こんばんは。三日月

 

 

(一財)気象業務支援センターHPによりますと、第63回試験の申請者数は4,700名ということで前回とほぼ同じで今回も多くの方が試験に挑まれるようですね。当ブログ「てるてる風雲録」では、9月から前回の第62回試験を中心に過去の試験問題をご覧いただいている方と一緒に考えてまいりました。微力ながらではありますが、これまでの日々の受験勉強の支えとしてお役立ていただけたらなら、大変うれしく思います。改めまして感謝申し上げます。

 

さて、これから試験本番に臨むにあたり、僕の受験時代の経験も踏まえながら注意しておきたい点を述べてみたいと思います。

 

まず、学科試験につきましては、まずは問題文をよく読むこと、絶対に読み飛ばしをしないこと、そして自信のある問題から解いていくのが正攻法と思います。一般知識、専門知識とも解答時間は60分で、1問あたり4分しかないと考えると厳しいのですが、自信のある問題あればより短時間で解くことができますし、時間的にも心理的にも次第に余裕が生まれます。またその余裕ができた分、苦手な問題を解く時間に充てることができます。当たり前のことに感じられるかもしれませんが、これが重要で、特に「正しいもの」を選ぶのか、「誤っているもの」を選ぶのかといったところで焦って飛ばし読みしますと、勘違いして折角理解できていることなのに間違えて失点するともったいないですので、出題者の意図を汲むように問題文をよく読んで解答してください。また3問から5問ごとにマークのずれがないかもしっかり確認しましょう。

 

また、実技試験でも学科試験と同様ですが、出題者がどんな解答を求めているのか、解答に求められる要素は何か、それらを正しく把握するためには、しっかり問題文を読みましょう。また、解答の際、時制に注意が必要です。例えば、予想図から低気圧が発達するとわかる場合、「低気圧が発達した」としますと、予想に対して過去形で表現するのはおかしいことになります。「低気圧は発達する。」あるいは「低気圧は発達する予想である。」と表現しましょう。また、時系列図などの観測資料から、気温が下降し気圧が上昇したことがわかる場合、「気温が下降し、気圧が上昇した。」と表現しなければならないことになります。つまり、まだ起きていないことと、すでに起こったことを明確にして解答することが大切です。最近の文章で記述する問題におきましては、問題文で言及すべき点を盛り込むよう指示してくることが多いです。したがって、考えたことを自由に述べてよいというものではなく、記述式でありながら、概ね決まった解答となるように作成されていると考えています。邪推ですが、採点者による採点の公平性とスピードおよび簡素化を考えてのことと考えられます。

 

冒頭にも申しましたが9月から第62回試験の問題を中心に一緒に考えてきたわけですが、いかがでしたでしょうか?難問といわれる問題も存在しますが、過去問題の演習を重ねて来られた過程で、古い問題からの焼き直し、あるいは繰り返しで出題された問題が多くあったことにお気づきになられたのではないかと思います。

 

最後に個人的な話も含みますが、この2025年で阪神・淡路の震災を経験して30年経ちました。また僕の受験時代の2011年に東日本の震災もありました。自分の身近なところで、多くの命が失われた、多くの方々の夢や希望が失われた。幸い命が繋がった自分が悲しい現実を受け止めて、これからどう生きるか。まずは「目標をあきらめないこと」。もう一つは「目標に達したなら小さくてもいいのでそれを社会に還元すること」、この2つは震災以後かなり意識したように思います。その後何とか気象予報士になり、防災士になり、そしてこのブログを10年続けてきたことは、気象予報士としてまだまだですが、多少なりとも形になってきたのかなと思います。

 

これから受験されるあなたにとって気象予報士を志すその原点は何でしょうか。気象予報士となった暁にはどんな未来予想図をお持ちでしょうか。辛いときも、気持ちが折れそうになったときも、諦めそうになったときも、気持ちを奮い立たせてこの日のために頑張ってきたことをもう一度思い出しましょう。僕の受験時代は仕事の傍ら受験勉強という形でしたが、両立は大変でした。しかも受験してもなかなか結果も出ませんでした。でも「目標をあきらめないこと」で何とか第43回試験で合格することができました。僕は学生時代、勉強ができない生徒でしたし、スポーツも苦手なことばかりで取り柄なんかなかったです。でもここではこれまでの学力の良し悪しは関係ありません。この気象予報士試験の合格は、単に合格を果たしたこと以上に、自分自身の生きる上で礎となるものができてたいへん嬉しかったですし、それが大きな自信になりました。

 

 

さあ、今度はあなたが合格を勝ち取る番です。今、目の前にある問題で新しい自分の未来を切り開きましょう。

 

応援しています。FIGHT!!

 

2025.01.25 気象予報士第9329号 瀬戸 信行