カンクン旅行からの帰り。
カンクン国際空港には、ダラス空港より遥かにたくさんのお店が並び、待ち時間はショッピングを満喫できます。
コンビニもあっていろいろ買えますが、総じて高いです。500mlペットボトルの水でも1本五百円くらい…と
あまりにも値段が高くて食欲を無くした私は、息子さんたちが食べている間の時間、免税店めぐりをすることにしました。
しかしながら、楽しくないのです。
全然ウキウキしない自分に、愕然としました。
駐妻になる前、会社員として働いていたときには、免税店で贅沢品を見るのがいつも楽しくて、どれを買おうかなと迷う時間も最高でした。
それは、自分が働いて、それに対する十分な収入を得ていたから。自分のために贅沢品を吟味して購入する時間は、いつもがんばっているから自分のために贅沢品を買っちゃおう!と自分を褒め称えて、余分なお金を使ったからこれからまた頑張ろう!と自分を激励する時間でもあったから。
それに対して、今の自分は贅沢品を買う理由がないのです。
具体的には、こんな感じ。
これまで働いた貯金を使えばよい?
退職金は、ほぼなし(自己都合退職係数をかけられ8割カットされたため)。
わずかな給料貯蓄分は、最低限の備えしかない。
働けばよい?
夫の会社により帯同中の労働は禁止されている。子どもが父親と暮らしたがるが、子どもだけの帯同も夫の会社により禁止されているため、自分だけ帰国して働くことはできない。
夫の金を使えばよい?
自分が対価として得たものではないから、生活資金なら良くても贅沢品には使えない。
100歩譲って、家事育児の対価と考える。しかし、パフォーマンスは共働きしていた頃のレベルと変わらないし、今以上に頑張るつもりもない。だから、本来は支給される資格がない。
夫の会社に問い合わせたら、人事からは「帯同したんだから働くことなんか考えずに夫を支えろ」と言われたけれど…帯同する前に妻に対する説明なんかなかったし、帯同とは夫を支えるためのものだという認識も持ったことはなかった。
夫だって、子どもと一緒に暮らしたいから私に帯同して欲しいと思っていたものの、私に専業主婦であることは求めない。(そもそも共働き前提で結婚をしており、片方がもう片方を支えるつもりで結婚したのではないのです。)
私は、免税店のショッピングが楽しくないという事実を目の当たりにし、なぜなのか考えて、自分がこういった状況にあることを認識し…
なんと、泣きました笑
でも、うまく説明できないので、実際のやり取りはこうなりました。
私「離婚したい」
夫「アメリカに行きたいって言うから一緒に来たのに、何が不満なの?」
私「…帯同妻が、金も労働権も奪われて、こんなに身ぐるみ剥がされるとは思ってなかったんだよ 」
夫「クレジットカードを渡してるじゃない。」
私「クレジットカードは自由に使える状況ではあるけど、君が稼いで支給されたお金だし、君が望まない用途では使えない。」
夫「自分の貯金もあるでしょ。」
私「贅沢品に使えないけど、稼げない。」
夫「じゃあ君の口座を作って、僕の給料をそこに振り込むようにする。それなら気にしないで使えるでしょ。何でも買えば良い。」
…夫くんは、ATMになりたいのですか?
というツッコミはさておき
私は、学生時代は勉強と部活だけの毎日を過ごし、いわゆる「いい大学」を卒業して、就職活動では大手企業からいくつも内定をもらい、
共働きするための福利厚生制度が整った会社に入社。夫くんと同じ会社で同じ総合職で同じくらいの年次で入社したけど、女性は総合職でも一般職でも同じような扱い。仕事で楽をしたい女性ならいくらでも楽できるけど、やる気があってもそれを見せると変な目で見られるような職場。与えられた仕事はバックオフィスのような業務ばかりだったけど、それでも文句を言わずに自分なりに勉強をして付加価値のある仕事を心がけてしてきたつもりだったのに…役員秘書だって、最初やりたくなかったけど、やるからにはと勉強して秘書検定1級も持っています。がんばっていたら任せられる範囲も広く深くなり、ダイナミックなビジネスの動きを感じることができて結局かなり楽しめちゃいましたが。笑
結婚したら、女というだけの理由で強制的に幼い頃から親しんできた名前を奪われ
仕事を退職したら名前すら無い「奥様」となり
夫くんは海外に来て収入もスキルもレベルアップできるのに、私はその機会も許されず、時間が経つほどに仕事の能力も若さもお金もなくなるだけ
家も車も銀行口座もクレジットカードもホテルも飛行機も、ぜんぶ夫くんの名前がないと何もできない。
変にプライドが高いのがいけないのだと思うけど、プライドが高くなるくらい努力してきたのに…とも思います。
夫くんに養われるだけの状況に屈辱感を覚え
カンクンで見たラブラブの老夫婦を見て、夫くんとそういう関係になりたいとも思わなかったこともあり
やはり私は夫くんを愛していないし、そもそも他人のことを愛せない人間なのだろうと思いました。子育てのための協力関係は必要だけど、夫婦としての関係は適切ではないと思いました。
夫くんは残念ながら、そういう従順ではない私が気に入っているようで、叱られるのも大好きなようです。しかし、このままでは、私は全てを失って何も反論できない人になるので、お互いにとってデメリットしかない状況。
会社の人事には悪いけど、夫を支えるどころか夫を不安にさせる方向に行っております
実際に離婚して一人でも生きていくための力をつけることが必要になるのですが、そのためには、さらに何かを学ぶ必要があると思いました。
そして、飛行機の中でも泣きました。
ということで、たまには他人の役に立ちそうな情報を出したりなんかして、気を紛らわせているわけです。
子どもの英語は3ヶ月で素晴らしくなっちゃって、私だけ取り残されていますが…
贅沢をしていたことが、何の役に立つのかというと…贅沢品の品定めですね
なんだかんだで、メキシコのカンクンにある高級リゾートホテルは満喫しました。ほんと…これだけ楽しんで帰りに泣くっていう
さらに、メキシコでパスポートまで紛失していたという…ネタには事欠かないところも長所です