「ヨコハマトリエンナーレ2020」に行ってきました。
3年に一度開催される現代アートの国際展も今年で7回目。個人的には3回目です。
2014年のヨコトリ (記事あっさりめ)
2017年のヨコトリ (記事がっつり)
前回2017年のヨコトリの時は大発生中のピカチュウを掻い潜りやっとの思いで美術館に辿り着きましたが、今回はこのご時世もあって桜木町駅からここまでの道のりもヒトは少なめでした。
チケットに関しても科博同様、時間指定の事前予約制。マスク着用、入口で検温と消毒。時世です。
前回からなのかな?今回も美術館自体がアート作品になってます。
イヴァナ・フランケ作 「予期せぬ共鳴」。建物全体が巨大なスクリーンで覆われています。
風が吹いたり人が通り過ぎる事でスクリーンが揺らぎ、その波及が建物全体にも揺らぎを与えます。
エントランスに入るといきなりこう。ニック・ケイブ作「回転する森」。
今回のヨコトリの副題「AFTERGLOW-光の破片をつかまえる」というテーマを分かりやすく表したようなインスタレーションです。
天井から無数に吊るされそれぞれに回転する事で目まぐるしく色を変えキラキラ輝くガーデンスピナー。
アートとしての意味合いとかそういうのは別にして単純にキレイで見惚れます。
エントランスは無料区画なので予約無しで入れます。3階からが有料区画。
てかエントランスが2階なの最近知りました。
コロナ禍以降初めての横浜美術館。個人的にもけっこう久々です。何だかんだ美術館も好き。
ここからは3階の有料エリアの展示になります。
現代アートはテクノロジーとの融合も見ていて面白いポイントだと思います。
技術的にデジタルな物が作家の感性を通して全く違うモノに、或いは近しいけどどこか違和感のあるモノに姿を変える。それが見る側の感性を揺さぶってくる感覚が現代アートを見る上での醍醐味だと勝手に解釈しています。
エチオピアの作家、エリアス・シメの作品。パッと見なんだか分からないんですが、、、
近くでよく見ると無数の電子機器の配線を無数の釘で留めて複雑な模様にしてあります。
それに気付いた時の私の心情、もう若干引き気味です。そこが面白い。
シメ氏の作品は他にも電子回路の基盤を作品にしたりと、そういう感じの作品が多いみたいです。
上と同じ展示室で異様を放つ大きな作品、キム・ヨンチョル作「クロマ」。
機械的に繋がれた幾つものパーツで有機的なうねりを創り上げています。で、これが、、、
一定時間ごとに発光します。それがまた何とも言えない不思議な雰囲気。
「宇宙放射線が大気にぶつかって発生する素粒子が光を放っている」そうです。
近くでよく見ると楕円形のプレート(セル)を固定しているフレームが微妙に動いていて、その度にセルが歪みカチカチと小さな音を発しながら光り方と模様が少しづつ変化します。
これがホントに宇宙放射線の影響なのか凡人にはよく分かりませんが取り敢えず美しい。いつまでも見てられます。
こちらも巨大で目を引くインスタレーション。エヴァ・ファブレガス作「からみあい」。とにかくデカい。
人間の「腸」をモチーフにしている作品で触る事ができます。やわらかいです。
オジサンの感性で見るからでしょうか、なんかエロス感もありますね。
ね。なんかエロス。
金氏徹平氏の作品「White Discharge(フィギュア)」。
よく見ると既製品のフィギュアを加工して作品にしているコラージュ作品です。
奥の方で仁王立ちしてる5人も仮面関係のライダーの方たちっぽいし。
何だかんだ3時間近く館内をウロついていたので、館内のカフェでしばし休憩。
久々の美術館。疲れたけど楽しい。
午後を過ぎると館内も多少ヒトが多くなってきたので、ここら辺で次の会場に移動します。
前回もですが、今回もトリエンナーレの会場は横浜美術館含めて3会場あります。
この日は不安定な天候。降り出した小雨の中、二つ目の会場へ。
二つ目の会場は横美から徒歩8分ほどにある「プロット48」という施設。初めて見る所です。
元々はリニューアル前のアンパンマンミュージアムがあった場所で、今回のヨコトリのために作品を入れて会場にしたそうです。
「プロット48」というネーミングも今回のヨコトリに合わせて命名されたそうで、そら知らないわ。
こちらでも入口で検温と消毒して入館。エントランスから複数の作品が展示されていてキョロキョロしてしまいます。
2階フロア。作品が色々ある展示も面白いんですが、こういう空間を使った作品もなかなか好きです。
2階フロアのほぼ半分はエレナ・ノックス氏の作品群で占められています。そしてココは兎に角エビです。
元々あるトイレも作品に仕上げてます、エビな感じに。普通の使っていいトイレもあります一応。
3階フロア。空間です。引っ越し直前の何も無い広々としたオフィスとかで不思議な感覚になる感じに似てる、と思う。
あとで気付きましたが、プロット48は北棟と南棟に分かれています。そして私は北棟1階を見ていませんでした。ホント、家に帰ってから気付きました。
という事でもう一度ヨコトリに行こうと思ってます。会期も10月まであるし展示替えもあるかも知れないし。
更に言うとプロット48で行われる作家本人のパフォーマンスも時間が合わず見れなかったので、これは是非もう一度来なければいけないなと、今は決心してます。今はね。
プロット48での失敗に気付いたり気付かなかったりしつつ再び横浜美術館の前まで戻ってきました。
次の会場は少し離れているので、みなとみらい駅からみなとみらい線に乗って馬車道駅へ。
馬車道駅から徒歩3分ほどで三つ目の会場「日本郵船歴史博物館」に到着。また晴れた。
もちろんここでも検温と消毒、更には配られた使い捨て手袋を装着しての入館。かなりな厳戒態勢。
ここにはマリアンヌ・ファーミ氏の作品のみが展示されています。作品が透明で写真では見辛いですが展示されてます。
博物館内は基本的に撮影NGですが、この一画のみヨコトリの会場という事で撮影できます。
この博物館も久々に来ましたが、昭和初期の雰囲気を漂わせる建物と館内がステキです。
てことで、若干の失敗もありつつヨコトリを満喫してかなり満足。歩き詰めで疲れるけどね。
9月からはヨコトリも絡んだ二つのアートフェスの開催があるので、今回の雪辱戦も兼ねて2回目のヨコトリ参戦を、今は決意してます今は。
「ヨコハマトリエンナーレ2020」公式HP → https://www.yokohamatriennale.jp/2020/
「日本郵船歴史博物館」公式HP → https://museum.nyk.com/