多羅尾伴内
小林旭主演の「多羅尾伴内」(78年)には、映画的には片岡千恵蔵主演のシリーズ終了から18年を経てリメイクされた作品である。原作に従来の比佐芳武以外に小池一夫、石ノ森章太郎の名がある。これは、このコンビによる「多羅尾伴内 七つの顔を持つ男」の劇画が原作ということになっているからのようだが、筋書きは全く別のものであったようだ。原作マンガは少年マガジンに連載されていたようで、単行本も4巻出ているようだが、多分見たことはない。小池、石ノ森コンビというのも珍しいというか本作だけであろう。
さて、主演の小林旭はちょうど40歳なる年であった。千恵蔵だって最初に多羅尾伴内を演じたのは43歳の時(46年)であったが、貫禄があるのでもっと年長に見えたものである。もっとも、アキラもこの頃になると貫禄がついていたが。
他の出演者は池部良、江木俊夫、夏樹陽子、成田三樹夫、天津敏、安部徹などが並ぶ。最初、夏樹が復讐のため殺人をかせ寝るが、何者かに殺される。そして成田や天津も殺されたとなれば、まあ池部良くらいしか犯人はいないということになる。ちなみに池部(当時60歳)と成田(当時43歳)は戦友という設定だ。
夏樹に殺される役は「新宿警察」では刑事役だった司千四郎、「犬神家の一族」でも殺された成瀬正、アイドル歌手役の三崎奈美である。三崎はひらがなの「にっかつ」で活躍した人である。
歌手では、本人の役で八代亜紀、アン・ルイス、キャッツ・アイが出演している。キャッツ・アイはピンク・レディーの二番煎じ的な大谷親江と山中奈奈のお色気を前面に出したデュオ。大谷が失踪し解散に追い込まれた。本作では「導入線」という曲を歌っている。
他にも、宇田川警部役で財津一郎、刑事役で「金八先生」の大森巡査役で知られる鈴木正幸、「ガードマン」から「特別機動捜査隊」の刑事になっていた倉石功なども出演していた。
さて、主演の小林旭はちょうど40歳なる年であった。千恵蔵だって最初に多羅尾伴内を演じたのは43歳の時(46年)であったが、貫禄があるのでもっと年長に見えたものである。もっとも、アキラもこの頃になると貫禄がついていたが。
他の出演者は池部良、江木俊夫、夏樹陽子、成田三樹夫、天津敏、安部徹などが並ぶ。最初、夏樹が復讐のため殺人をかせ寝るが、何者かに殺される。そして成田や天津も殺されたとなれば、まあ池部良くらいしか犯人はいないということになる。ちなみに池部(当時60歳)と成田(当時43歳)は戦友という設定だ。
夏樹に殺される役は「新宿警察」では刑事役だった司千四郎、「犬神家の一族」でも殺された成瀬正、アイドル歌手役の三崎奈美である。三崎はひらがなの「にっかつ」で活躍した人である。
歌手では、本人の役で八代亜紀、アン・ルイス、キャッツ・アイが出演している。キャッツ・アイはピンク・レディーの二番煎じ的な大谷親江と山中奈奈のお色気を前面に出したデュオ。大谷が失踪し解散に追い込まれた。本作では「導入線」という曲を歌っている。
他にも、宇田川警部役で財津一郎、刑事役で「金八先生」の大森巡査役で知られる鈴木正幸、「ガードマン」から「特別機動捜査隊」の刑事になっていた倉石功なども出演していた。
役名からの芸名
今回は趣向を変えて、というかネタもないので、前回の早乙女愛のように、映画(ドラマ)の役名をそのまま、芸名にした人というのを探してみた。
割合新しい(でもないか)ところでは、松田聖子。歌手デビュー前のドラマ「おだいじに」(79年)での役名をそのまま芸名にした。河合美智子…映画「ションベンライダー」(83年)での役名。奥菜恵…ドラマ「パ★テ★オ」(92年)での役名。
役名ではないが、マンガの登場人物の名を貰ったパターンとしては、まず天地真理。梶原一騎原作の「太陽の恋人」のヒロインの名前である。もちろん梶原の許可は得たようである。ドラマでは吉沢京子が演じていた。
柴咲コウもマンガの登場人物の名前からだとか。
逆のパターンで「湘南爆走族」の江口洋助役でデビューした江口洋介のように、本名とキャラクターの名前が一致していたという稀なケースもある。仲村トオルも似たようなケースで、「ビーバップハイスクール」(85年)の中間トオル役でのデビューなので、芸名を合わせたような印象だが、本名も中村亨である。ちなみに「赤影」でお馴染みの坂口祐三郎の本名は中村徹である。
森田健作千葉県知事もデビュー作「夕月」(69年)での役名、秋野太作は当初は本名の津坂匡章であったが、正しく読まれないということで、津坂まさあきに。そして「俺たちの朝」(76年)での役名を芸名にした。
ベテランに眼をむけると三國連太郎も、デビュー作「善魔」(51年)での役名である。ちなみに、岡田英次の代役だったそうだ。「特別機動捜査隊」の立石主任こと波島進も当初は本名の小倉正則であったが、「早稲田大学」(53年)で波島晋という役を演じ、次作より芸名を波島進とした。その部下森田刑事を演じる北原隆(日活ニューフェース1期生)もデビュー作である「からたちの花」(54年)での役名・北原隆吉から芸名にしている。同期入社した宍戸錠よりも早く大きな役を得ていたのである。ちなみに、北原隆吉とは北原白秋のことである。
割合新しい(でもないか)ところでは、松田聖子。歌手デビュー前のドラマ「おだいじに」(79年)での役名をそのまま芸名にした。河合美智子…映画「ションベンライダー」(83年)での役名。奥菜恵…ドラマ「パ★テ★オ」(92年)での役名。
役名ではないが、マンガの登場人物の名を貰ったパターンとしては、まず天地真理。梶原一騎原作の「太陽の恋人」のヒロインの名前である。もちろん梶原の許可は得たようである。ドラマでは吉沢京子が演じていた。
柴咲コウもマンガの登場人物の名前からだとか。
逆のパターンで「湘南爆走族」の江口洋助役でデビューした江口洋介のように、本名とキャラクターの名前が一致していたという稀なケースもある。仲村トオルも似たようなケースで、「ビーバップハイスクール」(85年)の中間トオル役でのデビューなので、芸名を合わせたような印象だが、本名も中村亨である。ちなみに「赤影」でお馴染みの坂口祐三郎の本名は中村徹である。
森田健作千葉県知事もデビュー作「夕月」(69年)での役名、秋野太作は当初は本名の津坂匡章であったが、正しく読まれないということで、津坂まさあきに。そして「俺たちの朝」(76年)での役名を芸名にした。
ベテランに眼をむけると三國連太郎も、デビュー作「善魔」(51年)での役名である。ちなみに、岡田英次の代役だったそうだ。「特別機動捜査隊」の立石主任こと波島進も当初は本名の小倉正則であったが、「早稲田大学」(53年)で波島晋という役を演じ、次作より芸名を波島進とした。その部下森田刑事を演じる北原隆(日活ニューフェース1期生)もデビュー作である「からたちの花」(54年)での役名・北原隆吉から芸名にしている。同期入社した宍戸錠よりも早く大きな役を得ていたのである。ちなみに、北原隆吉とは北原白秋のことである。
愛と誠・完結編
前回の続きである。「愛と誠」シリーズの第3弾が「愛と誠・完結編」(76年)である。タイトル通り最終作である。
早乙女愛役はそのまま早乙女愛だが、太賀誠役は今回は加納竜にチャンジとなっている。加納はこの前年、歌手としてデビューしたばかりであった。
続編では登場しなかった岩清水も内田喜郎に代わっている。内田は現在はシャンソン歌手として活動しているらしいが、かつてはジャニーズ事務所に所属したこともあった二枚目である。座王権太は引き続き千田孝之、そして今回初登場となる砂土谷峻に柴俊夫(当時29歳)という布陣である。
今回は結構大人も絡んでくる話だが、権太の父(砂土谷の父でもある)座王与平に大滝秀治、誠の母に根岸明美、愛の両親は前作までの鈴木瑞穂と有沢正子から根上淳と白木万理に交代しており、下の名前も変更されている(毅一郎→将吾、寿美→美也子)。
他にも教師の役でいかにも貧弱な大泉滉と阿部昇二、やくざの役で汐路章、橋本功らに加え、東八郎、佐藤蛾次郎、藤村有弘なんかも顔を出している。阿部昇二は浅草の芸人で、坂上二郎の師匠にあたる芸人である。
一般的には、誠役は西城秀樹、南条弘二、加納竜のうち誰の印象が一番強いのであろうか。個人的には加納かなと思う。さて、早乙女愛は2000年に芸能界を引退し、アメリカに移住していたが、昨年51歳の若さで亡くなった。そういえば、テレビ版の誠である夏夕介も昨年59歳で亡くなっている。
「特捜最前線」の「幻の女」というベルギーロケの前後編に早乙女がゲスト出演し、夏夕介とは共演していた(どのくらい絡んでいたかは知らない)。
早乙女愛役はそのまま早乙女愛だが、太賀誠役は今回は加納竜にチャンジとなっている。加納はこの前年、歌手としてデビューしたばかりであった。
続編では登場しなかった岩清水も内田喜郎に代わっている。内田は現在はシャンソン歌手として活動しているらしいが、かつてはジャニーズ事務所に所属したこともあった二枚目である。座王権太は引き続き千田孝之、そして今回初登場となる砂土谷峻に柴俊夫(当時29歳)という布陣である。
今回は結構大人も絡んでくる話だが、権太の父(砂土谷の父でもある)座王与平に大滝秀治、誠の母に根岸明美、愛の両親は前作までの鈴木瑞穂と有沢正子から根上淳と白木万理に交代しており、下の名前も変更されている(毅一郎→将吾、寿美→美也子)。
他にも教師の役でいかにも貧弱な大泉滉と阿部昇二、やくざの役で汐路章、橋本功らに加え、東八郎、佐藤蛾次郎、藤村有弘なんかも顔を出している。阿部昇二は浅草の芸人で、坂上二郎の師匠にあたる芸人である。
一般的には、誠役は西城秀樹、南条弘二、加納竜のうち誰の印象が一番強いのであろうか。個人的には加納かなと思う。さて、早乙女愛は2000年に芸能界を引退し、アメリカに移住していたが、昨年51歳の若さで亡くなった。そういえば、テレビ版の誠である夏夕介も昨年59歳で亡くなっている。
「特捜最前線」の「幻の女」というベルギーロケの前後編に早乙女がゲスト出演し、夏夕介とは共演していた(どのくらい絡んでいたかは知らない)。
愛と誠(映画版)
梶原一騎原作で、スポーツとか格闘技とかのジャンル以外で、最も有名といえるのは「愛と誠」ということになるだろうか。
テレビドラマ化も映画化もされているのは、知っている人も多いと思う。テレビ版の愛は池上季実子、映画版の愛はそのまま芸名にした早乙女愛とわかりやすいが、誠は意外とごっちゃになっていないだろうか。テレビ版は夏夕介だったが、映画版は三作あり、誠役は毎回違っていたので、ややこしい気がするのだ。
映画版「愛と誠」(74年)の第1作の太賀誠は西城秀樹であった。岩清水弘には仲雅美。沖雅也とややこしいと言われていたものだ。後は原作にいるキャラなのか、オリジナルなのかよく知らないのだが、城山郷介には当時は大活躍していた織田あきら、白川三平に坂上二郎の息子である坂上大樹、火野将平に高岡健二であった。ちなみに、火野正平はもちろん既に存在しており、芸名が二瓶康一から火野正平に変わったのは73年のことである。どうでもいいが火野という苗字は日本に10件もないらしい。
仲も織田も高岡も高校生の役だと思うが、みんな24、25歳であった。高岡はまだ頑張っているようだが、仲や織田は80年代半ばくらいまでで、姿を消したようである。
他の出演者は愛の父に鈴木瑞穂、教頭役に穂積隆信。教頭といえば穂積隆信というイメージが当時はあった。
二作目である「続 愛と誠」(75年)の太賀誠役はヒデキから南条弘二に代わった。南城竜也(変身忍者嵐)と混同されやすい気がする。影の大番長こと高原由紀には多岐川裕美。当時は多岐川もデビューしたばかりで「聖獣学園」とか「女囚さそり」とかに出ていた頃だ。座王権太には千田孝之、体育教師・天地大介には森次晃嗣であった。
森次晃嗣といえば「ウルトラセブン」だが、南条弘二はOVA版の「ウルトラセブン」(98年~)ではウルトラ警備隊の隊長役を演じていた。そういえば、多岐川の夫はセブンでソガ隊員を演じていた阿知波信介であった。
とりあえず、次回に続く。
テレビドラマ化も映画化もされているのは、知っている人も多いと思う。テレビ版の愛は池上季実子、映画版の愛はそのまま芸名にした早乙女愛とわかりやすいが、誠は意外とごっちゃになっていないだろうか。テレビ版は夏夕介だったが、映画版は三作あり、誠役は毎回違っていたので、ややこしい気がするのだ。
映画版「愛と誠」(74年)の第1作の太賀誠は西城秀樹であった。岩清水弘には仲雅美。沖雅也とややこしいと言われていたものだ。後は原作にいるキャラなのか、オリジナルなのかよく知らないのだが、城山郷介には当時は大活躍していた織田あきら、白川三平に坂上二郎の息子である坂上大樹、火野将平に高岡健二であった。ちなみに、火野正平はもちろん既に存在しており、芸名が二瓶康一から火野正平に変わったのは73年のことである。どうでもいいが火野という苗字は日本に10件もないらしい。
仲も織田も高岡も高校生の役だと思うが、みんな24、25歳であった。高岡はまだ頑張っているようだが、仲や織田は80年代半ばくらいまでで、姿を消したようである。
他の出演者は愛の父に鈴木瑞穂、教頭役に穂積隆信。教頭といえば穂積隆信というイメージが当時はあった。
二作目である「続 愛と誠」(75年)の太賀誠役はヒデキから南条弘二に代わった。南城竜也(変身忍者嵐)と混同されやすい気がする。影の大番長こと高原由紀には多岐川裕美。当時は多岐川もデビューしたばかりで「聖獣学園」とか「女囚さそり」とかに出ていた頃だ。座王権太には千田孝之、体育教師・天地大介には森次晃嗣であった。
森次晃嗣といえば「ウルトラセブン」だが、南条弘二はOVA版の「ウルトラセブン」(98年~)ではウルトラ警備隊の隊長役を演じていた。そういえば、多岐川の夫はセブンでソガ隊員を演じていた阿知波信介であった。
とりあえず、次回に続く。
雨のめぐり逢い/悲愁物語
原作者で小池一夫といえば梶原一騎。梶原は70年代には、原作業だけでなく映画製作に乗り出して、三協映画を設立していた。梶原といえば、やはり空手とか格闘技系のイメージだが、実際その手の作品がほとんどである。しかし、そればかりではなく、数本の恋愛映画にも携わっていた。
「雨のめぐり逢い」(77年)には、梶原は制作としてのみ名前がある。サスペンス系恋愛映画とでもいうのだろうか、主演は山城新伍、竹下景子。山城が主演だとコメディタッチなものを想像そてしまうが、そんなこともないようだ。実は山城は強盗犯で、逃走する際、車で竹下を跳ねて失明させてしまう。彼女の眼を治そうと手術を受けさせ成功するが…。というような話で手塚治虫の「ブラックジャック」に似たようなシチュエーションの話がある。
他の出演者は南田洋子、長山藍子、榊原るみ、夏夕介、大坂志郎、森次晃嗣、山田吾一など。
「悲愁物語」(77年)には、梶原は制作及び原案として、その名がある。監督は鈴木清順で、10年ぶりのメガホンだったそうである。脚本は大和屋竺で、清順の前作「殺しの烙印」でも脚本を担当していた。スターとなった美人プロゴルファーの悲劇を描いた作品だ。
主演はモデルだったという白木葉子。白木葉子といえば「あしたのジョー」でお馴染みの名前だと思うが、その名を与えた期待の女優だったようである。しかし、実質これ1作で消えてしまっている。早乙女愛のようにはいかなかったのである。
他の出演者は原田芳雄、江波杏子、岡田真澄、和田浩治、野呂圭介、宍戸錠などだが鈴木清順との繋がりもあってか、日活出身者が多い。そして、本作が最後の映画出演となった佐野周二(関口宏の父)。佐野はこの翌年に亡くなっている。
かなり難解な作品であったらしく、興行的には大失敗し、1週間程度で打ち切られたところもあったそうだ。
「雨のめぐり逢い」(77年)には、梶原は制作としてのみ名前がある。サスペンス系恋愛映画とでもいうのだろうか、主演は山城新伍、竹下景子。山城が主演だとコメディタッチなものを想像そてしまうが、そんなこともないようだ。実は山城は強盗犯で、逃走する際、車で竹下を跳ねて失明させてしまう。彼女の眼を治そうと手術を受けさせ成功するが…。というような話で手塚治虫の「ブラックジャック」に似たようなシチュエーションの話がある。
他の出演者は南田洋子、長山藍子、榊原るみ、夏夕介、大坂志郎、森次晃嗣、山田吾一など。
「悲愁物語」(77年)には、梶原は制作及び原案として、その名がある。監督は鈴木清順で、10年ぶりのメガホンだったそうである。脚本は大和屋竺で、清順の前作「殺しの烙印」でも脚本を担当していた。スターとなった美人プロゴルファーの悲劇を描いた作品だ。
主演はモデルだったという白木葉子。白木葉子といえば「あしたのジョー」でお馴染みの名前だと思うが、その名を与えた期待の女優だったようである。しかし、実質これ1作で消えてしまっている。早乙女愛のようにはいかなかったのである。
他の出演者は原田芳雄、江波杏子、岡田真澄、和田浩治、野呂圭介、宍戸錠などだが鈴木清順との繋がりもあってか、日活出身者が多い。そして、本作が最後の映画出演となった佐野周二(関口宏の父)。佐野はこの翌年に亡くなっている。
かなり難解な作品であったらしく、興行的には大失敗し、1週間程度で打ち切られたところもあったそうだ。
忘八武士道 さ無頼
もう少し、小池一夫時代劇で引っ張るが、「ポルノ時代劇 忘八武士道」(73年)は、近頃はすっかり有名な作品になったような気がする。
「亡八」となっている記事も多いが、正確には「忘八」が正しい。礼・義・忠など人間の持つ八つの徳を忘れたもののことを言うらしいが、亡くしたでも同じことかもしれない。
とにかく、丹波哲郎扮する明日死能が斬りまくる映画。ポルノ時代劇と謳っているくらいだからエロ要素も満載だ。
共演は伊吹吾郎、遠藤辰雄、内田良平、深江章喜、女優陣はひし美ゆり子、池島ルリ子、小林千枝という「プレイガール」及び「プレイガールQ」のメンバーや「特別機動捜査隊」では女刑事となる一の瀬玲奈、小池一夫時代劇ではおなじみの黒鍬者の一人で川谷拓三などが出演している。監督は石井輝男だ。
ところで、「忘八武士道」の続編についてはあまり知られていない気がする(ビデオは発売されていたようだが)。「忘八武士道 さ無頼」(74年)がそれである。続編といっても、主人公は明日死能から九死一生(名前です)へ。演じるのは前作では吉原の忘八者袈裟蔵役だった伊吹吾郎である。その九死が処刑されるところを忘八者の元締に足しけられ、忘八者になる。その元締を演じるのは天津敏だ。
吉原の総名主・大門四郎兵衛という前作では遠藤辰雄が演じていた役が北村英三に代わっている。
他にも江幡高志、菅貫太郎、沼田曜一、汐路章、楠本健二といった時代劇悪役ではおなじみの面々が並んでいる。女優陣は東映のピンキーバイオレンス路線で活躍した池玲子、城恵美など。未見ではあるが、監督も代わり、主役も伊吹吾郎では前作に比べると「まとも」な映画になっていると思われるが、面白さは前作に軍配があがりそうである。
「亡八」となっている記事も多いが、正確には「忘八」が正しい。礼・義・忠など人間の持つ八つの徳を忘れたもののことを言うらしいが、亡くしたでも同じことかもしれない。
とにかく、丹波哲郎扮する明日死能が斬りまくる映画。ポルノ時代劇と謳っているくらいだからエロ要素も満載だ。
共演は伊吹吾郎、遠藤辰雄、内田良平、深江章喜、女優陣はひし美ゆり子、池島ルリ子、小林千枝という「プレイガール」及び「プレイガールQ」のメンバーや「特別機動捜査隊」では女刑事となる一の瀬玲奈、小池一夫時代劇ではおなじみの黒鍬者の一人で川谷拓三などが出演している。監督は石井輝男だ。
ところで、「忘八武士道」の続編についてはあまり知られていない気がする(ビデオは発売されていたようだが)。「忘八武士道 さ無頼」(74年)がそれである。続編といっても、主人公は明日死能から九死一生(名前です)へ。演じるのは前作では吉原の忘八者袈裟蔵役だった伊吹吾郎である。その九死が処刑されるところを忘八者の元締に足しけられ、忘八者になる。その元締を演じるのは天津敏だ。
吉原の総名主・大門四郎兵衛という前作では遠藤辰雄が演じていた役が北村英三に代わっている。
他にも江幡高志、菅貫太郎、沼田曜一、汐路章、楠本健二といった時代劇悪役ではおなじみの面々が並んでいる。女優陣は東映のピンキーバイオレンス路線で活躍した池玲子、城恵美など。未見ではあるが、監督も代わり、主役も伊吹吾郎では前作に比べると「まとも」な映画になっていると思われるが、面白さは前作に軍配があがりそうである。
御用牙シリーズ
原作が小池一夫で、制作が勝プロという作品が「子連れ狼」と同時期に並行して制作されていた。それが「御用牙」シリーズである。
原作に関しては、その存在くらいは知っていたが、読んだことはなく主人公が同心であることも知らなかった。破天荒なエロ時代劇とでもいうのだろうか。女の取調には性技「座禅ころがし」などを使い白状させてしまうのである。74年まで全3作が制作されている。
第1作「御用牙」は「子連れ狼」シリーズと同じ72年に公開された。その主人公の同心「かみそり半蔵」こと板見半蔵を演じるのは当然のごとく勝新太郎で、他のレギュラーはその手下の草野大悟、蟹江敬三、半蔵の上役の与力を演じる西村晃である。
他の出演者は朝丘雪路、渥美マリ、チャンバラトリオ、そして「兵隊やくざ」シリーズでは勝とコンビを組んでいた田村高廣などである。本作では勝と田村が剣を交える。
脚本は原作の小池一夫が担当し、主題歌「御用牙」を歌うのは鈴木ヒロミツ、星勝が在籍していたモップスである。正直、この曲は知らんかった。GSブームは既に終焉を迎えていたが、モップスは74年まで存在していた。
第2作は「かみそり半蔵地獄責め」(73年)。ゲストは小松方正、佐藤慶、稲野和子、相川圭子、岸田森などで、岸田の出番は少ないようだ。今回の強敵は黒沢年男である。
第3作は「鬼の半蔵やわ肌小判」(74年)。ゲストは小池朝雄、名和宏、高橋悦史、戸浦六宏、山内明、緑魔子などで、強敵の用心棒を演じるのは成田三樹夫である。
2,3作目の脚本は増村保造(2作目は監督兼)が担当。配給は東宝だが、出演者、スタッフは勝の古巣である大映出身者が多い。
ちなみに英語タイトルは「Hanzo the Razor Sword of Justice」といい、何か凄くSF映画っぽい。
原作に関しては、その存在くらいは知っていたが、読んだことはなく主人公が同心であることも知らなかった。破天荒なエロ時代劇とでもいうのだろうか。女の取調には性技「座禅ころがし」などを使い白状させてしまうのである。74年まで全3作が制作されている。
第1作「御用牙」は「子連れ狼」シリーズと同じ72年に公開された。その主人公の同心「かみそり半蔵」こと板見半蔵を演じるのは当然のごとく勝新太郎で、他のレギュラーはその手下の草野大悟、蟹江敬三、半蔵の上役の与力を演じる西村晃である。
他の出演者は朝丘雪路、渥美マリ、チャンバラトリオ、そして「兵隊やくざ」シリーズでは勝とコンビを組んでいた田村高廣などである。本作では勝と田村が剣を交える。
脚本は原作の小池一夫が担当し、主題歌「御用牙」を歌うのは鈴木ヒロミツ、星勝が在籍していたモップスである。正直、この曲は知らんかった。GSブームは既に終焉を迎えていたが、モップスは74年まで存在していた。
第2作は「かみそり半蔵地獄責め」(73年)。ゲストは小松方正、佐藤慶、稲野和子、相川圭子、岸田森などで、岸田の出番は少ないようだ。今回の強敵は黒沢年男である。
第3作は「鬼の半蔵やわ肌小判」(74年)。ゲストは小池朝雄、名和宏、高橋悦史、戸浦六宏、山内明、緑魔子などで、強敵の用心棒を演じるのは成田三樹夫である。
2,3作目の脚本は増村保造(2作目は監督兼)が担当。配給は東宝だが、出演者、スタッフは勝の古巣である大映出身者が多い。
ちなみに英語タイトルは「Hanzo the Razor Sword of Justice」といい、何か凄くSF映画っぽい。
子連れ狼(映画版) その3
前項の続きである。
子連れ狼シリーズの3作目は「死に風に向う乳母車」(72年)で、ゲストは加藤剛、いつもどおり生真面目な武士を演じている。他に浜木綿子、水島道太郎、刺客を依頼された相手を演じるのは山形勲である。
4作目「親の心子の心」(72年)。この作品はテレビ版では欠番とされ、公式からは抹殺された第1部2話「乞胸お雪」が描かれている。どんなエピソードか知りたい人は本作を見ればわかる。ちなみに乞胸とは大ざっぱにいえば、江戸時代の芸人のことをいう。テレビ版では片桐夕子が演じていたお雪を「プレイガール」の東三千が演じているが、パッと見は新藤恵美に見える気がする。乞胸の頭を山村聡を演じているが、この年スタートした「必殺仕掛人」繋がりで、林与一も柳生軍兵衛役で登場し、片腕を斬り落とされる。ちなみに柳生軍兵衛は架空の人物だ。他に岸田森、小池朝雄など。柳生烈堂は今回のみ遠藤太津朗(当時は辰雄)が演じている。
5作目は「冥府魔道」(73年)。今回より制作が勝新太郎から若山本人に変更となっている。今回は刺客の依頼者たちは一刀に挑み、返り討ちにあい、その忌わの際に事情を伝えながら死んでいくというシステム?石山律雄、内藤武敏、天津敏そして山城新伍などが登場したと思ったら斬られていく。他の出演者は安田道代、佐藤友美、加藤嘉、岡田英次など。今回の柳生烈堂役は大木実。テレビ版もシリーズごとに変わっていたが、何故か烈堂役はころころ代わる。白髪白髭眼帯で誰がやっても烈堂になるのだが。一刀は幼い子供(男として育てられた姫君)でも容赦なく斬るのだった。
最終作となったのが「地獄へ行くぞ大五郎」(74年)。脚本は今まで原作の小池一夫自ら担当していたが、今回は携わっていない。柳生の娘・香織が登場するが、もちろん一刀に殺られる。演じた瞳順子は他の時代劇では、大体被害者の役である。柳生の妾の子である土蜘蛛一族の兵衛に木村功、その不気味な一族を石橋蓮司、草野大悟、宮口二朗などが演じている。土蜘蛛というくらいだから土や雪の中から出てくるのだが、監督の黒田義之は大映の「大魔神」などで特技監督をやっていた人物である。なぜか「ミラーマン」や「ジャンボーグA」の監督なんかもやっていた。烈堂は引き続き大木実だったが、決着はつかなかった。まだ制作する予定だったのかもしれないが、次作が作られることはなく、「子連れ狼」といえば若山より萬屋錦之介という感じになっていくのである。
子連れ狼シリーズの3作目は「死に風に向う乳母車」(72年)で、ゲストは加藤剛、いつもどおり生真面目な武士を演じている。他に浜木綿子、水島道太郎、刺客を依頼された相手を演じるのは山形勲である。
4作目「親の心子の心」(72年)。この作品はテレビ版では欠番とされ、公式からは抹殺された第1部2話「乞胸お雪」が描かれている。どんなエピソードか知りたい人は本作を見ればわかる。ちなみに乞胸とは大ざっぱにいえば、江戸時代の芸人のことをいう。テレビ版では片桐夕子が演じていたお雪を「プレイガール」の東三千が演じているが、パッと見は新藤恵美に見える気がする。乞胸の頭を山村聡を演じているが、この年スタートした「必殺仕掛人」繋がりで、林与一も柳生軍兵衛役で登場し、片腕を斬り落とされる。ちなみに柳生軍兵衛は架空の人物だ。他に岸田森、小池朝雄など。柳生烈堂は今回のみ遠藤太津朗(当時は辰雄)が演じている。
5作目は「冥府魔道」(73年)。今回より制作が勝新太郎から若山本人に変更となっている。今回は刺客の依頼者たちは一刀に挑み、返り討ちにあい、その忌わの際に事情を伝えながら死んでいくというシステム?石山律雄、内藤武敏、天津敏そして山城新伍などが登場したと思ったら斬られていく。他の出演者は安田道代、佐藤友美、加藤嘉、岡田英次など。今回の柳生烈堂役は大木実。テレビ版もシリーズごとに変わっていたが、何故か烈堂役はころころ代わる。白髪白髭眼帯で誰がやっても烈堂になるのだが。一刀は幼い子供(男として育てられた姫君)でも容赦なく斬るのだった。
最終作となったのが「地獄へ行くぞ大五郎」(74年)。脚本は今まで原作の小池一夫自ら担当していたが、今回は携わっていない。柳生の娘・香織が登場するが、もちろん一刀に殺られる。演じた瞳順子は他の時代劇では、大体被害者の役である。柳生の妾の子である土蜘蛛一族の兵衛に木村功、その不気味な一族を石橋蓮司、草野大悟、宮口二朗などが演じている。土蜘蛛というくらいだから土や雪の中から出てくるのだが、監督の黒田義之は大映の「大魔神」などで特技監督をやっていた人物である。なぜか「ミラーマン」や「ジャンボーグA」の監督なんかもやっていた。烈堂は引き続き大木実だったが、決着はつかなかった。まだ制作する予定だったのかもしれないが、次作が作られることはなく、「子連れ狼」といえば若山より萬屋錦之介という感じになっていくのである。
子連れ狼(映画版) その2
では映画版「子連れ狼」を1本づつ取り上げてみたいと思う。
1作目「子を貸し腕貸したてまつる」(72年)。ストーリー自体は原作やテレビシリーズと、大きな違いはないと思うが、さすがスプラッターと揶揄されるだけのことはあって、斬りまくりの血飛びまくりである。
まずは渡辺文雄(柳生備前守)、露口茂(柳生蔵人)の柳生勢が血祭りに。露口なんか首が飛んでしまう。宿敵・柳生烈堂を演じるのは伊藤雄之助。独特のセリフ回しで1回聞いただけでは何と言ってるかわからないかもしれない。
ラストの温泉郷での無頼浪人たちとの戦いは、テレビシリーズ1部の第3話でやっていたところだろう。まあ、第2話は欠番扱いになっているので第2話として扱われているようだが。
浪人の首領格が関山耕司で、他に松山照夫、波田久夫など。ちなみに波田は両足をスパッと斬られる。浪人ではないが、小田部通麿が短銃使いを演じて目だっていた。
他にも内田朝雄、真山知子、藤田佳子(一刀の妻)などが出演している。
2作目は「三途の川の乳母車」(72年)。前半は松尾嘉代(柳生鞘香)率いる女柳生軍団との戦いである。その女たちを演じるのは鮎川いずみ(必殺仕事人)、水原麻紀(遠山の金さん)、三島ゆり子(暗闇仕留人)、東三千(プレイガール)といった顔ぶれなのだが、ほとんどセリフもなく一刀に斬られる。さすがに首が飛んだり手が飛んだりはしなかったが、女たちは冒頭で黒鍬者(簡単にいえば密偵)をバラバラに斬り刻んで殺害している。その黒鍬のリーダーを演じていたのが当時は「仮面ライダー」でおやっさんと呼ばれていた小林昭二。やはり一刀に頭から真っ二つにされる。一人残った松尾嘉代も結局一刀を殺すことはできなかった。
後半は弁天来三兄弟との戦いがメインとなる。三兄弟を演じるのは大木実、新田昌玄、岸田森。武器は鉄の爪である。新田も頭から真っ二つに斬られる。江幡高志(当時は江波多寛児)はいつもどおり小悪党な役だが、船を放火したりする。
あと、藩の侍役で「赤影」の坂口祐三郎(当時は坂口徹)や田村三兄弟の異母弟である水上保広が顔を見せていた。
まあ終始、拝一刀斬りまくりという感じなので、見ていて飽きることはない作品である。
1作目「子を貸し腕貸したてまつる」(72年)。ストーリー自体は原作やテレビシリーズと、大きな違いはないと思うが、さすがスプラッターと揶揄されるだけのことはあって、斬りまくりの血飛びまくりである。
まずは渡辺文雄(柳生備前守)、露口茂(柳生蔵人)の柳生勢が血祭りに。露口なんか首が飛んでしまう。宿敵・柳生烈堂を演じるのは伊藤雄之助。独特のセリフ回しで1回聞いただけでは何と言ってるかわからないかもしれない。
ラストの温泉郷での無頼浪人たちとの戦いは、テレビシリーズ1部の第3話でやっていたところだろう。まあ、第2話は欠番扱いになっているので第2話として扱われているようだが。
浪人の首領格が関山耕司で、他に松山照夫、波田久夫など。ちなみに波田は両足をスパッと斬られる。浪人ではないが、小田部通麿が短銃使いを演じて目だっていた。
他にも内田朝雄、真山知子、藤田佳子(一刀の妻)などが出演している。
2作目は「三途の川の乳母車」(72年)。前半は松尾嘉代(柳生鞘香)率いる女柳生軍団との戦いである。その女たちを演じるのは鮎川いずみ(必殺仕事人)、水原麻紀(遠山の金さん)、三島ゆり子(暗闇仕留人)、東三千(プレイガール)といった顔ぶれなのだが、ほとんどセリフもなく一刀に斬られる。さすがに首が飛んだり手が飛んだりはしなかったが、女たちは冒頭で黒鍬者(簡単にいえば密偵)をバラバラに斬り刻んで殺害している。その黒鍬のリーダーを演じていたのが当時は「仮面ライダー」でおやっさんと呼ばれていた小林昭二。やはり一刀に頭から真っ二つにされる。一人残った松尾嘉代も結局一刀を殺すことはできなかった。
後半は弁天来三兄弟との戦いがメインとなる。三兄弟を演じるのは大木実、新田昌玄、岸田森。武器は鉄の爪である。新田も頭から真っ二つに斬られる。江幡高志(当時は江波多寛児)はいつもどおり小悪党な役だが、船を放火したりする。
あと、藩の侍役で「赤影」の坂口祐三郎(当時は坂口徹)や田村三兄弟の異母弟である水上保広が顔を見せていた。
まあ終始、拝一刀斬りまくりという感じなので、見ていて飽きることはない作品である。
子連れ狼(映画版)
さて、次は何をやろうかと思っていたら、CSで映画版「子連れ狼」(72~74年)が先月に続き3本放送されていた。正直、6本もあったとは知らなかったので、これを取り上げてみることにした。
「子連れ狼」拝一刀といえば、やはりテレビ版の萬屋錦之介のイメージがすっかり強くなっている気がするのだが、映画版では若山富三郎が演じている。
経緯は不明だが、作品の映像化権を勝プロが握り、勝新太郎がプロデューサーとなり、主演は兄である若山を起用した。若山は原作者の小池一夫の家を訪ね、目の前で太刀回りを披露し、自分が一刀を演じることを認めさせたという。この兄弟見た目はずんぐりしているが、太刀捌きや動きは素早いものがある。
レギュラーは一刀と大五郎のみで、大五郎は当時3歳だった富川晶宏が演じた。
これは有名な話だと思うが、テレビ版で大五郎を演じた西川和孝が殺人で99年に逮捕されたが、富川も05年に拳銃密輸で逮捕されている。かなりのミリタリーマニアだったという。「子連れ狼」シリーズ以外の出演作は、やはり若山が主演の「極道対不良番長」(74年)くらいしか見あたらない。子役は小学校に上がる前にはやめてしまったらしい。
テレビ版の「子連れ狼」は、映画版スタートの翌73年からだったが、これを聞いた若山は激怒し、錦之介と勝負してやると息巻いたという。しかし、映像化権を日本テレビに売ったのは勝だったので、一時期兄弟仲も不仲になったという。
日本テレビも若山の怒りを鎮める?ために枠を用意し、制作されたのが、今やそのままでは放送できない「唖侍鬼一法眼」(73年)だったのである。数年前CSで、タイトルをただの「鬼一法眼」に変え、タイトルバックに映像処理を施して放送された。前述の富川も第2話にゲスト出演している。
ちなみに、萬屋版「子連れ狼」(第1部)→「鬼一法眼」→「子連れ狼」(第2部)の順で同じ時間帯(日曜21時30分)で放送された。
「子連れ狼」拝一刀といえば、やはりテレビ版の萬屋錦之介のイメージがすっかり強くなっている気がするのだが、映画版では若山富三郎が演じている。
経緯は不明だが、作品の映像化権を勝プロが握り、勝新太郎がプロデューサーとなり、主演は兄である若山を起用した。若山は原作者の小池一夫の家を訪ね、目の前で太刀回りを披露し、自分が一刀を演じることを認めさせたという。この兄弟見た目はずんぐりしているが、太刀捌きや動きは素早いものがある。
レギュラーは一刀と大五郎のみで、大五郎は当時3歳だった富川晶宏が演じた。
これは有名な話だと思うが、テレビ版で大五郎を演じた西川和孝が殺人で99年に逮捕されたが、富川も05年に拳銃密輸で逮捕されている。かなりのミリタリーマニアだったという。「子連れ狼」シリーズ以外の出演作は、やはり若山が主演の「極道対不良番長」(74年)くらいしか見あたらない。子役は小学校に上がる前にはやめてしまったらしい。
テレビ版の「子連れ狼」は、映画版スタートの翌73年からだったが、これを聞いた若山は激怒し、錦之介と勝負してやると息巻いたという。しかし、映像化権を日本テレビに売ったのは勝だったので、一時期兄弟仲も不仲になったという。
日本テレビも若山の怒りを鎮める?ために枠を用意し、制作されたのが、今やそのままでは放送できない「唖侍鬼一法眼」(73年)だったのである。数年前CSで、タイトルをただの「鬼一法眼」に変え、タイトルバックに映像処理を施して放送された。前述の富川も第2話にゲスト出演している。
ちなみに、萬屋版「子連れ狼」(第1部)→「鬼一法眼」→「子連れ狼」(第2部)の順で同じ時間帯(日曜21時30分)で放送された。