東福寺保雄《モトクロスな毎日》 -2ページ目

【コースがライダーを変える】

僕たちがよく練習をしていた河川敷「関宿」は常にコースを変化させていました。最初は練習したいことの為にセクションを作って練習し、出来るようになってはまた作り直し、そのうち、元の土地の形がわからなくなるくらい練習しました。(今はそのような練習ができる河川敷はなくなってしまいました)

関宿の練習の様子がわかる動画がありましたので、お時間がある時にご覧下さい。

https://youtu.be/x1-QSSWNz9E

 

9月末にネイションズがオランダのアッセンで開催され、色々あって僕のチームの大塚豪太が出場させてもらったのですが、戻ってきた大塚はとても落ち込んでいて、とても悩んでいました。真っ直ぐさえまともに走れず、何も無さそうに見えるレールも突然フロントが刺さってジャックナイフしたり、ムキになって低いギアで開けるとリヤタイヤが埋まっていってしまったり、今までに経験したことのないサンドコースで、1日の中で様々に変化するギャップやレールにどう走っていいかわからなくなってしまったと言っていました。

 

しかし、落ち込みつつもアッセンを経験してからの大塚は僕の経験談をより深く理解出来るようになったと感じました。そして、そんな大塚と話をしながらコースから学んだ日々を思い出し、今のライダーに足りない練習があることを再確認させられました。

 

富士スピードウェイも今はないコースですが、僕はこのコースから本当に多くのことを学び(気付き)ました。火山灰を多く含んだコースは、エンジンの良いところを使わないと下に掘るばかりでうまく前に進みませんでした。さらにその土は、走るたびに形を変え、大きなギャップやレールを作り出してライダーを苦しめましたが、これもフロントタイヤをどこに置くか、リヤタイヤをどこを通すか、そういうことを丁寧にやることで、極力減速させずに通過することができることを発見しました。

 

適切なギヤとアクセルワーク、ブレーキングも前後の割合で挙動が変わることなど、全てコース攻略を考えながら走った結果得た技術です。

 

固くフラットな路面は、走りやすく、初心者にはいいと思いますますが、より高度なライディング技術を学ぶのであれば柔らかい路面をお勧めします。

昔は全日本コースも特設コースが多かったので、柔らかいセクションも多く、ギャップやレールだらけになることも少なくありませんでした。それを攻略しなければ勝つことは出来なかったわけですから、今のベテランライダーが強いのはそういう巧さがあると思って見ています。

 

今は走ることが出来ないコースの話ばかりになってしまいましたが、今の日本でも出来ることはまだまだたくさんあります。今現在プロを目指しているライダーの中には、マシンコントロールの方法をよく知らないライダーがたくさんいます。そこを勉強した上で、どうやったらコースを速く走れるかを追求してほしいのです。きっとライン取りなど発想が変わって来ると思います。モトクロスはレース中、ベストラインが変わるものです。

全日本選手権を見ていて、僕がラインを変えたいと思う所にベテラン選手が入ってくることがよくあります。いつまでも同じラインを走らず、もっと良いラインを見つけたら変える、そういうことを早い段階でやっていくことが大切です。

そしてそれは普段から練習していないと、なかなか出来ません。普段から練習時に「チャレンジする→成功又は失敗→発見がある」を繰り返しておくことが大事です。

(そのうち「失敗」が少なくなっていきます。)

 

考え方としては、モトクロス以外でも同じことが言えると思います。

実戦を想定した練習が出来ているかどうか、です。

例えば、プレゼンや英会話でも同じことが言われていますよね。練習時に実演してみる、というようなことです。

 

言うのは簡単で、とても難しいことだとは思いますが、まずは一つずつやってみることで、その先が見えてくるものだと思っています。※モトクロス以外、僕にはとても難しく、プレゼンも英会話も出来ません。

ライダーの皆さん、一緒にレベルアップしていきましょう。

 

東福寺保雄

 

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「常にチャレンジャーであれ」

この言葉は誰にでも当てはまると思います。

今回の全日本選手権を終え、どのクラスでも「チャレンジした者」が讃えられ、「守りに入った者」は人々の記憶に残ることは出来ません。

 

スポーツ選手に限らず、この言葉は胸に置いておくべきです。

 

失敗(ミス)を恐れてチャレンジをしないのは、それこそが失敗です。

モトクロスレースで言うと、前走車のラインが良ければ試す(真似をする)という勇気があればレース展開も変わってきます。

 

長い間チームを持っていると、様々な選手に出会います。若い子が地方選手権でシリーズチャンピオンを獲ると、翌年は「チャンピオンとしての走り」を周囲から期待され、どうしていいかわからなくなることがあります。その時にアドバイスすることはより良いライディングについての工夫の話「土を知れ」ということと「常にチャレンジャーであれ」ということです。

 

もっと速く走るための工夫に頭を使い、集中することで「外野のヤジは気にするな」又は「驕るな」ということです。

チャレンジ→結果→分析

の繰り返しです。

 

僕は、初めてスーパークロスに出会った時に「もう日本のモトクロスは通用しない」と絶望感を味わいました。速く低く遠くに飛ぶことしか考えていなかった僕たちは、本当にダブルジャンプの飛び方を知らなかったのです。

とても悩みましたが、ダブルジャンプの飛び方を研究することにしました。

小さなコブを二つ作り、それを飛ぶことから始めました。アメリカの選手は簡単に大きなジャンプを飛ぶのに、僕はたった5〜6メートルのダブルジャンプが飛べなかったのです。何度も失敗しました。勢いで少し出来るようになったら、少し大きくして…そして、ようやく勢いではなく、マシンの使い方や身体の使い方が分かってきました。フープスもどうしたらバイクがどう動くのか、それがわかるようになりました。

色々とわかるようになった頃には結構歳をとってしまいましたが、お陰でモトクロスに対する探求心は尽きることがありませんでした。

 

今もマシンが変わっていく中で、このエンジン特性なら…とか、このサスペンションなら…と、僕なりのチャレンジを続けています。

シーズンオフに入った今は、どうやってライダーに伝えるか、来年のマシン作りの方向性など、考えていると時間はあっという間に過ぎていきます。

 

選手、チームスタッフ、モトクロスに関わる全ての方、それぞれが前向きに取り組んで(もちろん、すぐに結果に繋がるかどうかはわかりません)、世界に目標を置いてチャレンジしていけたら必ずたどり着くと思っています。

 

モトクロスに限らず、気持ちを強くブレずに持ち続けることは簡単なことではありませんが、みんなで一緒に取り組み、結果を分け合い、チャレンジを続けていきましょう。

 

東福寺保雄

 

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悔しさを忘れるな!

先週末、モトクロスオブネイションズがオランダのアッセンで開催され、オランダ国王が見守る中、オランダが優勝しました。

雨でコースコンディションがどんどん悪くなる中、安定した走りを見せた3選手を心から称賛します。

 

そして同日、スペインのイビサ島ではトライアルデナシオンが開催され、TEAM JAPANは2位を獲得しました。世界2位!です。素晴らしいですね(^^)

 

日本にいる僕はこの結果とTVから流れる「ラグビー快挙!」とか「バレーボール男子の活躍」だとか他のスポーツが世界と戦って善戦している情報を見ながら哀しみと虚しさを覚えました。

 

【いつからこのようになってしまったのか…?】

 

世界のモトクロスバイクメーカー4社がこの日本に集結しているというのに、ライダーが育たないということはどういうことなのか?

今回、日本は予選落ちをし、世界の壁を見せつけられました。

このままでいいのか?

 

MX2で走った大塚が「真っ直ぐ走ることも出来なかった」と話すので、色々とライディングについて話しました。

今までも同じことを言っていたけれども、僕のイメージと彼の思い描くイメージとでは少しズレがあったと思います。しかし、今回の経験を通して僕の言葉がまた違った意味を持って彼の頭にインプットされました。これからはそのイメージを具体化する為に練習を重ねていくことでしょう。

 

【悔しさをエネルギーに変えろ】

 

僕は現役時代、「悔しさ」をエネルギーに変えてきました。

僕を変えた最初のきっかけはちょうど今の大塚と同じ歳の頃、主任さんに言われた一言でした。お手伝いしてくれた方がミスをしてしまい、マシントラブルでDNSとなってしまったレースでの出来事でした。先輩が同じ市販車で優勝し、主任さんに「ライダーが良ければ市販車でも勝てるのになぁ!」と言われたのです。

この一言が僕に火を着け、そして、翌年チャンピオンを獲る原動力になりました。

 

その後も悔しさは全てモトクロスにぶつけてきました。

 

 

「悔しさ」は人間を成長させます。言葉は少し変わりますが「羨ましい」というのもエネルギーに変えることができます。大塚がどちらの感情に近いか?は改めて聞いてみないとわかりませんが、そのエネルギーを使って励んでほしいと思います。

 

ちなみに、何度も言いますが、僕は「悔しさ」の方がエネルギーになります。

今回のネイションズの結果に、虚しさを覚えましたが、日毎に悔しさも増しています。自分が現役ライダーではないので、何となく他人事なところがあったのですが、この湧いてきた「悔しさ」をエネルギーに変えて、育成に心血注がないといけないのではないか…できることからやる!

コツコツ頑張ります。

 

東福寺保雄

 

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