日本人が人類の中で絶滅する方向に向かっているのは確かなことだ。

従来、日本の人口は増え続けていた。それが一転して減少する傾向となれば、誰だって不安になる。その行く末は、日本人がゼロ、つまり日本人がいなくなることを示しているからだ。こんなことは統計上の推定であって、あり得ないことだし、あってはならないことだ。

 

しかし、生物では絶滅危惧種とされる者が年々増えているのだから、日本人と言われている人種が人類の中で絶滅する方向に向かっているのは確かなことだ。敗戦後にアメリカの属国になってしまってから一貫として経済繁栄をとげてきた日本人は、経済繁栄とともに人口も増え続けてきた。

 

●30年後にはGDPが14兆ドルに成長するインドに抜かれて第4位となってしまう。

これは、誰にでも理解できることで経済成長で国が豊かになれば、栄養豊富で繁殖力も旺盛になって人口も増加することになる。これは、自然環境が良く、食料が十分あれば、その動物が増えるのと同じだ。日本は、こうして、アメリカに次ぐ『世界第2位』の経済大国になった。

 

しかし、中国が台頭してきて、日本を抜きアメリカに次ぐ第2位となってから、日本は急速に成長力を失い、今や『少子高齢化社会』を迎えている。21世紀政策研究所によれば、30年後にはGDPが14兆ドルに成長するインドに抜かれて、第4位となってしまうという。

 

●約30年前に消費税を導入してから急速に経済が停滞し始めた。

その頃は、GDPが24兆ドルになると予測される中国がアメリカを抜いて世界最大の経済力を誇る国になっているようだ。日本がはたしてその頃にどれだけのGDPになっているのかわからないが、日本の経済成長力が横ばい状態なので、楽観はできない。

 

なぜ、日本がここへ来て突然のように『失速』してしまったのか。その原因はさまざまに議論さされているが、なぜ経済失速が発生したのかは、約30年前に消費税を導入してから急速に経済が停滞し始めたことで推定できる。

 

●消費税は経済成長を鈍化させる。これを政府は3%から5%、8%と増税してきた。

消費税は、収入を得た人ではなく支払いした人に課すので十分な生活ができないほど収入が少ない人からも一定の税金を取る。だから、累進課税となる所得税と違って著しく不公平な税制である。日本政府は、これを導入するとともに、所得税の累進性を緩和して高額所得者の税金を安くした。

 

今から30年前に日本は高額所得者を優遇して低所得層に厳しい税制にしたのだ。現在、問題になっている国民の経済格差は、こうして発生したのだ。当然、低所得者が生活に困って節約生活をすれば、国内の消費は萎縮して経済成長は鈍化する。これを政府は、消費増税を3%から5%(1997年)、8%(2014年)とやってきた。

 

●消費税導入とともに資産家優遇税制が行われるようになった。

その間、高額所得者や資産家、資本家は資本を蓄積し続け、低所得層は貯金もできずに生活し、『格差社会』ができあがった。本来、政府の財政(予算)は収入の多い人々が応分に負担すべきなのに、財政不足を低所得層も負担する消費税によって補てんすることにきりかえてしまったからだ。
 

以前は、国民が働いた分は、それなりに利益を分配してもらってきた。池田内閣時代の『所得倍増』は、その実例だ。しかし、消費税導入とともに資産家や高額所得者の優遇税制が行われるようになって、国民が努力してもその利益は分配されず、高額所得者に吸収されるようになったのだ。

 

消費増税は『延期ではなく中止』しなくてはならない。

『格差社会』はこうして次第に社会階層になって、『国が豊かになっても国民は貧しい』という貧困国家になってしまったのだ。政治とは税制だ、とされる意味はこのような状況を見れば分かるだろう。

 

ここへきて消費増税延期・衆参ダブル選挙が噂されはじめているが、消費増税は『延期ではなく中止』しなくてはならないし、消費税そのものも廃止して所得税の累進課税を強化することで国民の経済格差是正を図らなければならない。高額所得者や資産家への増税で社会福祉政策は十分できるのだ。