灼熱の太陽が照り付ける真夏の昼下がり、仲良しの澄夫と国之は小川をさかのぼりながら小魚を追っていた。
あまりの暑さにたまらず、二人は土橋の下に避難した。
橋の下はヒンヤリとして心地よかった。ふと気づくと、交差して垂れ下がったロープからポタッポタッと水滴が落ちていた。
最近、雨も降っていないのになぜ?
近づいてよく見ると、それはロープなどではなく二匹の蛇の凄惨な死闘の姿だった。
青大将と小柄なヤマカガシが互いの腹に食らいつき、その裂け目から鮮血が吹きこぼれていたのだ。
それは、小学4年時の夏休み中のできごとだった。