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2001年『ロード・オブ・ザ・リング』、2002年『ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔』に続く、三部作完結編。前2作は、ロードショー公開時に観ていたが、本作の公開時には興味を失っていて観ていなかった作品。
作品の印象は、一作目と二作目を足して二で割ったような感じ。完結編ということで、映画の尺の中にまとめなくてはいけないからか、詰め込まれ過ぎ。原作に忠実とはならないが、もう少し、枝葉を端折って整理してほしいい感じ(例えば、ゴンドールの施政官デネソールと息子ファラミアのストーリー)。
リングを滅びの山の火口に葬った後、フロドが「これで終わった」と言った時に、「お前は何もしてないだろ」と突っ込みたくなるくらい、ここでもサムが大活躍。
アラルゴンの戴冠の時に、ホビット4人の勇気を讃えて、皆が頭を垂れるという大団円で終わるかと思いきや、その後、ホビット庄での一幕があり、庄のホビット達は彼らを特別視しないところがよかった。そして旅の最大の功労者のサムがハッピーになれたのもいい結末。
リングがそれを持つ者の心を蝕み、フロドもその影響を避けることはできず、サム、メリー、ピピンが平穏な生活に戻る中、彼だけは精神の死に見合う肉体の死を求めて中つ国を旅立つという設定は、「なぜ?」という感じ。
「鷲はどこから来た?」「なぜフロドとサムは歩きで山を登らなくてはならなかった?鷲で飛べば簡単に山頂に着いたのでは?」「なぜ大蜘蛛シェロブの針は、ミスリルの帷子を突き通すことができたのか?」「アングマールの魔王は人間の男には殺せないのに、なぜ人間の女なら殺せるのか?」「なぜガンダルフはオークと戦う時に魔法を使わないのか?」といった、もしかしたら原作を読めば分かるのかもしれないが、かなり腑に落ちない疑問が山ほどある。その設定のあいまいさがファンタジー映画ということなのかもしれないが。
三部作を通して観て、超大作ではあるが、やはり原作に慣れ親しんだファンが楽しむ作品という印象。9時間ずっとオークと戦っていたような、同じアクションシーンを繰り返し見せられたように感じると言えば、けなし過ぎか。自分にとっては、一度観れば十分という映画だった。
★★★★★ (5/10)
『ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還』予告編