『ドーン・オブ・ザ・デッド』 (2004) ザック・スナイダー監督 | FLICKS FREAK

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いやぁ、映画って本当にいいもんですね~



死者が復活するというテーマは古くからあったが、ゾンビの「カニバリズム、感染、理性の喪失、頭部の破壊以外は不死身」という基本ルールを作ったのが1968年のジョージ・A・ロメロによる『ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド/ゾンビの誕生』。以来、数多くのゾンビ作品が作られたが、最高傑作は同じくロメロ監督の1978年『ゾンビ』(原題:Dawn of the Dead)であることは、多くが認めるところであろう。そしてゾンビ映画のほとんどは、なぜかつまらないものが多い。かろうじて1989年『ペット・セメタリー』、2002年『バイオハザード』、2004年『ショーン・オブ・ザ・デッド』あたりが観る価値があるかという程度。最近の『ワールド・ウォーZ』もイマイチだったし。

本作は、同じ原題であるロメロ『ゾンビ』のリメイク版。監督は『300』『ウォッチメン』のザック・スナイダー。

ストーリーは、生き残った人間がショッピング・モールにたてこもり、生き残りを懸けて脱出するという、オリジナルを踏襲するもの。

ちょっとしたひねりが効いているのは、道を隔てたところに銃砲店があり、そこの店主も生き残って銃砲店にたてこもっているという設定と、生き残った中の妊婦が実は感染していて、ショッピング・モールで子供を産むという設定。大きなストーリーの変更ではないが、確かに新しさはあった。

登場人物のキャラクターがそれなりによくできていて、勿論、オリジナルを越えるものではないが、ゾンビ映画の中では、お勧めできる作品の一つに加えてもいいもの。

ただ、ジョージ・A・ロメロも言っているらしいが、「走るゾンビ」は自分としては、やはり好みに合わない。死んでからの方が身体能力が高くなるかのような設定は納得いかないし、のそっのそっと歩いているのをバカにしていたのに、不意を突かれたり、やたら数が多くてやられてしまうという方が恐ろしさは増すと感じるから。

そして、この作品の一番の欠点はラスト・シーンだろう。それがオリジナルとの大きな違いであり、このダークな結末は、あまりに救いがなさ過ぎる。とはいえ、ゾンビ映画としては押さえておくべき作品。

★★★★★★ (6/10)

『ドーン・オブ・ザ・デッド』予告編