『アンダー・ザ・スキン 種の捕食』 (2013) ジョナサン・グレイザー監督 | FLICKS FREAK

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いやぁ、映画って本当にいいもんですね~



スコットランドのある街。車を運転し、通りすがりの男性に道を尋ねる女(スカーレット・ヨハンソン)。彼女は、人間を捕獲するためのアンドロイドであった。ところが、彼女に自我が目覚め始め、人間の行動に興味を持ち始める。しかし、それは人間とは違う自分に気付かされるだけだった。

最初から、全く背景の説明がないため、理解しずらい部分が多いが、最後の最後でそれまでのつじつまが合うような印象の映画。描写も説明的というよりはイメージ先行。

例えば、自分が囚われの身であることを自覚するのはガラス窓から外に出ることができないハエが映し出されてとか、人間の行動に興味を持つというのも、突然ケーキを食べるシーンがあるからとか、観客が考える必要がある。

そういう類の映画だと、当然「全く意味不明でつまらない」という酷評もあるが、それぞれのシーンにそれなりに隠された意味があることを理解すると、扱っているテーマは古典的なSFのテーマにのっとったものであることが分かる。

ところどころにスコットランドの都市の日常シーンが挿入され、荒涼とした海や野山のシーンとあいまって、ハイテクのSFにオフビートのアクセントを与えているところも興味深い。

ただ一部に絶賛する声があるほどの作品とまでは感じられなかった。同じスカーレット・ヨハンソン主演のSF映画では、『LUCY』よりは100倍いい映画だとは思ったが。

★★★★★ (5/10)

『アンダー・ザ・スキン 種の捕食』予告編