『3月のライオン(前編)』に続き後編を鑑賞。前編よりもぐっと将棋色は後退し、ファミリー・ドラマとなっている。

 

いじめという非常に重要なテーマを扱い、「勇気をもって毅然とする」といういかにも理想的な解決法には現実にはどうなのかな、と感じつつも感動的に作っていた。また三姉妹の父親も表れ、桐山零も絡むものの、彼が中心ではない時間も、前編に比べると増えている。

 

その辺り、若干の不満はあるものの、前編の最大の欠点と自分が考えた「将棋が好きでない者がこれほど強くなれるはずはない」という矛盾点が解決されているのはよかった。桐山零は将棋が好きなのであった。

 

もう一つの不満点は、二海堂晴信という強烈なキャラクターの出番が少なかったこと。それに代わるのが、加瀬亮演じる「谷川浩司と羽生善治を足して足して2で割っていない」宗谷冬司では少々物足りない。

 

また獅子王戦で後藤正宗と対戦するシーンでは、それまでの流れからして、圧倒的に後藤勝利の方に説得力があったと思われるが、主人公が勝つべくして勝つではご都合主義のストーリーであろう。

 

今ブームの将棋を扱い、人と人との葛藤や愛情をうまく描いた作品。悪くはないが、(前編のレビューと繰り返しになるが)将棋物なら『聖の青春』の方がはるかに好みである。

 

★★★★★ (5/10)

 

『3月のライオン(後編)』予告編