『ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔』 (2002) ピーター・ジャクソン監督 | FLICKS FREAK

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いやぁ、映画って本当にいいもんですね~



前作『ロード・オブ・ザ・リング』に続く、三部作の第二作。この作品も前作同様、ロードショー公開時に観ていたのだが、内容はかなり忘却のかなただった。

前作は単なるアクション映画だったが、本作の方が断然いい。オークの襲撃で離散してしまった「旅の仲間」。そのそれぞれが遭遇する出来事が平行して話は進行する。

前作は、シーンごとに新しい怪物が現れ、アクションの連続でげっぷが出るほどだったが、本作では話の中心は指輪を持つフロドと彼に付き添うサムというより、アラゴルンとレゴラスとギムリの3人がローハン王国を救う話。

ローハン王国では、王セオデンが、相談役にして実はサルマンの配下である蛇の舌グリマに操られていた。前作で、悪鬼バルログと戦って奈落に堕ちたガンダルフが、本作で、より強いパワーと知恵を持った白の魔法使いになって甦り、セオデンの心に取りついたサルマンの魂を追い払う。セオデンはかつての偉大で高貴な王の姿に戻り、蛇の舌を追放する。その後、セオデンは国民と共にヘルム峡谷の石の要塞に退避するが、そこにサルマンの軍勢が押し寄せ、300人対1万の決死の戦いの火ぶたが切って落とされる。

アラルゴンとエルフの姫アルウェンとの結ばれない恋愛や、アラルゴンに思慕するエオウィンといったロマンスも、映画のいい緩急となっている。

指輪に影響されるフロドの苦悩も、サムの献身的なサポートを引き立てている。前作では、単なる道化に過ぎなかったホビットのピピットとメリーも存在感を出していた。

本作が好きでないという人がいるとすれば、ゴラムの醜悪な造形によるところが大きいのではないだろうか。もう少し、どうにかできたろうが、スメアゴルとゴラムの二重人格的な設定はなかなか面白いと感じた。

これで完結編の第三作への期待は随分と高まった(第三作だけ未観賞)。

★★★★★★ (6/10)

『ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔』予告編