日本のリベラル・左派の経済音痴は絶望水準 | Ternod Official blog

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哲学思想研究、文人画。 反緊縮行動(Anti-Austerity Action)〔生ー政治(Bio-politique)に抵抗する自律労働者(Autonomia Operaia)〕。 ブラック・ミュージックをこよなく愛す。レコード/CD店、古本屋、美術館などで出没することが多いです。

 

今年4月に予定されている日本銀行の総裁・副総裁の人事については、すでに黒田東彦総裁の続投に加え、副総裁には積極的なリフレ派で知られる若田部昌澄・早稲田大学教授、雨宮正佳・日銀理事の起用が発表されている。

すでに2013年に始まった日銀による量的緩和は、2014年には物価上昇率が2%を超え、景気回復を迎えると同時に、雇用が急増するとともに「売り手市場」ともなりましたが、同年の消費税8%引き上げと、公共事業の縮小により景気は後退し、2016年以降に持ち直してきてはいますが、2017年の物価上昇率は1%に満たない低い状態なのが実情です。

また2018年初頭からの日米同時株安など株価と為替の安定性が揺らぐ中では、いっそうの緩和政策を続け、デフレ脱却を確実に軌道に乗せることを最優先すべきだと思います。

その意味で、副総裁の権限は限定的とはいえ、若田部氏には黒田氏とともに活躍してもらいたいと思います。

 

今日のリフレ派が主張している金融政策は、ポール・クルーグマンやジョセフ・スティグリッツなど新ケインズ派のリベラル派経済学者が主張してきたことであり、ヨーロッパの反緊縮左派も主張しています。

上記の私の見方は、左翼が労働者人民の生活目線に立って主張すべきことであると思います。

 

さて、今日、このようなニュースを目にしました。

 

立憲民主 黒田東彦日銀総裁の再任に反対

 2018.3.8 19:25

http://www.sankei.com/politics/news/180308/plt1803080027-n1.html

 

立憲民主党は、日銀総裁・副総裁の人事同意について、黒田東彦総裁と若田部昌澄早大教授には反対し、雨宮正佳日銀理事については賛成するとのことです。

 

先日、立憲民主党はネオリベのデフレ政党と批判しましたが、この問題でも同様の立場を鮮明にするわけです。

 

立憲民主党は、党として量的緩和を否定する立場に立つわけですが、それでは立憲民主党の公約集に書かれた再分配政策は、財源はどうするのでしょうか? 量的緩和を否定するのですから、量的緩和に伴う国債の発行や紙幣の増刷などの緩和マネーは利用できません。 立憲民主党は、国債に頼らずに再分配政策を実行できるだけの財源を明らかにするべきです。

 

枝野幸男・立憲民主党代表は2017年12月、内需拡大を法人税増税で行うと言っています。

 

立憲・枝野代表インタビュー「政権交代目指す責任、内需拡大は法人増税で

2017年12月13日(水)11時07分 https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2017/12/post-9106.php

 

実は私も法人税は引き上げるべきとの立場ですが、枝野氏とは明確に考えが異なりますし、むしろ枝野氏の言う法人税引き上げは論外といわざるを得ません。

まず枝野氏の増税論に対する批判は、デフレ下での増税は景気後退効果が著しく、かえって税収が減少する可能性が高いということです。増税をするにはインフレ政策を行い、インフレ下での金融引き締め政策として課税することが必要になります。

だが立憲民主党は、インフレ政策である量的緩和を否定するのですから、枝野氏による法人税増税論は、デフレ下での増税論ということになります。

 

リーマンショック不況を引きずった最中に緊縮財政と増税策を行った菅直人政権と同じ失敗をやらかす危険性が高いといわざるを得ません。

経済音痴という他ありません。

 

同様の経済音痴は、社民党や共産党にもいえます。

社民党や共産党も、再分配政策の財源に富裕税、法人税引き上げ、金融所得課税の引き上げを掲げています。だが両党とも、量的緩和をインフレ政策として批判しています。

彼らによる財源論も、「デフレ下での増税論」にほかなりません。

 

そして、今後「反緊縮」については、以下の立場が問われて来ると思います。

私は最近、ウラジミール・レーニンの『なにをなすべきか?』と、福本和夫の論文「方向転換」はいかなる諸課程をとるか、われわれはいまそれのいかなる過程を過程しつつあるか」を読み、レーニンによる理論闘争の重要性と、福本和夫による「福本イズム」とも呼ばれる「分離・結合論」を評価しています。

 

そもそも、枝野代表自身は財政規律論者であるにも関わらず、現在の消費状況という口実で、実は「連合」の支援や有権者の動向を気にしてもいるのでしょうが、そうした戦術的な理由から「反緊縮」風に見せかけて擬態している、いわばモドキ・パチモン・フェイクにほかならないのであります。

そして労働者や人々の利害を代表する政党が、枝野代表自身が「保守政党」と自認するブルジョア・リベラリズムの党であり、同党所属の政治家には「政治改革」や「行財政改革」による財政規律を重視する新自由主義的な緊縮派が少なくないこと自体が、根本的な矛盾であるといわざるを得ません。

 

現在、反緊縮左派の少なくない人たちが今でも立憲民主党に期待しており、金融政策などでいくら裏切られても「いつか転換してくれる」との期待を捨てきれない状況にあります。

だが、立憲民主党への片思いを捨てきれない反緊縮左派の人たちに覚醒を促し、分離して結晶するための理論闘争が必要との結論を得ています。

 

そう、立憲民主党をはじめとする旧民進党系の野党に対しては、ことあるごとに批判を加え、クリスタリジーレンのための闘争を果敢に挑んで行くべきであると考えております。