加齢現象のためか、最近は余り写真を撮らなくなりました。
今年の1月末ころから飼いはじめたモンタ(モルモット♂)に
かまけているわけでもないのですが。
そのうち、モンタの写真でもアップしてみましょうか。(笑)
加齢現象のためか、最近は余り写真を撮らなくなりました。
今年の1月末ころから飼いはじめたモンタ(モルモット♂)に
かまけているわけでもないのですが。
そのうち、モンタの写真でもアップしてみましょうか。(笑)
小学生の低学年のころ、田舎の親戚に一泊で遊びに行ったときのことです。
暗くなってきたので走って帰ってきたのですが、親せきの家を目の前にしたとき
突然なにかを踏んづけたのです。
何かではなくて踏んづけた瞬間、気づきました。
薄っぺらのサンダルをはいていたので、それが何かはモロにわかります。
なんとそれは大きな青大将だったのです。
家の中に逃げ帰ったとき、冷や汗がタラタラと流れてきました。
本当に怖かった。
もしもあれが青大将ではなくて攻撃的なマムシだったら、
ただでは済まなかったことでしょう。
。
夕間暮れ、村の峠の坂道を疾走しながら下ってくる少年がいた。
顔は青ざめているのに、その額からは大粒の汗がたれ流れていた。
坂道は小山と小山の間を縫うように這っており、その山あいは段田となっている。
友達との遊びに夢中となり、帰宅予定の時間を大幅に超えていたのだ。
山の両サイドの斜面は竹林となっていて、山間を突き抜ける風は絶えずシューシューと悲鳴のような音をたてている。
そのうえ少年自身が走りながら立てる音が、まるでコダマのように共鳴して、何か得体のしれぬものに追われているかのような錯覚をもよおす。
日中なら5分もあれば走り抜けられるのに、その数倍もの時間がかかっているように思われた。坂道も途切れそうになったとき、前方に何か黒いものが道をふさいでいた。近づいてみるとそれは少年と同じ年頃の女の子のように見えた。
こんな時間にこんな所で何をしているのか。不審に思い、問いただそうとして顔を覗き込んだ。顔は無かった。ヘタヘタと座り込み少年は気を失った。
そんな少年に、顔のない少女は微笑みかけたようだった。それからどのくらいの時間が過ぎたのか。
息を吹き返した少年のそばにいたのは、口が耳元まで裂けた狼だった。少年は又しても気を失ってしまった。その後、村の捜索隊が少年を発見した時、少年は口から泡を吹いたまま、眠っていたという。
捜索隊は狼討伐隊となり山狩りを敢行したが、狼などどこにもいなかったと当時の村誌には記されている。
あれは息子のtamiと、久々に田舎へ帰省した時のことだった。tamiがセミとりをせがむので付き合うことにした。
実家の裏には小山がつらなり、昆虫採取には絶好のシチュエーションだ。
セミとりが終わり帰ろうとしたとき、私たちの前を蛇がするすると近づいてきた。見るとそれはサカオ(シマヘビ)で、昆虫採取の網の柄よりも長かった。いきなりtamiが網をかぶせたが、小学生の網にやすやすと捕らえられるような相手ではない。
何度か捕獲を試みていたが、相手はなんなくスルスルと逃げてしまった。それにしても、大きな蛇にひるむこともなく何度もアタックを繰り返すtamiは、さすが私の息子だけのことはあると感じた。
あの頃のtamiなら、もし蛇を捕まえることができていたら、私が子供のころ尻尾を持って振り回していたのと同じことをしたに違いない。
良次(仮名)には、結核を患っている兄がいた。
そのため、年少の子供たちは親から良次の家には近づかないように
注意を受けていた。
だが、どの子もほかのことは親の言いなりであっても、
その点だけは親の忠告を無視した。
彼は年少の子供たちに優しく接し、学校の成績も優秀だった。
そのうえメンコにビー玉それに凧揚げ、さらにはかけっこに格闘技、
なにをやっても群を抜いていた。
そんな英雄の良ちゃんを、町内の子供たちが慕わないわけがない。
しかしある日を境に良次の姿が消えた。噂によると病んでいた兄が亡くなり、
良次は親せきの家に引き取られていった。
その場所は僕たちの地域からは随分と離れていて、汽車で1時間はかかった。
町内の子供たちはみんな、良次に逢いたくてたまらなかった。
それぞれの親に懸命に頼み、旅費をもらって会いに行けることになった。
良次に次ぐ年長の正雄(仮名)をリーダーとした7~8名の一団は、
最寄りの駅に集合し良ちゃんのいる地域へ向かった。
良次がいる地域の駅に着くと、そこに良次の親戚の人が待っていた。
リーダーの正雄がその人に近づき、何やら話して戻ってきた。
正雄は私たちに良次とは会えないと言っただけで、
それ以上何も説明してくれなかった。
なぜ、なぜ会えないのか。子供たちの眼からは、いっせいに涙が溢れ出た。
このとき、良次だってみんなに会いたくてたまらなかったはずだ。
その想いに耐えた良次は、やっぱり私たちの英雄だったのだ。
その日、仲良しの澄夫と私は山腹の池を目指していた。何のために?
それは、甲羅が30センチを優に超える大亀を見るためだった。
真夏になると、決まって大亀は池の周りで甲羅干しをしているのだ。
二人が池に近づくとそこには先客がいた。それは年長の悪ガキどもだった。
彼らの手には綱(つな)が握られていた。
その綱の先には、首を縛られてずぶ濡れになった野良犬があえいでいた。
悪ガキたちは、その哀れな犬の頭を棒で押して何度も水中に沈めていたのだ。
すでに犬は、鳴き声もろくに出せないほど弱り果てていた。
それを見た二人は、大亀を見損なった悔しさで舌打ちをしてその場を離れた。
この時の二人に、犬に対する同情心などさらさらなかった。
彼らもまたそれまでに、猫や野良犬に石をぶつけるなどは日常茶飯事の年少の悪ガキであったから。
この頃のことを思い返すと、子供って本当に残酷な生きものだと思わざるを得ない。
灼熱の太陽が照り付ける真夏の昼下がり、仲良しの澄夫と国之は小川をさかのぼりながら小魚を追っていた。
あまりの暑さにたまらず、二人は土橋の下に避難した。
橋の下はヒンヤリとして心地よかった。ふと気づくと、交差して垂れ下がったロープからポタッポタッと水滴が落ちていた。
最近、雨も降っていないのになぜ?
近づいてよく見ると、それはロープなどではなく二匹の蛇の凄惨な死闘の姿だった。
青大将と小柄なヤマカガシが互いの腹に食らいつき、その裂け目から鮮血が吹きこぼれていたのだ。
それは、小学4年時の夏休み中のできごとだった。
昔々、大川の対岸に小さなお城がありました。
そのお城には、近隣で誰知らぬ者もない美しい姫様がいました。
その姫様はなぜか湯浴みの時に至ると、必ず下女たちを遠ざけました。
あるとき下女の一人が、一目、姫の湯浴み姿を見んものとコッソリ湯殿を覗きました。
そこに姫の姿はなく、樽風呂に何かが巻き付いていました。
よく見るとそれは首が大蛇に化した姫君だったのです。
下女はたちまち泡を吹いて気を失ってしまいました。
しばらくして下女は息を吹き返しました。
そのそばには、いつもと変わらぬ姫の姿がありました。
「ああ、あれは夢だったのか」そう思いながら、去り行く姫の後姿を見つめると、
着物の裾に何かが付いています。
目を凝らしてよく見ると、それは大蛇の尾ではありませんか。
そこで下女は再び気を失ってしまいました。
陽は西に傾き、峠道には横殴りの風が吹いていた。ふと気づけば、後ろから何かが追ってくる。
振り返ると、そこには犬がいた。いや、犬ではない。それは小さな狼だった。
男は小さな道連れに語りかけた。
「送ってくれてありがとうよ。この先、わしが死んだらこの体をやるからな」
狼は方向を変え姿を消した。
それから数年後、男がなくなり山上の墓に埋葬しようと峠道に差し掛かったとき、棺が突然軽くなった。
棺の中を見ると、既に男の遺体は消え失せていた。