (1970) 山田洋次監督 | FLICKS FREAK

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いやぁ、映画って本当にいいもんですね~


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長崎沖の離島伊王島。そこに住む風見精一は、会社の倒産を機に長年の夢だった北海道開拓として酪農をするため、島を出ることを決意する。妻民子の反対により、当初は精一が単身で移住するはずだったが、精一の決意は固く、民子が折れて結局はおさなご2人を含む家族で移住することになった。長先行きの連絡船から急行列車に乗り込み、弟の住む福山を目指す。苛酷な冬と開拓の労苦を老いた父源蔵には負わせたくないと思い、その弟に預ける予定だったが、弟夫婦は必ずしも歓迎していないことを知って、家族五人はふたたび北海道へと旅立っていった。新大阪から新幹線に乗り、東京に着くと赤ん坊の長女早苗が長旅の疲れで具合を悪くする。やっと捜し当てた救急病院に馳け込むが、すでに手遅れとなり長女は死んでしまった。悲嘆に暮れる間もなく火葬を取り急ぎ済まし、気持ちの整理ができぬまま、列車と青函連絡船を乗り継いで、北海道に渡る。まだ雪深い夜の中、やっとの思いで終点の中標津にたどり着いた頃には、一家は疲れ果てていた。次の日の晩、地元の人々から歓待を受けた源蔵は上機嫌で炭坑節を歌い、一家はようやく落ち着くかのようにみえた。しかし、源蔵はその夜更け、長旅の労苦がつのったためか、眠るように生涯を終えた。家族2人を失い後悔と悲嘆にくれる精一を、民子は「やがてここにも春が来て、一面の花が咲く」と慰め励ます。やがて待ち焦がれた春が来た。一家にとって初めての牛が生まれた。そして民子の胎内にも、新しい命が宿っていた。名も知らぬ花が咲き乱れる丘の上には大小二つの十字架が立っていた。「ベルナルド風見源蔵」「マリア風見早苗」。

 

家族が犠牲を払いつつも困難を乗り越えて立ち直っていくストレートな感動物語。

 

現代であれば、飛行機でひとっ飛びというところなのだろうが、幼い子供二人と老いた父を携えて日本を縦断する旅は大変だったことがよく分かる。高度成長期の日本が時代背景であり、大阪万博が効果的に使われている。

 

1970年の作品だが、この前年には『男はつらいよ』の第一作目が公開されている。この作品でも、倍賞千恵子(さくら)、笠智衆(御前様)、前田吟(さくらの旦那)といった気の知れた俳優陣と組んでいる。作品の中でも、宿屋の亭主がテレビで『男はつらいよ』を見て面白がっていたり、渥美清がチョイ役として友情出演したり、いかにも『男はつらいよ』が売れ出した時期の作品といった雰囲気を醸している。

 

この後、『幸せの黄色いハンカチ』(1977年)、『息子』(1991年)、『たそがれ清兵衛』(2002年)を生み出した山田洋次の初期の秀作。

 

★★★★★ (5/10)

 

『家族』予告編

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