『遠雷』 (1981) 根岸吉太郎監督 | FLICKS FREAK

FLICKS FREAK

いやぁ、映画って本当にいいもんですね~


テーマ:

 

栃木県宇都宮。満夫の父は、先祖代々の土地を売って家を建て、残った金を持って出奔しバーの女と同棲している。兄も百姓を嫌って東京でサラリーマンをしている。満夫は残されたわずかな土地にしがみつき、トマトのハウス栽培をしていた。家には土方をする母と認知症を患う祖母。そんな満夫にお見合いの話が舞い込んできた。

 

実際の80年代当初の宇都宮がそうであったかどうかは分からないが、「田舎感」がよく出ていた。その「田舎感」とは物質的なものではなく、人の考え方。毎日の生活に汲々としながらも鬱々とした閉塞感はなく、一番の関心事である性の欲求をストレートに追求してのびのび生きている。その、若者の「地に足のついた感」が、自分が言う「田舎感」の意味。

 

その「地に足のついた感」を破るのが、ジョニー大倉演じる満夫の幼なじみ広次が引き起こす事件。それがストーリーで、大きなドラマとなっている。

 

主役を演じる二人、永島敏行(当時25歳)と映画出演2作目となる石田えり(当時21歳)は、実にフレッシュな演技を見せていた。共に多くの作品に出演しているが、この作品の彼らの演技は特に印象に残るものだった。

 

若干気になったのは、「百姓」という言葉。満夫が度々、自分のことを指して言うのだが、他人を侮蔑して使っているわけではないことは明らかであっても、今日としては耳にすることが少なくなり、かなり違和感を感じてしまうのは時代の移り変わりか。

 

日本の映画賞の中では、自分と比較的相性のいい報知映画賞の作品賞を受賞した作品。観て損はないと思われる。

 

★★★★★★ (6/10)

 

はったさんをフォロー

ブログの更新情報が受け取れて、アクセスが簡単になります

Ameba人気のブログ

Amebaトピックス